■2009年8月号

今月の潮流
News
News2
今月のできごと


今号の目次へ戻る
ジャーナル目次へ戻る

























バイオジャーナル

今月の潮流●遺伝子組み換え樹木の栽培計画相次ぐ


 
 GM作物、GM動物に続いて、今度はGM樹木が世界的に広がろうとしている。最初に大規模な栽培をしたのは中国で、GMポプラが植えられた。日本でも茨城県日立市でGMポプラの野外実験が行われている。
 今回大規模な栽培計画を明らかにしたのは米国とロシアで、米国では134haに26万本のGMユーカリの栽培が申請された。この耐冷性ユーカリを申請したのはArborGen社で、テキサス、ルイジアナ、ミシシッピー、アラバマ、ジョージア、フロリダ、サウスカロライナの7州29地点で栽培する計画である。〔Toward Freedom 2009/6/25〕

 ロシアでは、成長が早いGM樹木の野外栽培を計画している。ポプラと樺合わせて30万本をサンクトペテルブルグ市とニジニノヴゴロド市(旧ゴーリキー市)近郊に植える予定で、現在は温室内で育てられている。開発したロシア科学アカデミー生化学研究所の研究者によると、このGM樹木は、成長が早いだけでなく、パルプが堅く強固になるよう組み換えられているという。 〔MosNews 2009/6/17〕

 アフリカ開発銀行から要請を受け、日本政府が承諾し、筑波大が開発した乾燥や塩分に抵抗力をもつユーカリが、アフリカで植林されることになった。〔毎日新聞茨城版 2009/6/16〕

 一方、ドイツ・ザクセン州では、ドレスデン市ピルニッツにある園芸・果樹育成研究所が所有するリンゴの木270本が何者かによって引き抜かれた。温室内のGM樹木が引き抜かれたのは初めてである。〔Farming 2009/6/6〕