以下のコンテンツはトラペゾヘドロン様による、"The Creature Companion" (Chaosium Inc. 1998)に掲載されているモンスター・データの翻訳です。ありがとうございました。


KEEPER OF THE MOON-LENS:
ムーンレンズの番人、シュブ=ニグラスの化身

――ラムジー・キャンベル 『ムーンレンズ』

 ◆ムーンレンズの番人は、闇の聖母シュブ=ニグラスの化身のひとつで、この怪物はゴーツウッド地域の地下に拡がる領域に棲んでいます。

 ムーンレンズの番人は、英国ゴーツウッドの人々によって崇拝されていて、シュブ=ニグラス信仰と関連しています。この巨大生物は、どこか他の地方でも同様に崇拝されているかもしれません。

 50フィート以上の高さの鉄塔に配置された、周囲を鏡に囲まれた巨大な凸レンズとして知られる、ムーンレンズという外宇宙の装置を月光が透過したときのみ、番人は外界にやってきます。月光がムーンレンズを透過し、ある特定の丘陵の斜面上へ達すると、大きな石の平板が横滑りし、番人は信者たちの召喚に応じることができるのです。

 この化身は奉納された生贄を受け入れ、呑み込むと、生贄を透明なゼラチン状の頭部に捕まえます。その後、生贄が奇妙な肉体的変化を受け、化身として「誕生」する場である、暗い地下の棲みかへと引き返します。このように捕らわれた犠牲者は皆、シュブ=ニグラスの儀式に駆り出され、再び地上で見られることは滅多にありません。番人から放され、肉体的な変化の始まった者は、「シュブ=ニグラスに祝福されしもの」と呼ばれます。

 ムーンレンズの番人は、その嘴か、厄介な巨体の下に犠牲者を踏みつぶすかして攻撃できます。

ムーンレンズの番人、丘の豊穣の母

STR 55CON 135SIZ 95INT 21POW 70DEX 16
移動 12耐久力 115

ダメージ・ボーナス:+8D6
武器:嘴 90%、ダメージ 1D10か呑み込み
押し潰し 75%、ダメージ 1D6+6D6
装甲:なし。しかし番人は、通常のあらゆる武器からは1ポイント――貫通の際は2ポイント――しかダメージを受けません。火、電気、魔術は、通常のダメージを与えます。また番人は1ラウンドあたり1D10ポイントの耐久力を再生します。
呪文:外なる神を招来する全ての呪文、自然や元素の力と関係している呪文、更にはキーパーの望む他の呪文も使えます。
正気度喪失:ムーンレンズの番人を見て失う正気度ポイントは、1D10/1D100です。


註:このデータを訳されたトラペゾヘドロン様の御指摘によれば、「ムーンレンズの番人」の各数値の中で、「武器」の項目の「押し潰し」のダメージ値には少し疑問があるという事です。原文においては1D6+6D6とされており、トラペゾヘドロン様の訳もここに掲載したデータもそれに倣っていますが、「番人」のダメージ・ボーナス値が+8D6とされている事を考えると「押し潰し」のダメージ値も本当は1D6+8D6である可能性が高い様なのです。トラペゾヘドロン様自身はゲームにおいて使用する際には後者の1D6+8D6の値を採る事を考えておられます。

“クトゥルフの呼び声”日本語版のルールブックに記述されている、神話怪物による「押し潰し」あるいは「踏みつけ」系の攻撃のダメージ値とその怪物のダメージ・ボーナス(db)値との比較表を以下に載せておきます。概して、神性のように能力値が固定されているものについてはダメージ・ボーナス値がそのまま「押し潰し」ダメージ値になっている様です。「番人」とダメージの算出式が同じものはガグですが。まぁ探索者にとってはどの道、「大阪風お好み焼き」の様にペチャンコになるかそれとも「広島風お好み焼き」の様にペチャンコになるかの違いでしかないような気もしますね。御愁傷様です(笑)

神話怪物 (平均)ダメージ・ボーナス値 押し潰し/踏みつけダメージ値
シュブ=ニグラス +11D6 +db*
アイホート +5D6 5D6
アトゥ +15D6 12D6
ガグ (+5D6) (1D6+db)
クトーニアン (+5D6又は6D6) (5D6又は6D6+db)
黒い仔山羊 (+4D6) (2D6+db)
シュド・メル +12D6 12D6

* 旧版(ボックス版)ルールブックにおいてはシュブ=ニグラスの押し潰しダメージ値は「11D6」とされているので、この「+」は誤植であると思われる(トラペゾヘドロン様の情報)。


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