アザン染色法


アザン染色は、一般組織学のための複合法である。この染色はカラー写真に適している(輸精管の変化1; 輸精管の変化2; 精巣小葉; 精巣卵; 雌の生殖器系; プロラクチンと皮膚の変化)。核、赤血球、線維素、類線維素、好酸性の細胞質、上皮のガラス様物質、等々が、アゾカーミンGで赤く染まる。コラーゲン線維、好塩基性の細胞質、粘液、等々が、アニリンブルーやオレンジGで青やオレンジに補染される。以下の操作は、全て室温(24℃前後)でおこなう(他の幾つかの参考文献とは異なり、アゾカーミンG浮遊液を60℃まで熱する必要はない)。

[脱パラフィン]
(1) キシレンのダウン I: 10分
(2) キシレンのダウン II: 10分
(3) 100%エチルアルコール(=エタノール)のダウン I: 10分
(4) 100%エタノールのダウン II: 10分
(5) 90%エタノールのダウン: 10分
(6) 70%エタノールのダウン: 10分
(7) 蒸留水(=D.W.): 5分

[染色]
(1) 媒染剤溶液: 10分
(2) D.W.: 5分
(3) オレンジG水溶液: 15分
(4) D.W.: 5分
(5) アゾカーミンG浮遊液: 10分
(6) 流水洗: 5分
(7) アニリンエタノール: 適宜(スライドグラスを上下に動かして分別する。組織の過剰な染まりや容易に溶出する染まりが、それによって染色後に取り除かれる)
(8) 酢酸エタノール: 5回(アニリンを取り除くため)
(9) 流水洗: 2分
(10) 5%燐タングステン酸水溶液: 1〜3時間
(11) 流水洗: 2分
(12) アニリンブルー水溶液: 15分
(13) 100%エタノール: 適宜(スライドグラスを上下に動かして分別する)

[脱水・透徹]
(1) 100%エタノールのアップ I: 3分
(2) 100%エタノールのアップ II: 5分
(3) クレオソート・キシレンのアップ: 5分
(4) キシレンのアップ I: 5分
(5) キシレンのアップ II: 10分
(6) カナダバルサムとキシレンの混合溶液にカバーグラスで切片を封入

[各溶液の組成]
(1) 媒染剤溶液(200ml): 10%二クロム酸カリウム水溶液(100ml)と10%三塩化酢酸水溶液(100ml)を混合する
(2) オレンジG水溶液(200ml): オレンジG(1.5g)をD.W.(200ml)に溶かし、それから氷酢酸4滴を加える
(3) アゾカーミンG浮遊液(200ml): 乳鉢にアゾカーミンG(0.4g)と少量のD.W.を入れてすり潰し、それからD.W.を加えて200mlとする。この溶液を初めはとろ火で加熱し、およそ1時間、徐々に加熱していく。この溶液を室温で冷ました後、氷酢酸(2ml)を加える。濾過は必ずしも必要としない
(4) アニリンエタノール(200ml): アニリン(0.2ml)を90%エタノール(200ml)と混合する
(5) 酢酸エタノール(200ml): 酢酸(2ml)を90%エタノール(200ml)と混合する
(6) アニリンブルー水溶液(200ml): アニリンブルー(0.5g)をD.W.(200ml)に溶かし、氷酢酸(8ml)を加える
(7) クレオソート・キシレン(200ml): クレオソート(50ml)をキシレン(150ml)と混合する


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