=━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ English Grammar and Usage ━━━ ┛┛ ┛┛ 英語の文法と語法 No.137 20091213 Chick Tack ┛┛ ………………………… …………… ……………… …………… ┛┛ http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/index.html ┛┛┛ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ● 第137号 ● ……………… Contents 目的語が動名詞でもto不定詞でも意味に違いがない他動詞 ……………… (1)begin (2)start (3)continue (4)その他の語 (5)前号の内容について 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ・begin, start, continue は、目的語に動名詞とto不定詞 のいずれかを置ける。意味は原則変わらない。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ……………………………………………………………………………………………… (1)begin ……………… (a) My heart began to beat fast when he began scolding us. 「彼が私たちをしかり始めたとき、私の心臓はドキドキし始めた」 (安井稔著『英文法総覧(改訂版)』開拓社, 28.1.4.1) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#betterguide began to beat, began beating, began scolding, began to scold いずれ でも意味は変わらないと読める。実際、そのように認識しておいて、問題は ほとんどないようだ。 しかし、江川泰一郎著『英文法解説(改訂三版)』金子書房、には、 http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#newguide “began to不定詞”は〔開始〕を表し、“began 動名詞”は〔開始+継続〕 の感じがあるとある。 となると、例文(a)で「叱り始めた」のを動名詞にし、「ドキドキし始めた」 方をto不定詞にしてあるのも、この意識が働いていたのか。when で同時性 を示すと言うが、やはり「叱る」という原因があって「ドキドキ」するのだ から、多少とも scold が先に開始され〔継続〕がなされていないと beat しないと思う。まあ、半分こじつけのようなものかもしれないが……。 (b) He began opening all the cupboards. 「彼はすべての戸棚を開け始めた」 (安藤貞雄著『現代英文法講義』開拓社, 16.6.3.D) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#lmeg (b)例文の出典書では「複数の行為について述べるときには、行為の継続が あるので動名詞の方が適切になる(Quirk et al. 1985: 1192)」と引用がな されている。 ここでも〔継続〕という語が出てきている。「戸棚が複数」あるため、開け る〔行為も複数〕というわけだろう。ただし、to open は間違いであるとは 言っていない。 (c) I was beginning to think you'd never come. (“Oxford ADVANCED LEARNER'S Dictionary 7th edition”) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english01.html#oald 「私はあなたが絶対来ないと思い始めていた」 begin や(2)(3)で紹介する動詞が〔進行形〕になっている時は、〔動 名詞〕は使わずに〔to不定詞〕を使う。 (×)beginning thinking と ing形が続くのを避けている。 これは一般の学習参考書にも書かれていることが多い。 ……………………………………………………………………………………………… (2)start ……………… (a) It has started raining. (b) It has started to rain. (“English Grammar in Use 3rd edition”Raymond Murphy, Unit 56-C) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english02.html#egu 「雨が降り始めた」 start の後ろの目的語も〔動名詞〕〔to不定詞〕ともに認められていて、意 味は変わらない。 そして、start が進行形になっている時は、〔to不定詞〕を使う。 (c) It's starting to rain.「雨が降り始めている」「雨が今にも降りそうだ」 begin, start の目的語が、understand, realize, know, feel, see, thinkなど、〔認識〕〔理解〕を表す語の時、〔to不定詞〕が好まれるよう だ。 (d) He started to realise that if you wanted to eat you had to work. (“Practical English Usage 3rd Edition”Michael Swan, 299-10) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english02.html#peu 「食べていこうと思ったら働かなければならない、ということを、彼は 理解し始めた」 realise は realize のイギリス英語のつづり。 また、〔開始〕と〔開始+継続〕の違いと考えられる例文もある。 (e) He started to speak, but was soon interrupted. (すぐに話を遮られた) (f) He started speaking, and kept on for hours. (何時間も話し続けた) (江川泰一郎著『英文法解説(改訂三版)』金子書房 §244解説) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#newguide (e)は「彼は話し始めたが、すぐに話をさえぎられた」ということで〔開始〕 だけを表している。 (f)は「彼は話し始めた。そして、何時間も話し続けた」と〔継続〕がプラ スされている。 ……………………………………………………………………………………………… (3)continue …………………… (a) I hope they continue to fight for equal justice after I'm gone... (“Collins コウビルド英英辞典 改訂第5版”トムソンコーポレーション) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english01.html#cobuild 「私がいなくなった後も、彼らが公平な裁判を求めて闘い続けることを、 私は希望している」 I'm gone は I've gone のこと。go や come, finish など運動や変化を表 す動詞の〔完了〕を表す。古い表現。 (b) He continued typing while he spoke. (“Macmillan English Dictionary: For Advanced Learners of American English”Palgrave Macmillan) 「彼は話している間もタイプし続けた」 小西友七・南出康世編集『ジーニアス英和辞典第4版』大修館、にはこうあ る。http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#gej 《◆ doing と to do は区別なく用いられる。しかし文脈によっては doing は「前から続いていたことを引き続き行う」ことを含意するが、to do で は「いったん止めて再び始める」ことを含意する》 (c) He continued to speak.「[一度中断したあとで]彼はまた話し始めた」 (d) He continued speaking.「[中断せずに]彼は話し続けた」 (安藤貞雄著『現代英文法講義』開拓社 16.6.3.E) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#lmeg ……………………………………………………………………………………………… (4)その他の語 ……………………… intend, plan, attempt, bother などの動詞も調べるつもりであったが、今 回は割愛することにした。各自で深められたい。 ……………………………………………………………………………………………… (5)前号の内容について ………………………………… 前(第136)号の(3)、例文(b)下で mean について、次のようにコメ ントした。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 (b)の方の leaving the house at 6.00 も mean の目的語と 考えるのが普通のようだが、that=leaving... という関係も みられ、補語と考えてもよいような気がする。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 分(ぶ)が悪いと思いながらの記述であることは読み取ってもらえたと思う。 「that の結果として leaving... が起こる」 「that が要因となってleaving... が起こる」 という意味があるそうだ。つまり「that が leaving... を引き起こす」関 係が成り立っている。 やはり leaving... 補語説は分が悪い。 ……………………………………………………………………………………………… 参考文献 http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html ……………… http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english01.html http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english02.html ──────────────────────────────────── □このメールマガジンは、以下のメルマガ・スタンドから配信されています。 ・まぐまぐ! :http://www.mag2.com/ ・めろんぱん :http://www.melonpan.net |