減らない職場での熱中症死傷者
 
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2016
.7.18

  
(熱中症死傷者推移)

  厚生労働省の「職場での熱中症による死傷災害の発生状況」によると、
2015年中に
 職場での熱中症による死傷者は
464人と前年よりも41人多い結果となった。

  そのうち死亡者は
29人で、前年より17人増加。

  近年の死傷者は猛暑だった
2010年は656人で、その後も毎年400~500人台
 で高止まりの状態にある。

 

  業種別に死亡者をみると、建設業が
11人、次いで警備業で人発生している。
  死亡した状況をみると、暑さ指数の測定を行っていなかった、計画的な熱への順化期間
 が設定されていなかった、自覚症状の有無にかかわらない定期的な水分・塩分の摂取を行
 っていなかった、など基本的な対策がとられていなかったことが分かっている。
  今年の夏は、西日本で気温が平年並みか平年より高くなることが見込まれ、熱中症によ
 る労働災害が多く発生することが懸念されている(労働法令6/18号より抜粋)





  
(職場における熱中症対策例)

 ①
WBGT値(暑さ指数)を測定する

  作業場の暑さ指数を測るには、温度だけでなく湿度、風速、放射熱、作業服の熱特性な
 どを総合的に評価する必要がある。
  
WBGT測定器があれば測ることができるが、ない場合には環境省の熱中予防情報サイ
 トや厚生労働省の「職場における熱中症予防マニュアル」などを活用する方法もある。

 ②休憩場所の整備

  日陰などの涼しい場所を設け、氷や冷たいおしばりなど身体を適
 度に冷やす備品や、水分と塩分補給のためのスポーツドリンク等の
 準備、体温計の設置をする。

 ③労働衛生教育

  従業員に対し、熱中症の正しい知識、定期的な水分・塩分ぼ摂取
 などの防止対策、体調の異常の認識と対応など定期的に講習を行う

 ④日常の健康管理

  定期健康診断の実施と、糖尿病、高血圧症、心疾患などがある場合、医師の意見を聞く
 など必要な措置を行う。
  疾患以外にも、当日の睡眠不足、体調不良、前日の飲酒、風邪などの体調チェックを行
 う。

 ⑤緊急連絡網などを作成

  緊急時に対応できる病院や診療所の情報把握、緊急連絡網や救急措置の手順作成などを
 しておく。

 ⑥環境適応するための期間

  高温多湿な環境での作業がある場合、長期の休み明けの場合など、労働者が熱に慣れ環
 境に適応しているか確認、作業時間を次第に長くするなどの措置を行う。





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(社会保険労務士・後藤田慶子)
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