|
ニュース
●欧州事情
●ポーランドでGMトウモロコシ「MON810」栽培禁止に
4月11日ポーランド政府は、モンサント社の殺虫性トウモロコシ「MON810」の栽培を禁止すると正式に発表した。3月15日、養蜂家とその支持者の抗議デモに対して、農業大臣マレク・サビッキーが、禁止に向けて手続きをすすめていると述べていた。
〔All About Feed 2012/4/11〕
●独BASF社が欧州で、新GMジャガイモを試験栽培
独BASF社は、新しく開発したウイルス抵抗性のGMジャガイモ「フォルトゥーナ(Fortuna)」とでんぷん用GMジャガイモ「モデナ(Modena)」の野外での試験栽培を、今年から行うと発表した。「フォルトゥーナ」は、糸状菌による葉枯れ病に抵抗力を持たせたもので、以前に試験栽培した、製紙用途や家畜飼料用の「アムフローラ(Amflora)」や「モデナ」と異なり、食品用としても申請している。試験栽培はドイツ、スウェーデン、オランダで行う予定。
〔BASF Plant Science 2012/4/5〕
●米国企業の精子の特許、欧州では無効の判断
5月3日欧州特許庁は、米国企業Inguranとその系列企業XY LLCが持つ、動物の精子細胞とそれを利用した産み分け等にかかわる欧州での特許(EP1257168)は無効であるとする決定を下した。この生命特許認可にあたっては、環境保護団体グリーンピースや欧州議会緑の党が強く反対してきたが、今回の決定は単なる技術的理由に基づくものだと説明されている。
〔No Patent on Seeds 2012/5/3〕
●英国でGM小麦試験栽培への抗議高まる
英国政府が、イングランド南東部ハートフォードシャー州にあるローザムステッド研究所圃場での2年にわたるGM小麦の野外栽培試験を認めたことが、大きな波紋を広げている。市民たちは、抗議活動「本物のパン・キャンペーン」をスタートした。またその一部は、連邦政府の環境・食糧・農村省のオフィスに巨大な4フィートのパイを運び入れた。そこには、「小麦を取り戻せ」と書かれていた。
〔Farmers Weekly 2012/4/12〕
●アフリカ事情
●アフリカ各国に広がるGM作物栽培
アフリカでは、GM作物大国化した南アフリカ、次いでエジプト、ブルキナファソの3カ国でGM作物が栽培されている。それに続き現在は、ガーナ、ケニヤ、マラウィ、マリ、ナイジェリア、タンザニア、ウガンダ、ジンバブエの国々で、GM作物の研究・開発・試験栽培が進行中である。
〔Mail & Guardian 2012/5/2〕
後続する国ケニヤのケニヤ農業研究所(KARI)は、5年以内に干ばつ耐性トウモロコシが商業栽培されるだろう、と発表した。このGM作物開発を強力に支援しているのが、ビル&メリンダ・ゲイツ財団で、同財団はこのトウモロコシ開発のために、数百万ドルを投資している。 〔The Independent 2012/5/2〕
●アジア事情
●フィリピンで5つのGM作物が商業栽培の見込み
フィリピン各地にある研究施設で、まもなく5つのGM作物(ゴールデンライス、Bt綿、Btナス、Btさつまいも、Btマニラ麻)が商業栽培される見込みであることが、マニラで開催されたバイオテクノロジー・セミナーでわかった。
〔The Philippine Star 2012/4/5〕
●Btナスの栽培禁止求め、フィリピン最高裁に提訴
フィリピンでBtナスの栽培実験が行われているが、4月17日、Btナスの危険性を指摘した報告書がグリーンピースによってまとめられた。報告書では、商業栽培された場合、生態系を脅かし、農家の経営や人間の健康に悪影響が出るとしている。
〔Minda News 2012/4/18〕
グリーンピースは4月26日、Btナスの栽培禁止を求め、最高裁に訴えた。彼らは、フィリピンには約500ものナスの近縁種があり、交雑や混入によってそれらの多様性が脅かされるという点を強く訴えている。 〔Sun Star 2012/4/26〕
これに対して国立科学技術アカデミー代表エミール・ザビエルは、訴えを却下するよう最高裁に求めた。彼は、科学者は農業バイオテクノロジーを支持すると述べた。 〔The Philippine Star 2012/5/1)
●オセアニア事情
●GMナタネの価格低迷に、モンサント社が差額を補填
GMナタネの価格が低迷し、競争力を失っていることから、栽培農家への金銭補償がなされた。これはオーストラリア小麦委員会が保証価格で買い上げ、モンサント社が差額を出すという形で進められたようである。
〔The Australian 2012/4/23〕
●ニュージーランドでGM松抜かれる
ニュージーランドで試験栽培中のGM松が引き抜かれた。この松は、オーストラリアやニュージーランド固有の品種、ラジアータマツを除草剤に耐性をもつよう組み換えたもので、昨年375本が植えられた。
〔The New Zealand Herald 2012/4/13〕
●ニュージーランドで、南ア産食品からGMO多量検出
ニュージーランドで、南アフリカから輸入した乳幼児用食品やグルテンフリーの食品から、GMトウモロコシやGM大豆が多量に検出された。これは南アフリカのGM作物栽培拡大が原因で起きたものと見られ、検出された食品は廃棄された。同様のケースはこれまでも起きており、そのまま食卓に出回るケースも多いと見られている。
〔Voxy 2012/4/10〕
|
|
|