北極亭日乗 |
平成十六年四月 |
平成十六年四月三十日(金曜)曇 今月一日、新年度を迎へて心機一転蒔き直し図らんと期せど成らじ。日々あたふたの習癖、如何ともし難く我が身に纏わり付きて離るること無し。明日より五連休だとて世の動き止まる訳も無く、目まぐるしく千変万化して倦む事なかりせば、時の流れに抗はず身を任せるが無難か。年取れば動作緩慢にて、てきぱき事を片付けられぬが故の「あたふた」なれば、何為すと気張らず、ぽちぽち生へ始めたる家周りの雑草など引き抜きおるが最善なるやも知れず。できる事を己にできる分だけ為して満足するが良し。 本日天気良ければ、午後より自転車に乗りて出掛く。川岸の堤防を行けば、対岸に唯一本、痩せおれど容姿見事なる樹木の孤立して在るを見る。「生きおるか」と問へば、「我、生きて在り」と荘厳なる声聞こへ来る気などして、腰下ろし暫し眺めて帰り来たりぬ。何時に無く心穏やかなり。 ☆ ☆ 弟子屈署に於ける2000年度捜査用報償費返還に係る市川守弘弁護士の住民監査請求で二十八日、道監査委員は「組織的裏金」を認定し返還勧告を出せり。警察捜査経費に関し、都道府県監査委員が返還勧告出すは全国初と云ふ。唯、損害額明示できず不正経理当事者の道警に「精査の上、返還」と下駄預けしは、住民監査の限界とは申せ残念至極。今後開始される全署への特別監査の成否も危惧さるる所なり。 今回監査にて当時の道警本部長への損害賠償請求が棄却されし事、些か解せぬなり。監査結果は「一部関係職員が『同様行為はは他署でも行われていると思ふ』『領収書を他署に依頼したり、他署から頼まれた事もあったかもしれぬ』と述べおるは、同様支出が弟子署の特殊性に起因せるものとは考え難く、他署でも同様の事が行われおるを窺わせるが、此れを以って直ちに『道警本部の暗黙の了解の下に行われ』、『道警上層部の指示によって行われてし』と言い切ることはできぬ」と謂ふ。暗黙の了解、指示無しとて、斯かる不正不祥事出来して組織の長たる本部長の監督責任問はれぬ訳は無し。本部長も署長、次長と連帯して損害分返還すべきと思ふが、如何に。 市川弁護士は同日、「道内全署で会計書類の書き換へ行われおるの情報在り」と発表、詳細につきては審らかにせなんだが、道監査委員の特別監査に備へ関係書類改竄の疑い在るを指摘せり。付帯意見として監査委員が「実体を伴わぬ支出と認められたは、職員の公金に対する意識の欠如の表れであり、誠に遺憾。此の事は道警全体の問題として重く受け止めるべき」と述べし通り、事は道警全署に関わりおる故、改竄情報誠なれば特別監査実施の意味皆無と成るやも知れず。監査委員は早急に改竄情報の真偽確かめ対処せねば、「組織ぐるみ」解明の道断たれ、道警の暗部再び閉じられん。 弟子屈署不正経理に関する住民監査を巡りて、芦刈・道警本部長が徳永・道代表監査委員に対し、監査委員の姿勢に抗議為す電話かけし事、明るみに出でて物議醸したり。芦刈氏、裏金問題にて相当にのぼせるおるか、思考力・判断力極度に鈍りし様子哀れなり。電話にて曰く「公正公平な審査になるかどうか危惧しおる」「(弟子屈署の監査状況が報道機関に漏れているとして)守秘義務違反に当たる」と。なれば、電話にて抗議せし貴殿は「何違反」に当たるか、圧力紛いの抗議為して公正公平と云へるかや。誠に以って、斯様な長を頂く現場警察職員の苦労思へば涙毀れて止まず。 ◇……………◇ ◇……………◇ 《弟子屈署 監査結果要旨》(2004.4.29 毎日新聞) ☆ ☆ 斯様な御仁が自衛隊のイラク派遣を推進したるを銘記する為、二十七日付読売新聞の記事を記し置く。国会議員なんぞ何れも大差無しの声あれど、此の御仁に投票せし方々は大いに反省、熟考したる上、次期選挙に備へられたし。人の本性見抜くは中々に難しく、益してやアナウンサー出身なれば「巧言令色少なし仁」を看破するは至難でありしか。騙されるも愚かなれど、騙して選良となりたるは許し難し。有権者は断固、糾弾すべきなり。 《自民・柏村議員、参院決算委で「人質の中に反日的分子」「中国に人権なんてない」/「不穏当だ」野党委員が反発 ☆ ☆ 二十九日、京都・西京極競技場。コンサドーレ対京都パープルサンガ戦は、0−2でコンサ二連敗。通算成績1勝3敗4分け。勝ち点7、順位十一位と後退。 同じ試合は見とうは無い。前節より悪しき内容なれば尚のことなり。攻撃もできなければ守りもできずでは話にならぬ。「下手なシュートも数打ちゃ入る」と謂ふに4本のみ。ボールキープしつつ前線へ踏み込めず、ロングばかり蹴り上げる見事な攻めっぷり呆れるばかり。左右のMFに至りては攻撃姿勢皆無、守備に汲々とせるのみ。「何としても勝つ!!」の気迫執念無く、漫然とボール蹴りおるやに見へるばかりなり。心技体共に未熟なる者が勝たふとせば、愚直なる我武者羅なくしては成らず。 ◇ ◇ 二十五日、茨城・笠松陸上競技場。コンサドーレ対水戸ホーリーホック戦は、1−2でコンサ二敗目。通算成績1勝2敗4分け。勝ち点7、順位六位から九位へ下げる。 昨季のコンサを見るが如し。「お前ら! やる気あんのかよ!!」と叫びおりしサポーターの姿、眼前に蘇り来たりぬ。プロの自覚皆無、金を徴収して何を見せようと謂ふのか。馬鹿たれめが! 我武者羅な攻撃精神失いたれば、今のコンサに勝機無し。一時も止まらず走り続け、蹴り続けよ。敵の陰に入るを避け、常に敵の前面に在れ。今節が如き不甲斐なき試合、二度と見たく無し。 ★ ★ ◆30日=ファルージャ。イラク人部隊、市内に。一部地域、米海兵隊と配置交代。/撤退開始後、自爆テロ。米兵2人死亡。 ◆29日=米軍ファルージャ撤退、イラク人部隊と交代。空爆は続行。/撤退合意は不透明、米国防副長官「現地は混乱」。 ◆28日=米軍、ファルージャ攻撃再開。停戦崩壊の危機。 ◆27日=イラク。4月の米軍死者115人に、“戦時中”死者と並ぶ。/ナジャフ近郊で激戦、サドル派民兵64人死亡。/ファルージャで激しい戦闘。/来月中に暫定政権。国連事務総長特別顧問表明、安保理が構想承認。 ◆26日=英、2000人規模増派検討。イラクへ、スペイン軍撤退方針受け。英紙報道。/英元外交官が首相批判、52人連名書簡。中東、イラク政策に異議。 ◆25日=自民、衆院3補選全勝。埼玉・広島・鹿児島、参院選へ弾み。 ⇒バスラ沖、石油施設に自爆攻撃。3米兵死亡、積み出しに支障なし。 ⇒米兵ら死者40人超、イラク各地で攻撃。 ⇒G7声明。イラク・中東支援強化、世界経済回復確認。 ⇒キプロス再統一案否決。住民投票、南部ギリシャ系「反対」。/「南」だけ加盟、EU不快感。/アナン事務総長「問題解決の機会、これで失われた」。 ⇒グルジア。軍の一部部隊離反、駐屯先に忠誠宣言。大統領、武力行使も示唆。 ⇒国際地震観測網を整備、地球観測サミットで日本提唱へ。アジア・西太平洋地域、今後10年で。 ⇒米牛肉輸入再開、「結論8月末まで」目標。日米局長級協議。 ⇒女子サッカー、念願アテネ。北朝鮮に3−0. ⇒膵島細胞、全国2例目移植。千葉東病院、10歳代の重症糖尿病患者へ。 ⇒教育訓練給付詐欺。「東京、福岡でも」供述。逮捕の通信講座社員ら、165人が3900万円受給。 ⇒エスティ・ローダーさん死去。97歳。米化粧品会社エスティローダー創業者。 ⇒民主2人目は西川氏、参院選道選挙区。北氏擁立、固辞で断念。 (以上、読売新聞から) |
平成十六年四月二十三日(金曜)晴 気温中々に上昇の気配無けれど春うらら。世は事も無し、と行きたき所なれど然も行かじ。諸事騒がしく鬱々たる日々なり。篭り居りても気滅入る事のみ多しと暫し漫ろ歩きなど為せば、木々の緑目に入り小鳥の囀り耳に入り、命あるもの皆々春を謳歌せるを知る。さすれば我も亦、生き居るを感じ生かされ居るを感謝す。有り難き哉、有り難き哉。生々流転、至りて寂滅するの理思わば、今生かされて在るを悦びて合掌せん。 一回目(七日)の開花予想発表以降、気温高めに経過したるに因り二回目(十四日)発表時は各地とも二日早まりたれども、其れ以降気温下がりて二十一日発表の最終開花予想にては、ほぼ当初予想通りとなれり。函館・江差二十七日、室蘭五月三日、札幌四日、岩見沢五日、帯広六日、旭川七日、浦河八日、留萌十日、倶知安・紋別十二日、網走十三日、稚内十四日、釧路十六日、根室十九日。 ☆ ☆ イラク人質事件につき諸々の意見噴出したれども、何れが正論異論なるか凡人愚人の我に判別難し。国が、退避勧告に従わず人質になりたるに由り「自己責任」にて処理せよと謂ふて良いものか。ジャーナリスト、ボランティア、非政府組織(NGO)の活動為さんと謂ふて危険回避・防御策無く退避勧告地域へ出向きて良いものか。無事解放の報無く、最悪の事態出来せし時、互いに如何言ひ立てるつもりで居りしか。 解放の三人が帰国せし十八日、スペインのサパテロ新首相は選挙公約通り、即時イラク撤兵を決め、二十日には早くも撤退始まれり。人質事件は無かりしも列車テロがありし国の撤兵。此れが「テロに屈した」と言ふて国際社会の笑い者になるかや。スペイン首相演説に曰く、「我々のイラク駐留に付された条件を満たすような、国連安全保障理事会決議が採択される見通しがつかない」「イラク戦争の当事者などから、イラクでの政治・軍事情勢で本質的な変化を予測させる兆候が得られなかった」「この決定は、国際法を厳格に遵守する枠組みで、テロとの戦いを進める目的から引き出された」「スペイン政府は今後もイラクの安定と民主化、復興を支援する」と。 報道に依れば、スペイン(1400人)の他に撤退を決めしはホンジュラス(370)、ドミニカ共和国(300)、ニカラグア(120)、シンガポール(200)の四か国九百九十人。撤退検討中はブルガリア(480)、タイ(450)、フィリピン(100)、ニュージーランド(60)の四か国千九十人なり。派兵継続国は米(135000人)、英(9000人)、イタリア(2600人)、ポーランド(2500人)、ウクライナ(1650人)、オランダ(1100人)、豪州(870人)、韓国(600人)、日本(550人)の九か国十五万三千八百七十人。 スペインは対米外交重視からEU重視へ方向転換しても生き行けるが、米国と離れて日本の生きる道は無い、と謂ふ論をばよく耳にする。果たして、そうか。米一国追従外交でアジアのリーダーと成り得るか。我が国の地政学上の位置は? ☆ ☆ 二十日午前、大阪高裁にて毒物カレー事件・林真須美被告の控訴審初公判開かれり。被告弁護側は一審判決に事実誤認在りとて改めて無実を主張、検察側は「死刑相当」とて控訴棄却を求めたり。弁護側は被告人質問を申請、次回公判六月十八日より七月二十日迄計三回、弁護側主質問行われ、其の場にて真須美被告此れ迄の黙秘を破り自ら無罪を主張する模様なり。 被告弁護団の控訴趣意書(要旨)は、鑑定の証拠能力無く、ビデオの証拠能力認めず、ヒ素同一性鑑定につき大型放射光施設「スプリング8」を用いた鑑定手法に疑問有りとする。犯人性も否定、「被告宅には多数の者が出入りしており、被告以外の者がヒ素を持ち出し、混入した可能性もある」と。殺意の認定につきては、「殺意を認定するためには、人の死亡の結果を認識しているだけでは足りず、それを認容していることが必要で、被告が『人の死亡の結果を容認していた』との証拠はない」故、「被告に殺意は認定できない」とせり。量刑につきても「死亡した被害者が四人であっても、被告に無期懲役を言い渡した例もある」として、地下鉄サリン事件の林郁夫受刑者の判決を引き合いに出し「重過ぎる」と量刑不当を主張す。 一方、検察側答弁書(要旨)は、鑑定の証拠能力は信用性が高く、ビデオに証拠価値有りとし、ヒ素同一性鑑定も「スプリング8を用いた鑑定は、客観的で明確な情報を相対的に観察するというもので合理的手法」とせり。殺意の認定につきては、「ヒ素が微量でも人を死に至らせるほどの猛毒であることを被告は十分認識していた。殺意の認定にはその程度で十分で、正確な致死量の認識までは必要ない」し、又「極めて多量のヒ素を飲食物に混入する行為は人の死を容認したからで殺意は十分認定できる」と述ぶ。量刑不当の主張に対しては「林郁夫受刑者らは、犯罪解明や発生防止に大きく貢献し、改悛の念が極めて顕著。被告は黙秘するなどして一片の改悛の情も示しておらず、極刑をもって臨む以外にはあり得ない」として、控訴棄却を求めり。 ☆ ☆ 解放されし三人、アラブ首長国連邦・ドバイより十八日夕関西空港に到着、即羽田空港へ向かひ出迎への肉親と再会せり。心的外傷後ストレス障害(PTSD)の診断ありとて記者会見無く、家族が三人のメッセージを代読せり。以下に記し置く。 高遠菜穂子氏「このたび日本の皆さま、そして世界中の皆さまに大変なご心配、ご迷惑をお掛けしましたこと、伏しておわび申し上げます。誠に申し訳なく思っています。また私たちの解放のため多大なるお力を尽くしていただきましたことに、全身全霊で感謝申し上げます。本当にありがとうございました。解放されたことは徐々に受け止められるようになりましたが、まだ現実を掌握しきれていません。心身共に回復するまで今しばらくお時間をいただくことをお許しください。必ずお話しします」 今井紀明氏「皆さま、ご心配お掛けして本当に申し訳ありませんでした。また、救出に向けて多くの方が協力していただいたことに感謝しています。体調に関しては食事があまりとれず、いいとは言えません。今になって非常に疲労感が出ています。本当にご心配お掛けしました」 郡山総一郎氏「このたびは国民の皆さまに多大なるご迷惑、ご心配をお掛けしたことを深く反省し、おわびの言葉もざいません。本当に申し訳ありませんでした。こうして無事帰国することができましたことを感謝しております。ありがとうございました」 解放、帰国せし三人のメッセージ読むに、只々感謝、謝罪の言葉在るのみ。此の事、本人の心底より出で来たりしものか。何やかや騒々しき国内の反応を伝へ聞きて言葉を慎み、黙しおるか。政府関係者或いは肉親から「余計な事は喋るなかれ」と釘刺されおるか。疲れ癒へたる後、己の存念忌憚無く語るべし。 ◇ ◇ 現地時間十七日午前(日本時間同日夕)、イラクにて行方不明となりおりしフリーライター安田純平(30)とNGOメンバー渡辺修孝(36)両氏、武装グループからバグダッドにて解放され、日本大使館に保護されたり。テレビ映像で見る限り共に無事にて元気なる様子、先ずは一安心なり。今回も亦、イラク・イスラム聖職者協会貢献せり。此れにてイラクに於ける邦人人質・行方不明事件は全て解決、落着せり。 解放後、両氏「イラクに残りたし。日本へは戻りたく無し」と語りたる由、やれやれ此処にも亦、の思ひせり。危険の中へ飛び込まねば報道できぬ事柄在るは重々承知しおれど、両氏の目指せし対象に如何程の報道価値が存在せしか疑問。「自己責任で」と謂ふて命を危ふくするは愚か。二人が拘束されしアブグレイブにては当時、外国人拉致が頻発。タクシー運転手が引き留めて警告せるを無視し、取材を強行せしと謂ふ。斯様な両人を今イラクに留め置けば悲しき事態に成りかねず、「命あっての物種」と説き伏せ、早々連れ戻すが一番なり。 ☆ ☆ 二月二十七日東京地裁にて死刑判決を受けしオウム真理教・麻原彰晃被告の国選弁護人への報酬が総額約四億五千二百万円に上りしと、十九日付夕刊報じおりたり。 十二人の国選弁護人が付きし故、単純計算せば一人当たり約三千七百六十万円。弁護人にとりて此の額多きか少なきか。起訴事件数十三件、一件当たり約三千四百七十万円。公判回数二百五十七回、一公判当たり約百七十六万円。初公判より判決迄七年十か月、一か月当たり約四百八十万円。 此れだけの金使ひ十二人が弁護して得たるものが死刑なれば、控訴は無駄と思ふは我のみか。控訴中なれば、あと幾年、幾人の弁護人が付きて幾ら金を費やすか。 ☆ ☆ 新聞に面白き記事二つ在りたり。鳥取県が職員の勤務評定を定期昇給に反映させる新給与制度を導入、「態度悪しき」九職員の定昇を停止せりと謂ふが一つ。今一つは、町長選に絡み、買収資金に渡せし一億二千万円を返還せよとて元町長が県議を提訴したるの話なり。 ◇ ◇ 鳥取県の新給与制度は今月より導入せしものにて、知事部局の主事から課長補佐級迄の九人に適用されしと謂ふ。査定理由に@無断欠勤、遅刻多く規律を乱したる事A責任を部下に転嫁したる事B態度が悪しく、苦情の絶えざる事――等挙げられ、五段階評価の最低ランクなりと。民間なれば、@Bで解雇か退職勧告、Aで降格並びに減俸と相成ろふが、定昇停止程度で済むお役所はまだまだ手緩し。なれど何も為さぬよりは益しか。 勤務態度悪しければ昇給・賞与に響き来るは当然の事。民間企業なればベースアップ、賞与に査定適用されるも、自治体・官庁は号俸給にて査定の余地無ければ定期昇給停止は妥当なる措置なり。働き者も怠け者も同一の賃金では働き者が納得しまい。同一労働同一賃金とは申せ、提供せる労働の質による賃金差は在って然るべし。お役所仕事罷り通るも勤務評定無きが一因、他自治体・官庁も早急に勤務評定基準をば策定施行するがよし。のんべんだらりの役所職員を減らすには厳しき勤務評定と賃金査定以外無し。道庁も早々に見習ひて実施すべきなり。 ◇ ◇ 提訴せしは一九九一年の茨城県鉾田町長選にて初当選の小室光・元町長と元陣営幹部。九一年一月の町長選告示後、支援者の県議が電話で「選挙を有利に取り計らふ」と票取り纏め資金を要求。原告元幹部とは別の幹部が県議宅に一億二千万円を持参せしと。小室元町長曰く「金は買収のためと思ひたり。県議に於いては選挙後、渡したる金の使途詳らかにせず、買収先の名簿も渡さなんだ。実際に金が選挙に使われしか否か確認もならず、金の返還再三求めしも応ずる気配微塵も無ければ、提訴に踏み切りたり」と。県議、応へて曰く「金は要求しておらず、況してや貰ひても触りてもおらず。裁判にて潔白はっきりさせん」。 小室元町長は九一年に町議から町長に初当選、九五年選挙にて落選、九九年選挙で当選するも買収容疑にて逮捕され辞職。二〇〇〇年三月、懲役三年執行猶予五年の有罪判決確定しおるなり。穿った見方せば、町長の座に就けば一億位の元は直ぐ取れると踏んだはいいが一期にては元取れず、復活当選するも早々に辞職、残ったは選挙のための借金のみ、斯く成る上は県議に渡せし買収資金の返還を……と謂ふ所か。十数年前の、然も買収資金と謂ふ闇の金を返せとの裁判、呆れたり。出したる者在れば受け取りし者在るは確か。県議貰ひおらずとせば、受け取りし者其は誰。一億二千万円何処へ消え失せしか。珍妙なる裁判、如何相成るや。 ☆ ☆ 十七日、札幌ドーム。コンサドーレ対横浜FC戦は、1−1でコンサ今季四つ目の引き分け。通算成績1勝1敗4分け、勝ち点7。順位六位は変わらず。 ★ ★ ◆23日=北朝鮮列車事故、死傷者800人か。/北朝鮮、国連に援助要請。/すべてが謎、列車事故。北朝鮮、情報統制で沈黙。 ◆22日=政府方針。イラク人雇用拡充、治安対策の一環。橋・道路再建事業も。 ◆21日=バスラの3警察署で連続爆発、死者多数。/死者、園児ら68人に。 ◆20日=イラク支援、継続要請。米、14か国に「同盟堅持」狙う。/スペイン軍撤退開始。/ドミニカ共和国、早期撤兵命令。 ◆19日=スペイン、軍事以外の貢献検討。イラク早期撤退で、外相が20日訪米。/米大統領「唐突だ」。電話協議、サパテロ首相に苦言。 ◆18日=人質事件。高遠さんら3人帰国。/無言、表情硬く。精神的ショックで、会見出席せず。 ◆17日=不明2邦人も保護。武装グループ、バグダッドで解放。/聖職者協会また貢献、「人質解放ルート」に定着。/保護2邦人が声明“伝達”。政府「武装勢力利する」、無謀な行動を批判。/「退避勧告に従って」。ラジオで首相、渡航禁止法制化は困難。 ⇒同時テロ直後にイラク戦計画。米大統領、側近に立案指示。米紙記者が著書で“暴露”。 ⇒イラク主権「受け皿」、国連主導の暫定政権案。統治評拡大見送り、米が方針転換。英首相も支持表明。/6月主権移譲堅持。安保理新決議、米英働きかけ。 ⇒米兵人質、捕虜と交換要求。武装勢力、アル・ジャジーラ報道。 ⇒イラク増派、予定通り。韓国首相、米副大統領に強調。 ⇒韓国総選挙。与党ウリ党過半数。/自民連総裁・金鍾泌氏が落選、「三金時代」に幕。 ⇒国民年金の未納保険料時効分、17年で8兆1307億円。 ⇒独連銀総裁、引責辞任。高級ホテル代、民間銀行に払わず。 ⇒三菱自7500億円増資。グループ3社、ダイムラーと合意。 ⇒公共工事代金、契約後の値上げ要請へ。ゼネコン業界、鋼材高騰で。 ⇒即位の礼、大嘗祭への都知事参列「合憲」。東京高裁、控訴棄却。 ⇒「署長、毎月5万小遣い」元警視証言、宮城県警でも裏金疑惑。 ⇒鈴木宗男被告元政策秘書・多田被告に有罪判決。斡旋収賄など、共謀も認定。/元秘書、控訴へ。/参院選前、頭抱える後援会。 ⇒買収資金1億2000万返せ!! 元町長が県議提訴。91年茨城・鉾田町長選。 ⇒大阪府肉連会長を逮捕。牛肉偽装で6億詐取容疑、副会長は所在不明。 ⇒道州制特区。高橋知事、首相と会談へ。中央省庁突破へ直接提言。 ⇒弟子屈署裏金問題。道警方針、元署長らに返還求める。支出20万「不適正」。/「99年度も裏金」捜査員証言。 ⇒岩見沢市官製談合。公取委、押収資料返還。損害算定、職員に賠償請求も。 ⇒参院選、北・奈井江町長に出馬要請へ。民主、道選挙区2人目。 (以上、読売新聞から) |
平成十六年四月十五日(木曜)晴 先刻午後八時四十五分、「三邦人、バグダッドで解放」のニュース速報、テレビに流る。鄭重に扱われしか三人皆々元気なる様子にて憔悴の表情見られず、衣服にも乱れ無し。先ずは無事の解放を喜び、御尽力下されし「イラク・イスラム聖職者協会」に対し、日本人として深甚の謝意を表したし。 人質三人の安否判然とせぬ中、昨日更にフリーライター安田純平、NGOメンバー渡辺修孝の両氏、バグダッド郊外アブグレイブにて拉致の報。フリーの書き手にとり戦場は稼ぎ場所であり勉強の場と謂ふが、命落としては元も子も無かろうに――等々考へおれば気が滅入るばかりにて、晩酌の不味きこと甚だしき昨日今日なれば、「解放」の報に思はず拍手万歳するも、残る二人の安否思へば複雑にして曰く言ひ難き胸中なり。 ◇……………◇ ◇……………◇ 日本人人質事件経過(日本時間)
☆ ☆ 贈る奴が居るから貰ふ奴が居るのか、貰う奴が居るから贈る奴が居るのか。両方居て成立の贈収賄なれば何方が先とも謂へず、御願いしますと差し出すのも居れば、頼むなれば持って来なさいと謂ふのも居らふ。今回は前者の方か。先頃より新聞紙面を賑わわせし社団法人「日本歯科医師会」の政治団体「日本歯科医師連盟」の不正経理を突付きたれば、日歯連が中医協の委員に賄賂を贈りいたる疑い浮上。昨夜、東京地検特捜部は元中医協委員の元社会保険庁長官・下村健(73)と現中医協委員の連合副会長・加藤勝敏(59)両容疑者を収賄容疑にて、日歯連代表の日本歯科医師会会長・臼田貞夫(73)容疑者ら五人を贈賄容疑にて逮捕せり。 某料亭にて「お代官様、此れにて何卒」と袖の下へ金子忍ばせやれば、代官其の重み確かめつつ「御主も悪よのう」と受け取るは時代劇の中のみの事にては非ず、今尚日々繰り替へされ止むを知らず。然も白日の下に曝されるは僅か、今事犯も氷山の一角に過ぎぬなり。 歯科診療報酬上げを望む歯科医師会と診療報酬上げは認められぬと強硬姿勢の支払側が激突せる中医協に於いて、下村委員は支払側の取り纏め役にて、医療機関の診療報酬引き上げ要求には常に厳しく対処しおったと謂ふに、料亭にて酒食の接待受け現金受け取りし後は委員会発言トーンダウンせりと。魔が差したか。厚生省時代を知る現キャリア官僚は「仕事上は公私の区別をきっちり分ける人で、金で動くような事は考へられぬ」と驚き、報道に語りしと謂ふが、其の御仁が何故に晩節を汚す斯様なる無様を為したるものか。役人の悪しき性根出で来たりて老人の一瞬の気の迷いか。 連合副会長・加藤容疑者につきては「論外」「言語道断」の言葉など手緩く、語る言葉無し。幾万もの労働者を代表せる立場に在りながら、斯くも下劣なる裏切り為すとは。阿呆・馬鹿者を養うに組合費出し続け来たりし労働者の怒りを知れ。来月に控へるメーデー集会の場でギロチンにかけたき思ひなり。賃下げ、リストラの厳しき労働条件下拠出せる組合費にてお飯食せるを何と心得るか。並みの労働者以上の俸給をはみながら尚金が欲しいかや。何の志在りて労働組合運動に入りしや。昔、「ダラ幹」なる言葉在りしが、此の御仁「ダラ幹」にも値せず。斯様な人物を組合幹部に選任せし労働者諸君よ、今一度他の幹部連を眺め見よ。諸君の代表として相応しき人物なるや。 ☆ ☆ 一九九八年七月二十五日に和歌山市にて起きし毒物カレー事件で殺人罪等に問はれ、二〇〇二年十二月十一日の一審・和歌山地裁で死刑判決を受けし林真須美被告が、此れ迄の黙秘を一転、今月二十日より大阪高裁で始まる控訴審にて事件当日の行動を供述せる方針、と十二日報じらる。捜査段階より黙秘を通し、検察側被告人質問にも「話したくない」と一言も発しなんだ真須美被告が、此処に来て供述為すは何故か。先ずは其の理由聞きたし。 供述は弁護側申請により行はれる被告人質問に答へる形で進められ、改めて無罪を主張するらし。此の事件も直接証拠無く、状況証拠の積み重ねによる有罪判決なれば、突き崩し可能と読みしか。真須美被告自らの事件当日の行動供述が、カレー鍋見張り番の主婦らの証言等を基に「被告にしか毒物混入の機会は無かった」として有罪認定せし一審判決を覆し得る程の内容とも思はれず、此れ迄の黙秘態度と合わせ裁判官の心証は良くあるまい。 ☆ ☆ 肺がん摘出手術を受けし六十歳代男性が退院後、がん抑制効果有りとされる「アガリスク茸」を粉末にせる健康食品を、一日二袋(計五グラム)ずつ約二十日間服用したるところ、劇症肝炎発症にて死亡したる由。がんに効いて長生きする筈が、肝炎引き起こし死に至らしめるとは何たる皮肉。巷に溢れおる「がん抑制効果有り」「免疫活性効果有り」等の健康食品の類、如何にかならぬものか。溺れる者は……で、買い求め服用するを笑いはできぬ。問題は法外なる値を付け、特効薬が如きに売り込む側。薬事法第五四条、五九条、六六条にて医薬部外品の効果・効能に関わる記述は禁止されおれども、遵守せるは僅かなり。今一度、厳しき取り締まりを望みたし。 ★ ★ ◆15日=3邦人解放。8日ぶり全員無事、聖職者協会が保護。/聖職者らの説得奏功、問われる「自己責任」。 ◆14日=サドル師、和平提案へ。シーア派指導者仲介、無条件で交渉。/米、イランに調停を要請。 ◆13日=米大統領会見。イラク民主化を全力支援、1万人増派容認。主権移譲日程堅持、新安保理決議目指す。 ⇒ファルージャ、停戦を再延長。/サドル師民兵、ナジャフ占拠解く。/ファルージャ、米軍部分撤退開始。サドル派もナジャフから。/米中央軍司令官、1万人増派要請。 ⇒イラク、拘束の中国人7人解放。ロシア・チェコ人ら誘拐、不明。/米民間人7人不明、兵士2人も。 ⇒インドネシア総選挙。ゴルカル党第一党へ、メガワティ氏責任論も。 ⇒イラク復興支援。空自本隊2次部隊、クウェートへ出発。 ⇒NTT料金見直し、総務省方針。業者の接続料下げ、基本料は値上げ。 ⇒三菱自。支援7000億円規模に、ダイムラーの子会社化へ。 ⇒林真須美被告、公判で供述へ。20日から控訴審、黙秘から一転。 ⇒元看護助手「腕かまれ肝炎感染」、病院側に2500万賠償命令。(大阪地裁) ⇒青酸カリ粉末250グラム盗難。1600人致死量、機械会社の金庫ごと。(福岡・遠賀) ⇒長嶋さん退院、リハビリ施設に移る。 (以上、読売新聞から) |
平成十六年四月十一日(日曜)晴 人質事件、此の三日喉に掛かりし小骨の如くにて日々鬱々として楽しまず。他人事と謂ふてしまへば其れ迄、我関せずと頬被りもよかろふが、中々に出来申さず。第一、テレビにて斯くも頻繁に肉親家族の沈痛なる顔見せられ、悲痛なる声聞かさるれば、如何に鈍なる我とて脳裏より消へ行かず。気晴らしとて朝から酒呑む阿呆にも成れず、先ずは一番とて、床屋へ出掛く。散髪中居眠り為さんと目論み居りしに、此処にても話題は「人質」。床屋夫婦と当たり障り無く話すも難儀な事にて、気晴らしどころか気疲れして戻りたり。本日、天気晴朗なれど吹く風冷たき一日。 HBCテレビを見ておった午後三時半頃、「アル・ジャジーラは、人質三人が解放されたと報じた」とのニュース速報テロップ流れたり。此れにて一件落着、先ずは無事戻りたるを喜ぶべしなどと思ひつつ、NHKにチャンネル替へたれど速報の気配無く、他チャンネルも同様変化無し。時事通信社の「誤報」なり。午後五時二十分頃、「報道の事実無し」とお詫び流さる。「解放へ」と報じられたるを現地スタッフが「解放」と誤認せしが原因と言ふ。武装グループが設定せし自衛隊撤退の期限は今夜九時なるも、本未明アル・ジャジーラを通じ「三人の日本人を、今後二十四時間以内に釈放する」旨の声明出しおりたれば、「人質解放」と見誤りたるものか。早とちりのまま確認もせなんだか、情報錯綜しおるとは申せ戴けぬ。 高遠菜穂子氏開設のHP掲示板に三人を批判する書き込み殺到のため、一時閉鎖せりと謂ふ。又自宅にも批判、嫌がらせの電話、郵便物が寄せられおる由報じらる。今回事件に対し各人其々に言い分は有ろふが、今は批判の時ではあるまい。家族の心中慮れば力付けやるが人の道、事起きて後何だかんだ謂ふたとて詮無きなり。批判為すは解放後、当事者本人の弁明を聞きて後にても遅くは無かろふ。又、会見の席上「安否情報も掴めず政府は何をし居るか」と申した家族の方へも批判集中せると聞くが、其も短絡に過ぎまいか。不安と焦燥の中、苛立つ心で会見に臨めば左様な言吐きたくもなろふ。責められはせぬ。 ◇ ◇ 八日夜、「日本人三人がイラクで人質」の報。遂に来たかの思ひ。此の危惧、杞憂に終わるを願ひおりしに叶わなんだは残念。人質となりたるはフリーライター今井紀明(十八歳、札幌市西区)、同郡山総一郎(三十二歳、東京都)、ボランティア活動家高遠菜穂子(三十四歳、千歳市)の三人。拘束せしはサラヤ・ムジャヒディン(戦士隊)と名乗る武装勢力にて、「三日以内に自衛隊がイラクより撤退せねば三人を殺害す」と脅しおる由。関係者、機関等はサラヤ・ムジャヒディンなる組織につき一片の情報も持たず、現在のところ接触は不可能なる状況と言ふ。 先刻十時二十分過ぎからの緊急記者会見にて福田官房長官、「政府は正確な事実関係確認のため、情報収集に全力を挙げている。報道されおる通り、無辜の民間人が人質に取られおるが事実なれば許し難く、強ひ憤りを覚へる。政府は一刻も早く人質が無事に解放されるよう、全力を尽くす」と述べ、自衛隊撤退要求に対しては「自衛隊はイラクの人々のために人道復興支援を行っている。其れを考へれば、我が国として撤退する理由は無い」とせり。妥協せば同様人質事件多発の引き金となる危険性大、国際的面子も在らふし、数を頼りて強引に自衛隊派遣を敢行せる小泉首相が万が一にも撤退を考へる訳も無かろふから、「撤退せず」として、国民の生命を守る義務と責任を負ふておる国は如何に対処する積もりなるや。 我思ふ。各地に戦闘の火の手上がりて騒然混迷、「退避勧告」の出ておるイラクへ何故に行きしか。十八歳、高校卒業直後の青年が戦地へ行くを家族は止められなんだか。路上生活の子等を救わんとせるボランティア活動尊く頭下がれど、一個人が硝煙漂ふ中にて為さねばならぬ事なるか。ジャーナリストなれば危険覚悟の取材行も已む無けれど、何を如何報道するか確固たる信念、目的を持ちて赴きしや。戦場はフリー記者・カメラマンにとりて、大いなる稼ぎ場所と報じられおれば、此も亦、唯其れ故に行きしか。 皆々、退避勧告の意味噛み締め現状を見ればイラク入り自ずから慎重に成らざるを得ぬ筈。今回人質になりし三人が為さんとせし事、其れぞれに意義有る事なれど、生命を賭して早急に為さねばならぬ事とは到底思へず、暫し待つ心有らば事件も起きなんだらふ。何を如何考へイラク行きを決断せしか、本人のみが語り得る事なれば解放されたればいの一番に聞きたし。斯く成りし上は無事の解放救出が第一。政府の迅速緻密なる対応に期待するのほか無く、家族の不安は尽きねど待つ以外無し。願ふは、犯人組織が期限切れたりとて即殺害為さぬ事。軽挙を慎み、常に理性的であることを願ふて止まず。 ☆ ☆ 札幌管区気象台が七日に発表せる「桜開花予想」に依れば、全道的に平年並みか一日から五日早き模様。函館にては今月二十八日、札幌来月四日、岩見沢五日、旭川七日、帯広八日、紋別・網走十四日、釧路十六日、根室二十日。次回予想は今月十四日。 札幌五月四日にて平年に比し一日早き予想なるも、標本木在るは日当たり良き北海道神宮境内なればこそ。我が家の桜、日当たり悪しき場所に在れば、新芽未だ固く蕾を見るは随分と先の事ならん。今年も根室より遅き開花となるか。なれど、遅きも亦良き哉。咲いたれば花愛でて時季外れの花見酒酌むも一興なれば。 ☆ ☆ 六日の道議会総務委員会にて芦刈本部長、道警弟子屈署裏金疑惑に関する内部調査の中間報告を為せり。二〇〇〇年度捜査用報償費・国費捜査費約八十八万円の内、約三十一万円を目的外流用と認め、約二十四万円は「適正支出」、約三十三万円は「関係者の証言一致せず、使途不明」――の内容なり。内部調査など高が知れておる。トカゲの尻尾切り、幕引き準備の御都合調査がいい所か。 中間報告骨子に、「捜査必要経費は毎月、次長または刑事・生安課長から受け取っていた」「支払精算書は次長から渡された下書き通り偽造」「刑事・生安課長は毎月次長から諸経費を受け取り、係長に全額渡していた」「会計係は次長から下書きを渡され、領収書を作成」「署長二人は支出方法を認識していたが、経理に関する事務には関与せず、次長に一任」と有り、責任の所在恰も次長一人に在るかの如き報告内容。実名告発せし元次長・斎藤邦雄氏憎しか、悪者は唯一人次長のみと言ひたき報告なり。 報道に依れば元次長・斎藤氏、「私が在職した一年間だけ不正があったと受け取れる内容だが、長年の組織的不正は闇の中という感じだ。身内の調査なんて、こんなものでしょう。やはり道議会の総務委員会や百条委員会での追及を期待したい」と語りおるが、全く以って同感。内部調査にては疑惑解明など不可能なり。 ☆ ☆ JOCは五日の連絡調整会議にて、テコンドー競技の岡本依子選手を個人資格にて派遣する方針を決定せり。妥当、喜ばしき措置なり。「JOCの承認する団体が存在せぬなれば個人資格で派遣が可能」とのIOC見解有りて決したる由。最終決定にはJOC理事会決定、IOC、世界テコンドー連盟の承認必要なるも、クリア可能。岡本選手は金メダル目指し練習に励むがよし。 全日本協会、日本連合は今回問題をば真摯に反省、虚心坦懐、一本化への話し合ひを急ぐべし。国際大会の度に斯様な事態出来していては選手諸君の気が萎へるばかりなり。組織幹部は考へよ! ☆ ☆ 十日、室蘭・入江運動公園陸上競技場。コンサドーレ対モンテディオ山形戦は、0−1でコンサ今季初の黒星。通算成績1勝1敗3分け、勝ち点6。順位六位。 あらゆる面で圧倒され、山形を上回るもの皆無。1点に抑えたは万々歳。動かねば点は入らぬ。がむしゃらに突き進むの気概失せたるか。試合により選手の出来にムラ在るも問題なり。戦列離脱のMF三原に代わり市村が初先発するも、他との連係悪しくボール捌きも今ひとつの感。余程性根を入れ練習せねばレギュラーの座はおろかプロとして遣って行けまい。奮闘努力を期待す。 三日の対湘南戦にて左膝負傷のMF三原広樹、前十字靭帯断裂及び外側側副靭帯損傷にて全治九か月の診断(六日、コンサ発表)。今季復帰は絶望的。開いた穴を埋めるは、若手のより一層の奮起、活躍のみ。 ★ ★ ◆11日=武装グループ、「24時間内解放」声明。/スンニ派報道担当、解放約束の順守訴える。/中国人7人も拘束。ファルージャ近辺、英国人ら9人は解放。/独の不明2人殺害か。 ◆10日=イラク邦人人質。現地対策本部を設置、武装集団との接触探る。/アラブに協力要請。政府、犯人側と接触探る。/「イラク愛した3人救って」中東TVで家族訴え。期限切迫、世界に訴え。「現地への貢献」強調。/アンマン現地対策本部、懸命の情報収集。 ◆9日=人質3邦人、ファルージャ近郊で拘束か。政府、見方強める。情報収集、連合国と緊密連携。/米伊の6人拘束、武力勢力主張。 ◆8日=3邦人、イラクで人質。自衛隊撤退を要求、武装勢力「期限3日、殺害」。カタールTV局が放送。2人は道内出身、今井さん・高遠さん。政府「撤退する理由ない」。外国人人質事件相次ぐ。/戦士隊、反米の過激派? 実体不明の組織。政府、改めて退避勧告。慎重な行動求める声も。/韓国、「増派反対」再燃も。牧師7人一時拉致、総選挙の焦点に。/連合国に衝撃走る。米、救出へ全力支援。日本の姿勢評価、国防長官「意志試されている」。/拘束の瞬間、目撃情報も。 ◆7日=モスク空爆40人死亡。米、武装兵力狙う。イラク中部ファルージャ、連日の掃討作戦。/駐留米軍、情勢悪化で帰還延期。/シスタニ師、鎮静化促す。サドル師支持者らにファトワ。 ⇒啓発セミナーで集団生活、子供5人を保護。2人栄養失調、3人就学せず。 ◆6日=イラク戦闘、中南部に拡大。ナシリアでシーア派と伊軍交戦、イラク人15人以上が死亡。/米軍、ファルージャ進攻。サドル師側、徹底抗戦声明。/イラク緊迫、米激震、増派検討。米英首脳、来週緊急協議へ。/陸自、宿営地外の活動中断。/連合国暫定当局本部を民間警備員が守った、米紙報道。米軍事会社、過激派数百人と交戦。/ラマディで米兵12人死亡。サドル師、調停を拒否。 ⇒米牛肉輸入再開見えず、農水次官発言。全頭検査、米は無視。 ⇒郵政民営化。準備室に民間人登用、首相方針「参与会議」も設置。 ⇒殺害日本人外交官の車、弾痕は36か所・22か所で貫通。(警視庁公安部鑑定結果) ⇒株一時1万2000万円台、終値は1万1958円。 ⇒テコンドー・岡本選手、アテネ派遣へ。JOC見解、個人資格で。 ⇒長嶋さん入院1か月、支え立ちも可能に。 ⇒「週刊文春」問題。長女側特別抗告せず、高裁決定が確定。 ⇒旧五菱会系ヤミ金、「おれおれ詐欺」20人。警視庁逮捕、店長会でノウハウ。 ⇒落書き「アートにあらず!」。大学生ら4人有罪、地裁高崎支部判決。 ⇒捜査情報ネット流出、掲示板に残ったまま。道警、強制削除の法律なく。 ⇒鶴居村長選、28年ぶり選挙戦。現職と産業課長が出馬表明。20日告示。 ⇒ニトリ売上高1000億突破。2月連結決算、利益とも過去最高。 (以上、読売新聞から) |
平成十六年四月四日(日曜)晴 一日、時々雪舞ひたれど路面濡らすに至らず消へ行きて、今冬の雪も此れが見納めと思ひ居りたるに翌二日、午前中より舞ひ始めたる雪却々に止まず、夕刻迄に七、八センチ積雪せり。銭湯へ出掛けんとせば、仕舞ひし長靴引き出し、洗濯屋行きの綿入れ外套探す始末なり。やれやれの思ひ。去年今頃の天気や如何にと日乗繰り見れば、気温10度前後にて晴・曇・晴・曇の申し分無き天気。今年はちと悪しきか、と何気無く繰りし日乗「三月三十日(日曜)」の頁。「昨夕からの雪十数センチ積る」と記し在りたり。春模様繰り返すなり去年今年、か。二日の雪も三日昼過ぎには悉く消へ失せり。 ◇ ◇ 今日は久々に晴れて温ければとて午後より自転車にてぶらりと出掛く。近くの自転車路、両脇日陰に少しばかり雪残り居るのみにて、歩く者、走る者、ペダルを漕ぐ者少なからず。皆々春の陽光浴びんと出で来たりしか。途中の小川にて数羽の鴨、鴛鴦長閑に戯れるを見る。何処より此の小さき川に飛び来たり、何時の日から棲みつき居るかは知らず。緩き流れに身を任せたゆたふ姿、眺めて見飽きず。我不意に彼に問う。其々の日々、其々の生有るなれば思ひ煩ふ事無きか。汝は何処に棲みても「至る所青山在り」の心境なるや。問ひて答へる筈無きを問ひ続く、我は。 自転車路終点迄小一時間、暫し休みて折り返せり。途中、喉の渇き覚へてスーパーへ立ち寄り缶飲料を飲む。日曜日のせいなるか店内込み合いて盛況なり。序でとて食料品売り場見歩く。品物の多きに驚き感心しつつ覗き行けばやがて惣菜売り場に至れり。見れば「広島産使用」と書かれし札付きて、ふっくらと丸き牡蠣フライ在り。すぐさま、一昨年厚岸にて食せし牡蠣を思ひ出し大振りなれば牡蠣汁も多からん、されば旨しと八個四百八十円にて購入す。勘定所にて、銭湯で顔馴染みの若者に出会ふ。家族揃ふての買い物の由、挨拶交わすのみにて別れ、帰宅す。 購い来たりし牡蠣フライ、夕餉に食す。見掛け倒しのこんこんちきにて衣ばかり厚く牡蠣小粒なり。牡蠣食すに非ず衣フライ食すの風、牡蠣汁どころか身を探すも容易ならず。「こりゃあ、詐欺だ」と申せば、女房「此の値段ですから。スーパーは何処もこんなもんですよ」。確かに厚岸牡蠣は殻付き一個百五十円はした故、比較にはならぬが、二度とスーパーの牡蠣フライには手を出さぬ。暫し女房と牡蠣談議。「的矢もいいが、やはり厚岸牡蠣が一番旨い」。宮城県産種苗と云ふも仙台で食せしとは格段の差にて、古来牡蠣場の厚岸はやはり養殖にも適しおる場所らし。ぷるりと丸い大きい身、濃厚なる味・こくは一度食して忘ること無し。生よし、焼きよし……無性に食ひたけれど詮無し。 ☆ ☆ テコンドーの岡本依子選手、何故にアテネに行けぬと言ふか。シドニー五輪にて銅メダル獲得、既にアテネ五輪出場枠を持つ岡本選手なれば参加が当然。と言ふよりIOCに対し参加の『義務』を負ふておると言ふていい。訳の分からぬ揉め事で『義務』を果たせなんだら何とする。大袈裟で無しに我が国の恥ぞ。 JOCが承認せる組織が無いなれば個人資格で参加せよ。五輪憲章に「特定の競技のための国内競技連盟が存在しない場合は、IOC及びIF(国際競技連盟)の承認を受けることを前提に、競技者を個人の資格でエントリできる」とあるに依って、参加は可能な筈なり。全日本テコンドー協会(衛藤征士郎会長)、日本テコンドー連合(森喬伸会長)の一本化が図れぬなればテコンドー国内統括団体存在せずとせば事足りる。 昨年十一月に両団体からJOCに「一本化で合意した」との上申書が出され居ると聞くが、未だに此の体たらくでは話にならぬ。如何な利権が絡み居るやは知らねど、競技者の立場を最優先せぬ組織なれば存在の意味無し。此の際、両団体に所属せる全競技者は一斉に脱会、俺が俺がの権力亡者に縛られぬ競技者だけの団体を組織すべきと我思ふ。先ずは岡本選手、早々に組織を脱退し身軽き個人に成りて縦横の活躍為すを考へるべきなり。 ☆ ☆ 「週刊文春」への出版禁止命令を取り消せる東京高裁決定につき、元外相・田中真紀子衆院議員の長女側が三日、最高裁への許可抗告及び特別抗告為さぬ方針を表明。此れにて「出版禁止取り消し」ほぼ確定(抗告期限は五日)。長女側、損害賠償提訴の予定と言ふ。 高裁決定直後には「最高裁で審理してもらう予定」とせし長女側が何故抗告せなんだか。大騒ぎの割に呆気無き幕切れなり。長女・代理人コメントに曰く、「週刊文春の未出荷在庫を文春が販売しないことを確認した故、仮処分に関する裁判を継続する必要性と実益がもはや存在しない。近日中に文芸春秋に対し本訴を提起し、事後的な差し止め(記事の抹消及び削除)、謝罪、損害賠償などを請求することとし、司法の公正なる判断を仰ぎたい」と。 「仮処分を申し立てた目的は、あくまで文芸春秋による違法なプライバシーの侵害から身を守るためであって、最高裁において出版等の事前差し止めの基準を定立したり、表現の自由に関する憲法論争を行うためではない」と謂ふが、出版禁止を求め地裁に仮処分を申し立てたる時点で既に「差し止め基準の定立」は避けられず、最高裁審理とならば「表現の自由に関する憲法論争」も亦避けられぬを承知し居りた筈。此処に来て事の重大さに怖気づいたか。高が「○○話」で「憲法論争」なんぞ、と恥ずかしゅうなったか。 「当方の裁判活動は表現の自由を制約する目的のものでは一切ないので、誤解されることは本意ではない」とも謂ふ。出版禁止が「表現の自由を制約する」ものであるは万人周知。出版禁止を申し立てるは、「表現の自由を制約せよ」と申し立てるも同じと考へぬかや。「誤解される」と言ふても誤解のしよう無し。此処まで来たれば基準定立、憲法論争迄踏み込み争うがよし、と我には思はれるに、何故に抗告せなんだか。コメントに答へ見へず。 ☆ ☆ 筋弛緩剤事件判決補記。昨年十一月二十八日の求刑公判後、検察の無期懲役求刑に対し、守被告弁護団は「『無差別殺人、前代未聞、酌むべき情状無し』と謂ふ理屈と、死刑以外の求刑は結び付かない。死刑を求刑できない点に論証の不十分さ、説得力の無さを見た思ひ」と論じたるも、弁護側最終弁論こそ説得力に欠け、素人の我すら到底納得し難きもの。二年四か月百三十五回の公判で争い来たりしが仮定・推測では話にならぬ。裁判官の心証既にして“黒”だったらふ、と思はれる。其も当然の感。 弁護側は各患者急変の原因を、▽1歳女児=風邪の悪化及び血液凝固防止剤の作用により血の塊が脳動脈に詰まった可能性▽11歳女児=自家中毒や急性脳症、吐き止め剤の副作用▽4歳男児=癲癇発作と痰詰まり、電極埋め込み手術の影響▽下山雪子さん(89)=心筋梗塞▽45歳男性=風邪による眩暈及び呼吸の悪化。抗生剤の副作用――として事件性無しと主張せるも、判決は「各患者の急変時の症状経過、内容等は……筋弛緩剤の効果に符号」とし、「弁護人の主張を肯定する証人は専門的知見を持たない等、信用できず。其の他、被告が主張する他の原因につきても、其の可能性を窺わせる証拠は全く存在せぬ。……各患者の急変原因はいずれも、其の体内に筋弛緩剤が投与されたことに基づくものであることは明白」として弁護側主張退けしも亦、当然の感。 自白後、一転犯行を否認せる守被告の自白の任意性、信用性につき判決は「捜査官側が事柄により誘導的、追及的な取り調べをせし可能性は否定できず、細かい事柄まで高度の信用性があるものとは認め難い」としながらも、「捜査官の取り調べ等の中で、十一歳女児事件の犯人性を認め、其の動機にも具体的に触れた他、他の多くの患者にも同様に筋弛緩剤を投与せる事実あるを供述し、書面に記載した。被告の自白供述等の任意性につき疑いを生じさせる事情は無い。……少なくとも、被告が一貫して認めていた十一歳女児に故意に筋弛緩剤を投与せしを自認せる部分、其の動機につき具体的に触れる部分、筋弛緩剤に関する知識について述べる部分は、いずれも信用性が高いと評価できる」とせるも妥当なり。最近の傾向として自白後、一転して否認・無罪主張、黙秘せる事例多くなりたれば、今回判決示唆に富みて興味深し。 ☆ ☆ 四日、神奈川・平塚競技場。コンサドーレ対湘南ベルマーレ戦は、1−1で三つ目の引き分け。通算成績1勝0敗3分け、勝ち点6。順位六位。 ★ ★ ◆4日=イラク、連合軍とデモ隊衝突。24人死亡、200人以上負傷。/デモ拡大、各地で衝突。バグダッド、米兵7人死亡。 ◆3日=スペインの列車テロ主犯格自爆、5人死亡。 ◆2日=26か国NATO始動。旧共産圏7か国が加盟、米欧「対テロ」陣容拡大。 ⇒米貿易障壁報告。日本の牛肉禁輸「最優先」、簡保の民間圧迫指摘。 ⇒山崎拓氏と平沢議員、北朝鮮高官と会談へ。 ⇒日銀短観。景況感、非製造業もマイナス幅縮小。回復に広がり、製造業の改善続く。 ⇒デジカメ特許侵害、ソニーがコダック逆提訴。 ⇒米国立衛生研、新型肺炎予防効果高いワクチン開発。 ⇒昨年度のリコール204件442万台、過去最高。 ⇒日医会長に植松治雄・大阪府医師会長。 ⇒補助金で作った冊子の「監修料」、厚労省の30人が3500万受領。 ⇒就学偽装事件日本語学校、法務省が3校「認定」取り消し。160人、行き場失う恐れ。 ⇒JFEエンジニアリング、不正経理5億捻出。ごみ処理施設地元対策など、国税局が追徴課税。 ⇒三菱「ハブ」破断、摩耗データ偽り報告? 99年の事故、国交省が近く聴取。 ⇒がん患者に放射線過剰照射。山形市立病院、19人に副作用の恐れ。 ⇒育児放棄で餓死、両親の殺人罪確定へ。最高裁決定。 ⇒風車の弥質七、中谷一郎さん死去。73歳。 ⇒骨折事故を風邪と勘違い、入所男性が歩行困難に。網走の知的障害者施設、報告書めぐり家族が賠償請求。 ⇒アムール流域プロジェクト、日露中共同で発足。北大・地球研・国立環境研など参加、来年度から。 ⇒国土交通省北海道局、“筆頭課”の企画課7月廃止。 ⇒道新幹線、今年度4億計上。「青函」内の安全走行調査。 ⇒道内初、女性専用バス。札幌で運行開始。 (以上、読売新聞から) |