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ニュース
●中南米事情
●GM大豆拡大によるパラグアイ農業の変質
パラグアイの、地域社会の研究機関BASE-IS調査研究所が行った調査によると、大豆畑の大半がGM大豆になったことで、小規模農家が追放・淘汰されたことがわかった。また、大地がラウンドアップの散布によって農薬づけの状態になり、作物や家畜、住民の健康被害が懸
念される、と指摘している。〔Inter Press Service News Agency 2009/7/1〕
●Bt綿、コロンビアでも収量減
このところBt綿の収量減が問題になっているが、Bt綿を栽培しているコロンビアの農家が、大幅な収量減に直面し、モンサント社を訴えることが明らかになった。農家は、GM綿に切り替えて収量が13%も減少し、700万ドルの損害が生じている。
〔Colombian Reports 2009/6/10〕
●プエルトリコが新たなGM作物実験場に
これまで世界のGM作物の実験場はハワイだったが、このところ反対運動が強まってきたこともあり、新たにプエルトリコが狙われ始めた。米国の自治領で、大規模な栽培試験と最大年4回の収穫が可能であることが、バイテク企業を引きつけている。
〔Counter Punch 2009/6/23〕
●オセアニア事情
●ニュージーランドでGM動物開発停止の判決
ニュージーランドのウェリントン高裁は、1996年に施行した有害物質と新規有機体に関する法律に基づき、アグリサーチ社が進めてきたGM動物の開発停止を求めた。これ以上のGM動物の応用試験は認められないというもの。訴訟を起こした環境保護団体は、画期的な判決だと評価している。
〔The New Zealand Herald 2009/6/8〕
●西豪州農相が、GMナタネは日豪貿易に影響ないと釈明
西オーストラリア州東京事務所のクレイグ・ピーコックが、州政府の貿易相マーク・マクゴワンにあてたメールに、GMナタネ栽培が日本との貿易にダメージを与える、と書かれていたことが明らかになった。これに対して同州政府農相テリー・レッドマンは、GMナタネは日
本との貿易を脅かすものではない、と釈明した。〔Western Australia Today 2009/6/7〕
●アフリカ事情
●ケニアでまもなくGMトウモロコシの試験栽培
ケニア農業研究所は、米国ビル・ゲイツ財団の資金提供を受けて、旱魃耐性トウモロコシの試験栽培を始める。試験栽培は、ケニアの規制当局である国家バイオセーフティ委員会によって承認される予定である。この試験栽培はまた、有効な旱魃耐性遺伝子や作物の系統を調査するなど、モンサント社の今後の研究に役立てられる。〔Dairy
Nation 2009/6/17〕
●ササゲ生産トップシェアのナイジェリアで、GM品種の試験栽培開始
ナイジェリア政府が、殺虫性ササゲの第一段階の試験栽培を承認した。このGMササゲの試験栽培はこれから8〜12年続くと見られている。現在同国は、世界のササゲ収量の半分以上、210万トンを生産しているが、さらに増やすのが目的だとしている。
〔Daily Trust 2009/6/10〕
●GMOフリー
●GMOフリー権を求めて、欧州委員会に要請
EU加盟各国では、拡大するGMOフリーゾーンと、欧州委員会が承認しているGM作物の栽培をめぐって、ことごとく対立が生まれている。このほどその問題を解決するため、加盟11ケ国が共同で、GMOフリーゾーンを創設する権利を求める提案を、ルクセンブルクで開催さ
れる環境理事会に提出した。 〔ロイター 2009/6/21〕
オーストリア政府はこれとは別に、EU規則の中にGM作物を拒否できる「選択的離脱条項」を取り入れ、州や市町村などの地域がGMOフリー宣言することを容認するよう求めている。 〔EurActiv 2009/6/25〕
●ウェールズで厳しいGMOフリー法案議会提出
英国ウェールズ議会に、GMOフリーゾーンを認めると同時に国立公園でのGM作物栽培を禁止するなど、厳しいGM作物栽培規制を盛り込んだ法案が提出された。提案した議会事務局によると、この法案は、GMO汚染を防ぎ、有機農家を守るのが目的で、汚染を起こした場合、GM作物栽培農家に賠償責任を課すことになっている。
〔Farmers Weekly 2009/6/30〕
●遺伝子治療
●遺伝子治療、九大病院で血液異常が発生
6月30日、厚労省の科学技術部会が開かれ、遺伝子治療実施計画1件が新たに承認された。食道がんに対する三重大学医学部付属病院の計画で、遺伝子導入のためのベクター(運び屋)にはレトロウイルスが用いられる。これで遺伝子治療の承認件数は25となる。
また、九州大学病院から提出された重大事態等報告書も公表された。2006年1月から同病院において、閉塞性動脈硬化症などの患者に対して線維芽細胞増殖因子(FGF-2)を組み込んだセンダイウイルスベクターを筋肉注射し、血管を新たに作りだそうという遺伝子治療が実施されている。しかし、2007年5月に投与した68歳の男性患者が、2009年1月になって血液異常の「骨髄異形成症候群」を発症。根治療法はなく、現時点では経過を観察中である。明確な治療効果が上がらないにもかかわらず、ベクターの安全性確認を主な目的として末期患者に対し、人体実験として続けられてきた遺伝子治療。とくにこのセンダイウイルスは国産ベクターとして注目されている。報告書では、遺伝子治療と血液異常との「因果関係は必ずしも否定できない」ものの、最終的には「本症例に偶発的に発生した疾患」との結論を出し、計画の続行には問題ないとしている。
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