Subject: 英語の文法と語法 031 Date: Fri, 3 Nov 2006 06:50:00 +0900 (JST) From: Chick Tack To: Readers =━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ English Grammar and Usage ━━━ ┛┛ ┛┛ 英 語 の 文 法 と 語 法 No.031 20061103 ┛┛ …………………………………………… …………… ……………… ┛┛ Chick Tack http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/index.html ┛┛┛ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ● 第 31 号 ● ……………… Contents (1)can not は、ない 〜 お便りをいただいて 〜 (2)助動詞の禁じ手 (3)go と come 〜 お便りをいただいて 〜 ……………………………………………………………………………………………… (1)can not は、ない 〜 お便りをいただいて 〜 ……………………………… 第30号で、can の「否定のまとめ」のところに、 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 can の〔否定〕は、can't か cannot。can not は通常使わ ない。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 と記述しました。この記述について「can not は通常使わない」ではなく 「can not はない」というお便りをいただいた。 実は発行前に、手持ちの辞書・文献を見てみたのだが、 ジーニアス英和辞典第3版 cannot の項に 「can not は強調・対照・修辞その他特別の場合を除いて用いられない」とあ るものの、例文は、なかった。 http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#gej また、『総合英語 Forest 第4版』(桐原書店)の P101-L4 にも 「can の否定形はcan't[cannot]を用いる。can notはふつう使わない」 とあるものの、やはり例文は記載されていなかった。 http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#forest 指摘を受けてのちも、調べてみが、『研究社英和中辞典第5版(1985)」の can のところに「否定形は cannot,《米》で特に強調する時には can not, 《口語》では can't を用いる;」とあったが、やはり英文は記載されていな かった。http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#knc その他、手持ちの文献にも、実例は見当たらなかった。 (not...but〜の構文や not only...but (also)〜 の構文の前に、たまたま can があり、not が can を否定していないものは除く) 使用例の確認なしに前号のように記載し、申し訳ありません。 第30号(1)can の「否定のまとめ」のところは、 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 can の〔否定〕は、can't か cannot。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 に訂正いたします。 ご指摘いただき、まことにありがとうございます。ご指摘後も、何度も丁寧 なメールをいただいた。もう何年も can not の使用例について、気にかけて 調べていらっしゃる方のご指摘なので、信頼できます。 ……………………………………………………………………………………………… (2)助動詞の禁じ手 …………………………… また、直接ご指摘になったわけではないが、私の〔助動詞〕についての説明 が大雑把(おおざっぱ)で、手順をかなり省(はぶ)いていることがわかった。 第21号から、この(1)では〔未来時制〕に入り、will と shall という 〔助動詞〕が登場していた。遅ればせながら、〔助動詞〕使用上の注意をまと めておく。 今から記述する内容は、〔進行形〕や〔受動態〕をつくる be、〔完了形〕 の have、疑問文・否定文をつくる do には、当てはまらない。 また、ought (to), used (to) にも、当てはまらない規則がある。 ここでは、can を代表させるが、will, may, must でも同じことが言える。 〔助動詞〕は、文中の〔動詞〕を助けて、それぞれ持っている意味を〔動詞〕 に付け加えることができる。助動詞に助けられる動詞のことを〔本動詞〕と呼 ぶことがある。 (a) She can ski very well.「彼女は、とても上手にスキーができる」 (×)She cans ski very well. ¢(・_・¢ΞΞ==−− (×)She can skis very well. 〔主語〕が〔三人称単数〕で、〔現在〕のことを述べるときでも、〔助動詞〕 の語尾に“s”はつかない。また、これらの助動詞を使ったときには、〔本動 詞〕は〔原形〕になる。 (b) Can you lift this barbell? 「あなたは、このバーベルを持ち上げることができますか」 (×)Do you can lift this berbell? (c) I cannot bear the heat of summer here. 「私は、ここの夏の暑さには我慢できない」 (×)I don't can bear the heat of summer here. 〔疑問文〕〔否定文〕では、助動詞 do は使わない。can 自身が do と同じ 働きを持ち〔主語〕の前に出て〔疑問文〕をつくる。〔否定文〕では、 cannot または can't とする。 (d) You can go home now.「あなたは、もう家に帰ってもいいですよ」 (×)You can to go home now. (許可の使い方) can, must, may, will, shall の後ろの〔本動詞〕は、〔原形(不定詞)〕 となる。〔to不定詞〕にはならない。 助動詞を2つ続けないことと、完了形を作らないことは、第30号の(1) 例文(c)(d)(e)とその説明の部分をご覧ください。 http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/021-030/egu030.html#1 (少々スクロールが必要) (e) I used to be able to swim long. (第30号(1)(f)の例文) 「かつては、長く泳げたのに」 (×)I used to can swim long. (f) I would like to be able to speak English fluently. 「私は英語をペラペラと話せるようになりたいです」 (第30号(1)(g)の例文) (×)I would like to can speak English fluently. canなど助動詞自身にも、〔to不定詞〕の形はない。また、(×)canning のように〔ing形〕もない。 ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ 〔過去形〕を持つものはあるが、それは次号以降に回す。また、第20号で 紹介した used to http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/011-020/egu020.html#1 や、これから紹介したいと思っている ought to にも、一部を除き、上記のこ とは当てはまる。 ……………………………………………………………………………………………… (3)go と come ……………………… また、同じ方より、go と come についての基本的な考え方をお教えいただ いた。紹介させていただく。(波線内の内容) 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ・come は、「中心点に近づく」「そちらの方向へ行く」が 「原義」 ・goは、「中心点から離れる、それる」 例えば、go bad, go mad, go crazy, go to the dogsなど が、その例 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 「そちらの方向へ行く」または、相手のいる所を「中心点」とみて、そちら 「に近づく」から、第29号の(1)(g)の例文なども、 (a) I'll see you in August if I come to New York. 「もし私がニューヨークに『行った』ら、8月に会いましょう」 (掲載号の「来た」から『行った』に訳文変更) 「来た」というより「行った」の方が、そのときに応じた自然な表現になる。 別の方から、日本でも「相手のところへ行く」と言いたいときに、「来る」 という表現を使う地域があった、というお便りをいただいた。 直接でも電話でも、今夜相手の所へ行くと伝える時、「今夜、来るさ」と言 うそうだ。(昭和の時代のことなので、現在もそうかは不明) 英語の come の感覚なのだろうか。 『広辞苑』を調べてみたら、〔来る〕の欄に「地点・事物・人・時など中心 になる点に向かって何かが近づき寄る動作を、中心になる側からいう語」とあ った。英語と同じではないか。 さらに(2)に「行く。目的地へ自己を置いた心でいう」とあり、『万葉集』 と『源氏物語』の例文があった。この心なのだ。 ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ お便りを下さった方々、本当にありがとうございます。 ……………………………………………………………………………………………… 参考文献 http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html ……………… ──────────────────────────────────── □このメールマガジンは、以下のメルマガ・スタンドから配信されています。 ・まぐまぐ! :http://www.mag2.com/ |
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