北極亭日乗 |
平成十五年十一月 |
平成十五年十一月二十九日(土曜)雨 霧雨、早朝より降り始む。いっそ雪なればとぼやきつつ昼前、食料品の買い出しの為、女房の供して商店街へ出掛くる。師走入り間近なれば、道行く者、買い物せる者、商う者皆々忙しなげに見ゆ。我等二人も彼方此方動き回りて買い物しおれば、傍目には忙しなき年寄りと見へたやも知れず。 寄り道無し、買い物済まし雨中早足にて戻る。やはり忙しなき年寄りか。昼餉終わりて肘枕、新聞折り込みのチラシなど眺めおれば眠気さし来たりて暫し微睡みぬ。目覚めて後、気力失せたるが如くにて何も手につかず、テレビ画面ただ漫然と見おりたり。 今年も残すはひと月余り。為すべきこと数多有れど気乗りせず、放置せるまま無為の日々。此の「日乗」認むるも億劫にて、このところ空白多くなりし。斯くなれば休養するが一番、総べてを投げ出しのんびりせん。止め、止め、やめー! ☆ ☆ ゴルバチョフと共に「新思考外交」を推進、ソ連崩壊の端緒を開いて「冷戦終結の立役者」と持てはやされしシェワルナゼ氏。独裁は許されぬとゴルバチョフと袂を分かちグルジア大統領に就任せるより十年、今度は自分が独裁者として政権の座から引き摺り下ろされるとは。二十三日(日本時間二十四日未明)、シェワルナゼ大統領辞表に署名、退陣せり。「革命」先導の中心人物三人がかつて大統領側近であったるは何を意味し、今後に如何に影響するか。 民族単位の自治共和国、自治州等十二地域で構成されるミニ連邦の形態をとるグルジア故、民族紛争の火種は消えおらず。此度の政変の影響を懸念す。分離独立を標榜せるイスラム系のアブハジア、アジャリア両自治共和国、キリスト教系が多数を占め、ロシア・北オセチアとの統合とロシア連邦入りを主張する南オセチア自治州の動向が気掛かりなり。既にアジャリアのアバシゼ最高会議議長は「憲法違反のクーデター」と批判を強め、非常事態を発令せり。アブハジア、南オセチアにも同調の動き有りて、来年一月実施予定の大統領選に不参加の姿勢を見せおり、不参加となれば大統領選不成立にて混乱再燃、グルジア分裂の危機は免れぬ。 議会議員選挙の不正に端を発した政変なれど、主因は「貧困」と見る。国民平均月収三十ドル(三千三百円)程度の貧困国にあって、不況に喘ぐ国民を省みず不正・腐敗の温床と化した政権上層部に対する愛想尽かしが此度の「無血革命」であったやに思ふ。老獪なる政治手法を以って貧困国を背負い来たったシェワルナゼ大統領を引き摺り下ろしたる野党「国民運動」、「民主主義者」両党に課せられし責任、極めて重し。今後、如何にして十二地域を掌握するや、如何にしてグルジアの「貧しさ」を克服するや。難問山積、前途多難。 危惧するは、反シェワルナゼで結束せし両党間に不協和音起こりて権力闘争生ずること。そうならば、此の国も民族紛争の坩堝と化すは必定にて、国民を戦火に曝し亡国への道を辿ることになろふ。が、運良くと謂ふべきか。グルジアは対テロ戦・石油パイプラインの要衝なれば、米・露の肩入れ強く、新政権への対応万事怠り無く進み行けば、其の懸念、雲散霧消するは確かなり。既に米、暫定政権支持を表明、此れ迄の親米路線維持継続を働きかけおると報道されし。 グルジアは九州場所十両優勝の黒海関の母国。皆無と成りしハワイ勢に変わり躍進著しきは東欧勢とかや。其の中の1人が黒海関なり。一家はアブハジア自治共和国の首都スフミに住みおりたれども、一九九三年のグルジア軍との内戦・アブハジア紛争を逃れグルジアの首都トビリシに移りたりと言ふ。謂ふてみれば民族紛争の犠牲者でもあろふか。此の一家の為にも二度と戦火を交えること無きを切に祈りて已まず。 ★ ★ ◆29日=イラク・ティクリートで日本大使館員2人殺害。小火器で車両銃撃、官房長官「テロの可能性強い」。自衛隊派遣、首相「変更なし」。 ◆28日=オランダがイラクに特殊部隊。閣議決定、自衛隊派遣地のサマワへ。 ◆27日=米大統領、イラク電撃訪問。兵士と夕食、滞在150分。 ◆26日=イラク情勢に対応、米海兵隊2800人追加へ。 ◆25日=在外米軍再編、同盟国に域外派遣要請。大統領、本格交渉開始へ。 ⇒パキスタン「休戦」発表。カシミール問題、インドは歓迎の声明。 ⇒イラン非難決議案合意。IAEA、核疑惑問題一応決着。 ⇒米、小型核研究を解禁。総額4013億ドル国防予算成立。 ⇒イラク統治。仏、米の新政策に賛意。英仏首脳会談、国連の役割明記を注文。 ⇒アフガンで米軍ヘリ墜落、5人死亡。攻撃、事故両面で調査。 ⇒クロアチア総選挙。野党・右派連合「勝利」、4年ぶり政権奪還へ。 ⇒香港区議選、親中派が惨敗。民主派の改革要求、加速へ。 ⇒在韓米軍の一部イラクへ、在韓国連軍司令部米軍要員7000人も1年以内に配置換え。米ワシントン・タイムズ紙が報道。 ⇒道路公団民営化、国交省提示原案。料金収入を新規建設に充てる「プール制維持」案を軸に調整の方針。 ⇒教科書の貸与制、有料化再び要求へ。財務省、来年度予算でも。 ⇒ワーナー音楽部門売却、米投資家グループに26億ドルで。 ⇒熊谷組と飛鳥建設、合併。統合形式決定、持ち株方式選ばず。 ⇒商標権訴訟、トヨタ敗訴。北京中級人民法院、中国メーカーの侵害認めず。 ⇒白い白夜、南極で皆既日食。 ⇒モスクワで学生寮火災、32人死亡。 ⇒中3、祖父に撃たれ死亡。進路巡り直前口論、祖父も死亡、自殺か。(宮城・丸森町) ⇒ニシキゴイ4000匹死ぬ、新潟・中越でもコイヘルペス感染か? ⇒忠類村で震度4。日高震源の地震2回発生。 (以上、読売新聞から) |
平成十五年十一月二十三日(日曜)晴 昨日は時々雪ちらつけど最高気温8度台にて然程寒さ厳しと思わなんだに、今日は晴れおるに2度とて外へ出るを躊躇す。昼過ぎて落ち葉集めでもと思ひたるも、窓外を一瞥したる後、中止せり。女房には「齢ゆえ、風邪でもひいたれば大変」と言い訳せり。此のところ散歩にも出で行くこと少なく、運動不足は確かなれど、気乗りせぬ散歩など為したとて体に良き訳は無く、其の気になるを待つの他無しと心得過ごしおる日々なり。 さても住み辛き世よ、と嘆いたとて詮無きか。目まぐるしき世の動き、行き着く先は何処やら。時を止めるが無理なればせめて何事も起こらぬ日、一日欲しと思ふ。 ☆ ☆ 中学三年の己が長男に「空き巣してこい」と云いし馬鹿親の報。父親は生活費をパチンコで浪費、長男に「お前が金を取りに行け」と指示、母親は見張り役をせしと。長男は同級生宅に侵入、百三十万円を盗みしと謂ふ。何たる親か。否、親と呼ぶに値せず。人倫荒廃の一端を如実に示しおる事件なれど、斯様な親が此の世に存在せること自体許し難き事なり。「親からご飯を食べさせてもらえなかった。親の指示で、何回かおかずなどをスーパーで万引きしたこともある」と長男の供述。何たる仕打ち、何たる冷酷、何たる人非人。酷きこと甚だしく、長男の胸中察するに余りありて涙禁じ得ず。我も子の親なれば暗澹たる気持ちなり。 ☆ ☆ 社民党の元衆院議員・辻元清美、土井たか子前党首の元政策秘書・五島昌子両被告の初公判が二十日開かれ、両人共に秘書給与詐取を認めたり。土井前党首は「辻元さん、五島さんの問題は私自身の選挙にも党全体にも大きく影響したと思う。公判については厳粛に受け止めたい」とコメント。此処に至りても尚、御自身の責任に思ひを致すことができぬかや。 辻元氏は現在、介護ヘルパー資格取得の為、講座に通いおる由。良き事なり。政治を離れて暮らすが一番。政界復帰など努々考ふる勿れ。此れ迄、我が忠告聞きし者無けれど言ひ置きたし。 ☆ ☆ 黒川温泉(熊本県南小国町)のホテルがハンセン病療養所・元患者の宿泊を拒否したる問題につき、熊本地方法務局と県は二十一日、ホテル総支配人と経営会社を旅館業法違反の疑いにて刑事告発せり。総支配人は当初、「お客様への迷惑を考へれば、宿泊拒否の判断を間違ったとは思っていない」とせしも、抗議殺到、黒川温泉観光旅館組合からの批判などもあり前言を撤回。謝罪を申し入れるも療養所側は受け入れなんだ経緯ありたり。誰であれ客は客。「お客様と元患者」との認識が既にして差別と気付かなんだは残念なり。 ただ今回の問題、総支配人のみが悪者になりおるが、宿泊させたとして他の宿泊客から苦情は出なんだか。総支配人本人に差別・偏見の考へ微塵も無く宿泊させたしと思へど、他の客の差別・偏見根強きを知りおればこそ其れもならじ、であったやも知れぬ。一人総支配人のみならず世間一般に未だ差別・偏見在るは厳然たる事実なれば、「元患者と言えど、同宿させるとは怪しからん」と騒ぎ立てる宿泊客皆無とは言い切れぬ。己が心に照らし観て、「我に差別・偏見微塵も無し」と確言できる人間が幾人おるか。確言できる者のみが総支配人を責め得る。 ハンセン病患者の隔離政策は違憲とせる二〇〇一年熊本地裁判決に対し、政府が控訴を断念して謝罪せしは周知の事なれど、此の一件未だ患者への差別・偏見が社会の彼方此方に根強く残りおるの証左ならん。幾十年にも亘る政府の隔離政策が今尚払拭されず社会に影を落としおるは明らかなれば、政府は差別・偏見撤廃に向け一大啓蒙運動を組織展開するが義務。一刻も早き取り組みを期待したし。我等が心すべきは、差別・偏見を為しおるの自覚無くして他者の人権を侵し、省みぬこと。己に差別・偏見の心無きか、此れを機に皆々自問すべきなり。 ☆ ☆ 十九日より筋弛緩剤事件論告求刑公判、仙台地裁にて始まりたり。論告は三日を要する膨大、異例のものにて最終日二十八日に求刑の由。守大助被告(32)は逮捕直後の自供を翻し無罪を主張、「事件ですらない病変、医療過誤によるもの」と事件性を否定する弁護側。検察との真っ向対立は避けられぬ情勢なれば、裁判の行方杳として攫み難し。 素人目にて、「常識的に見てどうだこうだ」謂ふは憚られるも、当事件の経緯を見るに、弁護側主張の「病変、医療過誤」とは到底思われず。二〇〇〇年二月・一歳女児点滴後急変、同十月・十一歳女児点滴後急変、同十一月には四歳男児点滴後急変、八十九歳老女点滴後急変死亡、四十五歳男性点滴後急変。同様異変が斯くの如く頻繁、連続的に起こり得る蓋然性を考ふれば、人為的関与否定し得ず。又、異変点滴総てに守被告が関わりおったとあらば、守被告の犯行と疑い見るも妥当やに思わる。 点滴により患者の容体が急変したるは厳然たる事実。弁護側が如何に「病変、医療過誤」を立証するか、検察側は犯行動機・経緯を含め如何に「事件性」を立証するか。興味深き裁判なれば注視したし。それにしても自供後、一転「無罪」を主張する被告が増えおる昨今の傾向は何を意味するものか。更に「麻原裁判」の如く、弁護のための弁護を為さんとせる弁護人が増え来る様に見ゆるが、何故か。諸々を考ふれば裁判員制度の早期導入が望まし。 ☆ ☆ 十八日、視聴率買収工作に絡み日本テレビは調査報告書を発表。社長降格、会長はCEOを辞任せり。されど、此れにて一件落着と考へる視聴者は皆無だらふ。会長は「役員に法律的な責任は無いが、世間を騒がせた道義的責任を取って、それぞれ自主的に降格することになった」と謂ふが、当然。視聴率至上主義の番組作りを為させしは、そも経営陣。制作陣に視聴率を“神の声”と思わせ率を競わせしも経営陣。正当公正なる番組評価方法を模索せず、一社独占の視聴率調査に依存し来たった責任は、買収工作を為せし当該プロデューサーの罪より重し。 現在、視聴率調査会社は「ビデオリサーチ社」一社のみ。しかも、関東地区の調査世帯は僅か六百世帯。此れで正当な評価など出来よう筈も無し。にも拘わらず制作陣が其の数字に一喜一憂しおると謂ふも我には解せぬなり。番組評価の為ならず、人事・給与が視聴率により決まる故の一喜一憂とあらば論外。テレビ界に棲む方々、我と違う世界に生きおる様にて、我観て面白き番組少なきは其の所為か。先ず以って、プロデューサー諸氏は視聴率重視・偏重を脱却し、垂れ流し番組作りをやめて再視聴に堪へ得る作品を送り出すを考へる時ならん。 ☆ ☆ 東海道新幹線の運転士が乗務中、知人女性に写真メールを送りいたとJR東海発表せり。何とも無責任、嘆かわしき行為。乗客の命を何と心得おるか。発覚せしは一件のみなれど、他にも同様行為をしおる運転士数多おるやに思へてならじ。同社は運転士を乗務から外し、社内処分を検討中らしも、乗客からせば斯様な運転士には二度と乗務して欲しく無し。「此れしきの事やったってどうってこたぁ無い。罰せられる筈が無い」と思いおる思考停止せる無責任人間多き世なれば、処分は厳しき上にも厳しきが良し。 運転士の職分・義務を弁えず、大勢の命を預かりおるの自覚無き者は遠慮なく配置転換するが良し。大事故を起こしたる後では遅し。悪弊他に伝播する恐れ大なりせば、悪しき芽は早々に摘み取るべし。今回運転士は四十二歳にて新幹線運転歴十年八か月のベテランと謂ふも、ベテランの驕りなかりしか。いや寧ろ四十二歳にもなりて道理を弁えぬ人間をベテランと謂ふがおこがましきか。「深く反省」しても遅し。下手な温情は災禍を招く元なれば厳しく、「二度と乗務できず。別職場へ異動」が当然なりと考ふるが、如何に。 JR東海は今後、乗務の際は携帯電話を鞄等に仕舞わせると謂ふが、取り出そうと思へば取り出せ、対策にはなり得ず。携帯など無き時代に乗務に支障来せし例を知らず。なれば乗務中の携帯電話携行を厳禁するに如くは無し。其処まではと思ふなれば、乗務前対面点呼の折に施錠付き容器に収納、携行させて乗務終了駅にて開錠して貰ふが良しと考ふるが、如何に。 ☆ ☆ 日本時間十八日未明、カリフォルニア州都サクラメントで知事就任宣誓式が行われ、アーノルド・シュワルツェネッガー氏が第三十八代知事に就任せり。任期は前任者の残り期間二〇〇七年一月迄。危機的状況にある州財政の立て直し成るか。就任演説に曰く「とても乗り越えられないように見える。だが私はボディービルを通し、人は自分が思い込んでいるよりも力の限界が高いと言うことを学んだ。力を合わせれば、州を持ち上げることができるはずだ」と。スター人気のみにて選ばれたに非ず、を見せくれんことを期待す。 映画一本の出演料三十三億円のシュワ氏の知事給与は年額約千九百万円。選挙戦中、「お金は有るから、不正はしない」と謂ふていたが、州知事とせば賄賂の一つも取りたくなる様な低額。面積は日本より幾分広く、フランス一国と同等の経済規模を持つと謂ふ巨大州カリフォルニアの知事給与が、道知事・高橋はるみ氏と然程変わらぬとは驚きなり。 シュワ氏、当面はロサンゼルス近郊に住みて自家用機にてサクラメントに通勤するとかや。満員電車に揺られて“痛勤”し、然もキセルなんぞを遣らかす“せこい”ジャパニーズ月給取りとは比べ様も無し。シュワ氏とて、アメリカンドリームを手中にするまで幾多の艱難困苦を乗り越え来たに相違無し。如何な逆境に在りても「志」を高く持ち、精進するの気持ち無くば小さき夢と雖も叶ふまじ。“せこい”料簡にて世渡りせんとする輩、最近頓に増えおる様に見受けらるるも苦々し。若者よ、愚かな大人の真似をすな。大いなる夢を追いかけ、そして捉まえよ! 未来は諸君等の手中に在るを忘るなかれ。 ☆ ☆ 二十三日、横浜国際総合競技場。コンサドーレ対横浜FC戦は、0−2でコンサ今季最終戦を飾れず、全日程を終了。通算成績13勝18敗13分け。勝ち点52、順位は過去最低の九位。総得点57、総失点56。
★ ★ ◆23日=グルジア。シェワルナゼ大統領辞任、暫定大統領に前議会議長。野党支持者ら大統領官邸も占拠。 ◆22日=イラク、テロ標的拡大。民間機にミサイル攻撃。2警察へ車爆弾、18人死亡。 ◆21日=バグダッド。ホテルにロケット弾、石油省庁舎にも。酒販売の露店に手投げ弾、子供ら24人死傷。 ◆20日=トルコで英総領事館狙い連続テロ。総領事ら26人死亡、アル・カーイダか。米英首脳、対テロ結束確認。 ◆19日=イラク問題、国際協調で事態打開。米大統領が英国で演説、国連に「行動」求める。 ⇒イラン反体制組織が主張「未申告の核施設ある」。 ⇒政府、東南ア友好条約への加盟表明。日・ASEAN次官級協議で。 ⇒地方財政、来年度の補助金1兆円削減。首相、税源移譲も指示。 ⇒日本、米のセーフガードに報復関税準備。鉄鋼、揮発油30%引き上げ。 ⇒「非市場性国債」発行。安定消化へ財務省方針、公的年金が直接引き受け。 ⇒田中真紀子氏、民主院内会派「民主党・無所属クラブ」に入会。 ⇒山之内と藤沢が統合協議。薬品売上高国内2位へ、事業拡大で経営強化。 ⇒ETC夜間割引、首都高28日から。時間帯別に4段階。 ⇒ナ・リーグMVPにボンズ。3年連続、最多受賞6に更新。 ⇒ア・リーグMVPにロドリゲス、3年連続本塁打王。 ⇒マイケル・ジャクソンの自宅を捜索、12歳少年への性犯罪容疑か。 ⇒視聴率操作問題。日テレ萩原社長が降格、氏家会長はCEO辞任。再発防止委を設置。調査報告「制作費流用875万円、他の社員関与なし」、プロデューサー解雇。 ⇒新幹線運転中に写真メール。JR東海、携帯で知人女性に送信。 ⇒息子が共謀して婦女暴行、警察署長と次長が辞職。(青森) (以上、読売新聞から) |
平成十五年十一月十七日(月曜)曇時々雪 曇天、時折小雪ちらつくを窓から眺めつつ、昨日25度近き気温の東京を思ふ。東京国際女子マラソン、我等が高橋尚子選手の敗北信じ難かれども事実は事実、本人共々受け入れるのほか無し。満を持してのマラソン七連覇への挑戦でありしに、「どうした」以外に言葉出ず、アレムに抜かれ行く姿をテレビにて観おりたり。「足が止まった」と謂ふ高橋に最早シドニー五輪時の勢い無しや。三十一歳の年齢関係しおるや。 「27分じゃどうにもならない」と小出監督が言ふ如く、今回成績にてはアテネ行きは無理。残されし選考レースは一月・大阪と三月・名古屋のみ。選考レース再挑戦については明言を避けおる高橋なれど、我にせば何としても再挑戦にてアテネ行きをば決めてもらいたし。オリンピック発祥の地・ギリシャの空の下を駆け行くを観たしと思ふは我一人の勝手なる望みか。 ☆ ☆ 「武富士元専務ら5人逮捕」の報、十四日付各紙夕刊紙面を賑わわす。大手サラ金業者の中にありても、警視庁幹部との癒着、暴力団への利益供与、従業員に対する過酷な労務管理等々、ダーティー部分多々在る会社と謂われ来たり、遂に化けの皮剥がれたるの感。今回逮捕は、二〇〇〇年十月、武富士が詐欺事件被告との間で多額の金融取引を為しいたとする問題を雑誌にて取り上げしフリージャーナリストへの盗聴容疑。アコム、プロミス、三洋信販に遅れ一九九八年に東証一部上場を果たし上り坂の時期。雑誌発売にて一万円の株価が半値に急落したとあらば経営陣の焦り如何ばかりか。形振り構わぬ対応に汲々としおりたるは想像に難く無い。武井保雄会長の指揮の下、ジャーナリスト封じ込めに狂奔せる中での承知の上での違法行為であったらふ。 面白きは、諸々の武富士疑惑の出所が病気治療で無断欠勤が増え懲戒解雇されし元社員、しかも社内文書を複写、着服せる業務上横領容疑にて警視庁に逮捕され、現在公判中の中川一博なる人物の内部告発なる点。総会屋対策、クレーム処理を担当し稟議書など内部資料をコピーして保管せしは、理不尽なる労務管理が罷り通る社内に在って、己の身分を守らんがための手段ではなかったか。無断欠勤が解雇の理由では無く、内部不正の告発を匂わせ守秘を条件に何かを要求せし知り過ぎた男故ではなかったか。「俺を解雇したらば大変な事になるぞ」の言葉も結局効き目無く、社を追われた中川被告は「其れなれば」と週刊誌などマスコミを通じて告発を開始した、と謂ふが一連の流れか。 利息制限法の制限金利(年15―20%)を完全無視して遵法精神皆無、債務者に対する暴力団まがいの恫喝など日常茶飯のサラ金屋なれば盗聴など屁の河童、突付けば何が飛び出すやら。テレビコマーシャルも頻繁に映りて困った時の味方・消費者金融などと呼称しおる故、サラ金は我等が為の真っ当な商売と思いがちなるも、要は「高利貸し」に過ぎず、大きな顔をして出来る商売には非ず。早々に無くすことを考へるべきなり。 どだい罰則無き制限法など無意味。献金目当ての政治屋どもの為すこと我等庶民など眼中に無く、悪代官と悪徳商人の馴れ合いで成立せし法の如し。更に罰則は在るものの上限金利を年29.2%に設定しおる出資法金利規制も借りる側を一顧だにせぬ貸し手有利の法律。サラ金屋は制限法を無視、出資法上限金利を遵守して普通預金金利の千倍以上の年25―29.2%の金利範囲で貸し付け莫大な利益を上げおるは許し難き事なり。斯様に法外な高利と知りつつ金を借りる我等庶民も阿呆なるは重々承知なれど、貧すれば鈍す、「ご利用は計画的に」せば良しとて手を出すが蟻地獄への第一歩ならん。 銀行が庶民、中小零細企業に低利融資をせず、普通預金金利の千倍の金利で貸し付けるサラ金、商工ローンに低利で貸付資金を融資しおると謂ふ現状は如何な事か。政府・監督官庁のお歴々は何ら疑問を抱かぬかや。宇都宮健児著『消費者金融―実態と救済』(岩波新書)より一節を記し置く。 ◇ ……わが国で発生している深刻な多重債務問題や商工ローン問題に関する銀行の責任は極めて大きいといえるのですが、消費者や中小零細事業者に対し低利の融資を行うという銀行に求められている社会的・公共的使命を十分に果たさせてこなかった政府・大蔵省(現財務省)・金融庁などの責任は銀行以上に重大であるといわねばなりません。 ☆ ☆ 元横綱・曙が五日に退職届の後、十五日には横綱・武蔵丸が引退を表明。角界にハワイ勢皆無となりたり。関脇・高見山(現東関親方)以来、大関・小錦、曙、武蔵丸と吹き荒れたハワイ旋風に終止符は寂びしき限り。 曙退職の裏に名跡取得のために必要な億単位の資金が無く親方株が持てぬが原因と言はれおるが、相撲協会は適切、英断の支援を考慮できなんだか。妻、子三人の先々の生活を思へば残る人生を賭しての転身も已む無きか。K−1参戦、格闘家として立つらしも、過去に転向せし力士の末路を思へば諸手を上げて祝ふ気にならねど、自ら決意して選択せる道故、大成するを祈るのみなり。大晦日にボブ・サップと対戦の予定なり。 武蔵丸につきては「ご苦労さん」と労うのみ。貴乃花休場時、一人横綱の奮闘ぶりは見事にて賞賛惜しまず。角聖・双葉山に並ぶ歴代六位の優勝十二回。幕内通算勝ち星は千代の富士、北の湖、大鵬に次ぐ歴代四位の七百六勝。連続勝ち越し記録は北の湖を抜き五十五場所でトップ。此れら記録は、一力士として横綱として全力で相撲に取り組み来たった証。「立派」のほか言いよう無し。ハングリー精神無きへな猪口日本人力士多き中、異郷にての頑張りぶり我が胸中に深く染み渡り、永久に忘ること無し。 十六日の記者会見、「日本来てよかったか」の質問に「よかったと思う。最後まで日本にいます」の答え。天晴れ、武蔵丸。曙去りし後、我が国技の極意を体得せし武蔵丸には是非とも後輩力士の指導をば頼みたし。会見にて、後進の指導につき「(武蔵川)親方の後ろについて勉強したい」と申しおる故、先ずは一安心せり。 ☆ ☆ 十二日より苫小牧市街地に出没の羆、足跡に大小が見られ一頭に非ず複数頭存在の可能性有りの報。十四日には羆捜索中の地元ハンターに背後より体当たりを食らわしせ逃げ去りしとぞ。羆の行動範囲は極めて広く苫小牧市街地も範囲内にて、通常は森伝いに移動するも、森途切れし時は深夜を待って行動する用心深さと謂ふ。 野生動物の専門家は「苫小牧市周辺が羆の東西の渡り廊下であるは北大の研究で確認済み。今回の騒動は此の地域での移動経験が浅い羆が市街地に迷い込んでしまった為で、渡り廊下への出口を探して歩き回っているのだ」と解説しおるが、なれば災難に遭いたは人間様の方ではなく羆の方かも知れぬ。以前通った森が今回は無くなっていたとせば、気の毒なるは羆の方にて、有難迷惑なる開発に因る自然破壊がもたらせし出来事ならん。 ☆ ☆ 藤井・前総裁の解任の後、「民間人」登用を目指し人選を進めおりし道路公団総裁、十四日漸う決まりたり。自民党参院議員・元伊藤忠常務近藤剛氏なり。二〇〇一年参院選にて経団連の推挙を受け比例代表に出馬、当選とあらば「民間人」と謂いてもよきか。傍目には首相、石原国土交通相の苦肉策とも思わるるが、敢て火中の栗を拾いたる近藤氏の心意気やよし、としたし。「もしやるならば、命がけでやります。余生は国のために捧げるつもりでやっている」「道路公団改革は小泉改革の柱。こういう形で貢献させていただけるのは大変光栄です」と謂うも道路行政の手腕は未知数。民営化へ、課題の組織立て直し成るか。期待を込めて、仕事ぶり見守り行くのほか無し。 事有る毎に官僚の弊害喧伝されおる中、「民間からの起用」を望みし首相の要請に消極的で応へなんだ日本経団連、経済同友会等の経済団体も如何なものか。数人の財界人を推薦したるは確かなれど、就任要請は悉く失敗に帰しおる。先ず以って財界内部に「貧乏籤は引くな」の思い無かりしや。推薦もお座なり形ばかり、前以って本人を説得したるやにも見えず。恐らくは「貧乏籤だ。受ける必要は無い。要請された此方の面子も有る故、とにかく話だけでも聞いてやってくれ」くらいか。国の難事に身を賭するの覚悟無く、経世済民の志無き経済人ばかりとは世も末じゃ。銭勘定に明け暮れて餓鬼道に落つるがよし。 新聞報道に拠れば今回推薦要請に消極的なるは、小泉首相の依頼により道路関係四公団民営化推進委・委員長に送り込みし今井敬氏(日本経団連名誉会長)が辞任に追い込まれ、今井氏の顔に泥を塗られたと受け止めし日本経団連と、首相との間に隙間風が吹きおるが原因と謂ふ。話が真実なれば、何とけつの穴の小さきことよ。委員会内部に民営化積極推進派と一部分推進派が在りたるは衆知。昨年十二月、委員会が最終報告をまとめたる際、委員間で結論が割れるは当然のこと。今井氏は寧ろ後者の範疇に在りて、「委員長の裁断に従わぬなれば、委員長などやっておれぬ」が如き辞任に見受けられし。いやはや、顔に泥を塗るも、泥をひっかけるも無かろふものを。 ☆ ☆ 「遂に」と言ふべきか、はたまた「漸う」と言ひしがよきか。土井たか子・社民党党首は十三日、衆院選敗北の責任を取るの理由にて辞意を表明せり。我思ふ、「遅きに失す」と。辞意表明記者会見の席上にて語るは選挙の敗因ばかりにて、党首周辺で起きし秘書給与詐欺事件、誤謬を犯せし拉致事件等につき自らの責任を明確にせなんだは残念。「やるっきゃ無い」のおたかさんらしからぬ歯切れの悪さのみ印象に残りたり。 誰にとりても身を処するの期を見極めるは難しき事なれど、土井氏には数度の機会有りたるやに思わる。第一の辞め時は昨年四月、辻元清美・元衆院議員の秘書給与流用疑惑に拠る議員辞職と土井党首の元政策秘書・五島昌子氏の関与が問題となりし時。第二の辞め時は同九月、小泉首相訪朝により拉致事実が明らかになりし時。第三の辞め時は同十二月、五島氏が土井党首の政策秘書を辞職せし時。第四の辞め時は今年七月十八日、辻元・元衆院議員と土井党首側近の五島秘書が秘書給与詐欺で逮捕されし時。 第一の時は「身内の事なれど党首に直接責任は無し」と逃れ得たものの、「拉致被害者八人死亡」と発表されし第二の時は、「日朝間に拉致問題は存在せず」とし来たった党の責任は免れ得ず、当然党首の責任は問われねばならぬ。第三の時は第一の時と同じく「党首側近の不祥事なれど直接責任を問ふまでも無し」とせし様なるも、司直の手が入り第一、第三の当事者が逮捕された第四の時に及びては此れ亦、党首の責任問わるるは当然なり。 今回衆院選に於ける社民党の敗因は何か。一つは党内不祥事に対し土井党首が責任を取らなんだ事。一つは「護憲・平和路線」の一枚看板。更に「土井=社民の顔」意識の堅持。先ず以って、土井党首が辞めねばならぬ時に辞めなんだは致命的。残されし最後の辞め時でありし七月十八日も、解散総選挙の可能性を睨み判断せば、社民の顔・一枚看板土井党首無くして選挙に勝利無しと考へ、辞任に踏み切れなんだろふ。本人自身も党議員も看板の架け替へを怠り来たったが敗因。また、「護憲・平和」を頑固愚直に訴える土井党首の姿勢、我大いに共感共鳴し社民の存在意義を認めるも、世上其れのみにて支持を得るはなかなかに難し。護憲・平和あっての雇用・年金・景気なれど、やはり身近な政策から訴へるが選挙戦には有効且つ必須。其れをせなんだも敗因。 十五日追記。社民党は本日、党本部にて両院議員総会を開き、土井党首の辞任を決定。後任に福島瑞穂幹事長を選出、幹事長は当面空席、大脇政審会長は続投、国対委員長に横光克彦を充つ。党独自の再建を目指す福島氏に対し、民主との連携を模索せる動きもありて先行き不安定。党内には「選挙大敗の責任、幹事長にも存す」との意見も在りて、福島氏の前途厳しきか。 ☆ ☆ 十六日、札幌ドーム。コンサドーレ対モンテディオ山形戦は、4−1でコンサ快勝して本拠地最終戦を飾る。通算成績13勝17敗13分け、勝ち点52。順位を一つ上げ八位。 山形を圧倒、ホーム最終戦を飾りたるはサポーターに対するせめてもの恩返し。コンサの選手諸君は、惜しみなく声援しくるるファンに喜びを与ふるが任務。勝ち負けの問題には非ず、肉体の限界を超え、命を賭しての己の生き様を見せ付けるプレーこそが観る者を熱狂狂喜させ納得させ得るを知れ。リーグ最終戦も亦、大勝を以って終わることを熱望す。今試合目に付きしはMF今野、後半出場のFW新居、相川の三選手。一段階レベルアップを目指し精進続けおれば来季大いに楽しみなり。 ★ ★ ◆17日=米軍、イラク中北部で掃討強化。 ◆16日=ロルコ警察、爆弾テロで3人を拘束。2人は女性、犠牲者は23人に。 ◆15日=トルコ、ユダヤ礼拝所に爆弾テロ。2か所同時、20人死亡257人死傷。アル・カーイダの影。 ◆14日=自衛隊イラク派遣時期、治安情勢見極め判断。米国防長官に首相が意向。政府・与党に慎重姿勢、イラク情勢悪化で「事故」の影響懸念も。 ◆13日=土井・社民党首辞任。衆院選大敗で引責、党存亡の危機に。 ◆12日=イラク南部ナシリアでイタリア軍に自爆テロ、現地本部24人犠牲。1棟が崩落し多数下敷き。伊首相「撤退せず」。 ⇒外国人投資家の勢い衰え、株終値1万207円。円高、ドル安など懸念。 ⇒ダイエー福岡2事業再建、主力6行の債権放棄240億に。 ⇒楽天、ネット金融参入へ。DLJ証券買収で最終調整。 ⇒指導要録、客観記録の開示認める。最高裁初判断、大田区が逆転敗訴。原告側「情報公開の流れに逆行」。 ⇒校長出張記録を開示。最高裁「公務員の職務関係情報、個人識別も可」、1、2審判決を支持。 ⇒大阪市の食糧費訴訟、「民間人情報、非開示」。最高裁、市民勝訴の一、二審を破棄。 ⇒医師過失と後遺症の因果関係、医師の過失がなければ後遺症が残らなかった可能性があれば賠償責任あり。最高裁が初判断。 ⇒東京医大病院、点滴ミス? 臨床的脳死状態。50代女性、手術中に管が血管破る。警視庁が業務上過失傷害の疑いで調査中。 ⇒ブラジルの刑務所で大脱走、トンネル崩壊して9人死亡。 ⇒石原都知事、TBSを刑事告訴へ。字幕の誤り「捏造だ」。 ⇒熊谷前代表の元秘書を逮捕。公選法違反容疑、中傷ビラ配布に100万。 ⇒民主三重県連事務局長を逮捕、中国人の偽装結婚仲介容疑。 ⇒仲間に暴行、携帯で撮影。服脱がせ土下座も、中3女子6人を逮捕。(東京・墨田) ⇒国立八雲病院の保険指定、来月取り消し。名義借り診療報酬不正請求、患者は特例措置で救済。 ⇒道央道で300キロの巨大クマと衝突、高級外車の運転手無事。 (以上、読売新聞から) |
平成十五年十一月十日(月曜)曇 先週二日、三日と暖かき日続きて「好き哉、好き哉」と喜びおるも束の間、四日には日中気温10度前後にて身震いせり。前日の温もり思わば朝の体感温度は零度か。当日街中にて厚手のコート、冬物の外套など着おる女性、首にマフラーの若者など散見さる。六日迄は辛うじて二桁13度台を保ちおりたれども、七日から今日にかけては6、7度台を行きつ戻りつ。風など吹けば眼に染みて落涙とどめ難く、洟を啜り上ぐるも頻繁にして色気無きこと甚だし。 我が党こそ――の選挙より一夜明け、其々に其々の収支決算。泣くも笑ふも紙一重、お天道様でも分かるめえ……てへのが選挙でござんしょうが、失礼ながら、仕様も無い先生も誕生したる様にて、一票を投じし者の心中量り難しを亦思いたり。とまれ先生と成りたる方々には、公約実現に向け誠心誠意奮闘努力されんことを期待したし。 ☆ ☆ 八日、選挙運動最終日。午後四時過ぎ銭湯へ赴く途中、二候補の選挙カー、「お願いします」の大音量撒き散らしつつ、町内商店街を疾風の如く駆け抜け行くを見たり。先月二十八日公示日に商店街にて街頭演説せし一候補在りてより後、町内静謐にして選挙など無きが如き日々にてありたれば、些か騒々しくも感じらる。賢明なる有権者諸氏、如何な判断を下すや。変化を嫌ふ我が民が「政権交代」を選択するや。――以下、銭湯にて耳にせし事。 「どうなるかねェ。民主も合併効果で支持率を上げてるって言うし」「どうだかねェ。女性に人気が無いようだし、菅―小沢と小泉―安倍並べりゃ、自民の方が見栄えはするんじゃないの」「菅・小沢だって立派な民主の“顔”。何か日本を変えてくれそうだ」「政権公約で高速料金を只にするてのはいいんじゃないかい」「分かりいいのはそれだけだ。後はどっちも玉虫色でさっぱり分からんよ」「いやいや、よく読めばなかなかに面白い。政権選択の参考には十分なる」「先生みたいに学のある人には分かるかも知れんけど、俺にゃあさっぱりだわ」「どうこう言ったって、問題は投票率だわな。無党派層の動向如何によるんじゃないの?」「無党派てえのもわかるねぇ。誰がやったっておんなじだ、て思っちゃうもなー」「それがいかんのですよ。棄権しておいて、ああでもないこうでもないと文句ばかりじゃいかんのですよ。政治が良くないと言いますが、その政治を任せる人を選ぶのが私達ですよ。誰がやっても同じ、を変えるのが今回の選挙なのですよ」「理屈じゃそうだけども……何回選挙しても変わらないんだから、いい加減うんざりしてさ、『誰だっておんなじ、勝手にしてよ』って思うんじゃないかい」「そうだ。公約だってたいした違いは無いし、誰が総理になっても今の世の中そうそうでっかい改革なんて出来る訳がない。もう少し様子を見ようと思ったら小泉さん、目先を変えて見ようと思ったら菅さん、どっちも同じだからと思ったら棄権。そんなもんじゃないの選挙なんて」「……まぁ、それも分かりますが、いささかどうも……」 ☆ ☆ 昨夜、「生涯に一度は投票一番乗りを果たし、投票箱の点検してみたし」などと女房と語り合いたれども、昼近くに成りて漸う投票所に出向きたり。我が地区の投票所を見る限り人溢れ、殊の外出足良く投票率前回を上回る気配感じつ戻りしに、最終結果以下の如く悪し。 【全国投票率】小選挙区59.86%(前回62.49%)、比例選59.81%(同62.45%)で一九九六年に次ぎ二番目の低さ。 ◇ 第四十三回衆院選は十日未明、全議席確定せり。最大の焦点となりし政権選択は、与党三党(自民、公明、保守新)が解散時議席二百八十七から二百七十五へ後退せしも、「絶対安定多数」(二百六十九)を獲得して連立政権継続を決めたり。政権交代を狙いし合併民主党は、四十議席増やして百七十七とし、二大政党化への足掛かりを強固にせりと謂えども、政権交代を果たせなんだは敗北なり。 与党三党のうち議席を増やしたは公明(+3の三十四議席)のみにて、自民(−10の二百三十七議席で単独過半数に届かず)、保守新(−5の四議席)共に勢力を減じたり。自民党の山崎拓・副総裁が落選、保守新に至りては熊谷弘・党代表(静岡七区)の落選と議席減で党存亡の危機。自民への合流も噂されおる状況なり。 野党側、自由党と合併せし民主当の躍進著しく十七議席増の百七十七を獲得、比例にては自民(得票率30%)を抜き第一党(得票率37%)と成れり。其れ引き替え、共産党十一減の九、社民党十二減の六と退潮傾向。当選十一回の社民党・土井たか子党首は兵庫七区で敗れ比例近畿ブロックで復活当選、かろうじて命脈を保ちたり。党首続投を表明しおるも、党内に今回選挙惨敗の不満も燻ぶりおるようにて先行き不透明。今月末迄には何らかの動き在りと推察す。 政権公約(マニフェスト)を掲げての政権選択選挙、二大政党化への出発点と成り得たやに見ゆれど、此の先、民主の活動如何によりては元の木阿弥と成るやも知れず。政権奪取成らなんだ民主は今回選挙の敗北を認め、今後は政権政党なればこうするの立場・視点に立ちて間断なく新政策を繰り出し、与党に対峙するの気概無くばならじ。 ◇ 二十議席(小選挙区十二、比例道ブロック八)を争いし北海道にては、前回自民と共に九議席確保の民主党が今回は小選挙区七、比例四の計十一議席を獲得して過半数を制し、八議席の自民を抜いて道内第一党の座に着けり。比例得票率も40.82%と自民の31.03%を大きく引き離し、道内にても民主躍進を印象付けたる様相となりぬ。公明党は比例一本に全力を挙げて一議席を維持。共産党、社民党は退潮傾向北海道にも伝播したるか議席獲得成らず。 民主は、八区から四区に国替えの鉢呂吉雄氏が佐藤静雄・自民党道連会長を、比例から二区に回った三井辨雄氏が自民・吉川貴盛氏を破り、三区では荒井聰氏が返り咲きを狙う自民・石崎岳氏と二千八百七十九票差の激戦を制して躍進の一端を担いたり。 小選挙区開票結果(選管確定)
比例選開票結果(選管確定)
☆ ☆ 一九七七年九月五日に米航空宇宙局(NASA)が打ち上げ、木星、土星などの鮮明画像を我らに見せくれた米探査機ボイジャー1号が太陽系を抜け出しつつあり、間もなく銀河系探査への第一歩を印すであろうの報、六日知りたり。旅立ちから既に二十六年、八九年八月八日海王星を通過してより十四年余。将に虚空を目指すボイジャーは此の先、太陽系の外に一体何を見るや。広大無辺の宇宙を突き進むパイオニアの孤独を思へば、我が憂愁など塵芥の如し。 ボイジヤー1号に嵌め込まれし黄金板を解読する生命体に遭遇し得るや。したとせば、五十五か国語で記したる地球生命についての説明文や音・映像を記録した黄金板を解読して、異星人は地球を如何なる星と見るか。ボイジャーが哀れ故、「青く美しき惑星なれど、二つの大戦を経験して尚戦の絶へぬ愚かな『人類』が棲む星のことなど知りたくも無い」と、黄金板の打ち砕かれぬを祈りたし。地球との交信は二〇三〇年頃迄可能と謂ふから、突拍子も無く面白く興味深き事ども送信し来るやも知れず、生き居れば楽しかろふに。 ☆ ☆ 中国の銭其@・前副首相が回顧録『外交十記』を出版せること、六日付新聞に掲載此れ在り、興味深く読みたり。 「銭氏は、一九八九年の天安門事件を理由に西側諸国が発動した制裁に触れて、日本は『西側の共同戦線の中で脆弱な部分として、もっとも良い突破口となった』と指摘。九二年の天皇訪中招請は対中制裁解除に利用する戦略的狙いがあったことを明らかにした。銭氏は天皇訪中が『中日関係を新たなレベルに引き上げたと同時に、対中制裁打破に積極的効果をもたらした』と振り返っている」(2003.11.6 読売新聞から) 我が国外交の見識の無さ、稚拙さを見透かされての天皇招請。外務省の馬鹿者どもは何を考へおったか。当時、先進七か国の中で制裁措置を解除して経済援助を再開したは我が国だけ。外務省は「北風よりも太陽の外交」などと、最近何処ぞで聞き覚えのある台詞を吐きて己が愚行を正当化せんとするも世論の反発強く、加へての天皇訪中には大反対が大勢であったを思ひ出す。此の反対論を覆したは当時の中国大使・橋本恕の「訪中は天皇陛下の御意志である」の一言だったと謂ふが、真偽の程は分からぬ。されどあの状況下を考ふれば「橋本は中国の為に天皇を政治・外交の具に供した」との謗り免れず、銭氏の回顧録が其れを示しおる。 報道を読みて「まあ、我ら、何と馬鹿にされたものよ」と思ふたが、相手が何枚も上手の外交巧者だっただけの事かも知れぬと諦めることにせり。さにあれど、我が外務省の不甲斐なさ情け無し。容易に相手国の術中に嵌るは、我が国外交に主体性無きこと、一国外交に重きを置く傾向強きことが原因なり。更に外務省内に於けるスクール組織が相手国の「イエスマン」として機能し、我が国の利益を守るが以上に相手国の為に活動するが如きが一大要因と知るべし。外務省改革が叫ばれてより幾年、我には変りおるよふには見へず。 ☆ ☆ 九日、笠松運動公園陸上競技場。コンサドーレ対水戸ホーリーホック戦は、0−0でコンサ今季十三個目の引き分け。通算成績12勝17敗13分け、勝ち点49。順位九位は変わらず。 ★ ★ ◆10日=自・公・保連立を継続。第2次小泉内閣、19日発足へ。 ◆9日=衆院選投開票、与党が「絶対安定多数」。民主40増・比例第1党、共・社・保惨敗で2大政党へ。道内、民主が過半数。 ◆8日=イラク、「ヘリは撃墜」確認。米軍、中部で掃討作戦。 ◆7日=イラク中部で米ヘリ墜落、6人死亡。ロケット弾で撃墜か。「標的」の危険性続く、衰えぬ武装勢力の攻撃力。 ◆6日=「北」への安全保証、2段階で。米が検討、「6か国協議中」と「核解決時」。北の協議復帰促す。 ◆5日=「国民保護法制」政府方針。住民避難、知事にも「市町村に直接指示」権限。知事権限、法案骨子より拡大。 ⇒スリランカ、国防相ら3閣僚を更迭。大統領が“和平派”首相の失脚狙う? ⇒KEDO、軽水炉建設の1年停止を北に通知。再開は困難な情勢。 ⇒東南ア友好協力条約、「加盟」へ転換検討。政府、中印参加で危機感。 ⇒電子政府評価世界ランキング、日本は総合18位。 ⇒イチロー、3年連続ゴールドグラブ賞。 ⇒不在者投票、前回同期比8%増。衆院選、高い関心。 ⇒東京株全面高、一時1万800円台。 ⇒たんぱく質構造解析、日本独走。1年で500種、欧米に大差。 ⇒林野庁が違法伐採、福島県内のブナ原生林など2万4000本。 ⇒BSE感染9頭目。西日本産初、肉骨粉禁止後生まれ。(広島・福山市) ⇒「無限」脱税初公判。本田社長「元監査役の独断」、元監査役は「社長指示」。 ⇒新造船で爆発、5人死傷。ケミカルタンカー、ドックで作業中。(広島・能美町) ⇒露船で火災、船員死亡。新潟東港、積み荷の古タイヤから出火か。 ⇒天保大判盗まれる。都内の不動産会社、金貨・現金とも1億7000万相当。 ⇒三笠市、空知中央地域法定合併協に不参加の意向を表明。 ⇒冷却水漏れの泊2号機、補修終了。 ⇒衆院選、投票「必ず行く」81%、「関心ある」6ポイント増75%。(読売世論調査結果) ⇒道教諭9人、道職員6人が懲戒処分に。 (以上、読売新聞から) |
平成十五年十一月三日(月曜)曇時々晴 本日「文化の日」にて「体育の日」にはあらねど、昨日にも増して暖かく感じられたれば久方振りに自転車を漕ぐ。街を抜け厚別方面に向かいて郊外の山本地区、東米里、川北、北川下地区を巡りて戻りたり。走りつ、先月の「体育の日」に何を為しいたか考へたれば当日雨降りて寒々しき日にてありしを思い出す。なれば本日「文化の日」を祝う振り替え「体育の日」とせん、などとたわい無き事ども思いて独り苦笑せる自分を笑い飛ばしつ漕ぎ続けたり。 途中、厚別西四の山本通沿いに山本稲荷神社在りたり。境内殊の外狭く、間口五間弱、奥行き三、四十間余りか。両側に木立ちあるも木々の数少なし。塗り替え間もなきか鳥居の朱色鮮やかにして眼に入り易ければ、ようよう神社の在るを知るの佇まいなり。参道正面奥に小さき社殿、社手前参道左側に鎌をくわえた狐、右側に稲穂をくわえた狐の石像。境内悉く枯れ葉に埋もれたるの風情。「山本用水記念碑」碑文筆写して離る。 【山本用水記念碑】 山本用水のあゆみ/大正八年、部落民全部の水田と飲水のため厚別川から取水して利用したのが始めである/昭和十九年、当時の地主山本厚三氏名義の用水路を戦後の農地解放を待たず低廉な価格で小作人五十七名に名義変更していち早く小作人の自立の道を開いた/昭和二十年より山本用水組合を設立し、管理運営につとめ現在に至る/これら先人の努力によって水害や冷害など幾多の困難を乗り越え、土地改良との闘いを続けてきた山本地区は美田として生まれ変ったのである/山本用水組合/平成十四年九月吉日/ 所要時間四時間余。正午出発時は上々の天気にてありしが直に曇天広がり、二時前頃より風も強くなり来たりて帰路南東の強風に悩まさる。曇天の所為にてもあるか帰着時には既に薄暮ならぬ夕暮れが如き暗さにて、額に汗も無くハンドルを握りし素手凍えたる様に強張りおりたれば気温の下がり来たるを知る。とまれ運動の後は入浴とて、着替えも早々に銭湯へ直行。然したる疲労も無けれど、湯船に浸かりて手足を伸ばしおれば極楽極楽の思いして陶然、心身共にぬくまるを覚ゆ。湯上がりの麦酒旨きは当然のこと、続きての熱燗亦甘露なり。我が「文化の日」上々裏に終わりぬ。 ☆ ☆ 昨二日は道内各地好天に恵まれ気温も上昇、札幌管区気象台の観測地点計二十四か所にて20度以上を記録し、各地にて記録更新せる由、三日付新聞にて報じらる。 札幌管区気象台によれば「道内全域が移動性高気圧に覆われたるうえ、上空に九月中旬並みの暖かい空気が入り込んだがため」にて、最高は渡島・木古内の21.5度、以下釧路・阿寒21.2度、十勝・幕別21.1度、函館20.7度、帯広20.2度、札幌にても20.1度を観測せしと謂ふ。十一月の最高気温とせば、函館が唯一20度を超へし四〇年十一月七日の20.1度を六十三年振りに更新。倶知安(19.9度)、岩見沢(19.7度)、室蘭(19.5度)も記録を更新。亦、札幌にては五十九年振り、帯広も三十二年振りに20度を超へしとぞ。 ☆ ☆ 「文化の日」故、記す。一つは、十勝・音更町がアイヌ民族の可能性がある遺骨を関係者に断りなく火葬したるの件。一つは、中国・西安での反日デモの件。いずれも「文化」につき考へさせられし出来事なりし。 音更町の場合、人骨が出で来る場所がアイヌ民族の墳墓やも知れぬとの認識が在りたるか否かだが、無かったとは言い難く、「在った」ことは疑い得ぬ。町が把握せぬ埋葬地は無く、把握せぬ場所からの人骨とあらば嘗て居住せしアイヌ民族のものと考ふるが自然。アイヌ民族が居住せし場所は町も承知のはず故、アイヌ民族の遺骨であるは十分知った上での火葬だったやに思わる。なれば何故、関係者に断り無く火葬にせしか。拙速、杜撰のお役所仕事の故か、はた又「遺骨は懇ろに弔わねば」の善意の行為か。我には、旧土人保護法未だ払拭されず彷徨いおるやに思へてならず。町関係者のアイヌ民族に対する侮蔑と差別意識が在ったやに思へてならず。異文化への配慮皆無と思へてならず。 我らは、アイヌ民族が先住民族として此の地に暮らし、豊かな文化を育み築き来るを明確に認識せねばならぬ。而して、敬愛の念もて、彼らの歴史と文化を尊重し多くを学ばねばならぬ。異文化を受容しつつ独自の文化を培ふて来た我らなれば、異文化を認め共存するは容易き事にてあり。異文化を受容し共存できぬ偏狭なる文化は衰退、消滅するのみ。共存を拒否せる文化同士の衝突が地球上に戦火をもたらしおる現状は悲惨なり。「文化の日」に、異文化同士の共存・融合無くして平和無しを思ふ。 ◇ 西安での事の顛末、報道によると次の如し。「西安市・西北大学の文化祭パーティーにて、留学生三人と日本人教員一人が赤いブラジャーを胸に着け、下腹部に紙コップを付けて踊りながらブラジャーの中から紙くずを取り出し、観衆にばらまいた。余りの下品さに西北大の教員、学生がやめさせ、学生数百人が謝罪を求めデモ行進。やがて市民をも巻き込み反日デモとなった」。報道の真偽の程、我に確認の術無ければ如何ともし難けれど、報道を読みて後に思える事どもを記す。 猫も杓子も海外留学となれば、中国・西安にての出来事も頷けると謂ふべきか。文化交流の最前線に在る留学生が留学国の文化を茶化し侮辱したと謂ふ前に、責められるべきは稚拙下劣な思考を為す人物を留学させしことなり。事前に中国の歴史・文化を学んでからの留学とは思われず、己の国の歴史・文化さえ碌に知らぬ学生ではなかろふか、と疑ふ。確固たる目的を持っての留学とは到底考へられず、結果は「日本人の面汚し」に成るばかり。親も我が子を安易に留学させるべからず。目的、勉学への熱意、能力を冷静慎重に見極めて後、決すべし。 面白くも可笑しくも無き“お笑い芸人”の振る舞いをば大口開けて笑い育ちし故かどうかは知らねど、下劣下品の程度は「つい羽目を外して……」の域を超えおる。更に日本人教員も加担しておったとあっては開いた口塞がらず。出し物の寸劇が、他国の文化を侮辱愚弄せるのみならず、己の国の文化をも辱めるものであることに思い至らなんだ日本人教員の愚鈍さ加減。ただ嘆息。思考停止せる軽佻浮薄人間の跋扈せる我が祖国の行く末を憂ふ。 学生デモが拡大、反日デモと成りたるには九月の広東省珠海市に於ける日本人観光客の集団買春に対する反発の余韻、デモに対応せる取締当局への不満、諸々の内政事情など要因種々ありと思わるるも、留学生らの余興が起爆剤となりて誘発せしは確かなることにて、同国人とせば恥ずかしく不快極まり無きことなり。斯様な学生・教員を海外へ送り出すは国辱的行為にして、我が国の文化を貶める元凶なり。即刻呼び戻し、二度と海外へは出さぬがよし。「文化の日」に、未来の惨憺たる日本文化の姿を夢想するも一興。 ☆ ☆ オウム真理教の麻原彰晃こと松本智津夫被告(48)の公判が十月三十一日午後、東京地裁で結審せり。五年余り公判廷で無言を通し来たった松本被告、最終意見陳述促されるも口を開くこと無く終わりぬ。一九九六年四月の初公判から七年半ぶり、審理二百五十六回、証人のべ五百二十二人。判決は来年二月二十七日、求刑通り死刑が言い渡される公算大なりと思わる。 弁護側最終弁論要旨、「三百代言め」と思いつ読みたり。田口修二さんリンチ殺害、坂本堤弁護士一家殺害、滝本太郎弁護士襲撃、松本サリン、VX三事件、地下鉄サリンなど十三事件で二十七人を死に至らしめた殺人罪に対する「各論」は、どれも根拠に乏しく空疎なるものにて詭弁を弄しての弁明に過ぎぬものなり。「被告は『本物の宗教家』故、一連の事件の指示を出す訳無し」「事件は、『被告の教義を誤解、曲解、誤用、悪用』した弟子たちが勝手に引き起こしたるもの」と言ふを前提に、全面無罪を主張しおるも滑稽。死人に口無し、事件の大半は村井秀夫・元幹部がやった、と故人へ転嫁するに至りては「ありゃりゃ」以外言葉出ず。 「検察官の論告は、自由が保障されている宗教活動と犯罪としての殺人行為との次元の違いを完全に無視している。もし、その宗教活動が犯罪行為に結びついたというのであれば、それはどういう結びつきの関係であったのかということが、検察官の主張、立証における主題であったはずだが、検察官の立証と論告は、その主題を何も解明していない」と謂ふも、弁護側も何ら立証、解明しおらず、弁護人の職責放棄の責任転嫁。「被告が沈黙を守ろうと、裁判を拒否しようと、検察官は、百%立証する義務と責任を負っている。本件公判審理の結果を見ると、実質六年余の間、検察官はこの義務と責任を全く果たしてこなかった。事件の真相がわからないのは警察・検察の責任。『疑わしきは被告人の利益に』との大原則が、被告にも平等に適用されるべきである」と最終弁論を締め括りたるも亦、裁判長期化、真相解明放棄の責任転嫁の弁。正に「三百代言」そのものと言ふべきか。 松本被告につき、検察側は「史上最も凶悪な犯罪者」と言い、弁護側は「本物の宗教者」と言ふ。此れでは裁判にならぬ。尋常なる人間であれば被告を「本物の宗教家」とは見まい。事の真相に迫らんとする姿勢微塵も無く、弁護のための弁護の感。長い裁判を振り返り、「そも弁護人とは如何なるものか」との疑問反芻す。極悪非道の凶悪犯にも防御権は認められるとは申せ、被告との意思疎通無くして弁護が可能なるや。最終弁論は弁護側の一人芝居、被告の意思とは無関係の御託を並べた長広舌に過ぎぬ。結審したものの遺族、被害者が望みし真相解明が出来なんだは偏に弁護人の責任と言ふべし。七年半の歳月、弁護側証人尋問時間一千時間は何の為にありしか、と思うは我のみなるや。 ☆ ☆ 札幌地下鉄・宮の沢ターミナルビルにスーパーマーケットを出店の西友、乗降客が札幌市の当初見込みを大きく下回り商売立ち行かずを理由に、家賃を半額にせよとの訴へを札幌地裁に起こしたる由聞き及ぶ。乗降客当初予測は地下鉄一日平均四万五千人、隣接バスターミナル二万二千人なれど、現状は各二万二千人と一万千人。当初見込みの半分とあらば家賃の値下げも已む無しと思ふは我のみか。ビル所有者の札幌振興公社は「応じられぬ」らし。 地下鉄南北、東西、東豊各線の利用客数は建設時予想数とは大きく食い違い、累積赤字を増大させおるが現状。何故に予測と現状がかくも懸け離れるか。利用客数予測調査は、市や振興公社が独自に行ったとは思われず、恐らくはシンクタンクかリサーチ会社に依頼したであろふ。受注せる調査会社が如何な会社かは知らぬが、調査能力が低く調査に疎漏、杜撰在りの疑い払拭し得ず。 利用客数予測は通常、先ず各月の最大予測数を算出したる後、月ごとに一千項目から数千項目に亘る減数要因をチェック、各項目ごとに係数を掛けて減数を積算、最大予測数から差し引いて各月の予測数を導き出すが、予測数は最多、最少、平均の三つになると聞きしことあり。減数要因項目及び係数は各社独自のノウハウを持ち、予測の的中率を競い、平均予測数の誤差範囲は1%以内とも聞きし。宮の沢駅の乗降客予測は日平均四万五千人、其れが二万二千人となれば予測の用を成さぬ。公社は調査会社の責任も視野に入れ、西友の言い分に耳を傾ける義務在りと認む。 ☆ ☆ 東京都教育庁は、「指導力不足」と認定され長期研修を受けおる教員の給与を来年度より減額する旨決定せり。至極当然の措置にて、疑義の声上げる正当な理由見つからず。我が北海道にても不適格教員の数如何程か知れず、月々間断なく懲戒処分行われおる有様なれば、道教育庁も現場にて働かざる教員の給与減額措置を断行するがよし。暴言の謗り免れぬやも知れぬが、「もし教職員反対することあらば、その教職員こそ常識・良識を持たぬ不適格教員として、いの一番に減額対象者とせよ」と言いたし。 世間一般の常識からせば、働かぬ者に給料を出すなど考へられぬ事なり。「長期病欠でもしたれば何割かの減額は当然」が常識の世で、教員として致命的な病「指導力不足」に罹患し、公費で「長期研修」治療を受けおる身に給与全額支給は馬鹿げた話にて、此れまで手をつけなんだは怠慢。民間給与が勤務評価・実績評価方式に変わりつつある現在、教員・公務員の給与体系も変えて然るべきにて、遅きに失したるの感あり。 減額するは「教職調整額」(基本給の4%)と謂いて、全国の公立学校一般教員に支給されおる由。教職員給与特別措置法に基づき一律支給されおるものにて、退職金及び年金算定にも反映せると謂ふ。「部活動等にて不規則勤務となりがちで超過勤務手当の算定が困難」故の一律支給とぞ。しかし、一般教員全員が部活に関与しおるとも見えず、近頃は残務ありて学校に居残る者も少なしと聞き及ぶ。況してや世間にてはサービス残業も常態化しおるご時世なれば、長期研修者のみならず一般教員の「教職員調整額」見直しも必要と認む。教師既に“聖職”に非ず一般労働者の体なれば、特別扱いも不要なり。実績厳密査定の上、労働対価としての賃金を支払うが妥当、と我には思われてならず。 ☆ ☆ 家族殺傷 ☆ ☆ 一日、札幌厚別公園競技場。コンサドーレ対アルビレックス新潟戦は、2−2でコンサ今季十二個目の引き分け。通算成績12勝17敗12分け、勝ち点48。順位九位と変わらず。 J2トップの新潟と引き分けたとあらば「上出来」と褒め置きたし。数打てば良きものにあらねど、シュート数11は少なし。臨機応変、攻めの形を即座にイメージできぬ選手多し。オフサイド誘引の一因、そこいらに在りか。 ★ ★ ◆3日=イラクで裁判官誘拐、射殺。テロも続発、20人以上が死傷。シーア派聖地で爆発、3人死亡10人負傷。 ⇒露石油大手、逮捕のユコス社長辞任。政権と確執「社員を守るため」。 ◆2日=イラクで米ヘリ撃墜、15人死亡。統治後、最悪の被害。地上でもテロ相次ぐ。 ◆1日=露の「対米核報復」健在。「関係悪化に備え」システム稼働、軍部筋明かす。 ◆31日= ◆30日=金総書記、中国・呉邦国氏と会談。6か国協議、継続に同意。 ⇒黄元書記会見、「拉致被害者、一部生存も」。秘密工作、金総書記はすべて把握。 ⇒イラクの米兵、戦後の死者数が「戦中」の数を超す。 ⇒イラクで活動の外国人職員を削減、赤十字国際委員会が方針。 ⇒露大統領府長官を更迭、政権内「旧KGB」優位決定的に。ロシア有力紙が報道。 ⇒オウム中川被告に死刑、東京地裁判決「医学の知識悪用」。 ⇒米での代理出産、出生届は不受理へ。法務省「法解釈に反する」。 ⇒円買い加速、東京円一時107円台。ニューヨークも一時107円台。 ⇒三洋、シャープ増収増益。日立減益、富士通は赤字。中間決算。 ⇒富士スピードウェイの事故、主催者らに9000万賠償命令。東京地裁「救助体制怠る」、レース場などの過失認める。 ⇒パソコン6000万分詐取容疑、日立IT元社員ら2人逮捕。 ⇒03年プロ野球MVPに井川(阪神)城島(ダイエー)、新人王に木佐貫(巨人)和田(ダイエー)。 ⇒数千年かかる計算1分で、NECなどが量子コンピューター基本素子を開発。 ⇒「磁気嵐」世界で猛威、通信障害続く恐れ。北海道・陸別で赤いオーロラを観測。 ⇒出光タンク火災、道など7機関が合同立ち入り検査を実施。 (以上、読売新聞から) |