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[6]英文の目的格補語になる過去分詞

[4][5]と、この[6]はできるだけ近い時期にまとめて学習するといいでしょう。文法問題では、〔原形不定詞〕〔現在分詞〕〔過去分詞〕〔to不定詞〕の使い分けは、出題するのに都合がいいので、よく出題されます。


(1)知覚動詞が使われている文の目的格補語


原形不定詞・現在分詞と過去分詞の違い

(1) I heard the song sung.

「私はその歌が歌われるのを聞いた」

[5]目的格補語になる現在分詞のところで、すでに説明してありますが、ここでもお話します。例文を少し簡単にしました。〔目的格補語〕にあたる sung の部分が、sing になるのか、singing になるのか、sung になるのかは、直前の〔目的語〕との関係によります。

例文(1)の場合、the song が〔目的語〕となります。the song は、自分で「歌う」という行為をするでしょうか。もしできるならば、sing か singing となります。原形不定詞か現在分詞ですね。ところが、the song は自分で自分の歌は歌いません。誰かに歌われる方なのです。The song was sung. という風に【受身(受動関係)】の主語には成れますが、自分は歌いません。こんな場合は【過去分詞(句)】が〔目的格補語〕となります。目的語との関係を見る。これが大切なところです。

I heard someone sing the song.「私は誰かがその歌を歌うのを聞いた」
I heard someone singing the song.「私は誰かがその歌を歌っているのを聞いた」
上記の英文の〔目的語〕は、someone です。someone は自分で歌います。ですから〔過去分詞(句)〕は使えません。〔原形不定詞(句)〕か〔現在分詞(句)〕です。この関係は、後に紹介する使役動詞の場合も同じです。理解してしまえば簡単です。

過去分詞(句)を目的格補語に取る知覚動詞

〔知覚動詞〕は、[4]原形不定詞・[5]現在分詞のページで、出てきましたね。そこに出てきた知覚動詞ならば、何でも〔過去分詞(句)〕を〔目的格補語〕にできるわけではないようです。。
see(見える), hear(聞える), feel(感じる)など、限られた場合なので、英作文などで英文をつくるときには、英和辞典などで慎重に調べた方がよさそうです。

I heard my name called.「私は自分の名前が呼ばれるのを聞いた」
この例文は、私が参照した参考書3冊・高校英文法教科書1冊に、まったく同じ形で出ていました。多分、皆さんが練習問題等をやれば、同じような文に当たるはずです。

see の例も1つ。
He will never see the work completed. 「彼がその仕事が成し遂げられるのを見とどけることは、決してないだろう」



(2)使役動詞が使われている文の目的格補語

have, get

(2) We had some pizza delivered.

「私たちはピザを配達してもらった」

使役動詞のうち、have, get は〔現在分詞(句)〕を〔目的格補語〕とするときがありますましたね。同様に【過去分詞(句)】を〔目的格補語〕とする場合があります。

(1)の知覚動詞のところでも述べたように、〔過去分詞〕を使うのは、〔目的語〕が〔過去分詞の動詞〕される場合です。(2)の例文では、〔目的語〕の some pizza は、自分で配達しません。ピザ屋の店員に配達されるのです。従って deliver は、〔過去分詞〕の delivered と変化します。

「SはOを〜される」「SはOを〜してもらう」という訳が考えられますが、経験上「してもらう」と訳したほうが自然になる場合が多いようです。

「してもらう」でも【使役】と考えていいと思います。しかし、この文の型で、〔使役〕とは考えられない場合があります。

(3) They had their son killed in the war.

「彼らはその戦争で息子を殺された」→「彼らはその戦争で息子を失った」

〔使役〕とは、「人に〜させる」「人に〜してもらう」わけですが、「息子を殺してもらう」と望む親はいません。こういうのは、【受身】の要素が高く【被害】を表すと説明されます。主語の意思でその動作が行われれば〔使役〕で、have, get に強勢が置かれます。主語の意思に反した動作が行われた場合は〔受身〕で、過去分詞に強勢がおかれます。

have, get が第5文型の動詞となったときには、次の型があったのを思い出して意識して置いてください。
(1) have O 原形不定詞 (2) have O 現在分詞 (3) have O 過去分詞
(1) get O to不定詞 (2) get O 現在分詞 (3) get O 過去分詞



使役動詞に近い動詞の目的格補語

have, get の他には、make(〜を…されるようにする)、keep(〜を…されたままにしておく)、leave(〜を…されたままにしておく)が〔過去分詞(句)〕を〔目的格補語〕とすることがあります。使役と呼んでも差し支えないと思います。

(4) I made myself understood in French.

「私はフランス語で私自身を理解されるようにした」
→「私はフランス語で話を通じさせた」→「私のフランス語は通じた」

この例文はちょっと変形したものが、よく試験に出てきます。学生時代はよく理解もせずに、そのまま丸暗記したうちの1つです。

(3)like, want, need, find, ...

(5) I want my shirt ironed.
大修館『ジーニアス英和辞典』第3版 P2114 より

「私はシャツにアイロンをかけてもらいたい」

“want O to 不定詞”というのが基本でしたね。この〔to不定詞〕の部分が、to be doing や to be done のように〔進行形〕や〔受動態〕になることもあります。この“to be”の部分の省略がしばしば起こります。そうすると、“want O doing(現在分詞)”“want O done(過去分詞)”という型が現れます。

また、〔過去分詞〕は、すぐに〔形容詞〕化してしまうので、SVOCの〔第5文型〕の C の部分に〔形容詞〕のつもりで〔過去分詞〕を置いてしまうことが起こるのだと思います。

We need this engine fixed.「私たちは、このエンジンを修理してもらう必要がある」
=This engine needs fixing.「このエンジンは修理してもらう必要がある」
=This engine needs to be fixed.
上の2つは、どちらもSVOの第3文型。


〔形容詞句〕〔動名詞〕〔名詞節〕が〔目的格補語〕となる場合もありますが、比較的頻度が少ないので、「余裕ができたら……」ということにさせてもらいます。次は〔形容詞系修飾語句〕にお進みになるのを推奨いたします。


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