


国民年金からの老齢基礎年金は、原則65歳から受給できます。
減額になりますが、60歳から64歳に繰上げて受ける事もできます。
老齢基礎年金、老齢厚生年金には、66歳から受けると1.084%、70歳から受ける
と142%増になる繰下のしくみもあります。

改正により令和4年4月1日から、70歳までだったのが、75歳まで繰下げて受けるこ
とができるようになりました。
75歳まで繰り下げると年金は184%増になります。
平成30年度の老齢厚生年金の受給者の平均月額は14.5万円、老齢基礎年金のみの平
均月額5.5万円、現在の繰下受給率はおおむね1%程度です。

高齢期の就労継続を早期に年金額に反映するため、65歳以上の在職中の年金額を毎年定
時に増額確定することになりました。年金額の増加を資格喪失を持たずに実感できるように
なります。
現在、60歳から65歳までの特別支給の在職老齢年金の停止基準額は、28万円、65
歳以上は47万円です。改正により47万円に統一されます。
賃金と年金の合計額の階級別に見ると26万円以上から28万円未満となっている者が多
く、就労を停止する影響が一定程度確認されていることや制度をわかりやすくする観点から
改正されるものです。

週30時間(1ヶ月132時間)以上働く人は被保険者となります。(※)
被保険者が500人を超える企業では、
①週20時間以上(1ヶ月89時間以上)
②月額賃金が8.8万円以上
③勤務期間1年以上の見込み
④学生でない
の場合、被保険者となります。企業規模要件は、令和4年10月から100人超に令和6年
10月から50人超と下がりますので、該当する企業が増えるということですね。また、勤
務期間要件はなくなります。
(※)通常の労働者の週所定労働時間が週40時間の会社の場合



6月12日に第二次補正予算が国会を通過するとともに、雇用保険特例法が成立しました
その中で新型コロナウイルス感染症等の影響による求職活動の長期化等に対応し、雇用保
険の失業手当の給付日数を60日(一部30日)延長できることが規定されています。
①対象となる人
次の人で2020年6月12日(法施行日)以後に基本手当を受け終わる人。
・2020年4月7日までに離職した人
・2020年4月8日~2020年5月25日に離職した人
・特定受給資格者および特定理由離職者
・2020年5月26日以降に離職した人
・新型コロナウイルス感染症の影響により離職を余儀なくされた特定受給資格者および特
定理由離職者(雇い止めの場合に限る)
②延長される日数
60日
(ただし、30歳以上45歳未満で所定給付日数270日、45歳以上60歳未満で所
定給付日数330日の人は30日)

社会保険労務士・後藤田慶子
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