Subject: 英語の文法と語法 040
Date: Fri, 19 Jan 2007 06:50:00 +0900 (JST)
From: Chick Tack
To: Readers
=━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ English Grammar and Usage ━━━
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┛┛ 英 語 の 文 法 と 語 法 No.040 20060119
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● 第 40 号 ●
………………
Contents (1)have to と must−1
(2)fall down, fall off など
(3)go on 動名詞
(4)a good reason 〜 第39号の例文について 〜
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(1)have to と must
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「……しなければならない」「……する必要がある」
・must...
・have to...; (三人称単数現在形)has to...
・(過去形)had to...
・(未来形) will have to...
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(a) I don't have much time. I must go.
「あまり時間がない。行かなければいけない」
=.... I have to go.
(b) You must come and see us again soon.
「またすぐに、私たちに会いに来なければいけませんよ」
→「またすぐに、私たちに会いに来なさいね」
(“English Grammar in Use 3rd Edition”by Raymond Murphy P63)
http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#egu
話し手が「しなければならない」「する必要がある」と考えていたり、「誰
かに何かを勧める」とき、must が使われる。ただし、have to も使用される。
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(c) I must leave home early today.
「私は今日早く家を出なければならない」
(d) I have to leave home early today.(日本語は(a)の訳文と同じ)
must と have to を使い分ける場合、周りの状況などのため、〔主語〕が何
らかの行為を強いられるときに have to を使う。話し手の意見は入っていな
い。
(c)(d) では、(c)が「私が自ら、早く出ようと決意している」のに対し、
(d)では、「何らかの事情で、早く出ざるを得ない」ということを表している。
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(e) All passengers must wear seat belts.
「すべての乗客は、シートベルトを着用しなければならない」
(“Longman Dictionary of Contemporary English”助動詞mustの項)
http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#ldce
(f) You must write your answers in ink.(試験の指示)
「解答はインクで書くこと」
〔主語〕が強制されることでも、「紙に書かれた規則や指示・命令」では、
must がよく使われる。規則を作った人物や指示を書いた人物の〔意志〕が入
っていると考えてみては。
………………………………………………………………………………………………
(2)fall down; fall off
…………………………………
“Longman Dictionary of Common Errors”by N D Turton & J B Heaton
http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#ldcedce
2007年1月21日訂正
によると、「雨・雪・涙・落ち葉など、上から下に落ちてくることが自然なも
のについて述べるとき、down なしで fall を使う」とある。
(a) An inch of rain fell in an hour.「1時間に1インチの雨が降った」
(“Longman Dictionary of Contemporary English”名詞rainの項)
http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#ldce
(b) The snow had been falling steadily all day.
「雪が一日中ずっと降り続いていた」
(“Cambridge Advanced Learner's Dictionary Online”動詞fallの項)
http://dictionary.cambridge.org/
(c) Her tears fell fast.「彼女の涙はどんどん落ちた」
→「彼女の涙は、とめどなく流れた」
(“David Copperfield”by Charles Dickens[;を.に変更])
http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer02.html#copper
(d) Leaves were falling from the maple trees.
(×)Leaves were dropping from the maple trees.
「カエデから葉が落ちていた」(『ジーニアス英和辞典第4版』動詞
fallの項[類語比較 fall と drop])
http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#gej
(d)の例文掲載書には、「drop は重さのあるものが急に直線的に落ちること
を表す」ので「ひらひら落ちるイメージに drop は不適」とある。
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(e) Rob fell down the stairs.「ロブは階段から落ちた」
(“Longman Dictionary of Contemporary English”動詞fallの項)
http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#ldce
人間が階段から落ちるのは、いつも起こることではないので、down を使う
と考えられる。なお、前出『ジーニアス英和辞典』によると、「from, off は
場所から離れて落ちることを表すのでこの場合は不可」とある。階段は転げ落
ちるからだそうだ。
(f) He fell off a ladder and hurt himself.
「彼は、はしごから落ちてケガをした」
(g) He fell down and hurt himself.「彼は倒れてケガをした」
前出“Longman Dictionary of Common Errors”によると、「はしご・い
す・自転車・馬などからは、離れて落ちるので、off を使う」とある。
(g)のように、人間が転んだり、木が倒れるときには、fall down が使える。
(h) Jim was laughing so hard that he fell off his chair.
「ジムはあまりにも激しく笑ったので、イスから落ちた」
(“Longman Dictionary of Contemporary English”動詞fallの項
fall off の Extra dictionary examples より。接続詞that を補った)
http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#ldce
“so 形容詞・副詞 that...”は、中学校でも習ったと思う。口語では接続
詞that が省略されることもある。
(i) One of the horses suddenly stopped and the rider fell off.
(×)One of the horses suddenly stopped and the rider fell down.
「馬のうち1頭が突然走るのをやめ、乗っていた者が馬から落ちた」
(“Longman Dictionary of Common Errors”by N D Turton & J B Heaton)
http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#ldcedce
2007年1月21日訂正
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(3)go on ---ing
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・go on ---ing「……し続ける」
=continue;keep ---ing
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(a) He went on working until he was 91.
「彼は91歳になるまで働き続けた」
(“Longman Dictionary of Contemporary English”go on doing something)
http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#ldce
(b) John went on reading and paid no attention to any of us.
「ジョンは読み続けた。そして私たちの誰にも注意を払わなかった」
(『新英語表現ハンドブック』(1976)文化評論出版)
http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#naiee
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(c) She went on to become a successful surgeon.
「彼女は続けて、成功した外科医となった」
→「彼女は続いて、外科医としても成功した」(上記Longman)
http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#ldce
“go on to不定詞”の形もあるが、こちらは、何か別の動作や状態があって、
その後 to不定詞の動作をしたり、状態になったりすることを表す。多分、外
科医になる前にも、何かの職業で成功していたのではないか。
「続けて〜する」「次に〜する」。
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(d) After a short pause Maria went on with her story.
「少しの間をおいて、マリアは話を続けた」(上記Longman)
http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#ldce
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・go on with...「……を続ける」=continue
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〔名詞〕を続けるときは、“go on with 名詞”で“動名詞”が続くときは、
“go on 動名詞”とする。単に形だけの違いなのか、意味に違いがあるのかは、
未確認。
この他にも “go on”については、いろんな意味があるようだ。確認してみ
てください。
………………………………………………………………………………………………
(4)a good reason
…………………………
三木さんよりお便りをいただいた。そのまま紹介させていただく。
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明けましておめでとうございます。
今年も宜しくお願い申し上げます。
> (a) You may well do it.「あなたは充分それをしてよい」
> →「あなたがそうするのも、もっともだ」
> =You have ***good reason to do it.
>
> (b) He may well say so.「彼がそう言うのも、もっともだ」
> =He has ***good reason to say so.
She has reason to feel guilty.や
We have reason to believe that the goods were stolen.
などと、reasonは、uncountableとして使いますが、goodが付くと
a good reasonとなります。(LONGMAN)
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この(a)(b)の英文は、当メルマガ第39号(4)に掲載したものだ。アステ
リスク「*」が3つ並んでいるのは、指摘箇所がよく分かるように三木さんに
つけていただいたもの。
“Longman Dictionary of Contemporary English”の該当箇所を探してみた。
名詞 reason の 2 GOOD OR FAIR のところに、She has reason to feel
guilty. We have reason to believe that the goods were stolen.の2つの
例文は見つかった。
なお、この部分に出ている reason の意味は、「誰かが何かをする正当で理
屈にかなった事実・根拠」。
この欄の例文中に、
Under the circumstances, we had every reason (=had very good
reasons) to be suspicious.
「ここ状況下では、私たちが疑いを持つに足る充分な理由がある」
とあり、特にカッコ内は〔可算名詞〕が明らか。every reason も〔可算名詞〕
の〔単数形〕の可能性がある。
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同じ Longman の 1 CAUSE のところは「誰かが何かをしようと決断した理
由」「何かが起こったことの原因・理由」という意味の分類。この欄は〔可算
名詞〕扱い。
この欄の例文に、
They must have had a good reason to do it.
「彼らはそれをする充分な理由があったに違いない」
正直、2と1の違いがよく分からないのだが……。COLLOCATIONS 欄に、
a good reason も記載されていた。この語のつながりでよく使われるというこ
とだ。
Longman 辞書の good reason to の部分をクリックして出てきた Examples
bank 中の例文8文中、5例が可算名詞扱い。3例が不可算名詞扱い。
不可算名詞扱い3例のうち、1例が中国人名が出てきた文。1例が Abram
という固有名詞が出てきている文。もう1例は、
We have good reason to be.
「我々が存在する正当な理由は充分にある」とでも訳すのだろうか。そうな
らば、かなり大上段に構えた文である。
Examples bank は参照できないが、ここで紹介した例文の多くは、ウェブ上
で公開されている無料 Longman 辞書でご覧になれる。reason の noun で検索
なされると出てきます。 http://www.ldoceonline.com/
書籍とCD-ROM を購入されるには、こちら。
http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#ldce
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『ジーニアス英和辞典第4版』大修館 では、reason の項に、
We have good reason to believe [for believing] that he was murdered.
《正式》彼が殺害されたと信じる十分な根拠がある
http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#gej
という例文があり、a はついていない。
Merriam Webster 辞書の無料オンライン版では、“a good reason to act
soon”という a のある例があった。http://www.m-w.com/
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a のない例もあるものの、a をつけたものの方が優勢であるようだ。下記の
ように訂正させていただく。
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第39号(4)例文(a)(b)の同意書き換え文
(誤)(a) You may well do it.「あなたは充分それをしてよい」
→「あなたがそうするのも、もっともだ」
=You have good reason to do it.
(b) He may well say so.「彼がそう言うのも、もっともだ」
=He has good reason to say so.
(正)(a) You may well do it.「あなたは充分それをしてよい」
→「あなたがそうするのも、もっともだ」
=You have a good reason to do it.
(b) He may well say so.「彼がそう言うのも、もっともだ」
=He has a good reason to say so.
------------------------------------------------------------------
reason は、抽象名詞。具体的な形を持たない、ばくぜんとしたもの。これ
に good がつくと、つけた者は「よい理由」「充分な根拠」を具体的に頭に思
い浮かべているはずだ。その具体的な理由・根拠は、ばくぜんとした連続体か
ら切り離され、1つのものとして認識されるのではないか。
………………………………………………………………………………………………
参考文献 http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html
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● あとがき
日曜日は自治会の仕事で、自治会所有の備品等を移動させたり、不要な物は
処分場へ持って行った。近くの消防車の旧車庫の所有権が移るため、その中の
ものを片付けたのだ。
朝8時集合ということだったが、10分前についたときには、すでに作業が
始まっていた。何もせずに突っ立っているのが嫌いな人が多いのだ。
作業は10時には終わったが、木箱に入った古い木のお膳(ぜん)がいくつ
か出てきた。その箱とお膳には、父と三名の方の名前が書かれていた。父たち
が消防団を退団する時に寄贈したものだった。
数十年の間、車庫の片隅に眠っていたのだ。日の目を見たとたん廃棄処分に
されるようだ。持って帰ることもできたが、ただでさえ不用物を捨てられない
家庭なので、これ以上増えると……。
膳のことを父に話したら、「覚えがない」ということだった。
・・・‥‥……──────────────────────……‥‥・・・
(c) Matsumiya Institute of Thinking 2007
・・・‥‥……──────────────────────……‥‥・・・
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