http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/words100/index.html 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ┃_┌───┐ 中学英単語 第479回 wind ┃ ┃_│\☆/│ ┃ ┃ └───┘ 20140324 毎週月曜日発行 Chick Tack ┃ ┗━━┳┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┳┳━━┛ ┃┃ ┃┃ ┗┛ ┗┛ ∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩ 479.wind <発音>―――――――――――――――――――――――――――――――― ★[wInd ウィンド] mind[maInd マインド] や kind[kaInd カインド]、find [faInd ファインド] のように、通常の規則に従うと wind も [waInd ワインド]となりそうです。 実際「巻く」「曲がる」という意味の〔動詞〕wind は[waInd ワイン ド]と発音します。 しかし、「風」の wind は、[wInd ウィンド]と発音します。気を付 けましょう。 派生した語の windy[wI'ndi] や windmill[wI'ndmIl]から、 逆移入されたのではないかと推測されています。 詩などでは、「風」の wind を[waInd ワインド]と読ませる場合も あります。 <品詞と意味>――――――――――――――――――――――――――――― ★[名詞] {複数形:winds[wIndz ウィンズ]} {形容詞形:windy[wI'ndi ウィンディ]「風のある」「風の強い」} ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ☆(1)風、強風 The wind came from the west.《中2》 (“Oxford Collocations Dictionary for Students of English”Diana Lea) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#ocdse 「風は西から(吹いて)来た」「風は西風だった」 〔名詞〕としての wind ですが、〔定冠詞〕the が付くときが多いようです。 〔数えられない名詞〕としても使いますが、種類を述べるときは〔数えられ る名詞〕になります。 The wind is blowing hard.《中1》 (Merriam-Webster's English Learner's Online Dictionary) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/onlineeed.html#mwl 「風が激しく吹いている」 It's windy.「風が強く吹いている」と〔形容詞〕を使う表現がよく使われ ます。例文は少しかたい。 ...a cold wind blew through the dark woods,...《中2》 (“Gone With The Wind”by Margaret Mitchell) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer04.html#gww 「冷たい風が暗い森[木々の間]を吹きぬけた」 a cold wind や a strong wind, a light wind など、〔形容詞〕を前に置 き種類を示しているとき、〔数えられる名詞〕になります。 Fires spread by strong winds have caused widespread damage.《中3》 (“Macmillan English Dictionary: For Advanced Learners of American English”Palgrave Macmillan) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#meda 「強風によって広がった火事は、広範囲にわたる被害を引き起こした」 「強風によって広がった火事が、広範囲にわたる被害の原因になった」 〔複数形〕で使っています。 wind は、「風」を表す一般的な語です。何も説明がなければ、あまり気持 ちの良い風とは受け取られません。「心地よい風」は breeze「そよ風」 「微風」で表します。 blast や gust は「突風」で、gale は「強風」「暴風」です。 An unexpected gust of wind blew away her umbrella.《中3》 (“Scholastic Children's Thesaurus”John K. Bollard) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/words100/referw01.html#sct 「予期せぬ突風が彼女の傘を吹き飛ばした」 a gust of wind「一陣の風」「突風」と組み合わせて使うこともあります。 <教科書採用状況>――――――――――――――――――――――――――― ★★★★☆☆ 4/6 Crown と Horizon には、本文掲載がありません。 <語源>―――――――――――――――――――――――――――――――― 名詞 wind は、ゲルマン語起源の言葉です。古英語・中英語期を通じて wind の形で使われました。中英語期は[waInd ワインド]と発音され ていたようです。 古サクソン語・古フリースランド語・中世オランダ語・古高地ドイツ語とも に wind でした。 現代ドイツ語は Wind、オランダ語は wind です。 古北欧語は vindr、現代スウェーデン語・ノルウェー語は vind です。 ゴート語は winds でした。 ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ インド・ヨーロッパ祖語の言葉は「吹く」という意味の語から派生し、形が できたようです。 サンスクリットは vatah、アベスタ語 vata-、ヒッタイト語 huwantis、 ラテン語 ventus、古教会スラブ語 vetru、リトアニア語 vejas が、それ ぞれ「風」の意味で使われたようです。ケルト語系のブルトン語 は gwent でした。 ラテン語の子孫の現代フランス語は vent、イタリア語は vento、スペイン 語は viento、ポルトガル語は vento です。 ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ wind と同じインド・ヨーロッパ祖語から流れてきている現代英語の単語は 次の通りです。 weather「天気」、window「窓」、vent「通風孔」「換気する」、 ventilator「換気装置」、wing「翼」。 納得できますね。 仏教用語に Nirvana[ニルヴァーナ]「涅槃(ねはん)」「涅槃の境地」 という言葉があります。サンスクリット(梵語)です。 この言葉は「吹き消すこと」というのが基の意味です。人間の煩悩(ぼんの う)を全て吹き消して、心の平安を得るのです。「さとり」と訳されること もあります。仏となるのです。仏教徒の目指す最終の目的地だと思います。 少し前に「千の風になって」という歌が、大きくクローズアップされました。 基になったのは“Do not stand at my grave and weep”という英語の詩で す。その詩の中に“I am a thousand winds that blow”という部分があり ます。「私は吹き抜ける千の風です」とでも訳しておきます。 論理的に正しいわけではありませんが、涅槃の境地に至って亡くなった人物 は、「風」となって地球上のものを見守ってくれているのでしょう。 ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ 「風」の象形文字は、「鳥」の頭に冠を左右に二つ着けた形でした。この冠 が「凡」で、これが1つになります。「鳳」という字ができあがります。 中国では「おおとり(鳳)」は、風神の使いと信じられました。「鳳」の 「鳥」はやがて動物全体を指す「虫」に入れ替えられます。「風」の誕生で す。 一説には、「虫」は爬虫(ハチュウ)類を指す字だと言います。風神は「竜」 の姿で現れ、風を起こします。竜も爬虫類です。 「凡」は「帆船」という言葉からも分かるように、何かを「広げる」という 意味を持っています。神の息吹が広く行き渡って、動物に生を吹き込む。そ んな心が「風」に宿っているようです。 ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ 日本語の「かぜ」の語源は、小学館『日本語源大辞典』では15説もあり、 とても紹介しきれません。 http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/words100/referj.html#ngdj 有力なのは、古語の「風」は「せ」または「ぜ」「じ」と発音していて、 「か」は「気」のことだというものです。「気風(かじ)」が「かぜ」とな ったとする説です。 「風邪(ふうじゃ)」という字は、「体に悪影響を及ぼす風」という意味で 使われていました。やがて、その風に当たって、お腹が痛くなったり、風邪 を引いたり、頭がおかしくなったりする場合にも使われるようになりました。 人間の体だけでなく、お茶や食べ物・薬なども空気に触れて酸化したりする ことも「風邪を引く」という表現がありました。 病気の「かぜ」に「風邪」の漢字を当てるのが一般化したのは明治以降です。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 次回は window です。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― このメールマガジンは、“まぐまぐ!”を利用して配信されています。 http://www.mag2.com/ 当メールマガジンは、無料でお読みいただけます。 このメールマガジンの登録・解除は、下記のページからお願いします。 http://www.mag2.com/m/0000139181.html バックナンバーは、下記のページのリンクからご覧ください。 http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/words100/index.html もっと難しいものをお読みになりたい方は、『英語の文法と語法』の配信を申 し込んでください。 http://www.mag2.com/m/0000190027.html ∈≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡∋ <(` ) Chick Tack ( ) E-Mail Address : mit_desde1994@ hotmail.com / | 魔笛を観に行こう: http://tatsuku.web.fc2.com/ ∋ ∈ Chick Tack 英語5文型: http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/ 愛知哲仁 の ギリシア哲学への招待状:http://philos.fc2web.com/ ∈≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡∋ メール・アドレスは、コピーして、あて先欄に貼り付けてから、@ と hotmail の間の半角スペースを削除してください。面倒かけます。 ┛ おすすめ英会話・英語教材や無料サービスなどの紹介ページ ┛ http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/recommend.html ┛ ┛ ◆あとがき◆ 語源欄に出てきた vent「通気孔[口]」は、ラテン語の ven が基になってい ます。 下のブログの次のページで紹介していますが、唐箕(とうみ)という農具があ ります。http://sobey.at.webry.info/201311/article_29.html ファン(うちわ)を回転させて、風の力で作物と殻・ゴミを分別します。 もちろん形は違いますが、物理原理としては同じ考えの農具が古代ローマにも ありました。その農具の名前が vannus です。大きな扇子と考えてもらっても いいでしょう。 この vannus は、英語に入ったときに v が f に代わり、fannus になりまし た。やがて nus が取れて fan「ファン」「扇」になります。 ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ◆ブログ『丹生川郷下村通信』:http://sobey.at.webry.info/ 『万葉集』の鑑賞を始めました。 ・・・‥‥……──────────────────────……‥‥・・・ (c) Matsumiya Institute of Thinking 2014 ・・・‥‥……──────────────────────……‥‥・・・ |
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