ハードディスク、読み込み不能


このところ「iBook(G3, Mac OS 9.1)」の調子が良かったので、油断していた。

2006年1月31日(火曜日)午後5時46分、いきなり「iBook」がフリーズした。再起動すると、モニター画面の左上にカーソルが出て、その後すぐ中央に、立ち上がりを意味するアイコンが出た。ここまでは、普段と同じ光景であった。以前、起動不能状態になったときは、このアイコンすら出なかったので、そのまま何の問題もなく立ち上がるものだとばかり思っていた。しかし、アイコンが出たまま何時間しても、うんともすんとも言わない。再起動を繰り返してみても、これは同じであった。

「まあ、そのうち何とかなるだろう」と、いつものように軽い気持ちで2日間を過ごしたが、さすがに3日目ともなると勝手が違ってくる。その間、試行錯誤の結果「iBook Install CD」から立ち上げると、18〜19分間かかって「Macintosh HDD」を読み込むことが分かった。「読み込んでしまえば、こっちのもの」と思ったが、これが甘かった。「Disk First Aid」で「Macintosh HDD」を検証すると「カタログ BTree を検査中」のところで「ディスクから読み込むことができません」というメッセージが出て、そこから先に進まない。何度やっても同じであった。

2月3日(金曜日)の午後9時頃、ほとほと困り果てて、24時間受け付けをうたい文句にしている新潟市内の某パソコン出張修理業者に電話してみた。状況を説明すると、その彼は、まず「ハードディスクが壊れてますね」と私を脅かし、続けて「ハードディスクからのデータの取り出しで3万円、ハードディスクの交換で4万円、合計で7万円かかりますね」という見積もりを出して来た。しかも「ハードディスクからデータが全く取り出せなくても、(作業料としての)3万円は支払ってもらいます」とまで言うのであった。確かに、ディスクトップに出ている「Macintosh HDD」のアイコンから、内部にあるファイルへのアクセスには時間が掛かる。しかし、時間は掛かっても大多数のファイルを読み込むことは出来るので、自分でも「必要なデータの取り出し」くらいは出来そうであった(1)。

4日(土曜日)の午後から、新潟市内にあるソフマップに行って来た。この店は、信濃川に架かる万代橋の脇にあり、新潟大学の五十嵐キャンパスからは往復で約30kmの距離である。この日は、理学部C棟の改築工事でガス・水道が使えないので、時間をつぶすには最適の日であった(ちょうど1週間前は停電であった)。訪問の目的は、中古パソコンの購入である。「Mac OS X」は「Classic 環境」で「Mac OS 9」のアプリケーションが使えるように設計されているのだが「その環境では使えないソフトウエアが多い(2)」という難点があった。そのため「Mac OS 9」そのものがインストール出来るパソコンを必要としていた。

この目的に適うパソコンは、この店の在庫で、ただ一点。見つけたのは「PowerBook G4(Mac OS 9.2.2 & Mac OS 10.2.3)」という両方の「OS」が利用できるタイプで、値段は「159,800円」であった。店員の話では「このタイプは需要があるので、余り値段が安くならない」ということのようであった。2月25日(土曜日)までにダルハディン湿地シンポジウムのプロシーディング原稿2編を提出しなければならず、このままでは仕事にならない。高かったが、背に腹は代えられず、購入した。大学に戻ってすぐ、この「PowerBook」に、USBフラッシュメモリー(256MB)に保存していた重要なデータファイルをコピーした。これで一安心である(3)。

5日(日曜日)、不具合の生じた「iBook」を最初に「iBook Install CD」から立ち上げると、すぐに「Macintosh HDD」を読み込んだ。「おっ、これは直ったのか?」と思い、再起動してみたが、結局はダメであった。すぐに読み込んだのは1回限りで、その後は18〜19分間かかって読み込むのであった。ところが、これと同じ現象が毎日みられたのである。どうも、システムを終了してから一晩おくと「Macintosh HDD」へのアクセスが回復するようであった。

6日(月曜日)以降は「PowerBook」へのソフトウエアのインストールと、ディスクトップ上にあるフォルダやファイルのカスタマイズをおこなった。こういったカスタマイズはパソコン操作時間の短縮に繋がり、これがほんの僅かな時間でも「塵も積もれば山となる」という諺(ことわざ)が生きて来るわけである。「iBook」では、長年かかって自分が使いやすいように、フォルダやファイルのカスタマイズをして来ている。「現在がベストの状態」と言ってもよい。そのため「iBook」のモニター画面を参照しながら、このカスタマイズをおこない、同時に「iBook」からは必要なファイルの取り出しをおこなった。

8日(水曜日)は、かなり前に使っていた「Performa 6210(Mac OS 7.5.1)」と「PowerBook」をLANケーブルで繋ぎ、およそ1時間かかって、前者のシステムフォルダとアプリケーションフォルダを後者にコピーした。これは、まず「Performa」の「ファイル共有」機能をオンにし、それから「PowerBook」にあるセレクタの「AppleShare」から「AppleTalk」を使用することで、可能な操作である。この日は、これらのフォルダ内から、使えそうなファイルをピックアップする作業であった。

こうして「PowerBook」でフォルダやファイルのカスタマイズをしながら、隣に置いた「iBook」で必要なファイルの取り出しを続けた。ここで言う「必要なファイル」とは、例えば「Eudora Pro 4.2-J」の設定、及び多数のメールが保存されている「Eudora Folder」とか「ことえり」の「自動学習辞書」とか、私が作成して来た「WordPerfect」の「User Dictionary (USA)」とか「Netscape Communicator」の「Bookmarks.html」とかいった、USBフラッシュメモリーに保存していなかったファイルのことである。何回かに分けてUSBフラッシュメモリーにコピーした、これらのファイルを「PowerBook」の所定のフォルダに入れ、以前と同じように使おうとする試みであった。

さて、本日(2月11日)で「PowerBook G4」のカスタマイズもあらかた終わったし、ホームページをアップしたら、11日ぶりにメールでも見るとするかなあ......。

[脚注]
(1) 人は困ったとき、藁(わら)にもすがりたい気持ちで、他人に助けを求めるものである。しかし、ある程度パソコンの知識のある人からすれば、この料金設定は暴利ではないのか?
(2) 私が重宝しているのは「Corel」が「Macintosh」用に無償で提供している、英語版の「WordPerfect 3.5 Enhanced」である。このアプリケーションを真っ先に使いたかったので、まず「Dell(Windows 98)」にインストールされている「Internet Explorer」で、ネット上に存在する「Corel_WP_35e.sea.bin」と「WP_OS8-9Updater.sea.bin」をダウンロードし、USBフラッシュメモリーにコピーした。この操作をおこなった理由は、その時点で「iBook」の「TCP/IP」の設定が失われていたからである。また、この「Dell」は、長野県北安曇郡白馬村にあるヒュッテ「星と嵐」のオーナー、岸冨士夫さんから譲っていただいたものである。これら2つのファイルを「PowerBook G4」に持って来て解凍することで、難なくインストールすることが出来た次第である。
(3) 「PowerBook G4」の起動中にモニター画面の下に出るアイコンの中で、システム機能拡張の「Apple ガイド」と「Apple Guide」が、かぶっていることに気付いた。前者は「Mac OS 9.2.2, Version: J1-2.5.3, 1998-2001」で、後者は「Apple Guide v2.0, Version: 2.0, 1993-95」であったので、後者を削除した。


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