=━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ English Grammar and Usage ━━━ ┛┛ ┛┛ 英語の文法と語法 No.218 20141121 Chick Tack ┛┛ ………………………… …………… ……………… …………… ┛┛ http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/index.html ┛┛┛ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ● 第218号 ● ……………… Contents 冠詞−16 ……………… (1)the east of Japan と eastern Japan (2)the with oceans, seas, rivers, canals and deserts (3)be all ears ……………………………………………………………………………………………… (1)the east of Japan と eastern Japan ……………………………………………………… 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ・「東日本」という表現はいろいろある。 1.the east of Japan・・・方角がメインで the が付く 2.eastern Japan・・・固有名詞がメインで無冠詞 3.East Japan・・・固有名詞の一部・主に形容詞的な利用 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 (a) You shall go to a place I have in the south of France: a whitewashed villa on the shores of the Mediterranean. (“Jane Eyre”by Charlotte Bronte) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer02.html#eyre 「私が所有しているフランス南部の場所にあなたを行かせるようにしよう。 地中海に面した海岸に漆喰(しっくい)塗りの別荘がある」 shall は、話し手の意思が示され、軽い約束から予言まで広い範囲で使われ る。 the south of France は、south という方角・地域が文法上中心になってい るので〔定冠詞〕the が置かれている。 (b) Japan is (to the) east of China.「日本は中国の東方にある」 (小西友七・南出康世編集『ジーニアス英和辞典第4版』大修館) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#gej 日本は中国の一部ではないので、本来ならば to the east of China だが、 to the 部分を〔省略〕して使う場合もある。east を〔副詞〕として利用し ていると考えることもできる。 (c) I was born in the East, but now live in San Francisco. (“Oxford ADVANCED LEARNER'S Dictionary 8th edition”) (“Oxford ADVANCED AMERICAN Dictionary: For Learners of English”) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english01.html#oald 「私は東部で生まれた。でも今はサンフランシスコに住んでいる」 the East は、(c)ではアメリカ合衆国の「東部」を指している。話している 状況により特定の地域を指すことがある。「東洋」や「東側諸国(旧共産 圏)」という意味になることもある。 the Far East で「極東(地域)」、the Middle East で「中東(地域)」 と使うこともある。 (d) Spidermonkey Island is a FLOATING island. It moves around all over the place--usually somewhere near southern South America. (“The Voyages of Doctor Dolittle” by Hugh Lofting) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer04.html#dolit 「スパイダーモンキー島は、漂流島なの。それはあらゆる場所を周って移 動しているのよ。たいていは、南アメリカの南部の近くのどこかをね」 southern や western は〔形容詞〕なので、後ろの〔地名固有名詞〕をみて 〔冠詞〕は用いないのが原則。 Southern California のように〔固有名詞〕化して大文字で始めて使われる ことも多い。 (e) It was under the auspices of their West India Company,.... (“History of the United States”by Charles Beard and Mary Beard) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer03.html#hus 「それは彼らの西インド会社の保護の下にあった」 一般的な利用で North California とすることはなく、通常 Northern California と使うのだが、会社名やホテル・大学名の一部として前者が使 われることはある。 (e)も会社・組織の名前の一部である。日本でも East Japan Railway Company「JR東日本」や (the) Great East Japan Earthquake (Disaster) 「東日本大震災」と何かの〔固有名詞〕の一部として使われる例がある。 (f) No doubt the two were sending an indirect but unquestionably clear message to Prime Minister Shinzo Abe by laying flowers at the Chidorigafuchi cemetery: don't go to Yasukuni Shrine and stir up war-related anger in East Asia. (“Abe's visit to Yasukuni to further incite hard-liners in China, South Korea”by Reiji Yoshida: Staff Writer of The Japan Times Dec 26, 2013) 「千鳥ヶ淵戦没者墓苑に花を捧げたことにより、確かに間接的ではあるのだ が2人は疑いなくはっきりと安倍首相にメッセージを送っていた。靖国神 社には行くな。東アジアの戦争に関した怒りを喚起するな、と」 East Asia「東アジア」、East Anglia「東アングリア」などは、それでもう 〔固有名詞〕となっている。 「東南アジア」も Southeast Asia や Southeastern Asia と表記が分かれ る。 “no doubt...but”で「確かに……だが」←「……は疑いない。しかし」。 ……………………………………………………………………………………………… (2)the with oceans, seas, rivers, canals and deserts ………………………………………………………………………… 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ・「大洋」「海」「河川」「海峡」「砂漠」の固有名詞の前 には the を置く。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 (a) In the year 1820 the ship Essex, Captain Pollard, of Nantucket, was cruising in the Pacific Ocean. (“Moby Dick; or The Whale”by Herman Melville) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer04.html#dick 「1820年、ナンタケットのポラード船長操舵のエセックス号は、太平洋を 巡航していた」 the Atlantic (Ocean)「大西洋」、the Indian Ocean「インド洋」とともに 大洋名には the を付ける。 (b) Weather over the North Atlantic is largely determined by large-scale wind currents and air masses emanating from North America. (Encyclopeadia Britannica) http://global.britannica.com/EBchecked/topic/418972/North-Atlantic-Ocean 「北大西洋上の天気は、主に北アメリカからやってくる大規模な気流と気団 の影響を受ける」 the North Atlantic「北大西洋」や the southwestern Pacific Ocean 「南西太平洋」というような表現も見られる。 (c) Sado is situated in the Japan sea, off the northwest coast of the Main island.(“Japan” by David Murray) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/201-220/egu218.html#link 「佐渡は、本州の北西岸から離れた日本海の中に位置している」 the Caribbean Sea「カリブ海」、the Mediterranean Sea「地中海」など、 「海」と名の付く場所も、文中では the を用いて使う。 「日本」の古名の一つに「八島(やしま)」や「大八洲(おおやしま)」と いうものがある。『古事記』では、本州・九州・四国・淡路・佐渡・対馬・ 隠岐・壱岐の八つの島からできているからだと説明している。『君が代』の 「八千代(やちよ)」と同じように、「八」は数が多いことのたとえで、 「島の数が多いこと」をただ漠然と言っているとする説もある。 (d) France and Britain are separated by the Channel. (×)France and Britain are separated by Channel. (“English Grammar in Use 3rd edition”Raymond Murphy) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english02.html#egu 「フランスとブリテン島[イギリス]は海峡で隔てられている」 the Channel は一般的な「海峡」を指しているのではなく、「イギリス海峡」 という固有名称。ヨーロッパ大陸とグレートブリテン島との間の比較的広い 海域を指している。 the Strait of Dover「ドーバー海峡」(フランス語では le Pas de Calais「カレー海峡」)は、the Channel の一番狭くなっている部分、また は the Channel と the North Sea「北海」の境界部分。 一般に strait「海峡」は channel よりも狭い。the Bering Strait「ベー リング海峡」もその例。ただ、対馬海峡のように channel が2つ合わさっ て、1つのstrait になっているなど例外もある。 Channel の方は、the Mozambique Channel「モザンビーク海峡」など。 the Panama Canal「パナマ運河」、the Suez Canal「スエズ運河」なども the を使う。 (e) Arnulf, therefore, dwelt in the country eastward of the Rhine. (“The Anglo-Saxon Chronicle”translated by James Henry Ingram) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/201-220/egu218.html#link 「そのため、アルヌルフ (東フランク王)は、ライン川の東の方角の国 に住んだ」 「河川」の名前も the を付ける。 (f) In the Rhine River there lived three beautiful maidens. (“Opera Stories from Wagner”by Florence Akin) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer03.html#wagner 「ライン川には、3人の美しい乙女が住んでいた」 こちらは省略せずに River を続けている。 「湖」は例外だが、「水」に関係するところは the を付けるものが多い。 ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ (g) Peter Haeberlin went deep into the Sahara, further than I ever went with Brion.(英書き言葉文) (“Collins コウビルド英英辞典 改訂第5版”トムソンコーポレーション) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english01.html#cobuild 「Peter Haeberlin は、サハラ砂漠の奥深くまで入った。私がかつて Brion と共に行ったときよりもはるかに奥まで」 「砂漠」名も the をつける。 (h) The Gobi is one of the largest deserts in the world. It is partly in northern China and partly in Mongolia. (“LONGMAN Dictionary of Contemporary English 4th edition”一部改) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english01.html#ldoce 「ゴビ砂漠は世界で最も広大な砂漠の一つだ。一部は中国北部にあり、 一部はモンゴルにある」 最大は(g)の「サハラ」。 「サハラ」や「ゴビ」は Desert を補わなくても砂漠と認識できる。 Ocean, Sea, River, Desert は、紛らわしくないとき、省略されることも多 い。 the Great Salt Lake Desert「グレート・ソルトレイク砂漠」は Desert をつけないと、「湖」と間違えられる。 The Great Salt Lake「グレート・ソルト湖」は Lake Great Salt とは言わ ないようだ。 (i) The Korean peninsula, known in Chinese records as Han, appears in the form of three kingdoms at the earliest date of its historical mention: they were Sin-Han and Pyon-Han on the east and Ma-Han on the West.(“A History of the Japanese People”by Frank Brinkley and Dairoku Kikuchi) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/201-220/egu218.html#link 「朝鮮半島は、中国の記録では韓として知られているのですが、その歴史 記述の最も早い時期には3つの王国を形成した状態で登場します。その 3国は辰韓と弁韓が東にあり、馬韓が西にある形でした」 「半島」も the が付く。 ……………………………………………………………………………………………… (3)be all ears ……………………… 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ・be all ears「熱心に聴く」「細大漏らさず聴こうとする」 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 (a) Go on, tell me what happened ― I'm all ears. (“Oxford IDIOMS Dictionary for learners of English”OUP) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#oidle 「続けて。何が起こったのか私に教えてよ。ちゃんと聴いてるから」 主語の全身が、これ全て両耳になっている状態。いや、もっと付いているの かも。 I'm all ears. や We're all ears. になると、「もう待ちきれない。ぜひ 教えてよ」という感じになる。 (b) The boys chatted gaily while they dressed. Philip was all ears. (“Of Human Bondage” by W. Somerset Maugham) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer03.html#bondage 「少年たちは服を着ている間、陽気におしゃべりをした。フィリップは熱 心に聴いていた」 18世紀遅くに現れた表現。all eyes は16世紀中ごろから。 (c) You said you had something important to tell me. I'm all ears! (“Scholastic Dictionary of Idioms”Marvin Terban) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/words100/referw01.html#sdi 「あなたは、私に何か言わなければならない大切なことがあると言ってた よね。ちゃんと聴きますよ」 ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ イディオムとは関係ないけれど、耳だけお経を書くのを忘れたのは『耳なし 芳一』。 "Poor, poor Hoichi!" the priest exclaimed,--"all my fault!--my very grievous fault!... Everywhere upon your body the holy texts had been written--except upon your ears! I trusted my acolyte to do that part of the work; and it was very, very wrong of me not to have made sure that he had done it!... Well, the matter cannot now be helped;--we can only try to heal your hurts as soon as possible... Cheer up, friend!--the danger is now well over. You will never again be troubled by those visitors." (“Kwaidan: Stories and Studies of Strange Things” by Lafcadio Hearn[小泉八雲]) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/201-220/egu218.html#link 「かわいそうな芳一よ!」和尚は詠嘆した。「全て私の過ちだ。とても重 大な過ちだ! お前の全身のあらゆる場所にお経を書いて置いたのだが、 両耳だけは書いてなかったのだ! 弟子を信用して、その部分の書き込 みは任せたのだ。弟子がちゃんとやったか確かめなかった。私の重大な 落ち度だ! まあ、起こってしまったことはどうしようもない。できる だけ早くお前の傷を治すように努めるよりない。元気を出せ、友よ! もう危険は完全に去ったのだ。お前はもう、あのような訪問者たちに悩 まされることは決してないから」 ……………………………………………………………………………………………… 参考文献 http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html ……………… http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english01.html http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english02.html ──────────────────────────────────── □このメールマガジンは、以下のメルマガ・スタンドから配信されています。 ・まぐまぐ! :http://www.mag2.com/ ・めろんぱん :http://www.melonpan.net ・メルマ! :http://melma.com/ 当メールマガジンは、無料でお読みいただけます。 □このメールマガジンの登録・解除は、下記のページからお願いします。 ・まぐまぐ! :http://www.mag2.com/m/0000190027.html ・めろんぱん :http://www.melonpan.net/mag.php?009453 ・メルマ! :http://www.melma.com/backnumber_175104/ □バックナンバーは、下記のページのリンクからご覧ください。 http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/index.html ∈≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡∋ <(` ) Chick Tack ( ) E-Mail Address : mit_desde1994@ hotmail.com / | 魔笛を観に行こう: http://tatsuku.web.fc2.com/ ∋ ∈ Chick Tack 英語5文型: http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/ 愛知哲仁 の ギリシア哲学への招待状:http://philos.fc2web.com/ ∈≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡∋ メール・アドレスは、コピーして、あて先欄に貼り付けてから、@ と hotmail の間の半角スペースを削除してください。面倒かけます。 ┛ Chick Tack のおすすめ英語教材・無料サービスなどの紹介ページ ┛ ┛ http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/recommend.html ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ● あとがき 五十肩になってしまった。急性期は過ぎて、随分楽になったが完治はしていな い。義弟によると、突然治るという。 ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ☆ブログ 丹生川郷下村通信 http://sobey.at.webry.info/ ・・・‥‥……──────────────────────……‥‥・・・ (c) Matsumiya Institute of Thinking 2014 ・・・‥‥……──────────────────────……‥‥・・・ |
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・Japan by David Murray
・The Anglo-Saxon Chronicle translated by James Henry Ingram
・A History of the Japanese People by Frank Brinkley and Dairoku Kikuchi
・Kwaidan: Stories and Studies of Strange Things by Lafcadio Hearn[小泉八雲]