■2008年5月号

今月の潮流
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バイオジャーナル

今月の潮流●体細胞クローン家畜食品、食品安全委員会に諮問


 4月3日、厚労省は体細胞クローン家畜食品の安全性に関して食品安全委員会に諮問した。担当は新開発食品専門調査会。これまでの例から考えて「問題ない」という答申が出され、流通・販売が承認されるのは時間の問題となった。
 諮問の内容は、A4判の紙1枚に経緯が述べられているだけの、実に簡単なものだった。そこでは予想した通り、過去に行われた厚労省と農水省の安全性評価の試験が示され、体細胞クローン牛に関して「従来の技術により産出された牛にはない特有の要因によって食品の安全性が損なわれることは考えがたい」「一般牛の生産物との間に生物学的有意差は認められない」という見解が述べられていた。
 さらには1月に米国FDA(食品医薬品局)とEFSA(欧州食品安全庁)が相次いで出した、クローン家畜由来食品は安全だとする評価結果を踏まえて「安全性に関する知見が集積された」旨が記されているが、体細胞クローン牛には異常が多いなどの問題点については一切触れられていなかった。