(派遣の種類)
労働者派遣には政令26業務という派遺労働者を受け入れることのできる期間に制限がない
ものと、自由化業務という派遣労働者を受け入れることのできる期間に制限があるものに大
きく分けることができます。
政令26業務は専門的な業務が中心であり、自由化業務は政令26業務以外、例えば製造業
など多くの派遣はこれに当たります。
自由化業務についての派違期間は、「派遣就業場所ごと」の「同一の業務」について原則1
年とされています。これは派遣労働者ごとに判断するのではなく、その場所、その業務に派
遺を受け入れた日から原則1年でその間に派遣労働者が変わったとしても関係ありません。
つまり、Aという場所のBとい業務に甲さんという派遣労働者を受け入れたら1年後にはそ
の場所その業務に派遣労働者の甲さんを受け入れることができません。
また1年を待たずに甲さんが辞め同じ場所、業務に派遺労働者の乙さんが入ってきた場合、
乙さんを受け入れたときから1年ではなく、甲さんを受け入れたときから起算して1年が経
過すると乙さんを受け入れることができなくなります。
この自由化業務に派遣労働者を受け人れることのできる期間は前述のよう原則1年ですが、
派遣先の過半数労働組合等の意見を聞いたうえで最大3年まで延長が可能ですから、ほぼ実
熊としては3年になっているかと思われます。
では、この受け人れ期間の限度(抵触日といいます)が来た場合どうなるのでしょうか。
抵触日以降は新たに同じ場所で同じ業務に派遣労働者を受け入れることはできません。
受け入れたければ最低でも3ヶ月と1日の期間をあける必要があります。
これを一般的にはクーリング期間と呼ばれています。
次に問題になるのが、抵触日を迎えた場合その派遣労働者がどうなるかです。
①派遣元事業主から抵触する日以降継続して派遣を行わない旨の通知を受けたこと
②抵触日以降も派遣労働者を使用しようとすること
③派遣労働者が派遣先に雇用されることを希望すること
3つの要件を満たす場合は派遣先に雇用の申し込み義務が発生します。
政令26業務に抵触日という概念はありませんが、同一の業務に同一の派遣労働者を3年を
超えて受け入れており、その同一の業務に新たに労働者を雇い入れようとする場合、派遣先
は派遣労働者に対しで雇用の申し込み義務が発生します。
(社会保険労務士・後藤田慶子)