第68回
外付けBlu-rayドライブ
バッファロー BR-H816SU2
(2009年2月11日購入・2009年2月24日公開)



Blu-rayドライブの買い時は?

 Blu-rayドライブが登場した時から、購入したいと思ってはいたものの、これまで購入は見送っていた。実は、今までCD-R/RWドライブもDVD-R/RWドライブも初期の段階で購入したために、ディスクの価格が高かったり、書き込みが遅かったりと苦労した経験があるのだ。CD-R/RWドライブの頃は、購入した外付けドライブの書き込み速度がCD-R4倍速、CD-RW2倍速と遅い上に、CD-Rが1枚800円とかなり高価だったために、購入した当初はなかなか使えず、ディスクが安くなって本格的に使用し出した頃にはもっと高速なドライブが安価で登場していた。DVD-R/RWドライブの頃は、DVD-R/RWドライブ搭載パソコンを購入したのだが、内蔵していたドライブの書き込み速度がDVD-R2倍速、DVD-RW1倍速で時間がかかりすぎて大変だった。教訓として、新しいディスクの規格が出来た時は、しばらく待って「高速なドライブが登場」して「ディスクが安く」なるまで待つのが得策であることを学習したわけだ。それに加えて、次世代DVDドライブはBlu-rayとHD DVDの2種類が争っており、どちらか決まらないうちに購入するのもいかがなものかとも思っていた。
 しかし、Blu-rayとHD DVDの次世代DVD戦争も決着が付き、悩むことなくBlu-rayを選択出来るようになった。また、当初パソコン用ドライブは内蔵のもので10万円、外付けで11万円以上と高価だったが、現在では外付けドライブでも3万円台とかなり安くなってきた。また、書き込み速度も2倍速から8倍速へと高速化している。ディスク自体も1層(25GB)のディスクですら1500円以上していた当初から考えるとかなり安くなってきた。そろそろ購入を検討しても良さそうである。
 実は、Blu-rayに興味があるのは、Blu-rayの映画を見たりするためでも、TV番組を録画するためでもない。そもそも我が家のテレビもパソコンも地上アナログ対応で、HDDレコーダーもDVDにしか対応していない。では何に使用するかというとバックアップ用途である。例えばデジカメデータは消えては困るものなので、パソコンのハードディスク以外にディスクにバックアップしておきたい。ところが最近ではデジカメの画素数も1000万画素を超え、写真1枚が3MBを超えるようになってきた。私は常にデジカメを持ち歩いて気軽に写真を撮る上に、良い瞬間や表情が撮れるように、3〜5枚程度連写する傾向があるため枚数はかなりのものである。その上、ロードテスト第56回で紹介したように、ビデオカメラをフルハイビジョンタイプに買い換え、最高画質の17Mbpsで撮影している。すると、1分で1.275GBにもなってしまう。結果、デジカメフォルダは50GB以上にもなり、DVD-RWにバックアップを取るだけで、13枚も必要になっている。また、我が家の雑誌や漫画の量が膨大となったため、ロードテスト第32回で紹介したスキャナ「fi-5110EOX2」で次々とスキャンして処分しているのだが、こちらのデータもかなりの量である。300dpiの解像度で取り込みPDF化しているが、古い雑誌だと1996年頃からある。すると雑誌1種類でDVD-R15枚〜20枚程度になってしまっている。それが何種類もの雑誌であるため、DVD-Rの数もバカにならない。しかもこれからも雑誌を買い続ける限り増えていく。
 この状況を打破するために、より大容量のBlu-rayに移行したい訳である。Blu-rayなら1層で25GB、2層で50GBであるため枚数はかなり減る。しかし、DVD-Rに比べてあまりにもディスクが高いと、いくら量を減らすためとはいえ使う気にはなれない。2倍速、4倍速、6倍速と対応する書き込み速度によってディスクの価格に大きな差があるが、DVD-Rよりバックアップに時間がかかるのも困る。どの程度ならDVD-R/DVD-RWと遜色ないスピードで使えるのかも気になところだ。そこで、それらを検証した上で、DVD-Rより遅くならないBD-RディスクがDVD-Rの1.5倍以下の容量単価になった時に購入する事とした。

Blu-rayとDVDの速度と価格を検証する。

 Blu-rayとDVDでバックアップにかかる時間とコストを計算するために以下のような環境を想定して比較してみた。

・0.5GB(512MB)のファイル46個、計23GBをバックアップするのにかかる時間を計算する。
・ディスクの交換と書き込むファイルの選択などの準備に1分かかるとして計算する。

 まずDVD-RおよびDVD-RWの場合だが、フォーマット後の容量は約4.38GBなので、0.5GBのファイルは8個しか入らない。つまり4GBのデータの書き込まれたディスク5枚と3GBのデータの書き込まれたディスク1枚が必要となる。一方のBD-RとBD-REは23GBのデータは1枚に入る。DVD-R/DVD-RWの場合は実際に計測できるため、aprico*a様の作成されたアプリケーション「Giga File Creator」を使い、0.5GBのダミーファイルを作成し、VGC-RM50内蔵の16倍速書き込み対応DVDスーパーマルチドライブを使用し計測した。Blu-rayに関しては、検討段階では実機がないため、転送速度から理論値を導き出した。


 上記のグラフが各書き込み時間である。ここで重要なのが倍速表記である。DVD-Rが16倍速や8倍速の中で、BD-Rが4倍速や2倍速ではずいぶん遅い様に見えるかもしれない。しかし、実際には基準となる「1倍速」の転送速度が異なるため、それほどの差ではない。各ディスクの1倍速の転送速度は以下のようになる。

CD150KB/s
DVD1385KB/s
BD4500KB/s

 つまり、BD-R/REの2倍速の転送速度は9000KB/sになり、DVD-R/RWの6倍速は8310KB/s、8倍速が11080KB/sとなる事を考えると、それほど遅くない。実際には、DVD-R/RWの8倍速や16倍速書き込みは段階的に速度がアップし、最外周で最高速に達するため、全域で8倍速や16倍速で書き込めるわけでは無いこと考えると、BD-R/REの2倍速でもDVD-R/RWの8倍速より高速になる。
 実際に計測した結果であるが、4GBのデータを書き込む場合、DVD-Rの16倍速書き込みで6分1秒、8倍速書き込みで8分4秒、DVD-RWの4倍速で13分51秒であった。6枚のディスクに書き込むため、6回分、計6分のディスク書き込み準備時間が必要だと考え、また最後の6枚目は3GBのデータを書き込む事になる事を考えると、23GBのデータのバックアップに、DVD-Rの16倍速で約40分、8倍速で約52分、DVD-RWの4倍速で約86分かかる事となる。一方、BD-RとBD-REの場合は1枚のディスクに収まるので、書き込み準備時間は1回1分のみとなる。それと併せると、BD-Rの4倍速で約24分、2倍速で約47分、BD-REの2.3倍速で約41分となる。
 これを見ると、BD-Rの2倍速ですら、DVD-Rの16倍速より7分遅いだけだ。また私は、書き込んだデータのエラーの少なさを重視して、16倍速メディアでも8倍速書き込みしている。すると、BD-Rの2倍速の方が高速になる。これを見ると、とりあえずは2倍速メディアであっても今のDVD-Rより遅くなることはなさそうだ。また、バックアップなどの場合は何度も使用できる書き換え型ディスクが便利だが、その比較ではDVD-RWの4倍速と比べて、BD-REの2.3倍速は半分の時間で完了している。こちらもBD-REになっても遅く感じることはなさそうだ。
 DVD-Rは2009年2月現在100枚入りで3300円というマクセル製メディアを使用している。つまり1枚33円である。BD-Rで1枚ですむところ、DVD-Rなら6枚必要なので、198円かかる。これまでの検証により、2倍速のBD-Rメディアで十分なので、これがDVD-Rの1.5倍以下、つまり198円×1.5=297円、約300円以下になったら買うと決めて、それまで待つこととした。

ついに買い時が来た

 待っていたところ、調べる度にメディアの価格がどんどん下がっていった。そして、2009年2月11日に調査した所、10枚入りで2999円を付ける店が出たため、ついにBlu-rayドライブを購入することした。
 ドライブは外付けタイプとした。主に使用するデスクトップパソコンには5インチベイが余っているため、内蔵タイプでも問題ないが、我が家初のBlu-rayドライブであるため、しばらくの間、作成したディスクは今回購入するドライブでしか読み込めない。ノートパソコンで使用する事も出てこないとも限らないため外付けドライブを選んだ。
 外付けドライブの中で選んだのが、バッファローの「BR-H816SU2」である。この機種を選んだ理由として、最新のドライブを搭載し、BD-Rに8倍速、BD-REに2.3倍速で書き込めるほか、接続規格としてUSB2.0とeSATAの両接続に対応している事、そしてeSATA接続の時はもちろん、USB2.0接続時にも、独自の高速化技術「TurboUSB」のおかげで最高速の8倍速書き込みに対応している事が挙げられる。今回は少しでも安価に購入するために、日本橋のでんでんタウンを見て回り、最も安価なところで購入した。
 Blu-rayドライブ「BR-H816SU2」は、PC one'sという店舗で、29,200円で購入した。またBD-RディスクとBD-REディスクも購入した。BD-Rディスクは前述の2,999円のものでも良かったのだが、レーベル印刷面が42mm〜118mmと狭いため、少し高くなるが24mm〜118mmのワイド印刷可能なTDKのBRV25PWA10Sを購入した。2倍速書き込みに対応しており、10枚パックをダイテイという店舗で3,150円で購入した。BD-REディスクは、5枚パックで最安値だった三菱化学メディアのVBR130YP5を、谷川電機で1,750円で購入した。

BR-H816SU2の機能は?

 「BR-H816SU2」は日立LGデータストレージ社製「BH08NS20」を搭載しており、前述のように、BD-Rに16倍速、BD-REに2.3倍速で書き込みが出来る。また、eSATAとUSB2.0での接続が可能であり、eSATA接続、又はUSB2.0接続でTurboUSB機能をオンにした場合に最高速で書き込める。それぞれの接続方式での各メディアへの書き込み速度は次のようになっている。

メディア
ライト
リード
eSATA
USB
TurboUSB
有効
USB
TurboUSB
無効
eSATA
USB
TurboUSB
有効
USB
TurboUSB
無効
BD-R(1層)
8倍速
8倍速
5.6倍速
8倍速
7.2倍速
7.2倍速
BD-R DL(2層)
8倍速
8倍速
5.6倍速
8倍速
7.2倍速
7.2倍速
BD-R(LTH)
2倍速
2倍速
2倍速
2倍速
2倍速
2倍速
BD-RE(1層)
2.3倍速
2.3倍速
2.3倍速
4.8倍速
4.8倍速
4.8倍速
BD-RE DL(2層)
2倍速
2倍速
2倍速
4.8倍速
4.8倍速
4.8倍速
BD-ROM(1層)
8倍速
8倍速
8倍速
BD-ROM DL(2層)
8倍速
8倍速
8倍速
DVD-R(1層)
16倍速
16倍速
16倍速
16倍速
16倍速
16倍速
DVD-R DL(2層)
4倍速
4倍速
4倍速
8倍速
8倍速
8倍速
DVD-RW
6倍速
6倍速
6倍速
10倍速
10倍速
10倍速
DVD+R(1層)
16倍速
16倍速
16倍速
16倍速
16倍速
16倍速
DVD+R DL(2層)
4倍速
4倍速
4倍速
8倍速
8倍速
8倍速
DVD+RW
6倍速
6倍速
6倍速
10倍速
10倍速
10倍速
DVD-RAM
5倍速
5倍速
5倍速
5倍速
5倍速
5倍速
DVD-ROM(1層)
16倍速
16倍速
16倍速
DVD-ROM DL(2層)
12倍速
12倍速
12倍速
CD-R
48倍速
48倍速
48倍速
48倍速
48倍速
48倍速
CD-RW
24倍速
24倍速
24倍速
40倍速
40倍速
40倍速
CD-ROM
48倍速
48倍速
48倍速

 また、これ以外の特徴として、2倍速、4倍速、6倍速メディアの中から推奨メディアに8倍速書込みが可能になるという機能がある。実際にまだ8倍速メディアは店頭で見かけることはないし、2倍速と6倍速メディアでも価格に大きな差があるので、安価なメディアで高速書き込みが出来るというのはうれしい機能だ。最近の外付けドライブでは当たり前になりつつあるパソコンに連動してドライブ電源を自動ON/OFF「パソコン電源連動機能」も備えている。また電源が内蔵されているため、コンセント部にACアダプタが無く、テーブルタップなどに挿す場合でも邪魔になることがない点はうれしい。
 では本体を見てみよう。一般的なドライブと変わらないがブラックボディなのが格好良い。前面にはイジェクトボタンとアクセスランプがあり、前面カバーの奥にドライブが隠されている。イジェクトボタンを押すと、前面カバーを倒して、トレイが出てくる。ドライブが露出していないためすっきりしていて見栄えがよい。何気にBlu-rayのロゴが付いているのが「Blu-rayドライブですよ」と主張しているようでなかなか良い感じだ。縦置きも横置きもできるため、設置しやすい方向で置けばよい。ただし8cmメディアは横置き時にしか使用できない。

「BR-H816SU2」本体である。一般的な外付けドライブと何も変わらず、前面にはイジェクトボタンとアクセスランプがあり、前面カバーの奥にドライブが隠されている。Blu-rayのロゴが付いているのを見ると、うれしくなる。

「BR-H816SU2」は縦置きも可能である。トレイに爪が付いているため、縦置きでもディスクをセットできるが、8cmディスクは横置き時にしか使用できない。

 裏面にはUSB端子とeSATA端子の両方がある。USB端子は「ミニB端子」ではなく、通常サイズの「B端子」である。その右にはパソコン電源連動機能のON/OFFを切り替えるスイッチがある。電源スイッチも裏面である。

「BR-H816SU2」の裏面である。電源スイッチ、USBコネクタ、eSATAコネクタ、パソコン電源連動機能の切り替えスイッチが並んでいる。

 また、機能ではないが、おもしろい付属物がある。USB接続用のUSBケーブルとeSATA接続用のeSATAケーブルが付属するのは当たり前だが、それ以外にSerialATAをeSATAに変換できる「eSATAブラケット」が付属しているのだ。つまり、内部には「SerialATAコネクタ」があるが、外付け機器用の「eSATAポート」が無い場合、このブラケットを使うと、内部のSerialATAコネクタをeSATAに変換して外部に引き出すことが出来るのである。引き出す部分は、PCIスロットの背面ブラケット部になるため、外見上も美しく引き出せる。USB接続時でもTurboUSBを使えば書き込みは8倍速になるものの、読み込み速度では差があるため、eSATA接続ができれば望ましい。内部にSerialATAコネクタが無かったり余っていない場合は、あきらめるか、eSATAインタフェースカードを増設するしかないが、eSATAを用意できる可能性のある付属品があるのはうれしい配慮である。

「BR-H816SU2」の付属のケーブルである。左から「eSATAケーブル」「USBケーブル」「eSATAブラケット」である。「eSATAブラケット」を使えば、内部のSerialATAコネクタをeSATAポートに変換して引き出すことが出来る。

 付属のソフトウェアは豊富である。CyberLink社製ソフトウェアでそろえられている。Blu-rayとDVDタイトルの再生には「PowerDVD7 BD edition」を使う。Blu-rayディスクが再生できるだけでなく、解像度480pのDVDビデオを、1080pのハイビジョン画質にアップスケーリングする機能や、24fpsの動画を60fpsにフレームレートを補完しなめらかな映像のする機能も備える優れものである。ハイビジョン映像のキャプチャと編集を行える「PowerDirector6」の他、キャプチャや編集からBD-AV、BD-MV、DVDの作成が行えるオーサリングソフト「PowerProducer4」も付属する。単純にBD-R/REにデータを書き込む場合は「Power2Go5」を使用する。またパケットライトソフト「InstantBurn5」を利用する方法もある。またBlu-rayになって1枚当たりの容量も多くなることからバックアップ用途として使う場合も多いと思われるが、その場合は「PowerBackup2」を使う。さらに、フォトスライドショー作成ソフト「Medi@Show3」まで付属しているため、付属のソフトでBlu-ray/DVDに関することは一通り出来るようになっている。

BR-H816SU2の書き込み速度は?

 では、実際に書き込み速度を計測してみよう。テストに使用したディスクは「BR-H816SU2」と一緒に購入した2倍速書き込み対応BD-Rメディア「BRV25PWA10S」と2倍速書き込み対応BD-REメディア「VBE130NP5」に加え、後日Amazon.comで10枚で2,880円と安くなっていた4倍速書き込み対応BD-Rメディア「BV-R130BF10」の3種類となる。
 ちなみに、BD-Rメディアの「BRV25PWA10S」と「BV-R130BF10」は「BR-H816SU2」の高速書き込み推奨メディアに指定されており、「BRV25PWA10S」は6倍速、「BV-R130BF10」は8倍速書き込みまで対応しているが、データの品質を取って、メディアの倍速表記に従った2倍速および4倍速での書き込みとしている。一方のBD-REメディアは2倍速書き込み対応メディアだが、「BR-H816SU2」では2.3倍速書き込みしか選択出来ないため、2.3倍速書き込みで計測した。
 テストとしては500MB〜1GB程度のファイル併せて約23GB分のデータを、付属のソフト「Power2Go5」を利用して書き込むのにかかった時間を計測した。

ドライブと同時に購入したBD-Rメディア「BRV25PWA10S」。10枚パックで2倍速書き込みに対応している。レーベル印刷は24〜118mmまで対応しているワイドレーベルである。今回のドライブでは独自に6倍速までの書き込みに対応している。

ドライブと同時に購入したBD-REメディア「VBE130NP5」。5枚パックで2倍速書き込みに対応している。レーベル印刷は40〜118mmまで対応している。

後日Amazon.comで購入したBD-Rメディア「BV-R130BF10」。10枚パックで4倍速書き込みに対応している。レーベル印刷は24〜118mmまで対応している。今回のドライブでは独自に8倍速までの書き込みに対応している。


 このグラフを見ると、純粋に倍速によって差が付いていると言える。また、計算してみると、BD-Rの2倍速で8744.47KB/s、4倍速で17202.03KB/s、BD-REの2.3倍速で10007.16KB/sである。Blu-rayの1倍速が4500KB/sであることを考えると、BD-Rの2倍速書き込みで1.943倍速、4倍速書き込みでで3.823倍速、BD-REの2.3倍速書き込みで2.22倍速となる。書き込むデータの準備処理やディスクフォーマット、最後にディスクをクローズする処理があることを考えると、ほぼスペック通りのスピードがでている。また、4倍速メディアなら、わずか23分で23GBのデータのバックアップが取れるし、2倍速書き込みでもそれほど遅いとは感じない。DVD-Rなどと比べて、メディアの入れ替えなどの手間がないため、バックアップメディアとしては非常に使いやすいと言える。

BR-H816SU2の読み込み速度は?

 今回BR-H816SU2を接続して使用したパソコン「VGC-RM50」にはeSATAポートがない。しかし、今回のBR-H816SU2には「eSATAブラケット」が付属していたので、VGC-RM50内部にSerialATAコネクタが余っていれば、eSATAポートを作り出すことができる。詳細は次回(第69回)のロードテストに譲るとして、結果的には無事に増設することが出来た。そのため、USB接続だけでなくeSATA接続も可能となった。そこで、それぞれの接続方式での読み込み性能を計測してみた。またUSB接続の場合はTurboUSB機能をオンにした場合とオフにした場合でも計測している。
 使用したメディアはBD-Rメディアで、前述の書き込みテスト時にも使用したビクターの「BV-R130BF10」に、500〜1GBのデータ23.2GB分の書き込み、そのデータをパソコンのハードディスクにコピーする時間を計測した。さらに参考として、同じく書き込みテスト時に使用したBD-REメディアでも同条件で時間を計測している。



 結果を見ると、USB接続ではTurboUSBをオン/オフに関わらず同じ時間であることが分かる。また、eSATA接続はそれらより短い時間となっている。確かにスペック上も、読み込みスピードはTurboUSB時で7.2倍速、非TurboUSB時で7.2倍速と同等となっているため、ほぼ同じ時間である事もうなずける。またeSATA接続時には8倍速読み込みが可能となっているため、差が出た形である。さらにBD-REに関しては4.8倍速とさらに遅くなるため、かなりの差となっている。
 ちなみに時間から倍速を計算してみると、BD-RはUSB接続時が約4.9倍速、eSATA接続時が約5.6倍速、BD-REが約3.4倍速となる。スペック上の倍速よりは落ちるが、最内周から最外周まで最高速で読み込めるわけではないため、この程度になっても仕方がないだろう。実際の時間で考えると、23.2GBものデータが16分で転送できるのであれば十分高速であると感じる。これならばBD-Rにバックアップしたデータを読み込んだり、再度使用するためにハードディスクに移動する場合もそれほどストレス無く使えそうである。またBD-REはBD-Rより10分以上遅いが、それでもそれほど遅いわけではない。
 以上より、書き込み時にはUSB接続でもTurboUSBをオンにすることでeSATAと同じ8倍速書き込みが可能であるが、読み込み時には差が出てしまう。BR-H816SU2の性能をフルに使いたいならeSATA接続がオススメである。

 今の所、Blu-rayレコーダなどを持っていない上に、デスクトップパソコンのディスプレイがHDCPに対応していないため、Blu-rayのビデオを再生したりする事はできず、もっぱらバックアップメディアとして使う事になると思われる。しかしバックアップメディアとしてだけ見てもBlu-rayはかなり便利である事が判った。特に今回購入したBR-H816SU2は、USBとeSATAの両接続が可能なだけでなく、eSATAブラケットを付属することで、できるだけeSATA接続が可能になるようにし、また仕方なくUSB接続しか出来ない場合でもTurboUSB機能で少しでも速く書き込めるようにするなど、様々な接続方法が用意されており安心である。
 最近ではドライブの価格もメディアの価格もかなり購入しやすいレベルになり、しかもメディアの価格はこうしている間にもどんどん下がっている。これまで購入を躊躇してきた人も、そろそろ購入を検討しても良い段階に来たと感じる1台であった。


(H.Intel)


■今回の関係メーカー・ショップ
バッファロー http://buffalo.jp/
BR-H816SU2のページ http://buffalo.jp/products/catalog/storage/br-h816su2/



今回紹介した商品や、その他のハードやソフトの
ご購入はコチラでどうぞ!