喫茶店「けやき通り」

2003年1月

トップの頁へ
12月
2月





映画「レッド・ドラゴン」の試写会


トマス・ハリスの原作は、
「羊たちの沈黙」の翻訳が出た時に、続けて読みました。
もう何年も経っており細部は思い出せないものの、
幾つか印象に残っている場面がある程度です。
でも、それがショッキングシーンだったりネタバレ・シーンなんですよ〜(^^ゞ


まだ読まれていない方は、原作を読まずに見た方がいいでしょう。
なんといっても、サイコサスペンスですから、ね。


既に読んだ者としての感想です。
脚本・演出・カメラ等、奇を衒ったり、クセのあるものではありませんでした。
至極真っ当な製作と感じます。
この作品で、重要なモチーフとなったブレイクの作品を、
様々に大きく見られるのは、映画の方が本に勝っています。


映画ファンとして、キャスティングがうれしくて、
アンソニー・ホプキンス
ハーベイ・カイテル
エドワード・ノートン
レイフ・ファインズ
エミリー・ワトソン
に、見惚れての2時間余でした。
もう一方、新聞記者役の方も顔なじみ、
ですが名前を思い出せなくてごめんなさい。m(__)m


個人的には、本として印象深い作品です。
映画は、配役や目配せ・演出等で、暗示が出てしまうのがネックだな、
と見ながらもやはり思ってしまいました。
2003.1.28 記
頁のトップへ



巧みな映画&ミステリー


先週の週末、仕事を終え、隣町の映画館へ向かいました。
ムービックスという、映画館が10スクリーン集中してある施設の、
その中で一番大きい5番のスクリーンで、
「ギャングオブニューヨーク」というスコセッシ監督の最新作が上映されているからです。


スコセッシ監督は好きな監督ですが、
恥じを偲び、悲しみをこらえて申せば、
これまで一度もスクリーンで見たことがありません。
その日がそのスクリーンで見られる最後の日とあって、
一週間の疲れも何のその、向かう最中、気分は高揚の一途です。(笑)


映画館に入って、思わず歓声が出そうになりました。
大きなスクリーンが真正面に見られる!
昔の映画館は、殆ど見上げるばかりの客席ばかりで、
二階があれば、見下ろす形になってしまいます。
スクリーンが遠く感じられるのです。
2,3年前に、シネマクレールという映画館に丸の内館が出来ました。
ここへ通っているうちに、真正面から見えるスクリーンの近さに魅せられました。
こういう風に映画を見たかったと今更に思う。


「ギャングオブニューヨーク」は、監督の歳を思えば、
おそらく最後の大作になるでしょう。
見て、これは監督のライフワークだと一人勝手に納得しました。
こんな映画、そうそう見られるものではありません。
CGがどんどん進出してきた今、あえて手作りに撤した数えきれない製作者の意気込みが、
画面の隅々まで込められている仕上がりです。
見て良かったという思いを覗くと、
その中に、映画の魅力が幾重にも積み重なっている様がはっきりとあります。
長年に渡り幾作も傑作を作りつづけてきた監督が、
手中にしている映画表現の技を駆使し、製作しているのが、
私のような素人にも伝わってきたようです。


見終えて2日経っても、まだため息が出ている…(笑)


技の駆使と言えば、もう一つ、文章の方でご紹介したい作家がいます。
マイクル・コナリーというミステリー作家です。
ハリー・ボッシュシリーズを書き続け、最近8作目が翻訳刊行されました。
実は、今年になって読み始め、只今夢中になっているのです。(笑)


ジャーナリズム出身者の文章として、
私の少ない読書の範囲では、突出した作作りに成功しています。
主人公のキャラクターの、癖と言うか濃いさを押さえ気味にしながらも、
現代のアメリカ都市における犯罪を多面から捉え、
その展開を時間的にも空間的にも奥行きのあるステージで繰り広げる。
それも、見事なスピード感と、鮮やかな心象風景の描写とを添えながらです。


対象と文章とをマッチさせながら、自在な筆裁きを見せてくれるので、
読んでいて陶酔させられます。
間もなくこのシリーズの折り返し点になるところですが、
当分寝る間が惜しい日々が続きそう。
去年のダルジール&パスコーシリーズに次いで魅力ある傑作に出会えました。


私も飽きの来ない、いい文章を書き続けたいけれど、
才能の無さで、歯がゆい思いを噛みしめるばかり。
チャールズ・ラムが書いていたように、
ミルクの上澄み程相当、スプーン一杯ほどの才能しかないのですね。
(ラムに対抗し得ると言う意味ではけっしてありませんよ!(笑))
2003.1.26 記
頁のトップへ



「現代学生百人一首」 on 天声人語


先週の天声人語で紹介されていた「現代学生百人一首」からの引用句を読み、
幾つかの作品で言葉を失いました。


〈この部屋をあんたにあげると言う祖母の言葉の意味を解りたくない〉高2・吉倉朋子


〈絶対にアルバイト私休めない父のリストラ十七の秋〉高2・女子


〈大学に行きたい気持ち口にせず倉庫の奥でひたすら働く〉高3・佐久間慎太郎


傷つき易い思春期にこんな思いをせざるを得ない高校生達にかけられる言葉は、思いつきません。
生きていて良かったと思えるように、頑張って欲しいと、願うばかりです。


ドラマチックな人生よりも、静かで生きてるって感じられる人生の方がいいと、
あなたに伝えたいけれど、どうすれば伝わるのだろう?


〈留学生のわれに故郷の黄砂降る励ましくるるか遥か海越え〉高3・張民捷。
黄砂を見ながら、自分の故郷の更に西方にある、中国に憧れる私ですが、
自分の傍にこういう高校生がいるというところまで想像力が働きませんでした。(^^ゞ


〈定期券見せて改札通る時言葉にならぬ誇らしさ〉中2(夜間学級)永田トミ
この方、80歳だそうです。
この方のこれまでの人生はどんなものだったのだろう?
それはともかく、80歳にして誇らしい思いを持てるように、自分もありたいと思いました。


今の中学生高校生に関わる様々な事件にニュースで触れ、暗澹たる思いにさせられる事しばしばですが、
これらの作品を読ませていただき、まだまだ捨てたもんじゃないと思い直しました。
皆、精一杯生きてよ!
本当の人生に向き合っている全ての人、乾杯しましょう。


今日は、私を本当の人生に導いて下さった全ての女性に捧げる小文をupします。(笑)
2003.1.22 記
頁のトップへ


耳学問


某サイトの日記で、
先週の日曜日(1/12)、若草山の山焼きがあった事を知りました。
春を迎える行事が、始まっていますね♪
拙街近辺では、まだ先ですが、西大寺の会陽裸祭りが有名です。


そういう行事がなくとも、
一昨日の昼下がりの暖かさや、
勤め先の終業定時の空の明るさが増していることから、
季節が忘れずにめぐっている兆しが窺えて、
ちょっとうれしい。(笑)


土手の桜の芽吹きもまだまだだけど、
あの中でも春を迎える準備が始まっているのかもしれない。


あなたは、耳学問って聞いたことがありますか?
聞こえる人は特に意識してないかもしれませんが、
私には、こちら方面の知識が欠如している気がかりがあります。


本などのマスメディアでは、あまり出回っていない言葉や情報があります。
例えば、「プー太郎」。
見る情報では、「フリーター」をよく見かけますが、
巷で普段交わされる会話の中では、「プー太郎」の方がよく使われているのではないでしょうか?
「フリーター」の言葉は、よそ行きの雰囲気だけど、
「プー太郎」は、言葉にした人の感情がこもっているようです。


こんな話題になったのは、わが夫婦共々、警察方面へ出向いたから。(笑)
カミさんは、免許の書き換えです。
手続きでの写真が、署の方では入用なのに、センターの方では不要の由。
言われてよくよく見れば、通知の葉書に小さく書いてありました。
それから、講習で知ったことをあれこれ聞いている内に、
話す方も聞く方も、我等聴覚障害者は、こういうのに飢えてんだなぁ〜と、
しみじみ思いました。


それから、交通違反にまつわるいろいろな話も、
あらたまって知るより、人の雑談から知る事が多いでしょう?
実は、私、年末に一時停止を怠った廉で捕まりました。(笑)
その罰則金を忙しさにかまけて期限切れにしてしまう。
年が明けて払おうとして、気付いたのです。
警察署へ出向いて聞くと、
追って通知が行くとの事、割増になって…。
「これが度重なると収監されるよ」って!
そこまで聞いてない!って!!(笑)
でも、教えてくれてありがとね♪
話のネタにはなる。
割増か〜、高くついた授業料だな…。(T_T)


もし、何か耳学問領域の事がありましたら、
伝言板の方にでも書き込んで教えてください。m(__)m


あっ、駐車禁止でレッカー車に持って行かれたら、
その代金も取られるというのは、既に経験済みです。(^^ゞ
そこまで、お互いに恥さらしはしないでいいですよぉ〜(笑)



今日のupは
西区のスクランブル交差点運動公園とです。

2003.1.19 記
頁のトップへ


テレビドラマ


月曜日の夜8時から、
「F・B・EYE!!相棒犬リーと女性捜査官スーの感動!事件簿」
という米TVドラマが放送されています。


聴覚障害を持つ女性が、聴導犬と一緒にFBIの捜査活動に加わって活躍する刑事モノ。
聞こえないが為に長けている読唇術で捜査に貢献しています。
ストーリーの合間に、聞こえないことがどういうことかを説明するような挿話を挟みながら、話が進行する。
聴覚障害に対する理解を進めるドラマ、ですね。
ちょっと、ガッカリ…。
説明みたいなところはもっと、こなれた感じで自然な台詞やしぐさに落とし込んで欲しいというのが、見ての第一印象でした。


13日の回で、私の心に残ったのは、
「必要とされていない痛み」というフレーズと、
お菓子屋さんでの比喩とです。


小中学生だった頃、難聴学級の一員でした。
幾つかの授業と校内行事とで普通学級の人たちと一緒に過ごすのですが、
気後れし、人の後についていくだけ。
そんなもんだと思っていた。


でも、何度かそうでない時がありました。
クラブ活動の時や、プールの大掃除の時など、
何かの拍子に要のポジションに居合わせてしまい、
皆の前で先生から大声でそのままそこを頼むと言われる。
恥ずかしいけど、とてもうれしく誇らしい気分になった。(笑)


高校生になったら、難聴学級の枠は無し。
一つのクラス、40数人の一人に成れた気分も思い出した。


聞こえない事で浮いてしまうのは、
多くの聴覚障害者が家族の中でも感じてしまう。
難聴者の中でも、特に聞こえの悪い人も感じてしまう。
聞こえない人と、聞こえる人とがそれぞれに,
気遣ったり、積極的に働きかけたりして、皆が仲間でいられたらいい。


急ぐのが一番禁物かな?
イライラしたり、端折ったりして、
コミュニケーションはますますうまくいかなくなる。


さて、ドラマのお話に戻って、(^^ゞ
人気シリーズ「ダークエンジェル」のシーズン間を埋める感じだし、
比べて、キャスティングの華やかさや演出のけれんみで、見劣りするし、
う〜ん、ちょっと癪、というか、気の毒というか、残念というか…。
放送局のサイトを見ると、無視同然の扱いで、驚きました。


このドラマの直ぐ後に、NHKで、
「野沢尚サスペンス 緋色の記憶・美しき愛の秘密」を、見る。
鈴木京香さん、市原隼人君を始め、すてきなキャスティングです。
そして、原作が世評名高いミステリー作品で、
スッタフが、玄人としての腕を振るっています。
こういうしっかりした上質な作品を見るのは、久しぶり。


息子にCDレンタルを頼まれて借りた序でに見回すと、
TVドラマ「恋ノチカラ1」があって、即借り出す。(笑)
(これ目当てに行った時はなかなか無かった…)
自分の中にあるテーマと響き合って、好きな俳優さんの出る作品は本当に少ない。
夫々の年頃の自分を振り返り、あの頃は本当のところどうだったんだろう?
そんな事を思いながら、不器用だけど精一杯生きていくキャラクターに感情移入する。
25の頃、30の頃、…の頃のそれぞれを、思い出しても、意外におぼろ。
自分でも良くやったな!と思う反面、又違った選択もあったなと思ってしまう。
甘い想い出、苦い想い出、いろいろ掌に乗せてみる。
あ〜、なんてセンチメンタル!
寒くて何も出来やしないから、
本を読む合間はこうやってぼんやり過ごすのもいいんじゃない?(^_-)

2003.1.15 記
頁のトップへ


ダーク・ウインター


先週の前半、
厳寒で、連日一日中震えが止まらず、
更に、シネコンの雑踏で貰ったらしい風邪の為、
猶一層、大変な目にあいました。


立っているのがやっとの状態で仕事をした後、
帰宅すれば、布団の中へまっしぐらです。
寒くて目が覚めても、立てばフラフラなのは分かりきっているので、
ただ辛抱して、回復あるのを待つのみでした。
冬眠をする極北の小動物の様に、
ただ、時の経つのを待つしかありません。


どうぞ、お風邪を召されぬよう、お気をつけてください!


体調を崩すと、シネマクレールのスケジュールがやけに早く回りだす。
何とか気張って見たら、秀作で、良かった…。(笑)
「ダーク・ブルー」の感想をどうぞ。
2003.1.12 記
頁のトップへ



Good Luck!


正月気分の覚めるのが、年々早まっているようで、
ちょっと、さみしいものがあります。
私が子どもの頃は、15日くらいまであったような…。(笑)


この正月休み、いかがお過ごしでしたでしょうか?
私は、映画を二本見ました。
劇場で、「ハリーポッター 秘密の部屋」を、
テレビで、「ホワイトアウト」を見ました。
どちらも、既に原作を読んだ後の鑑賞となりましたが、
この二作に限って言えば、
どちらも原作を立て過ぎて、メリハリが足らないように見受けられました。
「ハリーポッター 秘密の部屋」は、
一目惚れしたハーマイオニーちゃんが固まったところから、寝てしまった。(笑)


よく原作と映画作品とを比べますよね。
ヤフーにもそういう掲示板があって、私好きでよく覗きます。
原作にも、映画向きとそうでないのとがあると、つくづく思う。
うまい具合に…?
君塚良一さんの「脚本(シナリオ)通りにはいかない!」を読み終えたばかり。
この本の大部分は、脚本家による映画評です。
既に見終えていた作品で教えられる事が多く、
とりわけ原作からの脚色について、目から鱗が落ちるくらいの驚きを覚えました。
X章に注目!
「ビューティフルマインド」について書かれていたことが、大変象徴的です。
この本を読み終えた今となっては、
いい作品が生まれる事の幸運を、以前より深く信じます。


幸運に恵まれたいい作品…というので、
ちょっと難しい例に最近出くわしました。
「太陽の雫」という作品です。
ネット上の書き込みで、
この作品で語られている言語が、ハンガリー語でない事に言及したものがありました。
私が、若ければ、全く同感の意見です。


物を作る仕事を25年以上した来た経験や、
社会人として仕事をする事の難しさを経た今となっては、
そのような事に言及する気にはなれません。


出資者の立場から、観客の事を思えば、なによりいい画面と、英語の台詞とが欠かせない。
外国では、日本での字幕と違って、吹替えが多いと何かで読んだ事があります。
それから、あの俳優陣!ハンガリー語を喋る人たちで匹敵できる陣容を揃えれるでしょうか?
巧さと知名度、そうして親近感を持たせる持ち味の安定感。
リスクを侵すにはちょっと金額が半端ではないでしょう。
その点で、「ビヨンドサイレンス」を思い出しました。
その映画では、舞台がドイツであるにも関わらず、
主演級の二人の両親役はアメリカ人とフランス人とでした。
監督さんのインタビュー記事をキネマ旬報で読んだ覚えがあります。
それぞれの国における、聴覚障害者を取り巻く状況が影響している…。


世には、白黒がつけられない事が多く、
よって、ベストは成り難く、ベターで妥協することが多い。
「チボー家の人々」を読んでから、学び始めたことです。


昨年、地元の全国高校サッカー選手権地区予選であった、
誤審をめぐる高校生と学校との対応の違いを、新聞で再確認し、
それぞれの立場がわかるだけに、読んでつらい気持ちになりました。


さあ、新しい一年が始まりました。
いい事ばかりじゃないことはわかっていても、あなたにこう言いたい。
Good Luck!



最後になりましたが、
今日のupは、西の方の運動公園になります。
2003.1.5 記
頁のトップへ



新年の初日


新年明けましておめでとうございます。


昨年は、一昨年に増して大勢の方に来ていただき、
ありがとうございました。
本年も変わらずご贔屓の程よろしくお願いします。


昨年は、不景気が相変わらず続いて、
馬の様に駆け去りたい年とも言えましたが、
今年は、羊。


迷える羊…、否、新年早々それは無いですよね。
あくせくしないで、のんびり構えれたらいい…?
そうは言えない人も大勢いますので、こう考えましょうか。


羊に衣装を着せたり、用具を乗せたのをご覧になったこと無いでしょう?
そう、無駄を排し、自らの身一つのみで、自然に立ち向かいましょう。
その身からウールが出来る。質素だけど豊かな恵みです。
日々の暮らしに、そういう恵みを見出しながら、
この薄ら寒い世を共に、少しでも心温かくして、
さあ、いざ、参りましょう。


新年挨拶の手土産に、映画の感想を三つ!
昨年既にupしていた「太陽の雫」に「余録」を付け足しました。
それから、「8人の女たち」の感想。
そうして、ビデオで見た「遠い空の向こうに」の感想。
2003.1.1 記
頁のトップへ