■2008年1月号

今月の潮流
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バイオジャーナル

ニュース


●GM汚染
●またも米国産、中国産米にGMイネ混入

 中国で販売されている米国産米から、独バイエル・クロップサイエンス社の未承認GMイネ「LLライス601」が検出された。この検査結果を公表したのはグリーンピース中国で、8、9月にスーパーマーケットで10種類の米国産米を購入し分析を依頼したところ、その内の1つから検出された。調査を行ったグリーンピース中国によると、中国は米国産米の輸入を認めていないため、密輸されたものだそうである。 〔ロイター 2007/11/20〕
 またスウェーデンの国家食品管理局は、中国から輸入されたヌードルの中に、殺虫性イネ「Bt63」が見つかったと発表した。このGMイネは、中国内で非合法に栽培されたものである。両件によって、いったん栽培されると食品への混入が長期間続くことが示されたといえる。 〔GM Watch 2007/11/20〕
●分子農業
●米国で不安が広がる医薬品生産GMイネの収穫

 米国中部カンザス州で、ベントリア・バイオサイエンス社が開発した医薬品生産用イネが初めて収穫された。母乳がもつ2つの抗菌タンパク質(ラクトフェリンとリゾチーム)を作り出す遺伝子を導入したイネで、200エーカー(約81ha)栽培された。稲作農家の間では、LLライス601汚染の二の舞いになることを恐れ、不安が広がっている。 〔GM Watch 2007/11/20〕
●アジア事情
●フィリピン政府がGM作物栽培に補助金

 フィリピン・ミンダナオ島の有機農家が、政府が殺虫性トウモロコシ栽培農家に補助金を出すことに対して強く抗議した。同国では、自由化に伴って農村の経済状態が悪化し、有機農業に活路を見いだす人たちが増えている。その有機農業にダメージを与え、多国籍企業に利益をもたらすだけだというのが、その理由である。〔Philippine Daily Inquirer 2007/11/22〕

●タイのGMパパイヤの野外試験延期

 タイ政府は12月4日、GM作物の野外試験を認めるか否かに関する結論を先延ばしした。その結果、GMパパイヤの野外試験は延期されることになった。今後、この問題は軍事政権から再び民政に戻った後、議論される。〔The Bangkok Post 2007/12/5〕
●欧州事情
●独農相がEUのGM作物承認システムに異議

 ドイツのホルスト・ゼーフォーファー農相が、現在のEUのGM作物承認手続きに異議を唱えた。現在EUでは、行政機関の欧州委員会が提案し、閣僚理事会にかけられるが、理事会で承認・不承認の判断が得られなかった場合、最終的に欧州委員会が決定する仕組みになっている。これまで閣僚理事会で承認されたケースはなく、すべて欧州委員会で承認されてきた。 〔Forbes 2007/11/26〕

●フランス大規模農家団体がGM種子不買呼びかけ

 フランスの大規模農家の団体FNSEAは、12月4日、同国でGM作物栽培規制法が制定されるまで、GM種子を購入しないよう農家に伝えた。これはサルコジ大統領が法的規制を行うと述べたのを受けたもので、これによって来年のフランスでのGMトウモロコシ作付けは難しくなった。 〔ロイター 2007/12/5〕

●ポーランドのGMO規制法、EU規則違反で罰金

 EUの行政機関である欧州委員会は、ポーランドがGM作物の輸入を禁止していることに関して、罰金を科すとした。これは同国のGMO 規制法がEU規則に違反しているためで、猶予期間はわずか20日。1日当たり最高で26万ユーロ(約4160万円)の罰金を科すとしている。〔Warsaw Business Journal 2007/12/3〕