■2009年7月号

今月の潮流
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今月のできごと


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バイオジャーナル

ニュース


●GMOフリー
●カナダ・ロスランド町がGMOフリーを宣言

 5月11日、カナダ・ブリティッシュコロンビア州ロスランド町がGMOフリーを宣言した。米国に続きカナダでもGMOフリー自治体が増加している。〔Trail Rossland News 2009/5/19〕

●マサチューセッツ州の町がGM栽培禁止条例を採択

 米国マサチューセッツ州Aquinnah町議会は、GM作物栽培禁止条例を満場一致で採択した。また、連邦政府に対して、すべてのGM食品表示を行うことを求める決議も賛成多数で採択された。〔Vineyard Gazete 2009/5/15〕

●ネブラスカ州議会でGMOフリー無効法案可決

 米国ネブラスカ州議会で、GMOフリーゾーンを認めない法案が可決成立した。カリフォルニア州やニューイングランド州で多くの自治体がGMOフリー自治体を宣言していることから、同州に波及するのをおそれてのこと。5月6日の施行より、ネブラスカ州では自治体がGMOフリーを宣言しても、それを覆すことができるようになった。 〔Lincoln Journal Star 2009/5/6〕

●タスマニア州がGMOフリーを5年継続

 5月20日、オーストラリア・タスマニア州はGM作物栽培禁止法を可決した。これによりGM作物栽培禁止法は、さらに5年間継続されることになった。州の第一次産業・水大臣のデヴィッド・レウェリンは、タスマニア州にとってGMOフリーこそが、第一のブランドである、と述べた。 〔Tasmanian Government 2009/5/20〕

●ギリシャがGMOフリー政策2年延長

 5月27日、ギリシャ農業大臣は、GMOフリー政策を2年間延長すると発表した。ギリシャは2005年4月以来、GM作物栽培を禁止してきたが、その政策が続くことになる。農相によると、継続の最大の理由はGM作物が養蜂産業を脅かすからで、同国はヨーロッパ全体の約16%の蜂蜜を生産している。 〔AP 2009/5/27〕
●GM樹木
●ベルギーでGM樹木野外栽培

 5月6日、ベルギーのフランダース・バイオテクノロジー研究所はGMポプラを植えた。このGM樹木は、リグニンの含有量を変更しており、バイオ燃料用と思われる。樹木は長い年月、花粉を飛散し続けるため、環境へのリスクが大きいと、環境保護団体は批判している。〔Global Forest Coalition 2009/5/12〕
●企業動向
●デュポン社がモンサント社の手法を批判

 米デュポン社は、除草剤ラウンドアップ耐性雑草に苦しむ農家が他の技術を取り入れようとしても、モンサント社が妨害しているとして、同社の対応を批判した。米デュポン社副社長は、モンサント社は独占を守るために農家、種子企業、競合企業を訴えるなど、強圧的な方法を用いてきた、と述べた。 〔Soyatech 2009/5/19〕
●クローン
●体細胞クローン家畜食品、審議やり直し

 5月27日、体細胞クローン家畜食品について、食品安全委員会は審議をやり直すことになった。去る3月12日、体細胞クローン家畜食品は異常は多いものの、生後200日以上過ぎた場合と、子や孫に関しては安全だと評価し、パブリック・コメントを求めていた。通常、パブリック・コメントを経て厚労省に答申するが、今回は、寄せられた意見172件のうち、安全評価への批判が8割近くに達し、再度、新開発食品専門調査会で審議されることになった。食品安全委員会の再審議は初めてである。6月8日、その再審議が行われたが、評価は変更しないとする最終決定が下された。 〔産経新聞 2009/5/27ほか〕
●GM食品表示
●ウクライナが新GM食品表示制度

 5月13日、ウクライナ政府は7月1日から、GM原材料が0.1%以上含まれる食品に対して表示を義務づけることを決めた。この基準はEUの0.9%より厳しいものである。 〔The Financial Ukraine 2009/5/22〕
●ES細胞
●文科省、ヒトES細胞指針の改定案を諮問

 5月29日、「ヒトES細胞の樹立及び使用に関する指針」の見直し作業を進めていた文科省が、具体的な改定案を固めて総合科学技術会議に諮問した。これまで1本だった指針を使用と樹立で2本に分けるなど構成も大きく変わるが、この改定の最大の焦点は使用計画に対する二重審査の撤廃である。改定案では、すでにあるES細胞を加工して行う使用計画については、自前の機関内倫理委員会の審査を通れば、あとは国に届け出だけすればいいことになる。さらに、使用計画の審査に関しては、機関内に倫理委員会を持っていなくても、審査を外部委託することまで認めている。新たにヒトES細胞を作りだす樹立計画に対する二重審査は残るものの、今回の改定は大幅な規制緩和といえる。


●GMO承認情報
表1 GM作物野外栽培承認(第1種使用規定)一覧

生物多様性影響評価検討会総合検討会
作物 性質 申請(開発者) 名称 認可日*
カーネーション 青紫色及び除草剤クロロスルフロン耐性 サントリー(株) 19907, OECDUI:IFD19907-9 2009年6月11日
ダイズ 除草剤アリルオキシアカノエート系及びグルホシネート耐性 ダウ・ケミカル日本(株) DAS68416,OECDUI: DAS-68416-4 2009年6月11日

*正式にはパブリックコメントの後に認可される。