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振替休日と代休って違うの!?
  上司 : 「明後日の日曜日、急な来客があるので少しだけ、会社に出て来てもらえない
      かしら?その代わり、いつでも好きな日に休んでもらったら良いから」
  部下 : 「いつでも良いのですね。わかりました」
  月曜日から金曜日まで、1日8時間、週40時間の会社です。
  この場合、代休になりますか?振替になりますか?


  「振替休日」とは、休日と定められていた日を労働日とし、かわりに他の労働日を休日と
 することです。
  これにより、休日と定められた日が「休日」となります。
  従って、
労働させた日については「休日労働」とはならず、休日労働に対する割増賃金の
 支払義務も発生しません


  「代休」とは、休日労働をした場合に、その代償として以後の特定の労働日を休みにする
 ものであって、休日を振り替えたことにはなりません。
  従って、
休日労働の割増賃金を支払う必要があります
  代休で休むと1日分の賃金はカットされます。従業員は、代休を拒むことができます。
  ⇒ 振替休日か、代休か、他の日が休みになるのは同じでも、割増賃金が支払われるかど
   うかが違います。他の日を休みにするからと言って全て振替休日になるとすると従業員
   に不利益になるので、振替と認められるには、要件を満たす必要があります。

  振替休日の要件
  ① 就業規則に根拠条文があること
    就業規則は労働契約の内容となるため、休日振替の根拠条文があれば、会社は振替を
   行うことができます。就業規則が無い場合は、労働者の同意が必要になります。
  ② 振替事由、手続き、特定の日を定めること
    休日を振替える前に、振替える日を特定すると、労働日となり休日に労働させること
   にならない(昭和23年7月5日基発968号、昭和63年3月14日基発150号の
   通達)振替日は、振替えられた日と接近していることが望ましいと言えます。

  振替休日と法定休日
  振替休日が認められた場合でも、1週1日、4週4日の休日付与のルール(労働基準法3
 5条)の要件は守る必要があります。

  事例では、就業規則に振替休日の条文がある場合でも、事前に振替日を特定はしていない
 ため、代休にあたります。
  従業員は、代休を取って、休日に働いた割増賃金のみ受取ることもできますし、また、代
 休を拒否し、1日分の賃金と割増賃金を受取ることも可能です。

  事例での、勤務時間は通常の1日の勤務8時間より短いです。
  振替休日の要件が満たしていた場合、1日の勤務としてみなされるのは、従業員にとって
 は良い点です。




 
社会保険労務士・後藤田慶子
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