水晶岳(すいしょうだけ)      89座目

(2,986m、 富山県)



裏銀座縦走路(三ツ岳付近)から見た水晶岳。双耳峰が美しい。


登頂歴
    (2)2006.8月3日 太郎平〜黒部五郎岳〜三俣蓮華岳〜鷲羽岳〜水晶小屋〜水晶岳〜赤牛岳〜黒部ダム縦走
    (1)2001.8月8日 双六岳〜黒部五郎岳〜鷲羽岳〜水晶岳縦走

双六岳〜黒部五郎岳からの続き

双六岳〜黒部五郎岳〜鷲羽岳〜水晶岳縦走

2001年8月8日(水)  《4日目:三俣山荘〜鷲羽岳〜水晶岳往復》

三俣山荘555〜712鷲羽岳730〜900水晶小屋910〜955水晶岳1020〜水晶小屋1130〜1356三俣山荘(泊)

 いよいよ今日は水晶岳へ登る日である。
 朝4時に起きて外へ出てみると、すぐ目の前に鷲羽岳がそそり立ち、左奥に目指す水晶岳が真っ黒く見えた。さらに右手には槍ケ岳の岩稜が黒い怪獣の背中のように見えた。

 朝食を済ませ、アタックザックを背負って小屋を5時55分に出発。いきなり鷲羽岳の登りとなる。すでに登っている人が点々と見えた。

 5、6分ほど登ると、黒部五郎岳が姿を出した。陽も昇り三俣蓮華岳から双六岳の稜線が輝いていた。


(鷲羽岳の夜明け)

(鷲羽岳の登りから返り見た黒部五郎岳)

 鷲羽岳7時12分着。思ったほどしんどい登りではなかった。青空が広がった山頂からは、昨日登った黒部五郎岳がクッキリと見えた。これから目指す水晶岳も東半分が陽に照らされて輝いていた。その水晶岳は、裏銀座コースや雲の平方面から見ると二つのピークとカールを持った美しい山容をしているが、ここから見ると背中にトゲを持った恐竜がうずくまっているように見えた。

 振り向くと笠ケ岳が天に向かって立っていた。槍穂は依然、逆光で黒い輪郭しか見えない。

【鷲羽岳山頂からの展望。拡大してご覧下さい】

(槍・穂高)

(水晶岳)

(薬師岳)

(笠ケ岳)

 7時30分、鷲羽山頂発。まずはワリモ岳をめざして下る。ワリモ岳を越え分岐へ8時20分着。

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 水晶小屋へ9時ジャストに到着。若い頃、弟と一緒に歩いた裏銀座の山々が正面に見えた。槍は逆光ではあるが堂々と聳え立っていた。南の笠ケ岳の方から白い雲が湧き出していた。

 水晶小屋、9時10分発。小屋の前を通ってだらだらした道を登って行くと、ライチョウ(雷鳥)の親子がいた。急いでカメラを出して写真を撮った。しかし、こんないい天気なのにライチョウが出るなんて、天気が崩れる前触れのような気がしてならなかった。

 この尾根も花がいっぱい咲いていた。今までと違ったガレキに咲く花のようだった。背丈が10センチたらずのピンク色をした花が群落をなしていたので写真を撮っていると、下って来たオバさんが、「それはイブキジャコウソウといって、手でこすると高尚な香りがするのよ」と教えてくれた。白いタカネツメクサやシオガマなども群落をなして咲いていた。


(イブキジャコウソウ)

(水晶小屋近くから見た水晶岳へ続く岩稜)

 途中から岩場になった。ガレた岩場を右へ巻き、左へ巻きながら登って行く。こんな岩場に初めて道を付けた人はエライと思った。ここは水晶が採れたというから、水晶を採掘していた人達が道を付けたのだろう。

 幾つかのピークを越えると山頂が見えた(写真左)。その山頂に人がアリのようにむらがっているのが見えた(拡大可)。

 憧れの水晶岳の山頂へ9時55分に到着。やっと水晶へ立った。感無量だった。持って来た缶コーヒーを飲みながら、野口五郎など裏銀座の稜線や、雲の中から時々穂先を見せる槍ヶ岳などを眺めていた。

 (山頂は写真を撮るのも順番待ち)


(裏銀座の稜線。右が鷲羽方面)

(左:鷲羽、右:三俣蓮華)

(写真左は山頂から見た赤牛岳)

 写真右は三ツ岳付近から見た水晶岳。双耳峰の左側、つまり南峰の方が高いことが分かる。この南峰を裏側から巻いて低い北峰の山頂へ達する。
(写真拡大可)

 南峰には登山道がないので低い北峰だけしか登れない。

 10時20分下山。私が山頂へ着いた時は、狭い山頂に30人ぐらいいたが、下山する時は5、6人になっていた。
 20数年越しに水晶岳を登り、あとは下るだけだった。今日は夕立があるかも知れないから急いで下ろう。

 水晶小屋の近くまで下って来た時、雲に隠れていた槍がスッキリと姿を出した。


(ここから見る槍は迫力があるが、手前の赤茶けた硫黄尾根が不気味だ!)

 水晶小屋へ戻り、小屋の裏手の高台で三俣山荘で作ってもらった弁当を広げる。
 11時30分発。低い雨雲がかかってきた。少し急ごう。槍はすっかり雲の中に隠れてしまったが、ピラミダルな山容をした大天井岳が見えた。

 しばらくすると雷が鳴り出した。しかし、音が小さいので飛行機かも知れないと思った。
 12時2分、分岐へ着いた。

 ここからは巻道を通って三俣山荘へ向かった。10分ほどで岩苔乗越へ着いた。ここから黒部源流へ向かって下って行く。5分ほどで水場があった。冷たい沢水をゴクゴク飲み、顔を洗った。いつの間にか雷も止み、また青空が広がってきた。

 ハクサンフウロやクルマユリ、ハクサンイチゲなどが咲き乱れる沢すじの道を下って行くと、登山道で草刈りをしている人がいた。私の方から、「ご苦労様です」と声をかけた。その時は営林署の人かと思ったが三俣山荘の人だった。こういう人がいてくれるから我々は助かる。

 下るにしたがってトリカブトが多くなった。ムラサキ色のトリカブトの群落だった。
 黒部源流の分岐へ13時15分着。三俣山荘13時56分着。

 三俣山荘で早速ビールで完登を祝った。そして、二階のスカイレストランでコーヒーを飲んだ。鋸歯状の北鎌尾根を正面に見ながら、サイフォンのコーヒーを飲むなんて最高だった。レストランの窓がそのままキャンバスになったようで最高のロケーションだった(写真左)。

  (写真右は雲の平から見た水晶岳)   


8月9日(木)   《5日目:三俣山荘〜新穂高温泉》

三俣山荘600〜820双六小屋〜1240わさび平小屋〜1410新穂高温泉−相模原

 予想通り昨夜から雨になった。朝になっても止む気配はなかったが、今日は下るだけなのであまり気にもならなかった。
 6時に三俣山荘を出発。

 巻道を通って双六小屋へ8時20分に着いた。双六小屋で「山口喜弘個展」を見ていこうと思っていたが、雨具と靴を脱ぐのが面倒なので、コーヒーを飲んですぐに下ってしまった。
 途中で山口先生とバッタリ会って驚いた。五郎小舎で、先生に「必ず見ていきます」と約束した自分が情けなかった。次の機会があったら必ず見に行こうと思った。

 鏡平山荘でラーメンを食べ、わさび平小屋へ12時40分着。ここで生ビールを飲み、新穂高温泉で無料の温泉に入ってから帰途についた。(新穂高温泉14時10分着)。 (平成13年)

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