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ニュース
●省庁動向
●花粉症緩和米は「医薬品」で決着
食品か医薬品か、で長い間論争が続いていた「花粉症緩和米」について、厚労省が今年初め、最終的に医薬品として判断したことから、農水省も食品としての開発を断念した。
このイネについては農業生物資源研究所が食品としての開発を前提に、人間を用いた実験を予定していたが、これを断念、交付されていた約5000万円を国庫に返納した。今後は医薬品としての開発に切り替えていくことになる。 〔読売新聞 2007/3/31〕
●北陸研究センターのGMイネ試験終了
独立行政法人・北陸研究センターが試験栽培を行ってきた「複合耐病性イネ」は、昨年で試験を終了、今年は栽培しないことが明らかになった。目立った成果が上がらなかったことに加えて、差し止め請求や、その後の損害賠償請求の裁判によってイメージが悪化したことが原因と推定される。
●クローン
●韓国、クローンオオカミも捏造か
韓国ソウル大学の李柄千教授らのチームが発表した、チョウセンオオカミのクローン成功の論文に捏造の疑いが出てきた。この研究には、ES細胞研究で捏造が明らかになった黄禹錫ソウル大元教授も参加している。ソウル大学は、4月9日、調査を開始した。 〔共同 2007/4/9〕
●クローン家畜食品で米専門家グループが意見
米国民間機関の食品安全センターは、まもなく承認が予定されしている体細胞クローンについて報告書を発表し、政府は産業的利益を優先し、健康へのリスクを軽視していると述べた。そしてFDA(食品医薬品局)は、クローン動物に異常が多い現状を、もっと積極的に追及していくべきだと指摘した。 〔The New Standard 2007/3/22〕
●遺伝子検査
●北里大学で遺伝子検査を考えるシンポジウム開催
3月17日、北里大学白金キャンパスにおいて「遺伝子検査が街にやってきた─医療とビジネスのはざまで─」と題したシンポジウムが開催された。主催は、文科省の「遺伝子診断の脱医療・市場化が来す倫理社会的課題」研究班。主任研究者は同大学助教授の高田史男が務める。
シンポジウムでは、30万人規模の遺伝子バンクを構築中の東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター長の中村祐輔らの講演が行われた。ヒトゲノム解析研究の進行に伴い、事実上何の歯止めもないまま医療・健康サービス産業に遺伝子検査が拡がっている現状が明らかにさ
れた。
●生殖医療
●日本学術会議、生殖補助医療を法律面から議論
3月28日、日本学術会議「生殖補助医療の在り方検討委員会」の会合が開かれた。この日は、上智大学法学部講師の西希代子による現行法のヒアリングが行われた。現在の民法では、必ずしも法律上の親と遺伝的親は一致せず、様々な定めによって親子関係を決定している。こ
のことを踏まえ、これまで法律が想定していなかった代理出産などの生殖技術をどう捉え、法整備をするのか否かなどが議論された。西は、統一基準を立てにくい、生殖補助医療には国境がないなどの理由から、生殖技術で生まれた子どもの親子関係を法で定めることは困難との考えを示した。
●ES細胞
●国内初のヒトES細胞樹立計画が一部変更に
4月3日に開かれた文科省の専門委員会において、京都大学再生医科学研究所が申請していたヒトES細胞樹立計画の一部変更が承認された。計画責任者は所長の中辻憲夫。樹立計画とは、ヒト胚をこわして新たにヒトES細胞株を作り出す研究のことである。京都大学の樹立計画が専門委員会で承認されたのは2002年3月27日で、慶應大学附属病院から提供を受けたヒト胚を用いて、これまでにすでに3株のヒトES細胞を樹立している。今回の計画変更は、この3株に加えてさらに10株程度の樹立を目指し、ヒト胚の提供医療機関として民間の広島HARTクリニックを追加しようというのである。
同クリニックには現在、不妊治療で使われなかった約230ものヒト胚が凍結保存されており、この中からインフォームドコンセントが得られたものを用いるという。専門委員会の審議では、京都大学が提供を依頼した当初広島HARTクリニックに倫理委員会がなかった点が問題視された。京都大学大学院教授の位田隆一は、「指針では提供機関は倫理委員会があるところと定められている。余剰胚がたくさんあるところならどこでもいいのか」と厳しく批判した。しかし、依頼があった後に倫理委員会が立ち上げられ、議論が行われたことなどを理由に、京都大学の計画変更は承認された。
●バイオ燃料
●バイオ燃料需要を睨むモンサントとBASF
3月21日、米モンサント社と独BASF社は、バイオ燃料用の需要増加を見込んで、15億ドルを投じて、高収量や環境ストレス抵抗性をもつGM作物を開発すると発表した。10年以内の実用化を睨んでおり、対象作物はトウモロコシ、大豆、綿、ナタネである。〔日経バイオテク 2007/4/9〕
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