■2009年1月号

今月の潮流
News
News2
今月のできごと


今号の目次へ戻る
ジャーナル目次へ戻る





























バイオジャーナル

ニュース


●欧州事情
●ポーランドがGM作物栽培規制継続

 ポーランドでは2007年に320ha、2008年には3000haのGMトウモロコシ栽培が行われているが、政府はGM作物栽培を禁止しており、一部の農家がかってに栽培した違法行為である。政府は今後もGM作物栽培を認めないが、開発は容認する方針を打ち出した。しかし、試験栽培を含め環境への放出に対しては厳しく規制していくことになりそうだ。〔Polskie Radio 2008/11/18〕

●北米事情
●種子生産地でのGM栽培に法的手段で対抗へ

 GMテンサイ作付けに反対している米国オレゴン州の有機農家が、栽培差し止めの法的手段を検討している。同州にはテンサイ栽培農家が多いにもかかわらず、種子生産地のウィラメット・バレーでGMテンサイの作付けが進められようとしている。種子生産地だけに、州内中に種子汚染が広がる可能性が指摘されている。〔Insurance Journal 2008/11/3〕

●次期米国農務長官はモンサント社人脈から

 オバマ次期大統領による閣僚人事が進んでいるが、モンサント社の「友人」の、前アイオワ州知事トム・ヴィルサックの農務長官就任が確実となった。米国最大のバイテク団体であるバイオテクノロジー産業協会は、バイテク振興に最も貢献した知事として、同前知事の名前をあげている。 〔Organic Consumers Association 2008/11/12〕

●承認目前のGM動物食品をめぐり、米国で熱い議論

 米国でGM動物食品の承認をめぐって、「それは科学的な前進か、危険な実験か」熱い議論が戦わされている。現在、市場一番乗りを目指しているのが、成長が早い鮭である。マサチューセッツ州ウォルサムに本拠を置くアクア・バウンティ・テクノロジーズ社が開発したGM鮭は、通常の鮭が4.5年かけてなる大きさに、1年で到達するという。FDA(米国食品医薬品局)が現在パブリック・コメントを求めているGM動物食品の安全性評価指針が確定すると、この巨大鮭が食品表示なしで市場に出回ることになる。 〔WBZ TV 2008/10/28〕
 また、消費者を対象に行った調査では、約70%がクローン動物を禁止すべきであり、約60%がクローン家畜やGM家畜から得られる肉や乳製品に対して強い懸念を持っていることがわかった。〔Market Watch 2008/11/12〕

●米国でバイオ燃料用トウモロコシ承認へ

 米国農務省は、シンジェンタ社のバイオ燃料用GMトウモロコシへのパブリック・コメントを求めており、まもなく承認の運びとなる。これは日本でも栃木県にある畜産草地研究所で栽培試験が行われた、ベータ・アミラーゼ遺伝子導入トウモロコシと推測され、バイオ燃料の生産効率アップにつながると考えられている。〔ロイター 2008/11/24〕

●フロリダ州でGMパパイヤ商業栽培への反対強まる

 米国フロリダ州で、GMパパイヤに反対する運動が強まっている。米国農務省が、同州でのGMパパイヤの商業栽培を認可しようとしているため、科学者、企業、農家、養蜂家などが一斉に反発した。反対運動は現在、すべてのGM樹木の禁止を求めている世界の137団体と共同で取り組まれている。〔Global Justice Ecology Project 2008/11/20〕

●米国科学者団体、医薬品生産用GM作物の栽培禁止求める

 米国の民間科学者団体「憂慮する科学者同盟」が、医薬品生産用GM作物の野外での栽培禁止を求めた。これは農務省動植物衛生検査部が環境政策法にもとづく規制の中身を決めるために行った、医薬品生産用GM作物の環境影響評価に関するパブリック・コメントへ意見提出したもの。 〔Union of Concerned Scientists 2008/11/14〕

へ●ハワイ島、今度はハワイ郡議会でGMタロイモとGMコーヒー豆の栽培禁止措置可決

 ハワイ島ハワイ郡議会が全会一致で可決した、GMタロイモとGMコーヒー豆の栽培禁止措置を、ハリー・キム郡長が拒否した。11月13日、その拒否権行使を覆すために開かれた議会において、7対0の全会一致で禁止措置は復活し、正式にGMタロイモとGMコーヒー豆の栽培が禁止になった。 〔The Honolulu Advertiser 2008/11/14〕