祈りから戻ってみると、弟子たちは……眠ってました。(爆) イエスが「起きてなさい」と言ったにもかかわらず。
No.24 MIDI (2.8KB、1分37秒)
イエスは弟子たちの所に戻り、彼らが眠っているのを見て言われた。
一時すらも私と一緒に目を覚ましていられないのか? 目を覚まして祈りなさい、誘惑に陥らないように! 霊魂は熱心でも、肉体が弱いのだ。
再び出て行き、祈って言われた。
我が父よ、この杯、もし私が飲むまで過ぎ去らないのなら、私は飲みましょう。それであなたの御心が成就しますように。
イエスの決心を応援するようなコラールです。歌詞を一言で言っちゃうと「信じる者は救われる」ですね。
No.25 MIDI (16.3KB、1分14秒)
私の神の望まれるものは、常に成就されますよう、
その御心こそ、最善のもの。
神は助けを惜しまれない、
神を堅く信じる者には。
苦難から救い出して下さる、慈しみ深い神は、
また情け深く懲らしめても下さる。
神を信仰し、神に堅く礎を据える者を、
神はお見捨てにはならない。
2度目、さらに3度目の祈りから戻っても、弟子たちはまだ眠り続けてます。(^^;)
No.26 MIDI (5.5KB、2分51秒)
イエスはまた戻ってきて弟子たちが眠っているのを見つけた。彼らの目は眠気に重く閉じられていた。
イエスは彼らを残してもう一度出て行き、三たび祈って、同じ言葉を語った。
そして弟子たちの所に戻って彼らに言われた。
ああ、お前たちはまだ眠って休みたいのか? 見なさい、時が来た。人の子は罪人らの手に渡されるのだ。
起きなさい、行こう。見なさい、私を売る者があそこにいる。
ここからNo.26の後半です。とうとうユダが手引きを実行して、イエスが捕らえられてしまいます。
ユダの意図を知っていながらイエスが言う「なぜ来たのだ?」には、「ついにやってしまったのか」といった悲しみのニュアンスが含まれてますね。
そしてイエスが話しているうちに、見よ、十二弟子の一人、ユダが来た。これに従えるのは、大祭司たちや民の長老たちから遣わされた大勢の者、みんな剣と棒を持っていた。
裏切り者はあらかじめ合図を決めて彼らにこう言っておいた。「私が口づけする人、その人がそうだ、捕まえてくれ」
そしてすぐにイエスに近付いて言った。
ごきげんよう、ラビ(先生)!
そしてイエスに口づけをした。
しかしイエスはユダに言われた。
友よ、なぜ来たのだ?
この時人々が近寄り、イエスに手をかけて捕らえた。
いよいよ第1部のヤマです。「マタイ」でも特に劇的な音楽で、アリアに通奏低音がないのが特徴です。
イエス捕縛を受けて二重唱が嘆きのアリアを歌い、その間に第2合唱が3回「放せ、やめろ、縛るな!」と入ってきます。
後半の合唱の歌詞は過激な言葉が満載で、理不尽な行為に対する怒りが込められてます。
No.27 MIDI (60.1KB、5分13秒)
こうして私のイエスは今捕らえられた。
月も光も苦痛に沈んだ、
私のイエスが捕らえられたのだから。
彼らはイエスを引いて行く。
イエスは縄につながれた。
放せ、やめろ、縛るな!
稲妻、雷は雲の中に消えたのか?
業火の淵を開け、おお地獄よ、
打ち砕け、滅ぼせ、呑み尽くせ、踏みしだけ、
激しい怒りを込めて
この不実な裏切り者、人殺しの血を!
その気になったら回避も出来るのに、聖書の預言に従おうとして抵抗しないイエス。弟子たちはそんな彼を置いて逃げ去ってしまいます。それはNo.14でイエスが預言した「みんな私につまずくだろう」が現実になった瞬間でした。
No.28 MIDI (4.9KB、3分04秒)
すると見よ、イエスと一緒にいた者の一人、手を伸ばし剣を抜いて大祭司の下僕に切りつけ、片耳を削ぎ落とした。
イエスは言われた。
剣を元に収めなさい。剣を取る者は、剣で滅びるからだ。
それともお前は、私が父に頼めないとでも思うのか、十二軍団を超える天使を遣わすことを?
だがそれなら聖書の言葉はどう成就されるのか? その通りにならなければいけないのだ。
この時に至って、イエスは群集に言った。
あなたたちは人殺しに向かうように、剣と棒を持ち、私を捕らえに来た。
私は日々あなたたちのそばに座り、神殿で教えていたが、あなたたちは私を捕らえなかった。
しかし起こった事すべては、預言者たちの記した言葉が成就されるためだ。
すると弟子たちはみなイエスを捨てて逃げ去った。