ブルーインパルス飛来 熊谷

例年、桜が満開の会場も午後になると更に人出が増す。スピーカーから
軽快な音楽が流れると、西の空からジエットエンジンの爆音とともに6個
の光が急速に近づいてくる。ダイヤモンド編隊のT4ジェット練習機が白い
スモークを噴射しながら会場上空をスルーすると、歓声と拍手に包まれる。

 埼玉県北部の熊谷市郊外に航空自衛隊の第4術科学校があり、自衛官
の通信、気象観測教育を行っている。航空自衛隊の施設でありながらも
滑走路もなく狭い敷地だが、ブルーインパルスのフアンにとっては熊谷の
第4術科学校は有名だ。なぜなら、世界に誇る航空自衛隊曲芸飛行隊で
あるブルーインパルスの年度始まりは「熊谷基地桜祭り」がスタートだから
だ。
 松島基地(ブルーの本拠地)での事故、アフガニスタンでの戦闘の影響で
しばらくブルーインパルスの活躍も休止しているが、今年は百里、入間、三沢、
小松・・・・と日本中の航空際で大活躍してもらいたいな。

 現在では敷地が縮小されてしまった熊谷基地には戦前、陸軍航空士官学校
があった。多くの陸軍名パイロットを生み、戦争末期には近くの中島飛行機
太田工場へのB29爆撃に対し防空戦を続け、そして、多くの教官、卒業生が
鹿児島の知覧へ移り沖縄戦出撃をしたらしい。基地の片隅に資料館があり
熊谷基地の歴史を伝えている。
 基地のグランド周辺、かつての飛行場エプロンの辺の桜は満開で救難飛行
隊の展示ヘリコプターとレジャーマットの上でお弁当を食べる家族ずれが平和
な光景だった。かつて桜の花は、鎮魂のために城跡、神社仏閣、墓地などに
植えたらしい。「桜の樹の下には屍が埋まっている」と表現した作家もいた。
満開の桜が春の風に揺れていた・・・・・。

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かつて飛行機の町(太田)
開門岳と知覧
中央高速 調布辺りにて
成増航空隊(練馬区光が丘)

航空自衛隊草創期の主力戦闘機
F86Fが基地内に保存。アメリカ空
軍からのライセンス生産で、朝鮮
戦争でも活躍した名機。
 初代ブルーインパルスでも「86
ブルー」と呼ばれ活躍。

現在のT4ブルーインパルス

埼玉県熊谷市

日本三景 松島

熊谷は埼玉県北部の中心都市であり、
上越新幹線、JR高崎線、国道17号が
走り交通の要衝だ。
 熊谷と聞くと、昭和50年代に「人間の
証明」「野性の証明」などで一世を風靡
した作家の森村誠一や経団連、大阪
万博などで名前を残す実業家の石坂
泰三が出ている。
 ちなみに、明治経済界のドンである
渋沢栄一は隣町の深谷の出であり、利根
川、荒川流域から興味深い人物が多い。


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