リック・ディアス
    
永野護氏デザインMS大全    
  
機動戦士ガンダム 1985−1986放送
永野氏デザインによるエゥーゴ用MS。 
TV版初期のエゥーゴのエース用重MSで、主にクワトロやエマ、アポリー、ロベルトなどが騎乗していた。TVに登場した機体以外に、初期稿やシャア専用機などバリエーションが多い。
  
 
 
 
 
 リックディアス
 
永野氏デザインによるエゥーゴ用MS。
TV版初期のエゥーゴのエース用重MS。主にクワトロやエマ、アポリー、ロベルトなどが乗っていた。主にドムの設計思想を継いでいると思われる。
  
リックディアスはZ放送前にデザインされた百式のラフ画を基にしてデザインされたらしい。言われてみると胸部・腰部等に若干類似点が見受けられるかも?
「僕はこれを別のメカにしてリックディアス作ったし」 [アニメック1985年10月号]
「百式(のラフ)があったからリックディアスができたんで・・・・。デザインの順番としては逆だからね−」 [アニメック1985年10月号]
「ここZETAから、僕のデザインであるリック・ディアスが生まれている」 [Zガンダムエース]
  
またシャア専用リック・ディアスは、形状が同じでカラーリングが赤色だったのであるが、本当はシャア専用は新規にデザインを起こすはずだったとのこと。
その後、模型紙にシャア専用としてRMS-099RSシャア専用突撃型が永野氏のオリジナル作例として発表された訳ではあるが・・・(笑)。
ちなみにそのデザインは後に明貴美加氏によりクリンナップされシュツルム・ディアスとしてZZに登場した。
「実は本当はシャア専用ディアスはデザインを作らなくてはならなかったはず。し、しかし、何と当時私は全くそんなことは忘れていたのである。カントクもはっきり言って忘れていたに違いない。」 [ModelGraphix1985年8月号]
  
当時発売された1/144リックディアスのキットに関しては、様々なコメントが模型雑誌に掲載されている。
永野氏によると、設定画では楕円形だった腕部(二の腕)がキットでは本当は四角い、肘から下の腕部は他面形滑ではなくらかなカーブを描いている。
手の甲はガンダムのようなカバーが無く手の甲のブロックから指が生えている、脛部のカバーが横から見たら台形なのに三角形になっている、
頭部はドムのように丸形ではなく側面部がくぼんでいる等の相違点があるらしい。
「腕は実は私の描いた設定では、だ円なのですが、あとから藤田君の描いた追加パースでは角断面なのです。・・・こ、これは色々あってねー。ボクも藤田君も悪くないんだよ〜実は。さて悪いのは誰でしょう?」 [ModelGraphix1985年8月号]
「ひじから手首までのブロックは、キットでは他面形になっていますけど、設定ではなめらかなカーブを描いている。」 [ModelGraphix1985年8月号]
「手の甲は一体成形のブロックで、そのブロックから指が生えているんだけど、キットでは旧ガンダムの様な手に、カバーをつける様になっている。」 [ModelGraphix1985年8月号]
「足の甲カバーが(横から見た形状が)3角形でねーかい?設定では台形のはずなのに・・・」 [ModelGraphix1985年8月号]
「ここ(足の甲カバー)はこの様(台形)になっている。キット最大のミス」 [ModelGraphix1985年8月号]
「キットのままでは(頭は)ドムです。従って図のように(側面部を)削るか、パテでスクラッチして下さい。」 [ModelGraphix1985年8月号]
 
ただし、こういった指摘は製作メーカーに対しての批判ではなく、キットに対する(正誤の)受け取り方は人それぞれであり、バンダイというメーカーがスキである故の提言であるとのことである。
現在、ファイブスターのガレージキットが原型師の裁量に任されている状況を考えると、これらの発言は永野氏の偽らざる本心であると信じたい。
ただし、その20年後の発売されたリックディアスのキット(HGUCとMG)に対して、20年たったんだから設定はしっかりとしたキットを作って欲しいという提言をしている。これもアイですよ・・・ね?
「そのメカそれぞれに人による受け止め方があるだろうし、設定と違った所も、ある人はこれで良い!と思うだろうし、AFVや飛行機モデラー気質の人は(ボクもそう)「このやろーここが1mmも長い!」とか訳のわからんことを言うかもしれない。従って(その機体の)デザイナーが、「ここが違う」とか「ここはこうする」なんて言うと、それは100パーセント正しいのだけれど、モデラ−を育てるといった点から見ればとても悪影響を与えてしまうと思う」 [ModelGraphix1985年8月号]
「何も出さないメーカーよりたえず出してくれるメーカーの方がいいに決まっている」 [ModelGraphix1985年8月号]
「永野の作例(と設定)とて、絶対ではないということをわかって下さい。・・・と言っても絶対に近いんだろーな〜。何たって設定以外のパースも全部知ってるもんね〜。こらヤバイ、ムズカシイ所なのさっ、ふーんだ。でもボク、バンダイってメーカー大好きだもん!言う所は言ったっていいじゃないのさっ」 [ModelGraphix1985年8月号]
「キットのディアスは、とっても良くできているんですけど、プラモはあくまで素材、作る人のセンスでいか様にも仕上げる事ができるはず。」 [プロジェクトZ]
「ザクはこんな感じじゃない、っていう個人個人がもってるイメージの違いはどうしようもない。でも、リック・ディアスの肩の形が違うじゃん、とかプロモーションが変とか、そういうのはスゴくおかしいわけ。それはそんなものをつくったメーカーがダメなのであって、何でわざわざお金を出して買った側がやらなきゃいけないんだよって思うよ。」 [Newtype2005年5月号]
「ハセガワやタミヤにできることをバンダイができないとか言わせないよ。「わぁ、すげぇ!」ってうならせるようなガンプラを真剣に考えてつくってほしいよね。」 [Newtype2005年5月号]
 
このリックディアスやガルバルディβは一年戦争時代のMSと、新しい世代のMSの中間に位置するMSという立場でデザインされている。
そのためリック・ディアスはドム、ガルバルディβはゲルググのイメージを濃く受け継いでいる。
「科学考証相談役の科学ライター永瀬唯さんとのミーティングで出たのは、現実の戦争もそうだけど、7年ではMSの世界にさほど大きな進歩は見られないだろうということ。そこでとりあえずは(スポンサーさんを安心させる意味を含めて)MSに見えるMSを出そうということになったんです。で、僕が真っ先に「1stガンダム」に出てきたリックドムとゲルググの後継機に当たるMSをデザインした。それが、リック・ディアスとガルバルディβなんです」 [ZガンダムメモリアルLD-BOX1封入ブックレット]
「それ(一年戦争時代のMS)を新しくデザインでやるとなると、骨格から直さなくちゃならなくなる。その、MSの骨格を矯正するためのイメージとして、最初にリック・ディアスのデザインができたわけです。」 [Zガンダムエース]
「リック・ディアスは完全にドムのイメージを踏襲している。それくらいですよ。いくら何でも最初から怪しいものを作るわけにもいかないので、さすがに僕もブレーキをかけた結果がリック・ディアスとガルバルディβという形になったんです。要するに前作のイメージを残してデザインしているんですよね。それでも、反発が強くて「これは、MSじゃないよ」とか言われていたけれど、富野さんが頑張ってくれて、「出してしまえば、こっちの勝ち」といってデザイン的なOKはもらっていた。」 [Zガンダムエース]
最初はスタッフサイドは、旧シリーズには囚われないで一新した「ガンダム」を作ろう、っていう意識でやってたんですけど、やっぱり、周りはそれでは納得しない。「永野君のデザインは難しすぎる」なんて意見が出てくるわけです、それで、旧シリーズっぽいガンダムMK-IIやハイザックを出すことになった。」 [Zガンダムヒストリカ09]
  
ちなみにリックディアスに関しては相当永野氏も思い入れがあると思われ、各種雑誌にリックディアスに関するコメントが掲載された。
「結局僕はポイントになるメカだけを作っているんですね。ある意味で、リック・ディアスからガンダムMK−IIも百式もネモも生まれているわけだし」 [アニメック1985年10月号]
「小説版では総てデザインを変えているんです。これは、もう自分の作ったリック・ディアスとかでさえ全部変えてしまっています。(中略)テレビシリーズと同じものでは、つまんない訳で−だからもう完璧にぶっ飛んでいるという感じですね」 [アニメック1985年10月号]
「作品のコンセプトを自分で出したか、他人が出したかということも大きいんです。機動戦士Zガンダムなんかだとコンセプトを出すのが大河原邦男さんと富野由悠季さんだから、そのコンセプトに沿わなくてはならない。その点どうしても落ちついたものになっちゃいますね。リックディアスとか。」 [Beep1988年1月号]
「リックディアスとガルバルディーは、ノリで作って、ハンブラビとキュベレーは開き直りで作った(笑)」 [Beep1988年1月号]
「ちなみに今までに本気でデザインしたロボット」 [CHARACTERS4FATIMA]
「ガンダムをやるというプレッシャーって、そんなになかったですよ。MSってこういうものでしょ?という、すごいあっさりとした開き直りで作りましたね。自分のラインでやっていいって言われて、作ったんですが、案の定できたときにさんざんな事言われましたねー。こんなのMSじゃない!とか」 [ISSUE&OUTLINE]
「今になっていると、リック・ディアスのデザインは完全に受け入れられていますが、当時の反発といったらなかなか壮絶でしたね(笑)。とにかく、スタッフ、スポンサー、社外の人たちから「勘違いしているんじゃねーよ!」みたいな突き上げはすごかった。だから、富野さんもさすがにどうしようもなくて、ガンダムMk-IIとハイザックという、前作のイメージを継承するMSを2体出すという形で落ち着いたように思います。」 [Zガンダムエース]
(リック・ディアスや百式は、ファンの間で人気があったように思えるとの問いに対して)受け手側にもいろいろいて、「Zガンダム」をリアルに感じられる若い子たちと前作のガンダムからのイメージで見ている人たち・・・といった感じで、今でこそ統一された感じはあるけど、当時は新規ファンと旧来のファンは完全に分裂していて。モデラーもモビルスーツを中心に見ているし、その他にも業界内やスタッフという立場で見ている人もいるわけで。だから、見る角度はいろいろで、そこが続編ものの難しいところというか。ガンプラを売ることで、ブームを引っ張っていったバンダイ側の意見もあるわけで、「Zガンダム」はそんないろんなものが複雑に絡み合ったアニメだった」 [Zガンダムエース]
「ガルバルディβやリック・ディアスは、富野さんの意思も入っている」 [Zガンダムエース]
「シャアの乗るモビルスーツや着る服を「僕はこう思う」ってデザインしたんですが、僕以外全員が認めないという状況だったんです。当時は若かったので、その状況に怒っていたんですが、ガンダムはみんながそれぞれ強いイメージを持っているので、そういう状況は当たり前ですよね。(そんな状況は保守的に感じたかの問いに対して)僕は「Zガンダム」で、今までのガンダムとは違う、新しい時代のガンダムを作るために富野さんに呼ばれたと思っていたんです。二番煎じではない新しいことをやろうという思いが強かった。でも、「ガンダムのモビルスーツはこうだ」と思っているいろんな人たちがいかに多いのかを思い知らされました。」 [ガンダムエース2009年12月号池田秀一氏との対談記事より]
 
なおリックディアスのイラストは、10倍楽しむ本
永野氏によるイラスト(リックDがグリーンノア2に進入していくというシーンが描かれている)が掲載されている。
また
このイラストに色を付けたカラー版ポスターコミックボンボン1985年3月号に掲載されている。     
 
他にも若干デザインが異なる(ZG小説版のために描かれたのではないかと推測されるが・・・没になったのかも?)リックディアスのイラストがこれまたコミックボンボン1985年3月号に掲載されている。
佐藤元氏のコミック魂火のゲストページにも2ページにわたって永野氏のコメントやイラストが掲載されていて、そのなかにSD化されたリックディアスのイラストも掲載されている。
 

 
設定画
リックディアスの設定画には番号がふられていたと思われる。今のところ永野氏による設定画のタイトルが確認されているのが背部デティール等が載っている(3)、トリモチやビームピストルが描かれている(4)が確認されている。前面パースが描かれているのが(1)、背面パースが描かれているのが(2)ではないかと思われる。ちなみに腕や脚などの詳細が描かれている設定画は永野氏によるものではない
 
当時スタッフに配布された設定画を調査したところ、前面パースが(1)、背面パースが(2)であることが判明。つまり永野氏によるリックディアスの設定画シートは4枚であったことが判明した。 2005.01.22追記
 
リックディアス(1)
雑誌等では前面パースと背面パースがあたかも一枚のシートに描かれていたように掲載されているが、永野氏が前面パースと背面パースをそれぞれ別のシートに描いている。特に永野氏のカキコミはないが、「MamoruNagano84.10.26」のサインアリ。 2005.01.22追記
 
 
リックディアス(2)

雑記したとおり、背面パースがリックディアスの2番目の設定画。
前面パース同様永野氏のカキコミは全く見られない。唯一「リックディアス(2)」というシートタイトルと、「Mamoru Nagano 84.10.26.」というサインが描かれているのみである。
 
 
 
リックディアス(3)ウェポン.とやっぱり出ましたスーパーディテールUP
クレーバズーカ・バルカンファランクス・背部デティールの3点が一枚のシートに描かれている。完全な設定画シートはZGグラフティZガンダムエースZガンダムノスタルジアに掲載されている。「MamoruNagano84.11.29」のサインあり。背部デティールの肩装甲にR02とマーキングされていたり見所が多い。永野氏の書き込みは
「ハニカム3重装甲、チョバム装甲、スペースドアーマー、爆発装甲全てとり入れてあります。」
背部デティールについて
「下図は左側のバインダーをとり去っています」
「設定(1)(2)のディアスは線をへらしたものです。UP時はこれを使用。パーツの形もちがいます!(ちがう所もあるということです)」
「ふくらはぎの所にある2つのくぼみは、T−72と同じく。(もうわかった人いたりして・・・)はい、そーゆうことです」
クレーバズーカについて
「クレイバズーカ(7+1発)」
「ディアスのシールドバーニアの所に引っかける(右図)」
「EXポートではない。メインテナンス用ドア」
「↑サブガスポート」
 
 
リックディアス(4)その他
ビームサーベル・トリモチランチャー・ブースターバインダー取付ラック・ビームピストル・前面UPの5点で1シート。
完全な設定画シートはMJマテリアル4ZガンダムエースZガンダムノスタルジアに掲載されている。
Mamoru Nagano 84 くりすだよ!」の書き込みアリ。
ビームピストル
10倍に掲載されていたイラストによって2つのビームピストルを腕にくっつけて2連装のアームランチャーに出来たことが判明。ただし実際にこの設定がTV本編にて使用されたことはなし(笑)。
「ストックは伸縮する」
「↑ここにひっかけている」
「ピストルとして扱って下さい。クレイバズーカをもたない時はガルバルディのビームライフルをもつ」
トリモチランチャー
「右手のトリモチランチャー 指はダランとなる。」
ビームサーベル
「処理は、作画の方に。取付位置は(3)をみてちょっ!ライドレーザーラックの下です。」
3とは多分上記の背面detailUPの事と思われます。背中の2連装の砲塔(これがライドレーザーラックと考えられる)の下にビームサーベルらしきものが収納されている。
頭部
ハッチの開き方及び前面のUP
「ディアスハッチ開き方および前面UP。後方(3)とちがい、ほとんど何もありません。ブロックの様な装甲どえす!」
「目はレーダーのごとくギョロリとしてる」
ブースターバインダ取り付けラック
「ブースターバインダー取付ラックUP。相当うごく」
「ほとんどトーションバーでやんの あわわ」
   

 

掲載雑誌
MJマテリアル別冊Zガンダムメカニック設定集&作例集 P30〜31
  設定画完全一部書き込み完全一部タイトル サイン
アニメック1985年05月号 P65
  設定画完全一部書き込み完全一部タイトル サイン
機動戦士Zガンダムグラフティ P78
  設定画完全一部書き込み完全一部タイトル サイン
アニメック1985年10月号
  設定画完全一部書き込み完全一部タイトル サイン
コミックボンボン1985年03月号 P220〜221
  設定画完全一部書き込み完全一部タイトル サイン
綴じ込みポスターとして永野氏のイラストや小説版のリック・ディアスのイラストが掲載されている。
コミックボンボン1985年04月号 P433・435
  設定画完全一部書き込み完全一部タイトル サイン
綴じ込みポスターに小さく永野氏のイラスト(カラー)と、イラストの初期稿とモノクロ版のイラストが掲載されている。
Zガンダムを10倍楽しむ本 P99
  設定画完全一部書き込み完全一部タイトル サイン
永野氏のイラストが掲載されている
MS大全集 P57
  設定画完全一部書き込み完全一部タイトル サイン
Z大辞典 P32・68
  設定画完全一部書き込み完全一部タイトル サイン
Zガンダムエース
  設定画完全一部書き込み完全一部タイトル サイン
Zガンダムについての永野氏のインタビューが掲載され、リックディアスについての話や設定画が掲載されている。
Zガンダムノスタルジア P154
  設定画完全一部書き込み完全一部タイトル サイン
リックディアスの設定画(3)と(4)の設定画が完全な状態で掲載されている。
 
魂火 P192
SD版のリック・ディアスのイラストが掲載されている。
Newtype1994年1月号 P8〜9
再デザインされたリックのイラストが掲載されている(カラーリングが黄緑に変更)。
Newtype2005年5月号 P235
HGUC・MGのリックディアスのキットについてやバンダイに対しての提言が掲載されている。
  
 
 
 リックディアス初期稿
 
永野氏によるリックディアスの初期デザイン。ほとんど決定稿と同じであるが、右肩にシールドバインダーが付いているのが非常に印象的。
他にもふくらはぎの装甲ににスリットが入っていたり、背中のウエポンパックが異なるなど微妙に異なる部分アリ。
この設定画は放送前に発売された雑誌などに数多く掲載されていた。カラー版も多く見られる。

 

 
設定画
この設定画に、永野氏の書き込みは多く見られる。しかし設定画のタイトル及び永野氏のサイン等は確認できず。
ただしこの書き込みは掲載されてない場合が多い。
MJマテリアル4 機動戦士Zガンダムメカニック設定集&作例集MJマテリアル10 ZZ&Z保存版設定資料集などには掲載されている。
ウエポンラック
「ランドセル中央はウエポンラック。レーザーバズーカとビームライフルのセイバー、Sマイン等を入れておける」
頭部
「シールドは戦闘中は前に下がる」
シールドバインダーシールド
「バインダーはかたにつけることもできる。内側はメインバーニア12発。相当の速度で飛行可」
「通常はランドセルの両端にセットしているメインバーニアバインダー。超重装甲のためバインダーはあまり必要としない」
装甲
「装甲の一部は爆発装甲を使用」
シールドバインダーが肩に付いたり、頭部の装甲が前にスライドするなど非常に魅力的なアイデアが多かったが、これらのアイディアが実際に活用されたことはなかった。非常に残念。
 
 

掲載雑誌
MJマテリアル別冊Zガンダムメカニック設定集&作例集 P30
  設定画完全一部書き込み完全一部タイトルサイン
ZZ&Z保存版設定資料集 P56
  設定画完全一部書き込み完全一部タイトル サイン
  
  
 
 リックディアス
      (小説オリジナルVer.)
 
コミックボンボン1985年3月号に掲載されたオリジナルデザインのリック・ディアス
小説版ZGのために描かれたイラストで永野版カミーユと共に描かれている。

 
頭部のバルカンファランクスのカバーの形状や股間部の装甲の形などが異なる。
他にも頭部に2本アンテナがあるなど若干デザインに差異が見られる。

 
当時発売予定であった富野氏の小説版ZGの告知兼イラストを描くのが永野氏であるという情報と共にこのイラストが掲載されたのであるが、残念ながらこのイラストが同小説に使用されることはなかった。
よってかなり幻のデザインといえる状況になってしまっている。

その後、2002年に発行された機動戦士ガンダム大全集PartII(テレビマガジン特別編集)に、コミックボンボン1985年3月号に掲載されたこのMSのイラストが転載されている。この書籍は今でも普通に書店で購入できるので、なかなか見ることが難しかったこのMSも、やっと誰でも見ることが出来る様になったといえる。 2006.02.22追記
 


 
掲載雑誌
コミックボンボン1985年03月号 P221
このMSが描かれたイラストがモノクロで掲載されている。この号には他にもリックディアスのイラストや設定画が掲載されている。
機動戦士ガンダム大全集PartII(テレビマガジン特別編集) P36
コミックボンボン1985年3月号に掲載されたイラストが転載されている。
 
 
 
 シュツルムディアス
      (シャア専用突撃型リックディアス )
 
大型のグライバインダーを装備したリック・ディアスの高機動型。
 
 
通常のリックディアスとの変更点としては、シャア専用機らしく頭部にツノ状をしたハッチに変更されたり、後部スカートが大型化されたりしている。
ちなみにこのシュツルムやエプシィなども装備しているグライバインダーはこのMSが初出。小説版百式のバインダーを発展させたとのこと。
「一度巨大な、バーニアしょったモビルスーツを作ってみたかったのだ。某講談社の小説版ZGの表紙にもデカイバーニアしょった百式バッシュがすっとんでいるが、あれがそもそものイメージ。」 [ModelGrahix1985年8月号]
 
ModelGraphix1985年8月号に、永野氏自らデザイン・制作したこのオリジナルMSの作例が掲載されたのが初出。
その後明貴美加氏によってアニメ用にクリ−ンナップされ、ZZに登場している。
 
永野氏がデザインした当初はシャア専用にカスタマイズされた機体という(永野)設定であったが、ZZに登場したときは、ジオン残党がエゥーゴから奪取したという設定でアクシズ側のMSとして登場した。
型式番号も永野氏のRMS099RSからRMS-099Bに変更されている。
「ボクはリックディアスを作ったのだ。それも、hayakuもMSVなのだ。リックディアスシャア専用突撃型なんてMSVらしく長ったらしい名称を付けて・・・・・・。」 [ModelGraphix1985年8月号]
「ここでやっと本題のシャア専用リックディアス突撃型RMS099RSに入る。実は本当はシャア専用ディアスはデザインを作らなくてはならなかったはず。し、しかし、何と当時私は全くそんなことは忘れていたのである。カントクもはっきり言って忘れていたに違いない。」 [ModelGraphix1985年8月号]
「そもそもシュツルム・ディアスの初登場は、MG誌85年8月号であった。リック・ディアスのデザイナーである、永野護氏自らの手による1/144キット改造作例(!)で登場したのだ。その時点では、シャア専用、という設定。それから一年後、何とZZガンダムTV本編に登場することになってしまった!GMIIIやドワッジ同様、「MSらしいMS」というコンセプトにならって提出された、このシュツルム案が採用された訳だ。TVでは、エゥーゴの機体をネオジオンが奪って使用するそうで、残念ながらシャア専用機にはならない」 [ModelGraphix1987年1月号]
 
永野氏が作成したこのMSが、明貴氏によりクリーンアップされ、ZZに登場する際に永野氏の許可を受けていたのか長らく不明であったが、モデルグラフィックス2010年9月号に掲載されたあさのまさひこ氏の記事内で、永野氏の許可を受けてからの登場であったことが判明した。
「ZZMSV計画のなかには.かつて永野がデザインしたシュツルム・ディアスも(当然ながら永野からの許可の下に」組み込まれており、製品化こそされなかったものの、第38話と第44話への劇場登場は果たしている」 [ModelGraphix2010年9月号あさのまさひこ氏]
 
シュツルムディアスと呼ばれる機体であるが、デザインされた当初はシャア専用リックディアス突撃型RMS099RSという名称で、シュツルムディアスという名称はプロジェクトZにこの作例が再録された際にはじめて公にされている(このムックが発売されたのが1986年3月、明貴氏の設定画の日付が1986年6月11日である)
 永野氏のコメント内にシュツルム・ディアスの名が出てきていることから、このシュツルム・ディアスという名称も永野氏によるものと考えられる。
「このシュツルムディアスも、単に遊びの設定にすぎないので」 [プロジェクトZ]
 
ちなみにリック・ディアスのシャア専用機は新規にデザインを起こしてTVに登場させる予定であったはずが、永野氏・富野監督共にその事をすっかり忘れてしまったそとの事である。
そのリベンジ(?)としてこのMSの模型を自成したらしい。
「実は本当はシャア専用ディアスはデザインを作らなくてはならなかったはず。し、しかし、何と当時私は全くそんなことは忘れていたのである。カントクもはっきり言って忘れていたに違いない。で、今頃立体で作ろうという訳である。わっはっはっ。」 [ModelGraphix1985年8月号]
 

 
設定画
設定画は作例が掲載されたMG1985年8月号や、プロジェクトZに多く掲載されている。その後チラホラとMGに再掲載されていたりもしている。ちなみに設定画は、各部分のリックディアスからの変更点についてのみで、全身像などの設定画は存在しない。全身像についての設定画はすべてクリンナップした明貴美加氏によるもの。
 
設定画はバラバラに掲載されているためどのような設定画シートであったが判別できないが、サインが2点掲載されていることから2枚以上にわたって描かれたものであると考えられる。ちなみにサインは「Mamoru Nagano 85.23.June. For Model Graphix」「くりす85.6.23」が確認できる。大きく分けてグライバインダー・頭部回り・腕・ボディ・バインダー取付ラック・後部スカート・足・足の裏の8箇所の設定画がMG1985年8月号プロジェクトZに掲載されている。書き込みが削除されていないのが非常に嬉しい。
 
 
グライバインダー1/144原寸 (グライバインダー)
外側と内側の2点が描かれている。「グライバインダー1/144原寸」のタイトルあり。
グライバインダーの外側に110SS-505 A1064040 B6のマーキングが描かれている。
永野氏の書き込みは
外側
「↓マーキングはこんな感じ」
バインダーのカド 「↓エッジを落とす」
装甲表面処理 「144では.あんまり外板処理は.やんない方がいいみたい.」
内側
設定画にはバーニアや排気口、パイプなど詳細に描かれているが、作例はツルピカリンである。
「本当はここにこーゆうバーニアラックがつくはずであった.わははは・・.あとは写真をみてちょっ!作りたい方はどーぞ.」
バインダー取付部 「↓マウントラッチ.」
 
 
ノーマルヘッドの改造 (頭部)
リック・ディアスのキットからの頭部変更図が3点、シュツルムのヒサシ部の設定画が1点。合計4点描かれている。
「ノーマルヘッドの改造」というタイトルあり。
永野氏の書き込みは
リックディアスキット頭部変更図(斜め)
キットのままではマルマルしていてドムの様であったのが非常に不満だったらしく、くびれが入れられている。
ちなみにこのくびれはリック・ディアスの設定画では非常に解りづらい。唯一バストアップ詳細が描かれた設定画で判別出来るが、他の設定画では丸く見えてしまっているので、キットに関してはしょうがないのでは?という気も(笑)
頭部取付 「5mmほど頭は.後ろにずらしてつけるとよい」
モノアイスリッド 「モノアイの内側はすりばち状にけずる」
 リックディアスキット頭部変更図(前)
頭部くびれ 「↓ケズル」
 リックディアスキット頭部変更図(横)
特に書き込みなし
 シュツルム時のヒサシ部設定画
ヒサシが前に倒れることでコクピッドに入るというのが非常に興味深い。
そのため通常のリックディアスについていた円形のハッチ(頭部側面)がなくなっている。
「シャア用ヘッド.ハッチはない」
ヒサシ 「↓0.3mmのプラ板」「←何と前に倒れるのだ..すると入口があったりする」
頭後部 「←パテモリ」
パイプ収納部 「うしろに(頭部を)伸ばすとパイプが入らん.(収納部を)ケズってパイプが入る様にしておく.」
 
 
うでの改造 (腕部)
通常版リックディアスのキットの腕部に対しての不満点を挙げた設定画が4点、シュツルム用の腕設定画が1点で合計5点描かれている。
「うでの改造」のタイトルあり。
腕全体
キットでは二の腕が四角形であったのだが、不満だったそうで「腕は実は私の描いた設定では、だ円なのですが、あとから藤田君の描いた追加パースでは格段面なのです。・・・こ、これは色々あってねー。ボクも藤田君も悪くないんだよ〜実は。さて悪いのは誰でしょう?」というコメントがMG1985年8月号に掲載されている。
永野氏の書き込みは
「ディアスデティール.1/100以上で参考にしてちょっ!」
肩 「1/144ではスラスターを分離させない方がよいみたい・・・」
二の腕 「角を落として細くなる」「ここに3本コードをつけるとgood」
腕部
キットの形状と、改造後の2点が描かれている。
「キットのうで」
「パテもり大会で.丸くする.(ノーマル用のうで)」
エッジ部分 「←ここは.プラのチップから作る」
肩部
110のマーキングが印象的。通常のリックディアスの時はR02と描かれていた。
「ミゾほり」
手部
手首の差し首棒に瞬接で滑り止めを付けている所など、いかにもという感じ。この部分についてはかなり不満があったらしく「手の甲は一体成形のブロックで、そのブロックから指が生えている」とのことであるが、キットではグリップに手甲カバーがついていたので全然違うとのこと。
ガルバルディβのキットでは手首に関してはドンピシャであったらしく、このキットでもガルバルディの手首が転用されている。
「手はガルバルディのものを使って作り直す」
差込棒 「少しゆるいので.瞬接をたらして太くする」
親指付け根 「↓パテ」「↓1.2mm」
シュツルム用の腕設定
頭部のツノと同様に突起を追加されている
「-シャア用のうで(作例)-」
突起 「←プラ版で成形」
 
 
ボディ (胴体部)
胸部1点、腰部3点描かれている。腰部はいずれもリックディアスのキットからの修正例。
ただし腰部に関して出来に満足しているらしく「キットとても良く再現してある」との書き込みが見られる。「ボディ」のタイトルあり。
胸部
横からの視点の設定画。胸当て装甲が削られシャープになっている。
「↓うらうちしてケズル」
腰部(横)
後部スカートのバーニア「←バーニア実はういている・・・.やりたい方はどうぞ.作例では直していない.こういった点はどうでも良いことなのだけれど・・」
腰部(後ろその1)
サイドスカート接続部 「←スカートレール」
腰部(後ろその2)
後部スカートが外された状態で描かれていて、スカートに隠れているレール部分が見て取れる。
「レールはキットのままでも良いが本当はこうなっている.今回のシャア用にするためにはスカートを新造するので作らなくてはならなかった.」
 

バインダー取付ラック
横からの視点の物と、真後ろからの物で2点描かれている。
「バインダー取付ラック」のタイトルと「ライナーとプラ板で作る.原寸図ないんで写真みて作って下さい.」の指示アリ。
取付ラック(横)
胴体部とラックの接続の状態が非常によく解る。キットのラック部分を一部取り除いている。
ラック裏部 「ラックのパーツはここをカット」
取付ラック(後ろ)
ビームピストルやクレイバズーカの取付方法やバーニアの形状のなどが見て取れる。
ラック中央「←ビームピストルはどっちかにつける」
バインダー中央 「←クレイバズーカ取付ラックをつけておくとオモシロイかもしれない」
バインダーバーニア 「←作っていないバーニア.作りたい方はどうぞ」
 
 
●シャア機用後部スカート
シャア専用機用の設定画。腰回り2点、スカート1点の計3点描かれている。
「くりす85.6.23.」のサインあり。
後部スカート
この部分はかなり大型化されている。
バーニア 「↓中央のバーニアはつけていない」
腰部レール 「↓腰のレールは1.2mmのプラ板とプリパテで作る.」
後部スカート 「↑この部分はキットのスカートから0.5mmをはりつけて上から1.2mmをはって.パテで成形[写真をみてちょっ]」
腰部(横)
前・横・後部のスカートの取付の様子が描かれている。後ろのスカートに関しては通常リックとの比較図も描かれている。
前部スカート 「↑前のスカートは一度カットし.付け直す」
レール部 「→パテとプラ板で新造する」
後部スカート 「↑ノーマルの位置」「←うしろに広げる」
後部スカート
プラ版とパテでスカートを延長している様子を、断面図でわかりやすく描かれている。
 
 
●足
シャア用の脚部と、通常リックの2点が描かれている。
この脚部に関してはキットにかなり不満を感じていたらしい。膝当てはガルバルディのものが使用され大型化している。
シャア用機脚部
膝当て 「シャア用はひざあてがガルバルディのものがついている」
脚部袖形状 「ここはこの様に(袖が斜めになっている)なっている.キット最大のミスだが.修正は不可能のためキットのまま(袖が平行)にしておいた.でも別におかしくないので充分である」
リックディアス脚部
横からの断面図。
 
 
オマケ.シャアディアス 足のウラ

おまけで足の裏の様子が描かれている。
「オマケ.シャアディアス足のウラ」のタイトルと「Mamoru Nagano 85.23.June. For Model Graphix」のサインあり。
 
以上がモデグラなどに掲載された。
今のところシートの状態で掲載された物は確認できず。
 

 
掲載雑誌
ModelGraphix1985年8月号 P80〜85
  設定画完全一部書き込み完全一部タイトル サイン
作例及び解説・設定画(すべて)掲載されている。
モデルグラフィックス別冊GUNDAM WARS PROJECT Z P66〜67・90〜91
  設定画完全一部書き込み完全一部タイトル サイン
作例及び設定画(すべて)掲載されている。またこのMSについてのコメントも掲載されている。
ModelGraphix1987年1月号 P56
  設定画完全一部書き込み完全一部タイトル サイン
設定画が一部再録されている。書き込みもそのまま掲載されている。
ModelGraphix2002年10月号 P162
  設定画完全一部書き込み完全一部タイトル サイン
グライバインダーのみ再掲載されている。
ModelGraphix2010年9月号 P30
  設定画完全一部書き込み完全一部タイトル サイン
設定画が一部再録されている。
 
 
 
 リックディアス
      (1994Newtype Ver.)
 
ZガンダムのLD-BOX発売に際し、Newtype1994年1月号及び同LD-BOX1に封入されたブックレットに掲載された永野護氏のイラストに登場したリックディアス。
デザイン及びカラーリングがリメイクされている

 
TVに登場した機体とはかなり異なる印象であるのだが、外見上の特徴として機体のカラーリングが/から鶯色に変更された。
形状は
隊長機の頭部に、ザクと同形のツノ
サークルバインダーを装備
両肩にモノアイ
背部スカートを大型化
などの変化が挙げられるが、特筆すべき点として、バインダー及びバックパックにマウントされていたビームピストル撤廃されている点であろう。
特にバインダーは重装甲のリックディアスにとって欠くことの出来ない装備である。
 
その装備を外した理由として考えられるのが、新たに設定されたプルトンドライブである。
この機構を持たされたことによりバインダーが不要になったと考えられる。
「全機下半身はプルトンドライブ特有の奇怪な脚部をもっている」 [Newtype1994年1月号]
   

 

掲載雑誌
Newtype1994年1月号 P8〜9
イラスト及び解説文が掲載されている。
ZガンダムメモリアルLD-BOX1封入ブックレット P16
イラストが完全な形で掲載されている。
本誌ではコメントに隠れてよく見えなかった永野氏のサイン(「Mamoru Nagano 1993Dec」)も見ることが出来る。

ISSUE(P102)&OUTLINE(P104)
イラストが小さく掲載されている。
GUNDAM A 2002Spring No.004 P323
安彦氏との対談のなかにイラストがモノクロで掲載されている。
ZガンダムエースNo.001 P86
永野氏のインタビューと共に、このイラストも転載されている。
機動戦士ガンダム30周年画集「天地創造」 P201
イラストが再録されている。
   
 
 
 リック・ディアス
      (2005ポスターVer.) 
 
2005年Zガンダム劇場版公開に合わせて4体のMSが描かれ、Zガンダムエースとニュータイプ2005年7月号の付録ポスターにて公開された。
ガルバルディキュベレイZガンダムエース、リック・ディアスとハチカはニュータイプ2005年7月号)
 
永野氏がモビルスーツのイラストを描く場合は大抵原型を留めていないデザインになってしまうのであるが、この時に描かれたMSの内、ガルバルディキュベレイ、リック・ディアスはデザインに変更はほとんど見られなかった(ただしハチカは完全な新デザインのMS)。
1994年から約10年ぶりに描かれたリック・ディアスであるが、当時の設定を色濃く残しながら、スタイリッシュさと重厚感を兼備した(個人的には)極めて白眉なイラストだった。
 
ただし、当時のリック・ディアスと比べると一部デザインの相違があり、
バックパックのシールド下部の形状が若干変更されている。他にもバックパック正面にバーニア追加。
肩の装甲にカービングされていた「R02MN」が消され、替わりにモノアイ追加。
脚のふくらはぎ部分バーニア追加。
つま先部分と踵部分を分割化
等があげられるが、ほとんどの部位は以前のデザインを元に忠実に再現されているのは正直意外である(笑)。
 
ただしカラーリングは若干変更されており、胸部装甲・腰横部装甲・脛装甲などTV版ではこげ茶色だった部分が赤色に変更され、機体のほとんどが赤色という配色に変更されている。また、シールドの配色も縁部分を赤色にされており、印象が大幅に変わって感じられる。
ちなみに、この機体も他の機体と同様に、胸にはジオン公国のマーク、盾には何故かディフォルメ化されたハンブラビのマークが描かれている。
 
 
このバージョンのリック・ディアスの特記すべき点として、このMSに振られている形式番号が「MS-24」ということであろう。
言う迄もなく「MS-**」という形式番号はジオン公国のもので、エゥーゴ側で使用されたこの機体にはふさわしくない番号である。。 
 
リック・ディアスは勿論エゥーゴが使用した機体であり、正式な形式番号は「RMS-099」である。
これは極秘でリック・ディアスを開発していた為にエゥーゴは連邦式のRMS-099をつけたという由来がある。リック・ディアスはアナハイムのジオン系メカニックが開発しているので仲間内ではこっそりとジオン系であることを示す形式番号「MS-24」で呼ばれていたという(永野氏の脳内妄想)ことなのかな?
 
ちなみに永野氏の(オレ)設定の中ではガルバルディがMS-23であるとのこと。ちなみにジオン最後のMSであるハチカはMS-35とのこと。
ということはその間に13体のMSがあるという計算である。一体残りの10体は(永野氏の脳内設定では)どのようなMSなのだろう・・・。
 
また、他にもニュータイプのポスターの裏に4体のMSのモノクロイラストとキャプションが掲載されているのであるが、その中の文章に「これらのMSは全てアナハイムエレクトロニクス製作のもの」と書かれている事も非常に印象深い。 
確かにこのリック・ディアスはアナハイム製であるが、ガルバルディは連邦軍基地ルナツー、キュベレイはアクシズの工廠で作られたという設定のはずなのだが・・・(笑)。
他にも謎のウェポンシステムを持っている事や、クワトロ・バジーナが使用した機体のカラーリングについてのコメントが掲載されている。
「ここにあるモビルスーツはすべてアナハイムエレクトロニクス製作のものだが」 [ニュータイプ2005年7月号付録ポスター] 
(ハチカは)リックディアスやガルバルディと同じウェポンシステムを搭載している。詳細は不明」 [ニュータイプ2005年7月号付録ポスター] 
「一年戦争後、ジオンの技術者が開発した、反地球連邦政府組織エゥーゴのMS。クワトロ・バジーナが駆る機体は、かつての「赤い彗星」シャア・アズナブルの機体と同じく赤く塗られていた」 [ニュータイプ2005年7月号付録ポスター]  
 
これらのMSを描いた理由として、永野氏は「デザイナーとしての最後の意地」であるとも述べているが、一方で金策の為に嫌々描いたとのコメントも存在する。 
ま、単に描きたくなっただけじゃないんですかね(笑)
「何でいまだにキュベレイとかを相変わらず描くのかというと、それはデザイナーとしての最後の意地があるから。それだけですよ。だから、今回のポスターは「こっちにしておけば良かった」とみなさんに思わせるように描いてますから(笑)。」 [Zガンダムエース] 
「おご〜っ会社に金ね〜っ。その上車も調子わり〜っ。どーせーっちゅーんじゃ〜っ金策・・。おかげでぶっさいくなロボット4体も描くハメになったしーっ。」 [ニュータイプ2005年8月号] 
(エストの台詞)描いてる時は「かっちイーっさすがオレメカ」とか言ってたくせにーっ。あれはぶっさいくなのがカッコイイんでスよー。主役メカだって毎回ブタみたいなカオしてるし〜。」 [ニュータイプ2005年8月号] 
 
久々にリックディアス、ガルバルディβ、キュベレイのイラストを描いた経緯については、後にシャア役の声優である池田氏との対談で経緯を語っている。
「劇場版「Z」に関しては、(池田秀一氏の劇場版Zをやってみて色々なシコリなどを吹っ切れたという発言に対して)僕も同じで、公開に合わせてもう絶対に描くことはないと思っていたリック・ディアスやキュベレイのイラストを描いたんです。要するにそこまで人間の気持ちがほぐれたということなんでしょう。」 [ガンダムエース2009年12月号池田秀一氏との対談記事より]
   

 

掲載雑誌
Newtype2005年7月号 付録ポスター
このリックディアスとハチカが描かれたポスターが付録として付いていた。また裏面にも4体すべてのモノクロ版イラストと永野氏によるキャプションが描かれている。
機動戦士ガンダム30周年画集「天地創造」 P203
イラストが再録されている。
ガンダムエース2024年3月号 P13
Newtype1986年3月号のイラストが再録されている。
    
 
 
 リック・ディアス
      (2014.贈答色紙用イラストVer.) 
 
2014年4月にニコニコ動画での「宮路一昭、川村万梨阿のアニタメ温故知新」にて、サンライズ会長である内田健二氏に永野氏より贈られた色紙に書かれていたイラストの機体。
内田氏にプレゼントされる際に視聴者に向けて紹介された。
 
腹部より上がモノクロペンで書かれており、左肩部・胸部・頭部のデザインが確認できる。
頭部及び胸部は従来のデザインと大きく異なっており、特に頭部は頭頂装甲部のトサカがない、マスクガードが凹型から凸型になっているなど大きく印象が異なっている。
胸部装甲は一体型であったのが正面部と鎖骨・脇を覆う部分が分割した形状に変更されている。
 
色紙には「Mamoru Nagano 2014 April.11th」とサインが書かれていた。
 

 

掲載雑誌
夕刊フジ2014年4/24号 P12
小さく色紙の映った写真が掲載されている。
声優グランプリ2014年6月号 P110
小さく色紙の映った写真が掲載されている。
   
 

 

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