聖書のお話再開です。弟子たちはみんな逃げ出した……と思ってたら、ペテロがこっそりあとをつけてますよ。
No.31 MIDI (2.6KB、1分14秒)
イエスを捕らえた者たちは、彼を大祭司カヤパのもとに連れて行った。そこには律法学者や民の長老たちが集まっていた。
ペテロは遠くからイエスの後に大祭司の屋敷までついて行き、中に入ると、成り行きを見届けるために下僕たちに紛れ込んで座った。
大祭司たちと長老たちと全議会はイエスを死刑にするため、偽りの証拠を求めたが、何も見つからなかった。
一聴して歌詞に反する明るい曲ですね。「嘘」、「偽り」などのキーワードに付いた不協和音を際立たせるために、わざと安定した長調にしてます。
No.32 MIDI (12.0KB、0分54秒)
世の中は私を欺いた。
嘘と作りごとによる、
多くの網と密かな罠をもって。
主よ、この危険の中で私を顧み、
不実な企みから私を守って下さい。
証人たちが歌う部分はオクターヴのカノンになってます。ただし、偽証である事を表すため、後発のテノールが最初アルトと同じ高さで歌ってから慌てて本来のオクターヴ下に戻したり、一つだけ半音ずれてたりと、なかなか面白い作曲をしてますよ♪ 最後はつじつまを合わせるように普通の二重唱になります。
この証言にある「神殿」はイエス自身の事で、本当は復活の預言なんですね。でも周りの人々は言葉通りに受け取ってます。
No.33 MIDI (6.4KB、1分17秒)
そこで多くの偽証人が出てきたが、やはり何も見つからなかった。
最後に、二人の偽証人が進み出て言った。
この男は言いました、「自分は神殿を打ち壊して三日で建て直すことが出来る」と。
すると大祭司は立ち上がってイエスに言った。
お前はこの者たちの不利な証言に対して、何も答えないのか?
しかしイエスは黙っていた。
オーボエの和音が印象的ですけど、間の休符が「沈黙」を表しているそうです。
No.34 MIDI (2.7KB、1分07秒)
私のイエスは嘘に対して沈黙されている。
それは私たちに次のことを示されるためだ。
憐れみに満ちたその御心が私たちのために苦しみを受けた事、
そして私たちも同じ苦しみの時にイエスにならって迫害の中でも黙っているべき事を。
前曲の「沈黙」に続いて、こちらは「忍耐」です。何だかどっちも「泣き寝入りしなさい」ってメッセージに聞こえますよねぇ。(苦笑)
通奏低音だけによる伴奏は、リズムが2種類しかなくて単純。逆に歌のメロディーは複雑で、とっても歌いにくそうです。
……音符で明示されてない通奏低音の和声は、てきとーに入ってます。(笑)
No.35 MIDI (22.4KB、3分41秒)
耐えよ、耐えよ、
偽りの舌が私を刺すのなら!
私が身に覚えのない
侮辱や嘲りを受けようとも、
よし、その時は愛する神が
私の心の無実に報いて下さる。