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第51号 感情・判断のthat節中のshould

 Subject: 英語の文法と語法 051
    Date: Fri, 20 Apr 2007 17:33:00 +0900 (JST)
    From: Chick Tack
      To: Readers

=━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ English Grammar and Usage ━━━
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┛┛   英 語 の 文 法 と 語 法    No.051    20070420
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             ● 第 51 号 ●

………………
 Contents  (1)should 6  〜 感情・判断 that S' should 〜

       (2)第50号の記事の訂正 2件

       (3)be conscious of...


………………………………………………………………………………………………
(1)should 6      〜 感情・判断 that S' should 原形 〜
……………………

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
    ・感情・判断の根拠を表す that 節中に should が使われる
     場合がある。
     形容詞 strange, natural, surprised, surprising, funny
     などの後ろのthat節に見られる。
    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 (a) It's strange that he should say that.
     「彼がそんなことを言うとは不思議だ」
    (“LONGMAN Dictionary of Contemporary English”should
      that節中の主語を説明上の都合により変更)
     http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#ldce
   (×)It's strange that he say that.

  この場合は、前回・前々回の that節と異なり、should なしの原形のみは、
  用いられない。同じことだが「仮定法現在は使わない」と説明するものもあ
  る。

 (b) It's strange that he says that.

  感情を表さずに客観的に述べるときには、(b)のように通常の時制を使う。

 (c) It's strange that he said that.
    「彼がそんなことを言ったとは不思議だ」

  と〔過去形〕で書いてもよさそうだが、厳密には、(c) は、

 (d) It's strange that he should have said that.

  と対応する。strange と判断している時点より過去に「彼がそう言った」の
  だ。


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 (e) It is quite natural that you should desire amusement at your  
  age.「あなたの歳で、楽しいことを望むのは、しごく当然です」
    (“Wuthering Heights” by Emily Bronte)
     http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer02.html#wuther

  「たとえ望んだとしても当然だ」と判断している。

 (f) It is quite natural that you desire amusement at your age.

  このようにすれば「望んでいるのは当然だ」と事実を述べることができる。
  desire は原形ではなく〔現在形〕。


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 (g) I was surprised that they should ask me for advice.
    「彼らが私にアドバイスを求めてくるのには驚いた」
    (“English Grammar in Use 3rd Edition”by Raymond Murphy)
     http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#egu

  驚きの感情を表したくなければ、

 (h) I was surprised that they asked me for advice.

  となるだろう。


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 (i) It is surprising that she should change her mind so suddenly.
    「彼女がそんなに急に心変わりするなんて驚きだ」
    (『ジーニアス英和辞典第4版』大修館 surprising)
         http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#gej

   (g)は主語の I が「驚かされる」側。だから〔過去分詞〕からできた〔形
  容詞〕。(i)では、主語 の that she should...suddenly.の事実が「驚か
  せる」側。だから〔現在分詞〕からできた〔形容詞〕。


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 (j) It's funny that you should say that.  I was going to say the same 
  thing.「君がそう言うのはおもしろい。私は同じことを言おうとしていた」
    (“English Grammar in Use 3rd Edition”by Raymond Murphy
      Unit 34 Exercises 34.3.2)
     http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#egu

  この他にも、that の前の形容詞(名詞)の候補があるのだが、紹介したも
  のを含め、should が使われている例文は少ないように思う。文法書を除け
  ば、should を使わない現在形や過去形が使われているものがほとんどだっ
  た。


………………………………………………………………………………………………
(2)第50号の記事の訂正 2件                              
……………………………………………

  前号の記事にも訂正があります。いずれも、三木さんよりご指摘いただきま
  した。いただいたメールの該当部分を、そのまま掲載させていただきます。


  =================三木さんのメール=====ご指摘1====================

>   (h) It is essential that he should have a fair trial.
>           「***彼が公平な審理をすることが必要不可欠です」
>     (“LONGMAN Dictionary of Contemporary English”should)
>      http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#ldce

  これは、「彼が公平な審理をする」ではなく、彼は「裁かれる方です」つま
  り、 

   「彼が公平な裁判を受ける」と言う意味です。
  この場合のhave a fair trialは、be given a fair trialという意味です。

  =============================ご指摘1 終わり=====================


  全くその通りでした。『ジーニアス大英和辞典』の trial の項に、

     ----------------------------------------
      have a fair trial「公正に裁かれる」
     ----------------------------------------

  とありました。


      ┛ ┛  ┛ ┛  ┛ ┛  ┛ ┛  ┛ ┛

 ------------第50号(1)(h)の例文の日本語訳-----------------------
 (誤)----------------------------------------------------
        「彼が公平な審理をすることが必要不可欠です」
  ----------------------------------------------------(誤)
 (正)----------------------------------------------------
     「彼が公平な裁判を受けることが必要不可欠です」
  ----------------------------------------------------(正)
 --------------------------------------------------------------------

  上のように訂正します。ご迷惑をおかけしました。


      ┛ ┛  ┛ ┛  ┛ ┛  ┛ ┛  ┛ ┛

  =================三木さんのメール=====ご指摘2====================

>   (c) The door seemed to move of its own accord.
>       「そのドアは自らの意思で***動いたかにみえた」
>       「そのドアはひとりでに***動いたようにみえた」
>       (“LONGMAN Dictionary of Contemporary English”)
>        http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#ldce

  上記の文は、「ひとりでに***動く様に見えた」ですね。「***動いた
  ように見えた」なら、下の例文のように

  The door seemed to have moved of its own accord.となる筈です。

  従って、seemの場合は、

   1. The door seems to move  (動くように見える)
   2. The door seems to have moved(動いたように見える)
   3. The door seemed to move (動くように見えた)
   4. The door seemed to have moved  (動いたように見えた)

  の4時制になりますね。

    The wooden door seems to be comming away from the frame. two other 
  doors ** seemed to have moved **with the gap bewteen the door being 
  a couple of cm in some places and more than an inch in others.. So  
  do I a) get new doors b) get new ...

  =============================ご指摘2 終わり=====================


  多くの高校英文法教科書も、この違いを取り上げているはずです。定期試験
  等には、違いがわかるように訳させる問題も出る可能性があります。迂闊 
 (うかつ)なことでした。申し訳ありません。下記のように訂正します。


 ------------第50号(3)(c)の例文の日本語訳-----------------------
 (誤)----------------------------------------------------
       「そのドアは自らの意思で動いたかにみえた」
      「そのドアはひとりでに動いたようにみえた」
  ----------------------------------------------------(誤)
 (正)----------------------------------------------------
     「そのドアは自らの意思で動くようにみえた」
     「そのドアはひとりでに動くようにみえた」
  ----------------------------------------------------(正)
 --------------------------------------------------------------------


      ┛ ┛  ┛ ┛  ┛ ┛  ┛ ┛  ┛ ┛

  三木さんの作っていただいた3つ(4つ)の英文に、私の説明を加えて記事
  にしようと考え、その旨を三木さんにもお知らせしましたが、何やら蛇足の
  ように思えてきたので、やめておきます。

  三木さんのメールを読んでいただければ、よく分かると思います。不定詞の
  説明のときにでも頑張ります。


………………………………………………………………………………………………
(3)be conscious of
……………………………

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
    ・be conscious of...「……に気づいている」
                       =be aware of...
    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 (a) She was conscious of his aim.
    「彼女は彼のねらいに気づいていた」
      (“Wuthering Heights”by Emily Bronte)
      http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer02.html#wuther


 (b) But she seemed to be unconscious of it all.
    「しかし彼女はそれに全く気づいていないように見えた」
    (“The Adventures of Tom Sawyer”by Mark Twain)
     http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer02.html#sawyer

  conscious を unconscious に替えると、「……に気づかない」という意味
  になる。


 (c) When he at last opened his eyes, he was conscious of nothing  
   but an excruciating pain through his temples.  He was vaguely   
   aware of unfamiliar surroundings.
   「ついに彼が目を開けたとき、こめかみを貫く非常に激しい痛みのほかに
    は、何もわからなかった。彼は、ばくぜんと見知らぬ場所にいると気づ
    いていた」
    (“Secret Adversary”by Agatha Christie 更なるトミーの冒険)
     http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer02.html#adversary

  conscious は「心の中で気づいている」、aware は「外からの観察、情報に
  よってに気づく」とある。(『ジーニアス英和辞典第4版』両単語欄)
  aware も、“be aware of...”の形がよく使われる。

  nothing but... で「…だけ」「…にすぎない」=only


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 (d) She was conscious that Marie was listening to every word.
     「彼女は、マリーが一言漏らさず聴いているのに気づいていた」
    (“LONGMAN Dictionary of Contemporary English”conscious)
      http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#ldce

  “conscious+that節”という型もある。


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● あとがき

 銃に関係する事件が続いています。

 日本ではまだ、限られた人々が持っているだけですが、海外のいくつかの国々
 では比較的簡単に入手できるようです。

 現在はパスポートも期限切れになっているのですが、以前サンディエゴに住む
 知人宅を訪問する機会がありました。

 コンクリート2階建ての家は、どこから入ったらいいのかわかりませんでした。
 要塞のように感じました。インターホンを押して、確認が済むと重いドアが開
 きました。そこには天井がなく、まだ建物の外でした。階段を上ると、2階に
 玄関がありました。1階から続くコンクリートの壁で、この玄関も外からは見
 ることができません。

 映画やテレビで、芝生のある庭を持ち、どこからでも入れそうなアメリカの家
 を想像していたので、びっくりしました。

 その家で、主人に愛用の銃を見せてもらいました。変な感想ですが、本当にあ
 るんだなーと思いました。奥さんは銃は嫌いなようで、少し怒っていました。

 奥さんは、代わりにキッチン自慢をしてくれました。大きなオーブンがあり、
 その説明を聞かされました。奥さんの機嫌は直りました。

 日本ももはや、安全とは言えないかもしれませんが、海外は危険が大きいこと
 に変わりありません。それなりの心構えをして、留学やご旅行をお楽しみくだ
 さい。


・・・‥‥……──────────────────────……‥‥・・・
        (c) Matsumiya Institute of Thinking 2007
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