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[5]英文の目的格補語になる現在分詞

[4]の〔原形不定詞〕に引き続き、高校英語の文法範囲となります。〔原形不定詞(げんけいふていし)〕を目的格補語とする動詞の中に、【現在分詞】や【現在分詞に導かれる形容詞句】を目的格補語にするものがあります。

同じ動詞を目的格補語にする場合でも、〔原形不定詞〕とするときと、〔現在分詞〕とする場合では、意味が少し変わってきます。そのあたりに注目して学習を進めてください。


(1)知覚動詞が使われている文の目的格補語


現在分詞と原形不定詞の違い

(1) She heard the bird singing merrily.

「彼女はその鳥が楽しそうにさえずっているのを聞きました」
She heard + The bird was singing merrily. の関係が成り立っていることに注目してください。ちなみに、
She heard (that) the bird was singing merrily. になると、「その鳥が楽しそうにさえずっていたことを、彼女は聞いて知っている」と誤解される。

(目的格補語が原形不定詞句)She heard the bird sing merrily.
「彼女はその鳥が楽しそうにさえずるのを聞きました」

【知覚動詞】が【目的格補語】をとる場合、〔目的格補語〕の部分には、〔原形不定詞(句)〕〔現在分詞(句)〕〔過去分詞(句)〕のいずれかが当てはまります。(1)の例文とその下の例文をよく見比べてもらうと、〔原形不定詞〕と〔現在分詞〕の違いはわかってもらえると思います。

[4]原形不定詞のファイルでも述べたように、〔原形不定詞〕を使った場合は、その動作や音を始めから終わりまで見たり聞いたりしているのです。完了を見届けていると表現する人もいます。

それに対し〔現在分詞〕の場合は、動作の途中や音の一部分を見たり聞いたりするのです。

(1)の受動態=The bird was heard singing merrily by her.


現在分詞と過去分詞の違い

(2) I heard someone singing the song.

「私は誰かがその歌を歌っているのを聞いた」

Someone was singing the song. という英文をつくって内容を表すことができます。someone が sing するのです。ちなみに、
I heard someone sing the song.「私は誰かがその歌を歌うのを聞いた」
目的格補語が〔原形不定詞〕句ですね。違いは先ほど説明しました。わからなければもう一度復習してください。ただ、someone が sing すること自体に変わりはありません。

(目的格補語が過去分詞句)I heard the song sung.
    「私はその歌が歌われるのを聞いた」

こちらは目的語の the song が 歌う訳ではありません。the song は「歌われる方」なのです。ですから〔目的格補語〕は【過去分詞】となって【受身(受動関係)】を表しています。
The song was sung (by someone). の英文で表すことができる関係が成り立ちます。

現在分詞(句)を目的格補語に取る知覚動詞

〔現在分詞(に導かれる句)〕を〔目的格補語〕とする〔知覚動詞〕には、次のようなものがあります。
see(見える), hear(聞える), feel(感じる), smell(においがする), observe(観察する), notice(気がつく), listen to(聴く), look at(見る), watch(見守る), perceive(気づく)

このうち、smell については、〔原形不定詞(句)〕が〔目的格補語〕となることはありません。
(×)She smelled something burn.
(○)She smelled something burning.
「彼女は何かが焦げているにおいを感じた」



(2)知覚動詞に近い動詞の目的格補語

(3) She caught Ruri shoplifting.

「彼女は瑠璃(るり)が万引きするところを見つけた」

catch, find が、「〜が…しているところを見つける」「〜が…しているのがわかる」という意味になる場合があります。この場合は〔現在分詞(句)〕が〔目的格補語〕となります。

〔原形不定詞(句)〕が〔目的格補語〕になることはありません。



(3)使役動詞が使われている文の目的格補語

(4) We have our friends staying with us.

研究社英和中辞典第5版P776の例文を引用(一部改変)

「私たちは友達を私たちのところに滞在させている」→「友達が私たちのところに泊まりに来ている」

使役動詞のうち、have, get は【現在分詞(句)】を〔目的格補語〕とするときがあります。ただし、make, let は〔現在分詞(句)〕を〔目的格補語〕とすることはありません。

have の場合、〔原形不定詞(句)〕を〔目的格補語〕とすることもありました。〔現在分詞(句)〕との違いをはっきりと説明してある文章を読んだことがありませんが、〔現在分詞〕の場合、「その動作が完了していない」かどうか考えながら例文を見ていくと、確かに完了していないと考えることができます。あと、「……を〜のままに放置しておく」「……を〜させておく」という意味を表すときに、この〔現在分詞〕が使われることが多いようです。

使役動詞get は、“SVO+to不定詞”型と“SVO+現在分詞”型があることになります。辞書を読むと何とか使い分けできそうです。英和辞典で get の該当部分を丹念に読んでください。わかるはずです。

〔現在分詞〕の方は、使う場面が限られているのか、複数の辞書・参考書を見ても、よく似た例文ばかりが出ています。もう、慣用表現化しているのかもしれません。
We got the nuclear reactor running.「我々は原子炉を稼動させた」



(4)使役動詞に近い動詞の目的格補語

have, get の他には、set(〜を…させる)、keep(〜を…させておく)、leave(〜を…させておく)、start(〜に…し始めさせる)が〔現在分詞(句)〕を〔目的格補語〕とすることがあります。使役に近い意味をもっていますね。hold(〜に…させておく)、send(〜に、無理に…させる)などの例もあります。

(5) I'm sorry to have kept you waiting.

「お待たせして申し訳ない」

to 以降を不定詞句ではなく、文にしてみると、
I have kept you waiting. となり、
I は〔主語〕、have kept は〔動詞(現在完了形)〕、you は〔目的語〕、waiting は〔目的格補語〕となります。

Kongming, who had died, set Zhongda flying. 「死せる孔明、生ける仲達を走らす」



(5)like, want の目的格補語

目的格補語になるto不定詞のページで述べたように、want が〔目的格補語〕をとる場合、〔to不定詞〕が有力です。中3で習う大切な文法ですね。like も want と同じような意味で使えます。その場合、同様に〔to不定詞〕を目的格補語とします。このあたりは押さえておく必要があります。

ここまで勉強しておく必要があるかどうかは別にして、この2つの動詞は、〔to不定詞〕の代わりに〔現在分詞〕を置くこともあります。否定文の例が多くあります。

 I don't like my friends using their cellular phones while we are talking.
=I don't want my friends using ....
「しゃべっているときに友達に携帯電話を使ってもらいたくない」

この用法は、using の前の to be が省略されたものだと説明されています。そうなると〔to不定詞〕というのが原則なります。to be using は、to不定詞の部分が〔進行形〕になっているということです。
=I don't like my friends to be using their cellular phones while we are talking.


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