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平成15年1月26日(説明資料)

湘南市」構想の進行に不安を感じ反対する
―――提言と考え方の説明――――――

藤沢市の合併問題に関して以下のような活動(公開討論会、意見広告、提言、パンフレット、キャンペーン、及び市会議員、候補者へのアンケート、議会への陳情)を早々開始したい。賛同者、準備委員会運営委員を募る。

「湘南市」(3市3町)構想に反対する藤沢市民の会
              準備会 有志、 代表 渡辺 博明 

提言と基本的立場

私達の基本的立場と提言内容は、次のようなものです。

1)現在の不透明な「湘南市合併の動き」に疑問を呈し、情報開示を求めながら、住民合意のない「3市3町の合併」に基本的に合併に反対します。市行政当局及び市議会は、まず、市民アンケートを実施し、住民の意向を調査し、合併するにしても対象範囲(例えば、相模川以東等)を規定しその上で、合併の是非を慎重に検討し、その過程を情報公開することを求めます。

2)湘南市合併問題に関して研究会、討論会、等を企画実行してゆきます。更に、議員候補者へのアンケート、市議会への陳情等をする方向で運動を進めます。来春の市議会選挙に立候補する方には、湘南市合併問題に対する自らの政治姿勢に関して、明確な発言と公約を求めて「アンケート」にご回答して戴きたい回答結果を会員・市民に公開し、討論会を開催すること、これを当面の私達の活動目標としたい。

3)私達は、既存の政党、政治グループの枠を越え、真剣に自由に市民自治を考え議論出来る理性的な市民一人一人のグループを目指し、由緒ある歴史的な「藤沢の地名」と「故郷」の歴史的文化的基盤である「住民自治」を守りたい。

T・提言と基本的立場(説明)

合併問題は私達市民一人一人の問題です。生活に密着した基礎自治体の適正規模は、住民が主体的、自主的に選択すべき問題であって、国が画一的、かつ強制的に指導すべきものではありません。まさに市民自身が真剣に考えるべき身近な課題です。

市町村の数を約1/3(1000)に減らすと言う「平成の大合併」が山場を迎えています。合併市町村が優遇措置を受けられる合併特例法の期限、2005年3月に間に合わせるには、市町村は、今後半年ほどの間に合併を決断する必要があります。藤沢市おいても、昨春から「湘南市研究会」の活動が行政レベルで始まっています。「人と自然が奏でる交響都市」とか、「知的創造都市」とか、新しいライフスタイル発信都市」とか、抽象的で具体的目標が全くない言葉が振りまかれ、合併機運を煽っています。又、この問題は、今春の市議会選挙、来年の市長選挙の重大な選択課題であるにも拘わらず、行政当局から現状、背景、目標について、充分で、市民が納得できる、具体的な情報の提供がありません。又、市民、市議会、及び来春の市議会選挙立候補予定者の間には、目立った動き、真摯な議論もなく、時間が無為に過ぎて行くように思われ、焦燥と危惧を感じます。人口38万の藤沢市は、交付金不交付地方団体でもあり、財政破綻の懸念も無く、自己充足が可能で合併の必然性はありません。神奈川県内には、同一規模で、同一問題を抱えているはずの、沢山の市町村があるにも拘わらず、湯河原と真鶴二町の合併協議会設置を除いて、奇妙にも唯一「湘南市」のみが合併議論の対象になっています。相模原、横須賀、小田原、大和等は、独自の方針で、それぞれ中核市、特例市を目指しています。これは、あきらかに国、県、レベルからの強力な動機付けと県作成のガイドラインに沿った指導があって進められていることを示し、「湘南市というブランド名」が一人歩きしている感が否めません。―――市町村の合併は、地方分権一括法によって改正された国から地方への事務処理事項の移管とセットになる「財源の移譲」を前提にして、市町村の自由意志で決定されるべきものですが、最近の地方分権委員会の最終答申は、中央官庁の強力な抵抗で税源移譲はほとんど言及されていません。――――一2001年秋まで逗子、鎌倉と共に、検討された海をテーマとした湘南ベンチマークとも、又、4年の歳月と沢山の市民参加と公開の議論を経て策定された藤沢2020総合計画とも異なり、今回の湘南市合併問題は、一般的な意味で、分権の受け皿作り、財政危機の克服、広域化対応、効率化という観点から小さな市町村が合併して5万とか10万とかの市になるという話でなく、それぞれ豊かな歴史的特色を持って自立している地方中小都市が自らの{Identity}を放棄し、100万都市、横浜市、川崎市に並ぶ「名誉ある」「強力な」「政令指定市」を目指す合併で、然も非公開での行政主導によるものです。

横浜市の例に見る如く、将来の政令指定都市「湘南市藤沢区」には、地区固有の問題に関する住民の意思が直接反映されるべき区議会も教育委員会も無くなります。あるのは、事務処理に限定される任命区長と区役所のみです。これは住民にとって大変な変化なのです。今でも少し大きすぎて住民と市政との間に距離があるのに、市会議員さん達との日常的接触、地域の実情に即した陳情、NPO活動、町づくり運動、等、市政への市民参加の機会が、一層、奪われてしまいます。予算編成、補助金の配分、各種税負担等が、益々市民から離れた密室で決められるようになります。学校、保育園、公民館、病院、図書館も、地域に密着した、住民の意思を介した運営、独立性、が著しく損なわれます。環境、教育、福祉問題を論ずる審議会、協議会、その他市民の福祉、自治活動団体等も再編されることになります。効率化の美名のもとに介護保険のやり方、ゴミ分別方法等が統一され、福祉レベル、環境レベルの低下は、他市の例を比較参照するまでもなく、目に見えています。又、850億円以上と思われる特例債による大規模な新都市整備施設や、更に広域化合理化の美名のもとに推進される、エネルギーセンター、ゴミ処理施設、等の一点集中型の大規模公共投資が始まり、地域内における現在も存在する南北格差の一層の拡大は必至で、北部の特定地域に迷惑施設が集中されます。特例債の総額と使い道、返却方法、合併後の市役所、市議会の設置場所と規模の決定等、どれ一つとっても重大な課題です。又、合併に伴う非生産的な事務整理、統合作業もあり、それらの作業に費やすエネルギーは、藤沢市自体の徹底的行革と、限られた財源を市民のためにより有効に使う方策を速やかに講ずることにこそ向けられるべきものです。これらは、合併とは無関係に当然、進められるべきものです。又、多くの市民が期待する20%程度の市職員の合理化は、職員の抵抗が強く、事務の専門化、事務量の増加等を理由に成功した試しがありません。

今、私達が急いでいる理由は、「湘南市研究会の結果、報告を待たずに、今すぐにでも有権者の僅か50分の1の署名請求に基づき、合併協議会の設置が議会で議論され、そのまま可決、即「協議会の設置」、「合併GO」と言うことになりかねない」からです。合併協議会の設置は、上述の請求によって議論が開始されるのが原則ですが、必ずしも藤沢市民の請求によるとは限らず、他市町村からの要請に対して藤沢市長及び関係市町村長が可とすれば、60日以内に、それぞれの議会で議論が開始されることにもなりかねないのです。それにも拘わらず、市民、市議会、及び来春の市議会選挙立候補予定者の間では、本件に関する賛成、反対の議論がタブーの如く取り扱われ、目立った動き、真摯な議論もなく、無責任にも、ただ情報待ち(誰からの、どんな情報、何時まで??)という奇妙な時間的空白が不思議でなりません。

私達は、既存の政党、政治グループの枠を越え、藤沢市の革新的、歴史的、文化的環境に誇りと愛着を持って享受してきました。こうした地域文化や各種市民運動の歴史的重みが一瞬にして失われようとしている事に危惧をもちます。この合併問題には、「これは何か大変なことらしい。他市町村に比べて豊かな現在の教育、文化、福祉レベルと生活環境が合併によって、壊されるのでは無いか、何が、どんな風に、誰によって、何の為に、進められているか」という情報不足による共通の不安と不満が渦巻いているようです。 私達の市民生活の将来を左右する藤沢市の行方、合併の目的、内容に関して、充分で、現実的、具体的情報が不足しています。

0)本来の地方自治のあり方、基礎自治体の適正規模、合併の目的とか、
1)広域化という社会構造の変化に対応する新産業の誘致、商業、農業等の既存産業の活性化の為の拠点的町づくりとか
2)新都心建設に伴う大規模公共事業、新幹線駅とツインシチー問題、幹線道路とインターチェンジの是非とその財源とか、
3)ごみ処理、介護保険、救急医療等実際的広域行政のあり方、将来像とか、
4)地方交付税制度の改革をも含む今後の税源移譲問題の見通しと当面の不況下の税収不足問題、その克服策とか、政令指定しになったときの権限、財源移譲の損得バランス
5)租税、福祉レベルの市町間の不均等と格差調整、介護保険料、乳幼児医療費補助、子育て支援と公立保育園問題、老人保健、ゴミ分別方法等々の身近な切実な問題への対応策とか
6)合併特例法の実態

交付税は減少、特例債の30%は借金、移譲される権限の道路管理権にによる超過負担、増加する事業所税とか、説明されるべき問題は山積しております。

過日の「湘南市研究会の報告」は、余りにも漠然としており、又、今後とも、静岡・清水の例が示すように、正確な情報開示はありそうにありません。「まず研究会の公開を求め、更に市民自ら、問題の本質と他市の例を勉強しなければならない。」と思われます。「市民はどんな形の合併を期待するのか、」私達も、市会議員達も政治的に提案出来なければならない。情報は待っていてもでてくるものでない。合併問題は、市民一人一人の身近な問題、市民生活に大きな影響を及ぼす問題で、他人任せでなく、自分で考えるべき問題であります。市会議員も当然のことですが、情報を待つのではなく集め、市民の先頭に立って、自らの政治姿勢を明確にし、市民をリードすべきと思われます。

私達は、敢えて名称を「湘南市構想に反対する市民の会」としました。私達の元に寄せられている「8割以上、少なくとも半数以上の市民が湘南市構想に反対しています。」「どうしたら反対できるのか。」という市民の声に答えてゆきたいと思っています。奇妙にも合併特例法は、合併協議会設置に関する賛成の為の住民請願と住民投票をのみ認めているのです。私達市民一人一人にできる自由な反対の意思表明の機会は、市議選、市長選の投票のみなのです。今回の市会議員及び立候補予定者へのアンケート結果の集約、又本日の議論の結果、又予定している市議会陳情の結果等を纏めて次回2月末、又は3月初めに再度、第3回目の市民報告会を開催したいと思っています。

私達は、沢山のボランティアを求めています。意見の公開と、充分な討議を通じて、新しい藤沢市像を描き出すことが重要と考えます。広い分野(都市開発、産業政策、財政、環境、教育、福祉、男女共生、その他いろいろ)の、沢山の市民の積極的な協力、議論への参加と、賛同と寄付を求めます。

まとめ

1)湘南市研究会が進める湘南市構想は、行政主導で、誰もが主張する住民合意を得られていない。
2)合併の是非、範囲、目的、損得をオープンに議論し、そこから更にどんな情報が必要なのか提示しよう。
3)アンケートと今春の市議選の意味  市議は、住民の代表であるから、湘南市合併問題に関する立場、方向性を明確にし、唯一の機会である選挙で住民の合意できる内容、意向に関して判断を仰ぐべきです。それが出来ないならば合併の是非に関して最終判断する前の住民投票、住民意思の確認という手続を保証すべきです。

U・静岡の実例に見る合併騒動――藤沢の現状との比較 

2002/4/18 静岡、清水両市議会、合併可決

2002/7/11 静岡県議会 ::静岡市(47万)、清水市(24万)の廃置分合に関する議案、賛成多数で可決

2003/4/1  静岡市誕生

静岡、清水市民への、様々なアンケートにおいて、合併に関して、賛成が、反対慎重を上回ったことなし
10万人を越える住民投票を求める市民の声に対して両市、両市議会とも住民投票条例案否決
特例法による議員任期の2年延長――――市民の議会に対する底深い政治不信と怒りの蔓延

2003/4/1  新市長選挙戦

1998/4  清水市青年会議所を中心とする直接請求(1/50)によって成立した合併協議会の開催 

合併協議会T期、U期 

合併協議会T期(2年)   新市グランドデザイン策定、98/5から00/3/23まで13回

合併協議会の設置規約::::「合併の是非を含めて議論」
市民の意向調査、タウンミーティング、新市都市ビジョン(4部会の設置)、シンポジウム、地区説明会等

問題 U期への移行に際して、合併を前提とせずに新市建設計画は出来ない

「大方の賛成」、「合併は前提でないが、新市建設計画を作ってみなければ、市民に是非を問うことも出来ない」――曖昧な儘進む

はじまり

合併協議会U期(2年)   合併に向けた新市建設計画の策定、00/8/2から02/3/20まで15回

合併方式は対等か編入、吸収か。新市役所はどこに置かれるか。合併時期は。

全て大方の賛成、仮に合併すればという仮定

2001/2(18)新市建設基本計画策定の基本方針の決定、6分野5部会の設置

2001/3(19)新市の名称公募

2001/8/30 総務庁 政令市指定人口要件の緩和(70万)

2001/8,9,10 新市建設計画の策定

新市名称問題、清水市側の年間15億の新たに課税される事業所税の取扱、
地域審議会の設置問題  繰り延べ
政令市移行は、合併後2年以内

2001/11/15から2002/2/12まで両市内46カ所  両市長出席のもと新市建設計画説明会

2001/11から12  「合併の是非は住民投票で」条例制定運動、 10万の署名

2001/12/23から28 条例案否決。

住民自治の基本的問題が提起されていたにもかかわらづ、否決した理由「合併という複雑な問題は、住民が決めることは難しい」「誰が出来るのか、市会議員か、市長か」
毎年のように改正される地方自治法。入り口である合併協議会の設置(1/6)に関する住民投票は認める。然し、出口の「合併の是非」に関しては住民投票を取り入れない。

密室の取引 静岡市の名前と 事業所税の減免と然も6年間の非課税

2001/11   問題を残した在任特例の活用、議員任期の二年延長。市民からの批判

市長選挙は、合併から50日以内と明記。
市議会議員選挙 原則と特例 原則(静岡(45人)、清水(33人)が新定数56で市長選挙と一緒に実施。::::定数特例 市長選挙と一緒で定数2倍。::::在任延長特例、最長で2年間現定数で選挙を行わず、延長期間が終わったところで新定数で選挙。

2002/3/20 合併協議会採決 賛成36,反対3

新市建設計画(10年後の新市の将来像)―――詳細資料別途参照

基本理念 1)自立と参加2)共生と持続と循環3)承継と創造と交流――――抽象的、公共投資、建設型
10年間の財政規模2兆6400億、投資的経費 5400億
箱物―――オペラハウス、バーチャル水族館、新庁舎、ごみ処理、第二東名接続幹線道路、動物園・公園、電算システムの統合、防災センター新設
特例債 400億  将来の地方交付税体系の見直しは必至にもかかわらづ、財源根拠は疑問
成長型の社会構想を前提とする。「すもーる・いず・びゅーてぃ」を語る町づくり政策は無い。
行財政の合理化、改革の計画、言及されず。

政令市
中核市である静岡市が得る新たな権限

児童相談所の設置、都市計画の決定、国道、県道の管理権、県費負担の教職員の任免・給与決定権

これで何が変わるのか。財源の移譲がなされない儘で。政令市が抱える財政赤字の実態、移行に伴う財政的損得、問題点の分析なしで、「都市制度の中で最高の機能を有する政令市」と言われても納得できない。

条例、事務事業の一元化作業と行政の組織形態の再編―――現在進行中――863件

市民生活に直結する国民健康保険料、上下水道料金設定、福祉レベル、ゴミ収集方式
議会、報酬、政務調整費、議場、議会内運営方式、陳情・請願方式、の協議開始
総合支所、人事・組織再編
全て、これからーーー混乱と試行錯誤の過程―――前もって決めていない、議論も公開されない。

V・合併推進の動きその背景、合併推進の理由と反論

合併推進の動きその背景

合併問題の源流は、橋本内閣時代の90年代中盤の行財政改革に始まる。橋本内閣の行財政改革、小渕内閣のばらまき財政、その後の経済のデフレ、銀行の不良債権問題、財政危機(国500兆、地方200兆の赤字、200兆の郵便貯金、150兆の年金基金の将来的不安)の破滅的状況の露呈と政府、国会そして国民の既得権を失いたくない無為無策―――不充分な中央省庁の再編、遅々として進まぬ道路公団等特殊法人の統廃合、郵便局の民営化、全体的規制緩和―――――――所謂、失われた10年問題を放置したままで、「構造改革なくして財政再建は無い」政策の一環として、合併問題のみが、唯一の現実的政治課題として地方現場で、奇妙にも唐突にクローズアップしてきた。

地方制度行財政改革に関しては、 社会の変化に対応して1)地方公共団体の自主性尊重と2)機関委任業務と通達行政の廃止3)財政制度の改革――地方交付税交付金、補助金等、税財源・権限の移譲が、第一次地方分権推進委員会から答申された。このうち2)の問題は、地方制度分権一括法で不十分ながらも法的整備がなされ、市町村,県それぞれ40%、80%も占めていた国の機関委任事務は廃止された。この答申では、合併問題に関しては、地方公共団体の自主的発意に基づきとのみ、明言されていた。残された(3)の財源移譲に関する2002/10月の最終答申は、原則論として前文で、「国の関与を必要最小限にとどめ方向を明示し、可能な限り地方の判断、裁量に委ね、地方の責任において行政を展開し、それを住民が評価するのが望ましい。」と格調高く歌いあげるものの、各論において、前身の委員会が打ち出した税源移譲(地方交付税交付金17兆、国の義務的国庫支出金、及び補助金等20兆、地方交付税特別会計の赤字40兆)に関して、何の明確な方向性を示さず、それに期待しながら「町づくり、合併問題」を考えていた全国地方公共団体の首長達の落胆と絶望感は筆舌に尽くし難い。特に、義務教育教職員給与の義務的国庫支出金(国、県それぞれ3兆、藤沢市で約250億)の税源移譲に関しては、僅か5000億の退職積立分の移譲を然も検討するというのみで、これでは地方分権、独自性の発揮も絵に描いた餅と化す。霞ヶ関官僚の抵抗には、片山総務相さえ、本音は別としても「分権を進めようと言う志がない。現下の経済社会状況の中で、セイフティネットと自治を豊かにするという発想がない。ただ財源の既得権を守るに汲々としている。」(朝日)と発言している。「何年も議論して、後戻り。これでは、百年河清を待つごとし。もうやめた。(ある委員)」(朝日)ともある。

こうした背景のなか、1999年より平成大合併の推進政策「アメとムチ」政策(注――――詳細別途、経年リストと内容)が日本全国を席巻、現場を混乱に陥れている。上記地方分権委員会答申では、合併問題に関しては、地方公共団体の自主的発意に基づきと明言されているにも拘わらず、これでもか、これでもかと、アメとムチ(2005年期限の特例法の改正と違法に近い指導通達、ガイドライン)を連発し、問題の本質である財政危機の構造的原因を除去することなく放置し、するべき改革をせず、憲法に抵触するような地方制度改悪を押しつけ、強引に合併推進を押し進めています。ここまで、中央政府、総務庁が、合併を推進する理由は何か

「国レベルの財政破綻は必至であり、その際、地方交付税制度を根幹とする集権、融合型財政の改革なくしては、中央政府財政の泥沼からの脱出はない。地方交付税25(17+7)兆、国庫支出金、補助金20兆の負担を減らし、中央政府財政の身軽化、然も権限、財源を譲らずに地方自治体をコントロールする仕掛けを模索している。」としか思えない。

合併推進の理由とその反論  ――市パンフレットに対応する

提言の項で既に具体例を記述しているが、更に続ける。

*****ウルトラC,合併委協議会設置を住民から提起して、合併の是非を公開、主体的に議論する。

一般的合併のメリット、デメリットは次の通り。

メリットは、1)行政の簡素化、効率化、2)行政サービスの質的向上、3)投資の重点化、4)広域的事業の円滑化、5)都市規模の拡大であり、デメリットは、1)政治的代表度低下、2)地区内格差の発生、3)負担格差の発生、4)地域生活体系の変化、破壊、5)地域、防災等身近な行政サービスの低下 と言われている。私達は、学問的社会学的議論では無く、現実的政治的議論が必要な状況にある。実際はどうか、「適正な効率的な自治体規模(20万から40万と言われる)の実証的研究が必要であるが、大きすぎると、大規模な公共投資の集中と地域格差が発生し、エリア拡大に伴って保険センター、学校、公民館等の合理化、きめ細かい行政サ−ビスの提供が困難になる」と指摘すればたりる。

総務省、県があげている合併推進理由として、次の3項目があげられているが、明確な理由と目標がない。又、責任の所在、財源的準備も無い。特に湘南市の合併問題では何れも必然性は全く無い。地方分権、財政危機と広域化による効率化は、現状の分析、その原因と理由と責任の構造を吟味し、改革することなく、また藤沢市とってどんな意味があるか考えることなしの情緒的議論は論外である。

1)         地方分権の受け皿作りーーー地方分権一括法で多くの権限が地方に移譲され、今後一層の権限、財源の移譲を進めるには、それをこなすには充分な足腰を鍛える必要がある。それ故合併推進がが必要であるという議論。
今回の分権推進委員会の答申は中核市、特例市制度導入後の府県、都市自治体を対象とし、基礎自治体への権限、税源の移譲が最終目標であった。中小町村の合併は当然として、合併は自主的合併が前提であった。現在の強引な合併推進運動は考えられていなかった。今回の分権は、既に地方自治体で実施されていた国の関与、即ち府県の80%、市町村の40%の占めていた、機関委任事務の廃止が目的であって、新しくこれ以上の仕事、権限まして財源が自治体に委ねられたわけでない。自由になったこの80%、40%の仕事の中味を吟味し、市町村は政策情報公開、政策評価能力を磨き、住民本位の新しい政策形成を企画、実施するには、今一層の権限、税源の移譲を必要とする。少なくともこの権限、税源の移譲の見通しが大前提。都市自治体の合併論議はその後でよく、順序が逆転している。合併ブームで政策情報の公開が大幅に進んだことはもって奇貨とすべきか。

2)             社会変化、住民需要の多様化に対応する行政の広域化
交通、情報システム等、生活関連技術基盤が飛躍的に進歩し、人々の日常生活圏がひろがっている。広域的に処理すべき、又は処理する方が合理的(誰にとって)に処理出来る行政需要が増加している、従来からの一部事務組合、近年創設された広域連合での対応も現在可能であるが、これらは、市町村住民から遠く(???)、迅速な意志決定(誰にとって??)が出来ない。だから合併が必要だという議論。
一般論として行政制度が社会環境の変化に対応して絶えず革新されてゆくのは至極当然で、これだけでは合併推進の根拠にはならない。介護、ゴミ処理、以外に、喫緊の広域需要が幾つあるか列挙、限定すべきである。例えば、図書館、病院、学校、公民館等、市民のための地域的行政的需要があり、全ての行政需要が広域的に効率のみに基づいて、一義的に決められるべきか否か一度吟味されるべきです。もしあったとしても、95年の地方自治法改正(この是非は別として広域化の課題に対応するため)から導入された広域連合や以前か存在した一部事務組合で対応が可能である。住民の身近で議論が開始され、更に広域的に議論されてゆくプロセス、迅速でなくても、これが住民自治の基本であります。実際、長野や三重県では、それぞれ78%、100%の市町村が広域連合に既に組織化され、そこでの合併協議会の設置、議論はほとんど皆無であります。

3)               中央と地方の財政危機の克服 地方都市の財政危機の克服と効率化
国500兆、地方200兆の長期債務を削減するため、その一部である、膨張する地方交付税特別会計の赤字対策として合併推進が必要という議論。
国、地方レベル(国、県、都市部、中小市町村部に分けて考える必要あり)における財政危機の要因は何か、基準財政需要額算出における小規模市町村優遇の段階補正と、それ以上に問題なのは地方単独事業の押しつけにある。1990年代、初めからの膨張した地方交付税特別会計の赤字は、日米構造協議に基づく、内需拡大で土木日本は、国の事業として10から15兆、地方単独事業として6兆から10兆も公共事業に投資され、これらは地域総合整備事業債「地総債」等で起債され、借金公債は地方会計に記載されるが、この元利償還を後年高い措置率で基準財政需要額に算入して地方交付税特別会計に赤字をためてきたからである。バブル時代に始まったこの傾向は、今もって直されていない。合併特例債の発行、合併特別優遇措置等は、この赤字を拡大するものであって、合併推進によって解決すべくもなく、無関係で、むしろ後生へに多大な借金を残すか、地方財政の壊滅的破綻を早めるだけです。この問題は、交付税の膨張要因を如何にに取り除くか、という問題と表裏一体であり、今後基準財政需要額、収入額、算定方法に止まらず、交付税制度全体、更に特定財源の振り替え等、財源、権限の移譲を含む地方財政制度全体をどうするかという観点から見直されるべき問題である。
これに関連して、地方市町村の財政力の強化とか、都市間競争に勝つためという理由が挙げられています。然し、財政力強化とは何か。税収、補助金、起債のぶんどり合戦に勝つと言うことか。都市間で何を競争するのでしょうか。財源を大規模公共投資に集中するということが勝つと言うことでしょうか。住み良い町、安心と健康と高い教育文化水準を誇る町で何故いけないのでしょうか。箱物大規模施設、産業人口と商圏、購買人口、の増加でしょうか。一体、何を目的にするか明確にする必要があります。3市3町村にとって、合併が財政構造になにをもたらすか、元々私たちにとって、財政危機とは何か。3市3町の半分は交付税不交付団体である。少子化、高齢化、社会産業構造の変化に対応して、歳入、歳出構造が変わるから、それに対応する効率的広域的財政のための合併というなら、目指すべき明確な将来像に対応する行財政構造の改革、効率化案が示すべきであり、必要なら市民に目的を明確にした税負担を求めるべきである。

W・現場の対応と無責任

然し、現場の実態は、財源、権限の移譲、抜本的財政構造を改善の方向性が示されないまま、「先行き不明なら今のうちに貰えるものは貰ってしまえ」とか「市とか中核、特例、政令指定都市とかへの名目的昇格指向」とか、モラルハザードに陥っている地方自治体は、正確な判断、議論も出来ず、翻弄されているのが実情である。
湘南市研究会の最近(11/19)の報告の曖昧さ、ひどさは、言語に絶する。静岡の悪夢の再現を見ているようである。司会者も認めるように「合併しなくても自立出来る市町村が、研究と言う名目で、合併の是非は議論することなく、自由に理想的な「湘南市の夢、未来像」を描いてみよう。今後、これに市民の意見、夢をどんどん採り入れてゆきたい。」とか。「小中学生がイメイジするような未来都市のあるべき姿」を提供されても、何おか況や。「独立した都市間の多様性、機能性を維持、発揮させつつ日本、世界各地に誇れる、有機的、多核的連合のモデル都市になろう。」とか。「都市間競争に勝つ」とか、「政令指定都市になれば、又なっても、地区名は区名として残せる」とか、「大きいことはよいこと。何か可能性がありそうだ。」とか。これらの情緒的夢物語は、反論に値しない。藤沢市民の不安に対する説明になっていない。都市再整備事業に限定される850億程度になる特例債の使い道、今後問題になるという老人問題、介護保険の実態と将来像、ゴミ処理の一元化問題、幼保一元化、公教育の充実、下水道事業、道路、産業問題等、見通しを言及することない説明はナンセンスです。合併の実例をあげるなら、恥かしげも無く、30年も40年も昔の、状況が全く異なる「北九州市」の例でなく、最近の「埼玉」、「静岡」、「西東京」の例を挙げ、問題を論ずべきです。―――現在進められている藤沢市独自の「2020」で目標とされた7項目にわたる都市像と湘南市構想の整合性は、どうなったのか????(11月市公報)―――現長期計画が見直されなければならない必然性は、財政的限界が認識されたのか。ピーク時100億あった法人市民税が40億以下の減収し、国庫支出金、捕縄均等の減額が決定的要因なのか。 「政令指定市の一部」より「小さくても安心できる、立派な藤沢市」これが私達の望むものである。

(注)特例債:::::850億というのは、全国規模で最大。静岡で400億。相模川以東の合併なら650億、以西の合併なら400億

X・結論と私達の対応

「合併」と「効率」いう言葉だけが、一人歩きし、財源移譲、権限移譲、交付金制度の見直し、赤字構造の改革の長期的見通し、適正な基礎自治体の規模の維持と自立的運営という住民自治の本旨という観点からの議論、それに説得性ある定量的、責任ある政治的議論がが、全く忘れられている。まして、それが「合併特例債」による公共事業の奮発や補助金の「先取り」とか「分捕り合戦」という不況対策から議論されては、本末転倒である。先月末、地方分権調査会は、その基調として、残った小自治体の、2005年以降の強制合併まで示唆するに至っている。これはもはや恐喝に近い暴挙である。朝日、002/11/13の記事によれば、全国市町村長会は、激しい抗議の意見書を提出している。更に11月21日新聞報道によれば、地方交付税制度の根幹たる財政調整機能を廃止、地方財政計画の作成、財政基準需要額の算出の廃止、更に国税5税から一定の割合で決定される交付税総枠の削減まで議論されている。
結論として、この問題に関して、市民は、何をすべきか
この私達の湘南市合併問題を契機とする運動の本質は、「身近な市民の為の地方自治の実現を望むか否か、住民、地方自治という基本的権利の侵害への抵抗するかしないか、住民の自律能力、資質が、問われている」と言うところにあります。もはや、右方上がりの経済成長は期待できない。膨大な赤字の解消はほとんど不可能に近い。人々の生活スタイル、価値観の変換等、経済と政治の構造的要因を改革せざるを得ない。過去の遺物となった拡大成長市場主義、設備施設への投資の思想を改めず、効率化という名のもとで、過去の財政赤字の精算をそのまま放置し、既得権の延命に利するより、ソフトな市民生活に密着した仕掛けが必要なのです。
しかしながら、前述したように藤沢市民からの発意でなくても、他市町村からの指名、要請を受けて藤沢市議会で議論することになるのだから、現状では、合併か単独存在かの議論は、ことの是非を問わず、避けて通ることは出来ない。ここ10年来の破局的な国と地方財政の悪化は、国の誘導が原因であり、責任だとしても交付税特別会計の借金膨張をその儘に放置することは、もはや出来ない。地方交付税特別会計の赤字(40兆)。国が進める地方財政、自治制度の三位一体改革(1.補助金 2.義務的国庫支出金等税源移譲 3.地方交付税交付金制度)次第だが、地方交付税、国庫支出金、補助金等の縮小は覚悟しておく必要がある。藤沢市の財政状況は、交付金を受けていないとはいえ、一般、特別会計併せて2000億の規模に対して、税収710億、その他収入90億、交付金、保険料収入470億、70億の起債、330億の国、県からの支出金、補助金収入、その他事業収入250億程度(?)等の歳入、2000億の公債残という借金、毎年150億の償還、又予想される税収の落ち込み、更に表に出ない債務負担、損失補償という借金、負担金等があり、高齢化、少子化党社会構造の変化に対応するため、これの適正化と行財政改革は、藤沢の望ましい将来像を再検討するうえで必要があるのは、事実であろうが、決して破滅的状況では無く、合併より、まず徹底した情報公開(具体的に何か、、、市民自ら指摘すべき)と自助努力が先決である。合併問題の検討に際して、現時点で藤沢市民が考慮、検討、議論すべき点は次の4点である、

1)      合併するとしても、合併後の新自治体の姿を鮮明にすること。合併しない場合に比べて地域の活力が増し、住民サービスが向上する計画で無ければならない。財政効率は本当に向上するのか、福祉、教育等は・・・特例債発行の損得、是非の検討、移譲される権限、税源の実体と追加される財政負担の分析、、、、、徹底的情報公開   ウルトラC参照
2)       産業構造、人口構成の変遷は、歴史的必然であり、この対応はまず藤沢市で考える問題で、合併問題、広域的効率化とは直接に関係するものではない。旧産業の衰退に取って代わる新産業を積極的に導入し、高齢化、少子化対策を考えるが政治です。税源の確保、子育て支援、外国人の導入等、マクロ的には国レベルで解決すべき事であるが、藤沢市として独自に対応できるし、すべきことは無限にあろう。これは、合併とは全く無関係なことだと思われます。
3)「地方自治」の本旨である「基礎自治体による住民自治の理念」を形骸化させない工夫が必要。周辺部、自治会、市民運動、教育拠点の小さな自治を育てる仕掛け。地域の特性をどう設定するか。法律で検討を決められている旧市議会、旧市教育委員会等に替わる「地域審議会」を如何に位置づけるのか。
4)住民投票による住民の総意を確認すること。地方制度調査会等の国の審議会の報告書でも、自主的合併を望み、市町村合併の是非の判断は、住民投票に相応しい案件とされている。自治体の存廃について住民に直接意思表示の機会を与えない手はない。

結論
幸い、藤沢市は、交付税をもらっておらず、財政的に、「この先、真っ暗という状況」でないのに、安易に時流に乗っては「無責任の誹り」を受けざるを得ない。合併問題は、県内他市町村と同じく、まず、市民の意向をはかり、「税源、権限の移譲の推移を」待って、それから検討して充分であります。必要なら、一部事務組合、広域行政で対応すれば良い。せいぜい中核都市、特例市への移行くらいから検討を開始したらいかがでしょうか。合併推進に伴う非生産的な事務整理、統合作業に費やすエネルギーは、藤沢市自体の徹底的行革、特に歳出構造(無駄な補助金、助成金の見直し)と、積極的な議員提案による条例づくり、必要なら目的限定の税負担等、限られた財源を市民のためにより有効に使う方策を速やかに講ずることにこそ向けられるべきものです。これを機会に本来あるべき姿をもう一度、再考察、再構築すべきです。私達は、合併構想の推進に反対します。
 

資料)平成の大合併

地方分権推進委員会(権限、財源の移譲)の挫折
総務省の「アメとムチ」
財政危機の圧力と構造改革の波、デフレ不況と不良債権処理(別項)

地方分権推進委員会(権限、財源の移譲)の挫折

1995/3 市町村の合併に特例に関する法令「合併特例法」改正(2005/3時限立法)

住民発議(直接請求)による法定合併協議会の設置と財政支援策の開始―――自主的合併

1995/7 地方分権推進法と地方分権推進委員会設置(以降、6年間5次に亘る勧告)

華々しい地方制度の変革と中央省庁から権限、財源の大規模自治体への移管―
――棚上げ、中央各省から自治体への関与(許可、認可、承認)を大幅に緩和することに絞られた。
――権限、財源の移譲は先送り

1998/5 政府「地方分権推進計画」閣議決定

1998/12 合併特例法改正(議員立法)

1999/7 4次の勧告に基づき 地方分権一括法の成立

機関委任業務の全廃――――国と県、市町村は同等。地方事務事務官制度廃止
国、地方係争処理委員会の設置――――法令解釈を巡る紛争

惰性に甘んず、独立心は育っていない

1999/8 自治省「市町村の合併に推進につぃての指針」(99年指針)都道府県知事宛て通知(転換点)

合併区画案の作成を県に義務づけ

市町村合併への本格的始動

2000/11 旧自治省 「市町村合併推進に拘わる今後の取り組み」財政支援策の拡充

1,   合併特例債の創設
2,  地方交付税交付金の合併算定替え
3,   包括的特別交付税
2000予算   市町村合併推進補助金
2001予算   都道府県体制整備費補助金

2000/12 合併特例法改定

2001/3   総務省{「市町村の合併推進についての要綱」を踏まえた今後の取り組み(01指針)}府県知事宛通知

市町村合併推進本部の設置、重点地域の指定、合併推進要綱の作成、設置の勧告を県に指導

2001/3  「市町村合併推進本部の設置」

2001/4  小泉政権―――前政権による財政危機と構造改革の自己撞着

不良債権とデフレの経済不況、進まぬ構造改革

     強力な総務省誕生(自治省、郵政省、総務庁)

国家の中枢管理機構の見直し
税、財政を含めた地方制度の管理

中央省庁と自治体の組織定員管理
独立行政法人の政策、事業評価
情報通信政策と基盤整備

2001/6  経済財政諮問会議、構造改革(骨太方針)提出、閣議決定

国家的課題
中央政府の身軽化と機動性確保、国内諸利益への財政支出の徹底的抑制
「金食い虫の地方財政制度の改革―――地方合併、広域行政の協力推進」
「自主的、自発的合併」という文字削除

2001/8   総務省「合併運営マニュアル」公表

2001/8   市町村合併支援本部「市町村合併支援プラン」決定

2002/3   総務省{「市町村の合併の進展を踏まえた今後の取り組み(02指針)」府県知事宛通知

2002/3   地方自治法、合併特例法改正

2002/10  地方分権推進委員会  最終答申 権限、財源の移譲――――挫折

総務省の「アメとムチ」

アメ

合併(協議会設置)の住民発議と請願手続き

有権者の1/50以上の署名を得て市町村長に対して、合併の相手方市町村を指定し、合併協議会の設置を請求できる。
1)   複数市町村で同時に同一内容で請求が行われる場合、知事に同一内容であることの確認を受けた後、請求者達は、それぞれ、関係市町村長に合併協議会の設置請求することになる。請求を受けた市町村長は、60日以内に合併協議会を設置するか否かを議会に付議しなければならない。
2)   一つの市町村で請求が行われる場合、この請求を受けた市町村長は、請求で示された相手方市町村長に対して、合併協議会の設置について、議会に付議するか否かの回答を90日以内に求め、その全ての回答が付議する旨である場合、それぞれ60日以内に合併協議会の設置に関して議会に付議しなければならない。
(注)議会に付議しないと回答した市町村があった場合、手続終了。
(注)湘南市の場合、市長の意向がここで重要(茅ヶ崎、大磯)

合併特例債

市町村建設計画に基づき必要とされる事業等については、合併後10年間に限り、その事業費の95%に対する財源を地方債(借金)とすることができる。その元利償還金(返済額)の70%を、基準財政需要額に算入できる。制度次第、言葉を一語一語吟味すれば不安一杯。
これを財源としてできる事業(誰が判断、許可するの???)(公共的施設――――箱物優先、実例を見よ)

一体性のすみやかな確立を図るために行う公共的施設の整備事業
均衡ある発展に資するために行う公共的施設の整備事業
合併市町村の建設を総合的かつ効果的に推進する為に行う公共的施設の総合整備事業
地域住民の連帯の強化又は旧市町村の区域であった区域に於ける地域振興等のために設けられる基金の積立(上限あり)

包括的特別交付税――合併直後の臨時的経費にかかる財政措置

参考までに以下3ケースの合併の場合の金額を示す。
(合併特例債、基金上限、臨時経費(億円))(人口(万人))
湘南市(875,40,30)(96.4)
相模川以東(674,40,30)(64.6) 藤沢、茅ヶ崎、寒川
相模川以西(426,40,21)(31.8) 平塚、大磯、二宮

地方交付税交付金の合併算定替え

合併後10年が合併前の交付金を保証、以降5年間で段階的にゼロにする。
合併後の本来の交付金はいくらか(?)とは別の議論。参考、藤沢、寒川、平塚は交付金なし。
交付金の実態  茅ヶ崎( 22 )、大磯( 3 )、二宮( 10 )
地方交付税交付金とは
一般国税5税の一定割合
所得税、酒税の32%、法人税の35.8%、消費税の29.5%、たばこ税の25%   17兆
普通交付税94%、特別交付税6%

*************

その他特例

議員定数
租税減免不均一課税と免除期間、3年から5年に延長
事業所税の課税団体の指定の延期 5年間(30万以上の都市)  藤沢のみ24億の収入
法人事業税(県税と外形標準課税問題)、法人市民税、
事業所税(30万以上の都市、一定規模の事業所、藤沢24億)
都市要件の変更、流域下水道、一部事務組合等に関する特例
合併協議会に関する住民発議制度の拡充と住民投票制度の導入(極めつけ)
合併協議会の設置が議会で否決された場合に、10日以内の市町村長からの請求、又は有権者1/6以上の直接請求で、合併協議会の設置について住民投票を行える。過半数の賛成で成立。(千葉県御宿町、四街道市の例)

地域審議会

旧市町村単位の振興策として合併前の関係市町村の協議により、旧市町村の区域毎に、新市町村長の諮問により審議又は意見を述べる審議会(地域審議会)を置くことができる。

ムチ

小さい市町村の地方交付税交付金の算定基準変更による減額
1万人以下の市町村の廃止、事務処理のみ残る、
地方交付税制度の破壊。――財政調整機能の見直しと毎年の年間地方財政計画作成廃止。

財政危機の圧力と構造改革の波、デフレ不況と不良債権処理(別項省略)

政令指定都市に移譲される権限と財源、損得バランス

政令市の特例(地方自治法252−19)

事務配分上の特例  (移譲)都道府県が処理する事務のうち、民生行政、保健衛生都市計画行政に関する事務の処理

民生行政(9)     児童福祉、知的障害者福祉、環境衛生規則、民生委員、母子家庭、精神保健、身障者福祉、老人福祉、社会福祉、
保険衛生行政(6)   結核予防、精神保健、生活保護、母子保健、行旅病人、死亡人、食品衛生、
都市計画・建設行政(3)都市計画、土地区画整理事業、国都道府県道管理、
その他法令で基づくもの 定時制高校人件費、都道府県費教職員の任免研修
狭域行政サービスは政令指定都市の移管に拘わらず、もともと基礎自治体に移管されるべきもの
最大の経費が国道、道府県道の管理経費

行政監督上(関与)の特例 

知事の承認、許可、認可等の監督を要している事務について、その監督の必要をなくし、又は知事の監督に替えて直接主務大臣の監督となる。

機関委任事務が廃止されて移行後も、こうした許認可が残されているところに問題あり。

行政組織上の特例 行政区の設置、区役所、区長の任命、選挙区の変更、人事委員会――大規模組織

阪神大震災神戸市の区と淡路島北淡町の対応の迅速さ

財政上の特例 事務移譲に伴う国や県からの一定財源の移譲―――歳入と歳出バランスを検討すること

 特定財源(その殆どが道路特定財源)

国、石油ガス譲与税(石油ガス税の収入額の1/2に相当する額の一定割合)
都道府県,軽油引取税交付金(軽油引取税総額の9/10に相当する額の一定割合)
自動車取得税交付金(自動車取得税総額の28.5%に相当する額の一定割合)
その他交通安全対策特別交付金、宝くじ発売収益金(配当)、道路譲与税の一般市より増額

 一般財源

普通交付税の態容補正
地方譲与税等の割増

地方債発行の事業毎の起債限度額の引き上げ、起債充当率の変更、等―――地方債の発行額の増加の可能性
地方債発行の許可権者が都道府県知事から総務大臣となる。―――国に直結するだけ
宝くじの発行可能

結論 

事務配分に比べて、財源配分が著しく少ないのが特徴で、政令市の多くが深刻な財政問題に直面している。
例えば広島市では、政令市移行直後に92億円の需要増になったが、税源移譲や地方交付税交付金による収入増は75億円で差し引き15億円の負担増となった。名古屋市でも99年予算で、大都市特例事務に対して506億円が一般財源から賄われ、このうち道路特定財源の一部を差し引いた残りの差額は260億円に上っている。(超過負担問題)。中核市の場合、保険、福祉関係の需要増中心であるのに対して、政令市の場合には、道路中心の需要増になることが大きな違い。

今後検討されるべき項目
 静岡、大阪、横浜、埼玉等実例を徹底的に分析すべし。


Last modified on 2003.04.06


連絡先
〒251-0002
藤沢市大鋸 1−6−11
「湘南市」構想に反対する藤沢市民の会 代表 渡辺 博明
TEL/FAX 0466-27-9831
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