■2001年11月号

今月の潮流
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バイオジャーナル




今月の潮流●狂牛病と深刻化する飼料問題

  狂牛病が起きた根本的な原因は、本来草食動物の牛に、肉骨粉を与えて成長を促進させたり、乳脂肪率を上げるなど、生産効率を優先してきたことにある。いまの畜産は、価格競争のために、家畜に過度の成長を強いたり、乳量の増加をはからずを得ない状態にある。ホルモン剤や抗生物質の投与も成長促進が主目的である。その結果、家畜に異常が増え、抗生物質耐性菌の増大を引き起こしている。
 動物性飼料(肉骨粉)の一時的な禁止措置が打ち出されたが、農水省は動物性飼料を重要視しており、この禁止措置も当面の間であっていずれ復活する。また、ヨーロッパでは、動物性飼料の使用が制限されたため、遺伝子組み換え飼料、とくに除草剤耐性ダイズが増え、新たな不安を増幅させている。一方、生産者・消費者の間では、遺伝子組み換え飼料追放の動きが活発化している。
 これら深刻化する飼料問題の解決のためには、畜産のあり方そのものを根本的に見直す必要があるだろう。