・試用期間後の不採用について・・・
トラブルを防ぐためには、雇用契約の際に
① 試用期間があること
② 勤務状況を観察して、職務等について的確性がないと判断した場合には本採用を
しないこと
③ 会社が期待している能力・役割等をできるだけ具体的に説明すること
・・・が大切です。従業員には、「自分は試用期間であり、的確性がないと、本採用
されない」と 認識してもらう必要があります。
就業規則に、本採用の拒否事由についても定めておくことが必要です。
上司は部下を教育し、問題があるときは放置せず、改善するよう注意・指導すべきで
す。このままの勤務状況では本採用は難しい旨を明確に伝えておくほうがよいでしょう
。将来本採用拒否を巡って紛争になった場合、指導したにもかかわらず改善しなかった
という事実が、本採用拒否を有効とする方向に働きます。書面等で指導するなどし、そ
の証拠を残しておくべきです。
・年休有給休暇を付与しなかった場合に罰則はあるか・・・
年休付与違反とは
① 年休の請求に対して、拒否する
② 申し出に対して、正当な事由がないにもかかわらず時季変更権を行使し、年休所
得日に出勤を求める
③ 年休に対し賃金を支払わない
・・・等があります。
年休に対する違反には、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金の罰則が適応さ
れます。罰則は、会社だけでなく事業主の為に行為した人事担当、上司、その他の従業
員などにも適応されます。
その違反が年休に対する賃金不払いである場合には、従業員の請求により、未払い金
と同額の付加金を命ぜられることがある点にも留意する必要があります。
・始末書とは・・・
懲戒処分の譴責では、始末書の提出を求めます。非違事実を報告するだけの顛末書に
とどまらず、反省および謝罪の意を表明するものであることが一般的です。
通常は従業員が非違行為を反省してるので、始末書を提出することにも抵抗はしませ
ん。しかし、懲戒に不服である場合には、反省や謝罪までを求める始末書の提出を拒む
ことがあります。会社は、提出がなければ懲戒処分が完結しないので、提出に固執する
ことになります。
反省・謝罪の意志を含む始末書の不提出を理由とする懲戒処分について、憲法が保障
する内心の自由を侵害するものとして、これを無効とする考え方があります。
一方、始末書の提出を命じる懲戒処分に応じないことは服務規律違反であるとして、
懲戒処分の対象とする考え方もあります。労働契約では、労務提供と賃金支払いとが対
価関係にあります。反省や謝罪という精神面での謝罪が無くても、労務提供自体は遂行
できます。始末書の性格にもよりますが、不提出を理由とする懲戒処分は無効となるリ
スクが相当あるといえます。
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| ~協会けんぽ保険料率改定します~ |
* 平成28年3月分の保険料より引き上げになります。 *
| +――――+――――――――+――――――――+ |
* | |現行 |変更後 | *
| +――――+――――――――+――――――――+ |
* |京都府 | 10.02% | 10.00% | *
| +――――+――――――――+――――――――+ |
* |大阪府 | 10.04% | 10.07% | *
| +――――+――――――――+――――――――+ |
* |兵庫県 | 10.04% | 10.07% | *
| +――――+――――――――+――――――――+ |
* |奈良県 | 10.02% | 9.97% | *
| +――――+――――――――+――――――――+ |
* *
| ~雇用保険料率引下案が国会提出されました~ |
* 雇用保険料率の引き下げの法律案が国会に提出されました。成立した場合、 *
| 平成28年4月1日以降の雇用保険料率は下表の通りになります。 |
* +―――――+――――――――+――――――――+ *
| | | 労働者負担 | 事業主負担 | |
* +―――――+――――――――+――――――――+ *
| |一般の事業| 0.4% | 0.7% | |
* +―――――+――――――――+――――――――+ *
| |建設の事業| 0.5% | 0.9% | |
* +―――――+――――――――+――――――――+ *
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(社会保険労務士・後藤田慶子)