健康保険から厳禁給付(傷病手当)
 
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2016
.8.8


  健康保険に加入している人が病気やケガで仕事を休むことになり、社会から給与が支給
 されなくなったとき、健康保険制度には生活を保障するための「傷病手当金」というしく
 みがあります。


  (支給の条件)

  ①業務外での病気やケガにより休業していること

  ②仕事に就くことができない状態であること

  ③休業した期間に給与の支払いがないこと

  ④連続して4日以上仕事に就けなかったこと


  (支給される期間)

  支給開始日から最長で1年6ヶ月です。休業途中で出勤した場合でも、出勤した日数が
 延長されることはなく、出勤した期間も1年6ヶ月に算入されます。


  (支給される額)

 
+------------------------------+
 
 1日あたりの額=標準報酬月額平均額(※)÷30日×2/3 
 
+------------------------------+
  (※)・・・標準報酬月額平均額とは、支給開始日以前12ヶ月間の各月の標準報酬月
 額を平均した額です。
  「標準平均月額」とは、原則毎年4~6月の給与平均から決定した保険料計算の基にな
 る「給与の月額」です。

  例えば、標準報酬月額が1年間30万円の場合

  30万円÷30日×2/3=6,667円/日

  となります。
  計算の基になっているのは「給与の月額」ですからボーナスは含まれていません。ボー
 ナスからは保険料が控除されていますが…残念です。


  (退職後の継続給付)

  加入して1年以上の人が退職日の時点で傷病手当金を受けているか、受けられる条件を
 満たしていれば、退職後も受けるこたができます。
  保険料はかからないのに給付は受けられる、すばらしい制度ですね。
  休業中の人の退職が決まり、最終日に引き継ぎや書類整理、挨拶などで出勤してもらお
 う、ということがありますが、この場合「退職日の時点で支給される条件を満たしていな
 い(仕事に就くことができる状態)」となり退職後の給付が一切受けられない場合があり
 ます。


  (自宅療養でも対象)

  「仕事に就くこたができない状態」とは、入院だけでなく自宅療養も含まれます。外出
 等できる状態であったとしても、今の仕事をこなすことが難しい状態と医師等判定されれ
 ば対象となります。



  【2016年度最低賃金の動向】

  7月26日厚生労働省中央最低賃金審議会により、大阪府の最低賃金は25円アップの
 「
883円」を目安とされることが決定された。
  京都府「
831円」、兵庫県「818円」、奈良県「762円」、東京都「932円
 となっている。
  
                           7月28日付日本経済新聞より
 
           

(社会保険労務士・後藤田慶子)
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