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第20号 used to

 Subject: 英語の文法と語法 020
    Date: Fri, 11 Aug 2006 06:50:00 +0900 (JST)
    From: Chick Tack
      To: Readers

=━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ English Grammar and Usage ━━━
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┛┛   英 語 の 文 法 と 語 法    No.020    20060811
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             ● 第 20 号 ●

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 Contents  (1)used to do   〜 過去と現在の対比 〜

       (2)abroad   〜 副詞であって、名詞ではない 〜

       (3)stand for...「…を表す」「…を支持する」
                「…を我慢する」

       記事外にセンター試験に挑戦を追加


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(1)used to do
………………………

  (a) He used to have just coffee for breakfast.
    「彼はかつて、朝食はコーヒーだけだった」

  (b) My mother used to do the wash in the stream.
    「私の母は、よくその小川で洗濯をしたものだった」

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    “used to不定詞”で、「過去の規則的行動」や「過去の習慣
     的動作」を表すことができる。
     この表現は、昔はそうであったが、現在ではそうではない
     ということも示している。
     「以前はよく〜したものだった」という訳が代表。
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  (a)は、現在では、コーヒーだけでなく、他のものも食べたり飲んだりして
 いるのだろう。

  (b)は、現在では、その小川では洗濯していない。


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  (c) She used to live in the town.
    「彼女は以前に、このその町に住んでいたのだ」(「この」を「その」に訂正)

  (d) You are not what you were.  You used to be a cheerful girl.
    「君は昔の君ではないね。元気な女の子だったのに」

  (e) There used to be a hinoki, a Japanese cypress, in our yard.
    「かつて私たちの家の庭には、1本のヒノキが立っていた」(「たち」を追加)

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    “used to不定詞”は、「過去の状態」を表すこともできる。
     〔動作〕〔行動〕と同じように、現在はその〔状態〕では
     ないことも示してくれている。
     「以前は〜だった」というのが訳の代表。
    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

  (d)の例の1文目の what は、〔先行詞〕を含む〔関係代名詞〕。what you 
 were で「昔のあなた」。(いったい何があったのだろう?)

  (e)は、there is a hinoki または、there was a hinoki に、used to を挿
 入してもらえば成り立つ英文。


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  (f) (○)I didn't use to sit up late, but now I do.
    (△)I didn't used to sit up late, ....
    (○)I used not to sit up late, ....
    (○)I usedn't to sit up late, ....
    (○)I never used to sit up late, ....
      「私は以前は(決して)夜更かしはしなかったが、今はする」

  〔否定文〕は、上記のようにさまざまなタイプが存在する。自分の信頼する
 参考書や辞書の推奨する型を、どれか決めて使うようにすれば良い。

  didn't use to や never used to が使われることが多いようだ。


  (g) (○)Did you use to play football when (you were) in the US?
    (△) Did you used to play ...?
    (○)Used you to play ...?
      「あなたは合衆国にいたとき、よくフットボールをしたのですか」

  〔疑問文〕は、Did you use to play...? がよく見られる。


  (h) (×)Professor Smith used to be a salesperson, used he?
    (○)Professor Smith used to be a salesperson, didn't he?
      「スミス教授は、元はセールスマンだったんでしょ?」

  付加疑問の部分には、used, used to は使わない。


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  would も「(よく)〜したものだった」という過去の習慣を表すが、現在と
 の対比は意識の中にない。話し手の個人的な回想を表現している。

  (i) My father would often slap me in the face.
    「私の父は、よく私を平手でぶったものだった」

  (j) (×)This building would be bowling alleys.
    (○)This building used to be bowling alleys.
       「この建物は、昔ボウリング場だった」

  would は、過去の習慣的な〔動作〕を述べるだけで、過去の〔状態〕を表現
 することはできない。would は、いずれまとめて学習することにしよう。


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  use は、フランス語から借用した他動詞を自動詞として使い始め、そこから、
 「よく〜する」という use to... の用法が生まれ、いつの間にか現在形は消
 滅した。このあたりの事情について考察しているのが、酒井典久著『英語のし
 くみが見える英文法』文芸社発行、である。(P26〜P28)
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#sakai
  大変な労作なので、一度お読みになることを薦める。


  be/get used to O(名詞/Ving)「〜に慣れている/慣れる」、について
 は、後日項目を設けて見ていく予定。


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(2)abroad
…………………

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     abroad は「外国へ[に・で]」という意味の〔副詞〕であ
     る。
     to abroad、in abroad とは使わない。to, in は不要。
     from abroad「外国から」の場合は、from 必要。
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  (a) (×)I've long wanted to go to abroad.
    (○)I've long wanted to go abroad.
    「私は長い間、外国に行きたいと思っている」

  (b) (×)Duke was studying in abroad at that time.
    (○)Duke was studying abroad at that time.
       「デュークは当時、海外に留学していた」

  home, here, there と同じように〔前置詞〕不要。in, at, to は含まれて
 いると考えてもよい。

  abroad の場合、a は to(〜へ)の意味。broad は「広い」という意味。そ
 う、ブロード・バンド(広帯域)のブロード。語の成り立ちからも to が含ま
 れている。フランス語やイタリア語・スペイン語は、a は「〜へ」という意味。


  (c) They have just returned from abroad.
    「彼らは、ちょうど外国から戻ってきたところです」

  矛盾するようだが、さすがに何もなしで「外国から」の意味は表せないよう
 だ。return abroad で「外国から」の意味を持たせると、「外国に帰る」と見
 分けがつかない。


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(3)stand for...
…………………………

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     stand for...「…を表す」=represent, symbolize, mean
           「…を支持する」=support, advocate
           「…を我慢する」=put up with, tolerate
    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

  (a) PC stands for personal computer. ・・・ロ_ρ゛(、、)
    「PCは、personal computer を表しています」

  for の目的語の代わり(for)に立つ(stand)という意味か。


  (b) He stood (up) for Karen.「彼はカレンの味方をした」

  for の目的語のために立ち上がる(stand up)ので、「擁護する」「護る」 
 「支持する」という意味が生まれたのか。

  stand up for という使い方は、特にこの意味を表す。進行形にはならない。


  (c) I can't stand for his behavior toward me.
    「私は彼の私に対する態度が我慢ならない」 ρ(`O´*)

  stand 単独でも、「我慢する」「辛抱する」「耐える」という他動詞の意味
 を持つ。進行形・受動態にはしない。
  =bear, endure


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 参考文献  http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html
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        (c) Matsumiya Institute of Thinking 2006
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●あとがき

  暑さのためか、疲れやすくなっている。やりたいことはたくさんあるが、手
 をつけるのがおっくう。始めても、集中力がでない。

  ただ、最近『チョムスキー入門』という本だけは読んだ。コメントは、下記
 に記載。
  http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/books02.html#chomsky


●休刊のお知らせ

  来週は休刊いたします。次号は、8月25日(金)に、配信する予定です。



センター試験に挑戦

問題

平成28(2016)年1月16日実施大学入試センター試験 英語
第2問
A問9.A・Bの(  )内にふさわしい組み合わせをを1〜4の中から選べ。

Wood ( A ) be used as the main fuel, but nowadays fossil fuels ( B ) widely.

 1.A:used to B:are used    2.A:used to B:have been used
 3.A:was used to B:are used  4.A:was used to B:have been used

解答と解説

想定される日本語訳例
かつては木材が主な燃料として使われていた。しかし今日(こんにち)では、化石燃料が広く使われている

解説
〔過去〕と〔現在〕の状態の〔対比〕である。今号の(1)で説明があるように、“used to 動詞原形”と〔現在形〕を使うのがふさわしい。どちらも〔受動態〕となっているが、〔完了形〕を使う必要は特にない。また、“be used to 動詞原形”は「〜するのに慣れている」という意味になってしまう。

解答
したがって解答はused toare usedとなる。

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