
リファレンスとは、「参照」「言及」「出典」「参考文献」「信用照会」という意味で、会
社が、求職者の人となりや今までの仕事ぶりなどを確認することを目的に、求職者と一緒に働
いたことがある第三者に対して行う調査です。
前職の上司、同僚に対して行われることが多く、求職者の業務実績や人となりを確認した上
書類、面接の内容と実際にギャップがあるかを把握し、採用を判断します。
メール・ 電話・ オンラインで行われることが多いです。
日本では外資系企業が実施していましたが、国内企業でもリファレンスチェックを実施する
ケースが増えてきています。
以前の前職調査は①経歴詐称がないか、②金銭トラブルはないかに対応しています。
リファレンスチェックは、前職での実績や勤務状況に偽りがないか、人となりや職務遂行能
力などが提出書類や面接との乖離がないかを確認するためです。

リファレンスチェックは、オンラインで15分くらい。
(1) 勤務状況
・ 一緒に働いた期間
・ 担当していた業務 ・ 勤怠状況 ・ 残業状況
(2) 人となり
・ 人柄や印象 ・ 長所や短所
・ 一緒に仕事をする上で、個人とチームどちらが合う
・ 協調性やコミュニケーション能力
・ 上司や部下との接し方 等
※注意点
(1) 個人情報保護との関係
個人情報に該当するため、公表または本人に通知
(2) 職業安定法との関係
収集の目的の明示
収集禁止情報
(社会的差別の原因になること、人種思想、社会的身分、門地、労働組合の加入の
履歴等)
(メリット)
リファレンスチェックは、企業文化や理念と合い、十分な能力を発揮できる人材を選考で
きるなど、企業にメリットがあるだけではなく、入社後すぐに活躍できる土台を用意できる
ように、求職者にも大きなメリットがあります。
① 採用時のミスマッチ低減
② 企業の信頼性強化
③ 選考の多角化
④ 入社後の早期活躍

(タイミング)
① 最終面接の前に実施できれば、結果を踏まえて求職者と面談が可能です。
② 内定を通知してから内定を取り消すことは解雇にあたります。経歴に重大な詐称があ
ったなど社会通念上相当と認められる場合を除き取り消せるものではありません。内定
通知の前に実施する必要があります。
チェックを行うには、時間や人員が必要になります。
第三者機関に依頼すると費用が発生します。
求職者がリファレンスチェック先を探す時間、回答する時間、内定までの時間がかかります
求職者全員を対象ではなく、部長クラス以上の管理職の中途採用等に利用するのが良いので
は・・・
社会保険労務士・後藤田慶子 |