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第98号 話法の転換〜重文と複文


=━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ English Grammar and Usage ━━━
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┛┛   英 語 の 文 法 と 語 法    No.098    20080926
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             ● 第 98 号 ●

………………
 Contents  (1)話法の転換  〜 重文と複文 〜
………………
       (2)主人が悪いとPCは長持ちしない

       (3)in terms of...


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(1)話法の転換  〜 重文と複文 〜
…………………………………………………

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    ・被伝達文が and, but で結ばれ2つ以上の節からなってい
     る場合、and, but の後ろに that を入れる。
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  and, or, but, for は、対等な2つ(以上)の節をつなぐ接続詞で、〔等位
  接続詞〕と呼ばれている。

 (a) She didn't speak to anyone and nobody spoke to her.
  (“LONGMAN Dictionary of Contemporary English 4th edition”and)
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english01.html#ldoce
   「彼女は誰にも話しかけなかった。そして誰も彼女に話しかけなかった」

  She didn't speak to anyone. と Nobody spoke to her. という英文が対等
  な関係で結ばれているのが(a)の文。こういった文を〔重文(じゅうぶん)〕
  と呼んでいる。

 (b) He said,“She didn't speak to anyone and nobody spoke to her.”
 (c) He said that she hadn't spoken to anyone and that nobody had   
  spoken to her.

  (b)は直接話法。それを間接話法に書き換えたものが(c)。and の前後の節は
  どちらも〔過去完了〕になっている。

  間接話法では、said の後ろと and の後ろに接続詞 that が置かれている。
  伝えようとする文が重文の場合、said の直後の that は省略できるが、 
  and の後ろの that は原則として省略しない。

  (b)(c)の場合は、まず誤解を受けないと思うが、

 (d) The teacher said (that) time was up and that we must stop writing.
   (江川泰一郎著『英文法解説(改訂三版)』金子書房§314(1))
    http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#newguide

  (d)は and の後ろに that があるので、この that節も〔被伝達文〕だとわ
  かる。したがって、直接話法は、

 (e) The teacher said,“Time is up and you must stop writing.”
   「『時間ですから書くのをやめなさい』と先生が言った」
   (江川泰一郎著『英文法解説(改訂三版)』金子書房§314(1))
    http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#newguide

  のような形となる。しかし、

 (f) The teacher said (that) time was up and we must stop writing.

  と and と we must の間に that がなければ、

 (g) The teacher said,“Time is up,”and we must stop writing.
   「先生が『時間です』と言ったので、私たちは書くのをやめなければなら
    なかった[ならない]」

  (g)のように“Time is up”だけが先生の言葉[被伝達文]で、we must  
  stop writing は、全体の話し手の言葉と判断される可能性がある。

  must は過去形がないので、そのままで過去を表すことができる。ただし 
  had to を使ってもよい。(第93号(1)のおしまいの方)
  http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/091-100/egu093.html#1

  現在の状況と考えて[ならない]のように訳すことも可能だと思う。


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 (h) She said,“I feel sick, but I am all right.”
 (i) She said that she felt sick, but that she was all right.
   「彼女は気分が悪いが大丈夫ですと言った」
   (高梨健吉著『総解英文法』美誠社§176(6))
    http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#sokai

  but の場合も後ろに that を置き、どちらも被伝達文であることを示す。

  (i)の but の後ろに that がなければ、

 (j) She said,“I feel sick,”but she was all right.
   「彼女は『気分が悪い』と言ったが、大丈夫だった」

  と解されるおそれがある。この場合、「大丈夫」と判断したのは話し手とな
  る。


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  for には「というのは……だから」という〔接続詞〕の働きがある。等位接
  続詞である。しかし、

 (k)“The man must be over sixty, for his hair is white,”he said.
  「『あの男は60を過ぎているにちがいない、髪が白いから』と彼は言った」
 (l) He said (that) the man must be over sixty, for his hair was white.
  (『徹底例解ロイヤル英文法』宮川幸久、綿貫陽、須貝猛敏、高松尚弘著
    §365 重文の転換)
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#royal


  間接話法にする時、for の後ろに that を置く必要はない。通常コンマを書
  き、そのあと for に続く節を置く。

  for は、等位接続詞とはいえ、従属接続詞的な性質が強いからではないのか。


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 (m)‘You can use the cotton dressing gown as a nice tablecloth if you 
  don't want to wear it,’I said to her.
 (n) I told her she could use the cotton dressing gown as a nice    
  tablecloth if she didn't want to wear it. 
  (“Cambridge Grammar of English”493d)
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#cge
  「『もしそのコットンのドレスを着たくなかったら、すてきなテーブルクロ
   スとして使ってもいいわよ』と、私は彼女に言った」

  when, while, before, after, because, since, if, unless, although,
  though などは、従属接続詞という。

  これらは、主節を補ったり、修飾する節を導く。2つの節が対等な関係では
  ない場合に使われる。このような従属節と主節が組み合わさった文を〔複文〕
  という。

  〔関係詞〕や〔間接疑問〕が使われている文も複文である。

  複文の場合、間接話法にしたとき 従属接続詞 の後ろに that は挿入しない。
  (n)では、if の後ろに that がないことに注目してほしい。

  her と she の間の that は省略されているだけ。置いても構わない。

  if節中も時制が変化していることは、今まで習ったことと同じである。


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(2)主人が悪いとPCは長持ちしない
…………………………………………………

  先日、愛用のノートPCが不調になり、リカバリーを試みた。しかし、本調
  子にはほど遠く、新しくデスクトップを購入した。

  春に一度サインを出していたのだが、軽視して酷使しすぎた。調子に乗って
  インターネット・ラジオを聴き続けていたのがまずかったのかも、と反省し
  ている。

  Me のデスクトップPCも4年2か月、XP のノートPCも4年2か月。ちゃ
  んと4年で壊れてくれる。非サーバー型の電子計算機の法定耐用年数(経理
  上)は4年なので仕方がないか?

  OS は XP にダウングレードすることも考えたが、Vista にした。いっそ   
  Mac にと心が動かないでもなかったが、変更確率メーターは20%を超えな
  かった。


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  使い心地はおおむね良好。

  やはりキーボードが打ちやすい。画面も22型ワイドにしたので、左右に別
  ソフトの画面を表示して作業ができる。作業効率大幅アップだ。

  立ち上がりも早い。ノートPCは、たくさんのソフトをインストールしてい
  たせいか、OSのアップデートごとに遅くなり、最近ではWindows起動に10 
  分以上かかっていた。スタートアップ時のソフト数を減らしたり、パフォー
  マンス重視の設定にしたりと工夫はしていたのだが……。

  新デスクPCのOSは Vista なので、今まで使っていたソフトが使えない
  場合がある。インストールできても機能の一部が使えなかったり、ヘルプフ
  ァイルが利用できない場合がある。

  Vista対応と書かれていないものは、できるだけ使わないようにしているの
  だが、使い慣れたアプリケーションは便利だ。いくつかはインストールして
  使っている。一部機能が使えないこともあるが、代替えアプリの操作に慣れ
  るのは時間がかかりそうだし、やりたいことができる保証もない。

  私には、どうしてもインストールしたいソフト群があった。それは XP では
  動いていた英英辞典付属CDに入っている電子辞書だ。


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(3)in terms of...
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    ・in terms of...「……の点では」「……に関しては」
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 (a) How far is it in terms of miles?
  (“The American Heritage dictionary of Idioms”Christine Ammer)
    http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#ahdi
    「マイルの点ではどれくらい遠いですか」
    →「何マイルありますか」

  “in terms of...”は、18世紀中ごろに数学の分野で使われ始めたという。

  term は、「期間」「条件」「用語」という〔名詞〕で、「範囲を限定する」
  イメージがある。「……の(of)範囲(terms)の中(in)で」と考えると理解で
  きるのではないか。

 (b) This title ranks alongside the Olympics in terms of importance.
  (“Oxford ADVANCED LEARNER'S Dictionary 7th edition”term)
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english01.html#oald
   「この選手権は、重要性の点でオリンピックと同等の位置にある」
   「この選手権は、重要性の点でオリンピックと並んでいる」

  (b)中の rank は〔動詞〕で、「位置を占める」。rank alongside で「…と
  肩を並べる」という意味になる。


 (c) In terms of the political agenda, clearly we are frustrated with 
  the slow progress that is being made on the legislative benchmarks. 
  (Times Online)
  http://www.timesonline.co.uk/tol/news/world/iraq/article1945636.ece
  「政治的な事項について言うと、立法府の基準に基づいて行われている遅々
   とした進行には、我々は明らかに不満を持っている」

  is being でその動作が現在進行中であることを表し、being made で主語
  that=(the slow) progress が受身の側であることを表している。


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 (d) The agitator was wont to refer to the Queen in terms of      
  extravagant loyalty.
  (“Great Britain and Her Queen”by Anne E. Keeling)
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer03.html#gbhq
   「その扇動家は過激な忠誠心で、女王に言及するのを常としていた」
   「その運動家は、国家に対する派手な忠誠の言葉を使って、いつも女王の
    ことに言及していた」

  in terms of は「……によって(by means of)」や「……の言葉で」という
  意味を表していることもある。

  wont は accustomed に近い。be wont to do=be accustomed to do。


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 参考文献  http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html
………………
       http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english01.html
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● あとがき

 英英辞典付録の電子辞書のインストールの顛末は次号に。設定など、まだやら
 なければならないことが残っています。


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        (c) Matsumiya Institute of Thinking 2008
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