石の森 第 121 号
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ひとみ
奥野 祐子
そらをみあげる
なつかしい せつない
かえりたい
きもち ちゃんとつながっている
しんぱいなんか なにもない
いつか きっと かならず
かえれるのだという きもち
そらをみているのは
わたしではなく
わたしのなかにすむ
だれかのひとみ
てんしみたいに つばさあるものの
すみきった ちいさなひとみ
こころのように つかみどころなく
しずかなまひるや まよなかに
ひっそりと ひらく ひとみ
だれがしかけたのか
いつも わたしのなかにある
けがれをしらない ひかるひとみ
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