■2004年2月号

今月の潮流
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バイオジャーナル

今月の潮流●BSE発生国からの牛受精卵輸入解禁へ


 11月27日、食品安全委員会のプリオン専門調査会は、牛受精卵のBSE発生国からの輸入解禁を承認した。しかし、この間日本では、牛の肉骨粉を飼料に用いることを禁止した後に誕生した若い牛に、相次いでBSEが発生している。とくに2003年10月に確認された1歳11カ月の牛の場合、新型のBSEで、感染源など原因は不明である。
 英国でも、肉骨粉禁止後の96年10月以降に誕生した牛がBSEを発症し、拡大し始めている。これもまた原因が不明である。さらに、昨年末米国でもBSE牛が確認された。
 新型BSEの登場や、肉骨粉禁止後の感染牛の拡大など新たな段階に達したBSEについて、ケンブリッジ大学教授のマルコム・ファーガソン・スミスは「肉骨粉禁止後に生まれた牛の発症例は、遺伝的要因による可能性がある」とする仮説を提起している。受精卵輸入は、BSE拡大をもたらしかねない。〔ガーディアン 2003/12/9〕

 牛のトレーサビリティを義務づけた「牛の個体識別のための情報の管理及び伝達に関する特別措置法」が、今年4月から施行される。これは誕生以降の追跡管理を義務づけたもので、受精卵は対象になっていない。もし遺伝的要因がBSEの原因であるならば、原因を追跡する手段は得られない。