Chick Tack 英語5文型  >  メール・マガジン『英語の文法と語法』  >  21号〜30号目次  >  030

第30号 can と be able to

 Subject: 英語の文法と語法 030
    Date: Fri, 27 Oct 2006 06:50:00 +0900 (JST)
    From: Chick Tack
      To: Readers

=━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ English Grammar and Usage ━━━
┛┛
┛┛   英 語 の 文 法 と 語 法    No.030    20061027
┛┛  ……………………………………………  ……………  ………………
┛┛   Chick Tack http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/index.html
┛┛┛
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


             ● 第 30 号 ●

………………
 Contents  (1)can と be able to

       (2)possibly

       (3)get in touch with と keep in touch with

       (4)聞き手の方に行く come  〜 お便りをいただいて 〜


………………………………………………………………………………………………
(1)can と be able to
………………………………

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
     can も be able to も「〜することができる」と、主語の
    〔能力〕を示したり、動作・状態が〔可能〕であると述べた
     りできる。
     can を使う方が普通である。
    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

  (a) He can speak French very well.
      「彼はとても上手にフランス語を話すことができる」

  主語 he の〔能力〕を示している。

  (b) We can wait for you till five o'clock.
      「我々はあなたを、5時まで待つことができますよ」

  こちらは動作・状態が〔可能〕であることを示している。


      ┛ ┛  ┛ ┛  ┛ ┛  ┛ ┛  ┛ ┛

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
     〔助動詞〕を2つ続けることができないので、can の代わ
     りに be able to を使う。
    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

  (c) Wait a bit till it freezes, then you will be able to walk over
   the hard snow.
    「雪が凍るまで少し待ちなさい。そうすれば、おまえはかたく凍りつい
     た雪の上を歩くことができるようになるだろう」
           (“Heidi”by Johanna Spyri 英訳本より引用)
     http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer02.html#heidi

  it は前出文より「雪」を指している。ハイジのおじいさんの言葉。

 (×)you will can walk over the hard snow
 (×)you can will walk over the hard snow


      ┛ ┛  ┛ ┛  ┛ ┛  ┛ ┛  ┛ ┛

  (d) I had been able to feel his heat all night.
       「私は、一晩中彼の体温を感じることができた」

  can には〔過去分詞〕はないので、(×)have can と〔完了形〕を作るこ
 とができない。be able to ならば、be の〔過去分詞〕been が使える。

  “can have 過去分詞”は、〔推量〕〔可能性〕の使い方となる。この件に
 関するボツ例文あり。↓↓
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/021-030/egu030kd.html#1


  (e) She has never been able to win his confidence.
    「彼女は、今までに一度だって、彼の信頼を勝ち得たことはなかった」


  (f) I used to be able to swim long.  〜〜<(_-o-)/〜〜〜
     「かつては、長く泳げたのに」

  (g) I would like to be able to speak English fluently.
     「私は英語をペラペラと話せるようになりたいです」

  (×)used to can swim, (×)would like to can speak とはできない。


      ┛ ┛  ┛ ┛  ┛ ┛  ┛ ┛  ┛ ┛

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
     can の〔否定〕は、can't か cannot。can not は通常使わ
     ない。              2006年11月3日に削除
    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

  (h) I can't see the letters on the blackboard well.
     「黒板の文字がよく見えません」

  (i) I'm afraid I can't tell you the truth.
     「申し訳ありませんが、あなたに真実をお話しすることはできません」
   =I can't tell you the truth, I'm afraid.

  “I'm afraid...”で、相手の意に染まないことや、よくないことを言うと
 きに使う表現。(i)のように文頭に用いる場合もあるが、文中・文尾でも使わ
 れる。


  (j) Ye are the light of the world.  A city that is set on an hill   
   cannot be hid.
   「あなた方は、世の光だ。丘の上にある町は、隠れることはできない」
    (“The Holy Bible”Matthew 5-14 King James Version より引用)
     http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer02.html#bible

  「マタイによる福音書」中の「山上の垂訓」の一部分。Ye は You のこと。
 たとえ話で、「世の人の模範となるように、正しい生活を他の人々に包み隠さ
 ず見せなさい」とイエスが語る。


      ┛ ┛  ┛ ┛  ┛ ┛  ┛ ┛  ┛ ┛

  この他、can は〔依頼〕や〔申し出〕〔招待〕〔許可〕などにも使われるが、
 これらについては、〔助動詞〕の終りごろに、will, would, could など共に
 紹介したい。


………………………………………………………………………………………………
(2)possibly
……………………

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
     possibly[pα's∂bli]〔副詞〕
     ・文修飾「ことによると」「もしかすると」10%〜30%
     ・can, could と使い「何とかして」「できる限り」
           〔疑問文〕で「何とか」「いったい」
           〔否定文〕で「どうしても」「とても」
    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

  (a) Possibly you've watched the TV program.
    「ひょっとすると、そのテレビ番組はご覧になってるかもしれません」

  perhaps, maybe と同じような意味を表す。この2つの語も文の内容の実現
 確率は、50%以下と言われている。

  〔形容詞形〕は possible「可能な」。

  (b) Possibly I may be scolded for being lazy.
     「もしかすると、怠けていると叱られるかもしれない」

  may を使うと、さらに確率は低くなるという。


      ┛ ┛  ┛ ┛  ┛ ┛  ┛ ┛  ┛ ┛

  (c) She opened both her eyes as wide as she possibly could.
    「彼女は、できるだけ大きく両目を見開いた」

  as...as one possibly can の使い方は、時々あり。(×)her both eyes。


  (d) Can you possibly finish the work for yourself?
    「何とか一人でその仕事をやってしまえないか?」

  〔疑問〕〔依頼〕では、「何とか」という意味になる。

  (e) How could I do such a thing?
    「いったい、どうしたら僕にそんなことができるって言うんだ」

  〔疑問詞〕を使った疑問文では、〔反語〕表現になる。


  (f) I cannot possibly disappoint her.
    「私には、彼女をがっかりさせることは、どうしてもできない」
       (“The Watkinson Evening”by Eliza Leslie)

  〔否定文〕は「どうしても〜できない」。没記事にあと2例文あり。↓↓
     http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/021-030/egu030kd.html#2


………………………………………………………………………………………………
(3)get in touch with と keep in touch with
……………………………………………………………

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
    ・get in touch with...「…と連絡を取る」「…と接触する」
    ・keep in touch with...「…と連絡を続ける」
            「…と接触を続ける」「…と文通を続ける」
    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

  (a) You should get in touch with your husband.
     「あなたは、ご主人に連絡をとるべきです」

  (b) She keeps in touch with Ben after he has gone to Naples.
    「彼女は、ベンがナポリへ行ってからも、連絡を取り続けている」

  get と keep の違いは、理解できる。be in touch でも「連絡を取っている」
 という意味になる。連絡を取る相手を言う必要がなければ、with は不要。

  (c) Keep in touch.「またお便りください」「連絡忘れないでね」

  手紙の終わりや、人としばらく離れるときに使う表現。

  touch はもちろん「身体的接触」なのだが、これが「手紙などの接触」に広
 がった表現。


  以前、中学生の英語教科書に Keep in touch. が登場していた。


………………………………………………………………………………………………
(4)聞き手の方に行く come    〜 お便りをいただいて 〜
……………………………………

  第29号の(1)(g)の例文について、三木さんからお便りをいただいた。
 例文と共に紹介する。

   ====弊誌29号(1)(g)の例文==============

    (g) I'll see you in August if I come to New York.
    「もし私がニューヨークに来たら、8月に会いましょう」
     (“Practical English Usage”3rd Edition by Michael Swan
       P609 の 618項目“when and if”より引用)
       http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#peu

   ===============================

   〜〜〜〜いただいたお便り(関係分)〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

    英語では、こういう場合 come を使いますが、日本語では「ニュー
   ヨークに行ったら」という意味ですね。「ニューヨークに来たら」で
      はありません。

   〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

  三木さん、ありがとうございました。

  編集時、深い考えのないまま、日本語訳をつけてしまいました。ただ、ばく
 ぜんと、「話し手はニューヨークにいて、そこで直接聞き手に話している言葉
 だ」と認識していたと思う。

  お便りを読んで考えてみると、「話し手はニューヨークにはいなくて、電話
 または、電子メール・手紙等で、ニューヨークにいる聞き手(読み手)に送っ
 ている言葉」に思えてきた。

  確かに、その方が確率が高いようだ。その場合は、「私が8月にニューヨー
 クに行ったら、会いましょうね」くらいの日本語になる。「行ったら」になる。


      ┛ ┛  ┛ ┛  ┛ ┛  ┛ ┛  ┛ ┛

  (a) “Hurry up!  Mom's getting into the car.”“OK. I'm coming.”
   「急げって。母さんがもう車に乗っちゃうぞ」「わかった。今行くよ」
              (弊誌第15号(4)(b)の例文を少し改変)
    http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/011-020/egu015.html#4

  ご指摘いただいた通り、come は「話し手の方に、何かがやって『来る』」
 という使い方の他に、「聞き手の方へ、何かが『行く』」場合にも使われる。

  (a)の例文の日本語を英語にせよ、と言われる場合、“I'm going.”と間違
 えやすい。日本語と英語の違いの一つであろう。

  第21号(1)(e)の例文も、この come が使われている。
    http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/021-030/egu021.html#1


      ┛ ┛  ┛ ┛  ┛ ┛  ┛ ┛  ┛ ┛

  実は、このことに関して気になっていることがある。私の学習塾に通って来
 てくれている中学生の言葉の使い方だ。

  この中学生は、私ともども今、塾にいる。そして、明日は受講する講義がな
 い。彼女は言う。「先生、明日は塾ないけど、行くわ〜」

  私 :どこへ行くの?
  彼女:塾。
  私 :どこの塾?
  彼女:この塾。(`m´#) こぉのぉじゅーくぅ!
  私 :ヘ(。□°)ヘ はぁ〜?


………………………………………………………………………………………………
 参考文献  http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html
………………

────────────────────────────────────
□このメールマガジンは、以下のメルマガ・スタンドから配信されています。
 ・まぐまぐ! :http://www.mag2.com/
 ・メルマガ天国:http://melten.com/サービス終了
 ・めろんぱん :http://www.melonpan.netサービス終了
 ・カプライト :http://kapu.biglobe.ne.jp/サービス終了
 当メールマガジンは、無料でお読みいただけます。

□このメールマガジンの登録・解除は、下記のページからお願いします。
 ・まぐまぐ! :http://www.mag2.com/m/0000190027.html
 ・メルマガ天国:http://melten.com/m/22981.htmlサービス終了
 ・めろんぱん :http://www.melonpan.net/mag.php?009453サービス終了
 ・カプライト :http://cgi.kapu.biglobe.ne.jp/m/11748.htmlサービス終了

□バックナンバーは、下記のページのリンクからご覧ください。
 http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/edu/index.html

∈≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡∋
 <(` )    Chick Tack
   (   )   E-Mail Address : mit_desde1994@ hotmail.com
    / |    魔笛を観に行こう: http://tatsuku.web.fc2.com/
  ∋  ∈   Chick Tack 英語5文型: http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/
 発行者の学習塾:http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/mit/index.html
∈≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡∋
メール・アドレスは、コピーして、あて先欄に貼り付けてから、@ と hotmail
の間の半角スペースを削除してください。面倒かけます。

 ┛ Chick Tack のおすすめ英語教材・無料サービスなどの紹介ページ ┛
 ┛ http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/recommend.html    ┛
 ┛                                ┛
      ┛ ┛  ┛ ┛  ┛ ┛  ┛ ┛  ┛ ┛

● あとがき

  現代英語の学習とは関係ないが、can は元々「(やり方を)知っている」と
 いう本動詞に近い語だったと言う。中英語期では、to can という“to不定詞”
 の形もあったようだ。(正確には to can ではないかもしれない)


・・・‥‥……──────────────────────……‥‥・・・
        (c) Matsumiya Institute of Thinking 2006
・・・‥‥……──────────────────────……‥‥・・・

前回 第29号 に戻る    この号の目次へ    次回 第31号 に進む

Chick Tack 英語5文型  >  メールマガジン『英語の文法と語法』  >  21号〜30号目次  >  030