Subject: 英語の文法と語法 055 Date: Fri, 25 May 2007 16:25:00 +0900 (JST) From: Chick Tack To: Readers =━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ English Grammar and Usage ━━━ ┛┛ ┛┛ 英 語 の 文 法 と 語 法 No.055 20070525 ┛┛ …………………………………………… …………… ……………… ┛┛ Chick Tack http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/index.html ┛┛┛ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ● 第 55 号 ● ……………… Contents (1)第54号(2)の(b)(d)について (2)It's time.... 「……する時間ですよ」 (3)avail oneself of... ……………………………………………………………………………………………… (1)第54号(2)の(b)(d)について ………………………………………………… (この欄は、「です」「ます」調で書かれています) 第54号(2)の(b)(d)の日本語訳について、三木さんよりメールをいただ きました。紹介させていただいて、訂正すべき箇所を訂正します。 --三木さんのメール(一部)------------------------------------------ > (b) The preceding are ***Grecian divinities, though received > also by the Romans. Those which follow are peculiar to Roman > mythology. > 「***ローマにも引き継がれたが、先に述べたのはギリシャの神々 > である。次に紹介するのは、ローマ神話に特有の神々である」 > (“The Age of Fable”by Thomas Bulfinch ROMAN DIVINITIES) > http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer02.html#fable 普通はGreekと言う、形容詞を使いますね。Grecianと言う形容詞を使ったの は、「古代ギリシャの」と言う意味ですね。 それから、「ローマ人」と言う意味ですね。 --------------------------------------------(b)についての部分終わり-- 全く、三木さんのご指摘の通りです。拙訳では、the Romans を「ローマ」 という都市、または国家を指す Rome のように訳しています。Romans と複 数形になっていることから、複数の「人」を指しているはずです。 人に、「一文一文とじっくり付き合いなさい」ということもあります。しか し、この言葉は、私にこそふさわしい。``r(・_・;) 第54号(2)の(b)の訳文を、下記のように訂正いたします。 ------------------------------------------------------------------ (誤)「ローマにも引き継がれたが、先に述べたのはギリシャの神々 である。次に紹介するのは、ローマ神話に特有の神々である」 (正)「(古代)ローマ人にも引き継がれたが、先に述べたのは古代 ギリシャの神々である。次に紹介するのは、ローマ神話に特 有の神々である」 ------------------------------------------------------------------ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ --三木さんのメール(一部)---------------------------------------- > (d) He has his own peculiar style which you'll soon get used to. > 「彼には、あなたがすぐに慣れるであろう彼独特のスタイルがある」 > (“Oxford ADVANCED LEARNER'S Dictionary 7th edition”peculiar) > http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#oald > > ところで、この文は〔非制限[継続]用法〕のように、「彼には、彼特 > 有のやり方があるけれど、あなたはすぐに慣れますよ」と訳してはいけな > いだろうか。 限定はされていますが、日本語では、この方がよいと思います。 たとえば、関係代名詞の先行詞が固有名詞の場合は、関係代名詞の前 に必ず、コンマを打ちますが、これは、連続用法とは異なりますね。し たがって、コンマがあるか無いかは、日本語に訳す場合には、そんなに、 こだわらなくてもよいと思います。 ただし、He has a son, who lives in Paris. と He has a son who lives in Paris. のような文においては、コンマは、重要な役割をしますね。 -----------------------------------------(d)についての部分終わり-- 中学生が習う英語にも〔関係代名詞〕を使った文が出てきますが、関係代名 詞の前にコンマが打たれるものは習いません。 三木さんの説明に出てくる英文を利用させてもらうと、 He has a son who lives in Paris. は、who lives in Paris の(形容詞節 の)部分が、〔先行詞〕となっている〔名詞〕(a) son を〔限定修飾〕して います。中学校でも習うこの関係代名詞の使い方を〔限定用法〕と呼んでい ます。〔制限用法〕という語を使う人もいます。 He has a son まで、読んだり聞いたりすると、「ああ、彼には息子がいる んだな」ということがわかります。who lives in Paris とは、He lives in Paris という内容を表しています。そして、コンマのない限定用法の場合、 この部分が a son をどんな son なのか限定[制限]します。「パリに住ん でいる息子」なのです。 「彼には、パリに住んでいない息子がいる」可能性が残ります。「あなたは ご存知ないとは思いますが、彼にはパリに住んでる息子さんがいらっしゃい ます」こんな内容です。 He has a son, who lives in Paris. と、コンマがつくものを、関係代名詞 の〔連続用法〕と呼んでいます。人により〔継続用法〕〔非限定用法〕〔非 制限用法〕を使うことがあります。すべて同じです。 この文は、He has a son で文が終わっても差し支えないのです。ここまで で、「彼は息子がいる」しかも「ひとり」と言っています。 「そして、その今話した息子というのは、パリに住んでいる」と特定の人物 になった「その息子」について補足説明をしているのが、who lives in Paris の部分なのです。 話すときは、このコンマの部分に「間(ま)」を置きます。 一般に、制限用法(コンマのない方)は、関係代名詞節を先行詞より先に訳 します。そして、継続用法(コンマのある方)は、先行詞を含む節を先に訳 し、関係代名詞節を後に訳します。 このように習うことが多いと思います。私の54号の記事と、三木さんのご 教授は、これらのことが前提となっています。 また、〔先行詞〕が〔固有名詞〕など「ただ1つのもの」「ただ1人の人」 を表す場合、関係代名詞の前には、コンマが必要です。 ……………………………………………………………………………………………… (2)It's time.... 「……する時間ですよ」 ………………………… 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ……する時間ですよ ・It's time to不定詞 ・It's time S' 過去形 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 (a) Rosie - it's time to get up.「ロージー、もう起きる時間だよ」 (“LONGMAN Dictionary of Contemporary English 4th edition”) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#ldce (×)It's the time to get up. (b) Rosie - it's time you got up.「(日本語訳は(a)と同じ)」 (a)(b)は同じ意味を表せる。(b)は〔仮定法過去〕という形。time と you の間には本来、that があるが、省略する。that節の動詞が〔過去形〕にな っていることに注意。got。 「もうすでに起きているべき」または「起きる動作を始めているべき」なの である。実際にはしていない。 ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ (c)“It's time you went to bed,”decreed Anne, by way of getting out of the scrape. 「気まずい雰囲気から逃れるために『あなたは、もう寝る時間よ』とアンは 命じた」(“ANNE of the ISLAND”by Lucy Maud Montgomery) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer02.html#island 2字挿入 2007年5月31日 by way of... は「…を通って」「…の目的で」「…のつもりで」。 get out of... は「…から出る」「…から逃げる」「…を避ける」。 (d) It's time for you to go to bed.「あなたはもう寝る時間ですよ」 〔to不定詞〕の意味上の主語を示すときは、“for 目的格”を“to不定詞” の直前に置いてやる。 ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ (e) It's about time you cleaned your room! 「もうそろそろ、自分の部屋を掃除してもいい頃ですよ!」 (“Oxford ADVANCED LEARNER'S Dictionary 7th edition”time) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#oald “it's about time”で「もうそろそろ〜してもよい頃だ」という意味にな る。 about がつくと、話し手の非難の気持ちが強いという。この例文では感嘆符 「!」もついている。 (f) It's high time you got a job. 「あなたは、もうとっくに、就職していてもいい頃だ」 (“Practical English Usage 3rd Edition”by Michael Swan -it's time-) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#peu “it's high time”で「もうとっくに〜してもいい頃だ」という意味になる。 high は「機が熟して」くらいの意味を表わしているのではないか。 こちらはイギリス英語でよく話され、緊急性を表すことができるようだ。 about, high を加えた場合、どちらも「そう思っていること」を強調できる という。 ……………………………………………………………………………………………… (3)avail oneself of... …………………………………… 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ・avail oneself of...「……を利用する」「……に乗じる」 =make use of... 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 (a) Avail yourself of every opportunity to learn. 「学ぶために、あらゆる機会を利用しなさい」 「学ぶ機会があれば、すべて利用しなさい」← 「学ぶためのすべての機会を利用しなさい」 (“LONGMAN Dictionary of Contemporary English”動詞avail-Extra dictionary example) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#ldce =Make use of every opportunity to learn. (b) She left the door open that I might avail myself of that permission. 「私がその許可を利用できるように、彼女はドアを開けたままにしておいて くれた」 (“David Copperfield”by Charles Dickens -Chapter 4- 一部改変) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer02.html#copper 「その許可」とは「庭を30分間散歩できる許可」。 (c) Therefore it is necessary for a prince to understand how to avail himself of the beast and the man. 「それゆえ、君主[王子]は、野獣と人間を利用する方法を(両方)理解す る必要がある」 (“THE PRINCE”by Nicolo Machiavelli, Translated by W. K. Marriott 18章 -- CONCERNING THE WAY IN WHICH PRINCES SHOULD KEEP FAITH) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer02.html#machiavelli マキアベリは、この『君主論』で、例文の少し前にこう述べている。「競争 に勝つために2つのやり方がある。1つは法律を使う方法で、もう1つは力 による方法である。法律は人間本来のもので、力は野獣にふさわしい。しか し、法律だけに頼るのは不充分で、力も必要である」 ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ available という〔形容詞形〕がある。「入手できる」「利用できる」とい う意味。オンライン・ショップなどでは、在庫等があり「購入できる」とい う意味で使っている。 (d) Further information is available on request. 「さらなる情報は、リクエストにより入手できます」 「詳細はご請求くだされば、お知らせいたします」 (“Oxford ADVANCED LEARNER'S Dictionary 7th edition”available) ……………………………………………………………………………………………… 参考文献 http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html ……………… ──────────────────────────────────── □このメールマガジンは、以下のメルマガ・スタンドから配信されています。 ・まぐまぐ! :http://www.mag2.com/ |
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