鳥葬
ハゲタカは
私を食べてくれない
知っているのだ
私の瞳は油でしめっている
口から人工的に赤い液体が滴っている
塵からできたものが塵にかえらない
それを現実としてしまった
私の体内に蓄積されたものを
ハゲタカは正確に拒否する
それは一つ一つ私が選択して
取り入れたものだ
たくさんの瞳が私を見ている
人間の瞳も鳥の瞳も同じだ
せめて体だけでも
消してしまいたかったのに
私の体は
再利用できない
プラスチックみたいに
拒否の渦の中に横たわり
霊魂が地中へ沈んでいく
これからは
私と同じような物体が
どろどろと転がることになるだろうか
天空で消滅できるのは
健全なものを受け入れた
人だけなのだ
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