
マイナス金利が適用され、半年が過ぎた。それにも拘らず依然として物価は上昇しない
ついにはヘリコプターマネーなる政府・日銀が紙幣をばら撒き、花咲かじじーになるとい
う、究極の金融・財政政策が話題になっている。
具体的には、日銀が国債を政府から買い取り、政府は返済の義務がないというこたであ
ろう。これまでの社会秩序が壊されるとの感を禁じ得ない。国際化、情報化、高齢化によ
り経済社会が大きく変化し、従来の手法では対応出来ないところまで来ているということ
であろう。
これらの影響が年金の仕組みに課題を突き付けている。すでに生命保険会社は、個人年
金保険商品の新規契約の中止に動いている。マイナス金利の前提で個人年金を統計すれば
保険料より給付費の方が下回る商品になる。現金を持っていた方が良いことになり、商品
の体をなさない。マイナス金利を公的年金制度に当てはめてみよう。世代間扶養の賦課方
式の下で、ある程度の積立金を保有し、保険料率は来年上限を迎える。給付は物価・賃金
などの値に基づき、マクロ経済スライドが行われる。原理的には賦課方式であり、利回り
は制度成立の決定要因とはならない。それでも、利回りが低下すれば、現在保有の積立金
の減少速度が速くなる。財政の安定維持のために、給付水準である所得代替率を下げるこ
とも必要になるかもしれない。
日銀総裁からマイナス金利の深掘も検討に値するとの発言があり、また、低所得者への
給付金支給という、ヘリコプターマネーを連想させるような政策も実施される。経済社会
の大きな変化へ対応するためとはいえ、出来ることなら、これまでの常識が通用しなくな
るような金融・財政政策は避けて通りたいものである。
(週間年間実務 8月29日号 ズームアップより)


(厚生年金の被保険者状況)
平成26年度末の被保険者数は、前年度末に比べて71万人増加し、制度発足以来最多
となっている。
|
男性 |
女性 |
被保険者数 |
22,929千人 |
13,057千人 |
年齢構成
(40~44の割合) |
14.9% |
13.5% |
平均年齢 |
43.8歳 |
41.7歳 |
被保険者の標準報酬月間平均 |
348,043円 |
234,554円 |
被保険者の標準賞与額1回平均
|
50万6千円 |
30万 |
総報酬ベース・年額 |
499万2千円 |
325万4千円 |
標準報酬月額の分布 |
620千円/212万人 |
220千円/124万人 |
(厚生年金受給者状況)
平成26年度末の厚生年金受給者数は、前年度末に比べて76万8千人増加している。
|
男性 |
女性 |
受給者数 |
32,932千人 |
年齢構成
(65~69歳の割合) |
26.2%/375万人 |
25.3%/373万人 |
老齢年金月額平均
(65歳以上) |
179,578円 |
108,384円 |
(日本の人口)
平成28年1月1日現在の日本の人口は、前年に比べ27万人減の1億2,589万人
で過去最大の減少数となっている。さらに、最も多い年齢階級は65歳~69歳の982
万人、40歳~44歳の976万人となっていて、45歳以上人口が全国人口の過半数を
占めた。

~厚生年金保険料率が改定されます~
9月分(10月納付分)より、17.828%から18.182%に改定されます。
~算定届により報酬月額が運用されます~
「算定届」による報酬月額が、9月分(10月納付分)から適用されます。
年金事務所から届いた、健康保険・厚生年金保険の「標準報酬月額決定通知書」を確認
して下さい。

(社会保険労務士・後藤田慶子)
|