京都の日本海側は丹後地方と呼ばれる。古都京都とまったく違う風情の
町が多く、日本三景天橋立などの観光地もある。
「舞鶴」とてもいい響きの地名だ。日本海の港町で、1901年に海軍の
軍港が置かれてから現在でも基地の町としての色彩が濃い。海軍時代に
倉庫として使われていた明治末から大正期の赤レンガ倉庫が多く残る。
100年の風雨に耐えた赤レンガには味があり、煉瓦の一つ一つを眺めて
いると舞鶴の歴史が語りかけてくるようだ。
横浜新港の赤レンガのような凝った建築ではなく、耐久性に重点を置か
れシンプルに存在している。東京駅、横浜開港記念館・・・・と赤レンガの
建築はいいですね。思わずデジ・カメを構えてしまう。そして、小樽、函館、
下関、門司と港と倉庫のコントラストは絵になる・・・・・・。
舞鶴は日露戦争直前に海軍鎮守府が置かれ、強敵ロシアに対峙する
海軍の主要基地になった。初代の鎮守府長官は東郷平八郎で、連合艦隊
長官に異動する直前まで舞鶴に暮らした。鎮守府長官公邸であった日本
家屋も、通称「東郷邸」として現存。
家庭料理の定番、肉ジャガが舞鶴発祥である話は有名だ。東郷長官が
イギリス留学時代に好物だった、ビーフシチューを日本風にアレンジしたら
しい。東郷さんは、軍人としても料理人としても一級だったのか。
20年以上前に「岸壁の母」という流行歌とドラマが戦中派の涙を誘って
いた。舞台は舞鶴で、戦後は満州、シベリアからの引揚げ船が多く入港し
た。引揚げ船の記念館もあり、是非、見学してついこの前の歴史を知りま
しょう。
東郷元帥も住んだ、旧鎮守府長官邸
舞鶴は海上自衛隊の主要基地の一つ
舞鶴市民の1割が自衛隊関係者
だとか。
由緒正しき平屋の和風建築が、静岡県
沼津の御用邸を思い出させる。
赤れんが博物館
明治36年(1903)に旧舞鶴海軍兵器廠
魚形水雷庫として建設された赤れんが建築。
世界、日本の赤れんがの歴史、種類などを
興味深く見学できる。
雪国の厳しさを物語る特殊車両。