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ニュース
●北米事情
●米国でGMアルファルファが再び栽培規制へ
3月12日、モンサント社の除草剤耐性(RR)アルファルファの環境影響評価が正しく行われていないとして、米国カリフォルニア州北部地方裁判所によって栽培差止め命令が出されたのを受けて、農務省動植物検疫局は同アルファルファをふたたび栽培規制の対象とし、種子販売が停止された。環境影響評価が正しく行われたことが確認された後、規制は解除されるが、モンサント社への不信は高まっており、農務省のずさんな審査の実態も浮き彫りになった。 〔USDA 2007/3/23〕
●医薬品用GMイネ栽培への反発広がる
ベントリア・バイオサイエンス社が開発した医薬品生産用GMイネの試験栽培を米国農務省が許可したことに対して(前号参照)、米国内で波紋が広がっている。全米コメ連盟は、農務省動植物検疫局に対して、試験栽培の中止を求めた。さらには、栽培予定のカンザス州ジャンクション市でも反発の声が起き、賛否をめぐって議論が巻き起こっている。バイエル社が引き起こしたGMイネ汚染によって、GM作物が管理不能であり、経済的にもダメージを受けたことが大きく影響しているようだ。〔Lawrence Journal-World 2007/3/25〕
●南米事情
●モンサント社、チリでGM大豆栽培へ
モンサント社はアルゼンチンで開かれた農業展示会で、チリへのGM大豆進出を発表した。同社のチリ担当総括管理者のAlfredo Villasecaとチリ農業大臣のアルバロ・ロハスが共同で記者会見にのぞみ、2007年10月には5000ha栽培し、2010年には2万haに拡大すると述べた。現在チリにはGM作物の栽培を規制する法律や制度は何もない。 〔The Santiago Times 2007/4/4〕
●ブラジル次期農業大臣はバイテク企業社長か
ブラジルの次期農業大臣に、同国最大の大豆種子企業セメンテス・アドリアーナーのオデイリオ・バルビノッティ社長が有力視されている。GM大豆栽培で巨万の富を築き、バイオテクノロジー研究所を設立した人物で、同氏が就任するとブラジルのGM作物拡大に拍車がかかりそうだ。しかし同氏には黒い噂があり、書類偽造と消費者に対する詐欺行為で現在もなお、調査を受けているところである。 〔アメリカ大豆協会週報 2007/3/19〕
●欧州事情
●欧州議会が有機への0.9%GM混入容認案を否決
3月29日、欧州議会は、有機農産物へのGM作物混入の上限を0.9%までとする欧州委員会の提案を否決した。同案は、EUが2005年に有機農業の発展を目指した行動計画を採択したのをきっかけに提出され、EU農相理事会でも、多くの国が混入ゼロを求めたため同意が得られなかった。欧州議会は上限を検出限界に当たる0.1%にすべきだとしている。 〔GM Watch 2007/3/29〕
●オセアニア事情
●豪CSIROがGM作物に批判的な専門家を解雇
オーストラリアのCSIRO(豪州連邦科学産業研究機構)は、同国を代表する有機農業専門家Maaten Stapper博士を解雇した。博士はGM作物を批判してきたため、CSIROの管理者によって解雇されたが、法廷に訴えていた。訴えが棄却されたため、同機構から離れることになった。 〔The Canberra Times 2007/3/20〕
●GM汚染
●LLライス601GM汚染、米国内で拡大
バイエル・クロップサイエンス社が引き起こしたLLライス601によるGM汚染は、さらに広がりを見せている。種蒔きの時期を迎え、ルイジアナ州など米国南部で収穫される長粒種米もまた種子汚染していることが判明したからだ。農家の間では、汚染されていない種もみの争奪戦が起きているという。 〔ワシントン・ポスト 2007/3/11〕
●米国のGM汚染、今度の元凶はLLライス604
米国でBASF社の非GMイネのCL(クリアフィールド)131がGM汚染された件に関して、前号で伝えたが、汚染を引き起こしたGMイネは、当初想定していたバイエル・クロップサイエンス社のLLライス62、LLライス601ではなく、これまで登場したことがなかった同社のLLライス604であることが判明した。新たな品種によるGM汚染が発覚したことで、バイエル社にはGM作物の管理能力がないことが示されたといえる。
●NGO
●アジア市民コメ行動、GMイネ抗議行動で閉幕
日本を含むアジア13カ国以上の農民・消費者によって初めて取り組まれた「アジア市民コメ行動週間」の最終イベントが、フィリピンとインドで行われた。行動週間では、共通のテーマとしてGMイネ反対を掲げ、メイン会場のフィリピンには、タイやインドネシアなど8カ国の農民・消費者が集まった。4月3日、IRRI(国際イネ研究所)、フィリピン・イネ研究所、同国農業省での抗議行動後、フィリピン大学で集会が開催された。
●GM樹木
●GMポプラの野外栽培試験承認
3月26日、農水省と環境省は、独立行政法人・林木育種センターが申請していた、GMポプラの野外での栽培試験を正式に承認した。ポプラは、落葉広葉樹で樹高が20m以上になる。このGMポプラは、コウジカビ由来の遺伝子を導入してセルロース含有量を増やした。これまでの試験でセルロース含量が約10%増加、比重も約16%増加したという。セルロースを多く含むことで二酸化炭素の固定化促進に役立つとしている。実験では、高さ8mのフェンスに囲まれた隔離圃場にGMポプラを100本、非GMポプラを50本植える予定。
●GM花卉
●サントリーがリン高畜積トレニアを開発
サントリー先進コア技術研究所(大阪府三島郡)が、リンの取り込みを増やしたGMトレニアを開発した。トレニアにはもともとリンを蓄積する能力があるが、GM技術を用いて、従来品種に比べて3〜6倍蓄積する能力を高めた。河川や湖沼の富栄養化対策に用いることができる、と同社は述べている。 〔サントリー〕
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