Chick Tack 英語5文型  >  ある英語学習者の英文解釈日記  >  カルミデスindex2  >  カルミデス051

may well 原形不定詞

英文

Do you imagine, Charmides, that the author of this definition of temperance did not understand the meaning of his own words, because you do not understand them?

Why, at his age, I said, most excellent Critias, he can hardly be expected to understand; but you, who are older, and have studied, may well be assumed to know the meaning of them; and therefore, if you agree with him, and accept his definition of temperance, I would much rather argue with you than with him about the truth or falsehood of the definition.

翻訳作業

Do you imagine, Charmides, that the author of this definition of temperance did not understand the meaning of his own words, because you do not understand them?

呼びかけの Charmides を除いて考える。imagine の〔目的語〕は、that以降全部。「that以降を想像できますか」が骨組み。
imagine には、「…を想像する」の他に、「…を思い違いをする」「…と思う」という意味を表すことができる。どれも〔that節〕を〔目的語〕とできる。発言したクリティアスには「思い違い」を責める気持ちが入っているのだろうが、ここは無難に「思う」を使う。
that節の〔主語〕は、the author of this definition of temperance。“A of B of C”のような形は、「CのBのA」と意味を取ってみる。まず最初に考えるべきことであろう。「節制のこの定義の著者」。便宜上「著者」とするが、「この定義を考えついた者」がより本当に近いであろう。
〔because節〕の them は、〔複数形〕なので、this definition でも the meaning でもなくて、his own words を指している。ただ、日本語にするときは、3つのどの語に当てても違いはないと思う。
「カルミデス、君がこの言葉を理解していないからといって、この定義の作者が、自分自身の言葉を理解していないと思っているのかい?」

Why, at his age, I said, most excellent Critias, he can hardly be expected to understand;

後ろに〔疑問符〕がないので、Why は〔疑問詞〕ではない。〔間投詞〕。〔まあ」「おや」「あら」「なんだって?」「そうね」「えーと」。
I said と呼びかけの most excellent Critias は、除外して文を見ると、At his age he can hardly be expected to understand.
hardly は、「ほとんど〜ない」「とても〜(でき)ない」。〔準否定語〕。
「おやおや、最も優れたクリティアスよ。彼の年齢では、理解することを期待される可能性はほとんどない」

but you, who are older, and have studied, may well be assumed to know the meaning of them;

“may well 原形不定詞”は、「原形不定詞しても充分によろしい」→「原形不定詞するのももっともだ」「原形不定詞するのも当然だ」
“S assume O to不定詞”で、「SはOがto不定詞すると思っている」と使っているのだろう。参照した三冊の日本の英和辞典では、〔to不定詞〕の部分は「〔to be C〕で、Cは名詞・形容詞」となっていた。Collins の古い英英辞典にも、〔to不定詞〕の部分が一般動詞の例文はなかった。でも、ここでは、一番最初に述べたように使っているのだろう。
その〔受動態〕が、“O be assumed to不定詞”で、「Oは不定詞すると思われる」と意味を取ればいいと思う。今回はこれに、may well が割り込んだだけ。
「でも、君なら、年齢も上だし、勉強もしてきている。その節制の定義の意味を知っていると思われても当然だ」

and therefore, if you agree with him, and accept his definition of temperance, I would much rather argue with you than with him about the truth or falsehood of the definition.

“would rather...than〜”は、一般的に「〜するくらいなら、むしろ[いっそ]…したい」と教えられる。would のない“rather...than〜”の場合「〜よりは、むしろ…」。
“argue with 人”は「人と議論する」「人と論争する」。
「そして、それゆえ、もし君が彼に同意するならば、そして、彼の節制の定義を受け入れるならば、その定義が真実か、それともウソなのかについて、彼よりもはるかに君と議論したいと思っている」

暫定日本語訳

クリティアス: カルミデスよ、この節制の定義の意味を君が分からないからといって、定義を述べた本人までが、意味を分かっていないと思っているのか。
ソクラテス: おやおや、世にも優れたクリティアスよ、彼の年齢では理解できることを期待する方が難しいんじゃないかい? でも、君なら年齢も上だし、勉強もしてきている。その言葉の意味を知っていると考えてもいいんじゃないかい。だから、もし君が彼に賛成して、彼の定義を受け入れると言うのなら、私としては、その定義が本当なのかウソなのか、カルミデスと議論するより、はるかに君と議論したいと思っているんだ。

カルミデス050 に戻る    カルミデス052 に進む

とうとう、クリティアスが議論の場に登場するのか?
-------------------------------------------------------------
ジャパンタイムズ PLUS

Chick Tack 英語5文型  >  ある英語学習者の英文解釈日記  >  カルミデスindex2  >  カルミデス051

© 2005 Chick Tack 20051120