http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/words100/index.html
20140922
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中学英単語 第504回 act
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毎週月曜日発行 Chick Tack
504.act
<発音>――――――――――――――――――――――――――――――――
★[aekt アクト]
<品詞と意味>―――――――――――――――――――――――――――――
★[動詞] {三人称単数現在形:acts[aekts アクツ]}
{過去・過去分詞形:acted[-Id アクティドゥ]}
{動名詞・現在分詞形:acting[-Iηアクティン(グ)]}
{名詞:action「行動」「動作」}
{名詞:actor「俳優」「役者」}
{名詞:actress「女優」}
{形容詞:active「活動的な」}
{名詞:activity「活動」}
{形容詞:actual「実際の」}
{副詞:actually「現実に」「実際に」}
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☆(1)行動する、ふるまう、演じる〔自動詞〕
My friend acted quickly and rescued me from the icy water.《中1〜2》
(“Scholastic Children's Thesaurus”John K. Bollard)
http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/words100/referw01.html#sct
「私の友人は機敏に行動し、氷のように冷たい水中から私を救出した」
acted は〔目的語〕がないので〔自動詞〕。rescued は me が〔目的語〕な
ので〔他動詞〕として働いています。quickly は〔副詞〕で〔修飾語〕です。
Think before you act.「行動する前に考えなさい」《中2》
(小西友七・南出康世編集『ジーニアス英和辞典第4版』大修館)
http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#gej
〔動詞〕の〔原形〕で始まっているので〔命令文〕です。before you act
は〔副詞節〕で〔修飾語句〕です。〔節〕中の〔主語〕は you で〔述語動
詞〕は act です。
Stop acting like a baby.《中2〜3》
(“LONGMAN Dictionary of Contemporary English 4th edition”)
http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english01.html#ldoce
「赤ん坊のようにふるまうのはやめなさい」
acting は〔動名詞〕。stop の〔目的語〕は〔不定詞〕ではなく〔動名詞〕
が担当します。stop acting で「ふるまうことをやめる」。〔命令文〕。
like は「好き」ではなく「〜のように」。
I do not wish to act against you,《中2》
(“Jane Eyre” by Charlotte Bronte)
http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer02.html#eyre
「私は、あなたに逆らって行動することは望まない」
wish to do something は、want to do something や would like to do
something よりもさらに丁寧な表現です。
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☆(2)〜の役を演じる、〜のようにふるまう、〜のふりをする〔他動詞〕
He acted the part of Hamlet.《中1〜2》
「彼はハムレットの役を演じた」
acted の〔目的語〕は the part (of Hamlet)。part は「役」という意味で
す。
He acted the fool.(=He acted like a fool.)「彼はばかなまねをした」
(旺文社『オーレックス英和辞典第2版』野村恵造;花本金吾;林龍次郎編)
http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#olex
《?》
the fool が〔目的語〕です。
…………………………………………………………………………………………
★[名詞] {複数形:acts[aekts アクツ]}
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☆(1)行為、行動、行ない〔数えられる名詞〕
It was a brave act to rescue the drowning child.《中3》
(“The AMERICAN HERITAGE Children's Dictionary”Houghton Mifflin)
http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/dicchild.html#heri
「溺れかけている子どもを救助することは、勇敢な行為でした」
「溺れている子どもを助けるなんて、勇気のある行動だったよ」
it は〔形式主語〕で、〔本当の主語〕は to rescue the drowning child。
drowning は「溺れかけている」←「今にも溺れようとしている」という
〔現在分詞〕。child を〔修飾〕しています。
the drowned child とすると「おぼれ死んでしまった子供」「溺死した子供」
になってしまいます。〔過去分詞〕は〔受け身〕だけではなく〔完了〕も表
しますから。
action は「ある目的を達成するために行われる、ある程度の期間にわたる
行為」を指すことが多く、act は「その場その場で行われる1回限りの行為」
に使われることが多いようです。そのため、action は多くの場合、〔数え
られない名詞〕として働きます。ただ、action も act と同じ意味で使われ
る場合もあり、その場合は〔数えられる名詞〕として扱われます。
I'm not asking you to take sides against your mother or even agree
with my actions.(ABC“Revenge Season 1” Episode 11 Duress)
http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english04.html#revenge
「私はお前に、母さんの側に立つのをやめて私の味方になってくれだとか、
ましてや私の行動を認めてくれだとか、お願いしているわけではないのだ」
父親が息子に言っている言葉。
実際の生活では、多数の目的があるため、その目的を達成する行為の連続も
幾筋も存在します。そのため actions と〔複数形〕になっているのだと思
います。
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この他、演劇の「幕」「場面」、「法律」という意味でも使われます。
<教科書採用状況>―――――――――――――――――――――――――――
★★★☆☆☆ 3/6
半数の教科書は本文掲載していません。
<語源>――――――――――――――――――――――――――――――――
act はラテン語由来の言葉で、古フランス語の「行為」という名詞の acte
が中英語期に入ってきました。中英語期には acte または act として使わ
れました。
動詞 act は、中世ラテン語「判決を下す」が入ってきて始まりました。名
詞に遅れること、約80年です。中英語期中は acten または acte として使
われました。「行動する」という意味を持ったのは、17世紀後半でした。
インド・ヨーロッパ祖語は「進める」という意味の語だったようです。ここ
から各言語で「前進する」「率いる」「戦う」「行われたこと」「公文書」
という風に意味が広がっていきます。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
次回は actually です。
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◆あとがき◆
先週、スコットランド(Scotland)で、イギリス(the United Kingdom)からの分
離独立の是非を問う投票が行なわれました。
選挙前の事前調査で、一度だけですが独立賛成派が多数を占める結果が出まし
た。激しい戦いが行なわれ、最終的には10%ほどの差で反対派が上回り、独立
はなりませんでした。
しかし、独立派の勢いに押され、イギリス政府はスコットランドに自治権拡大
を約束するなど、賛成派も得るものがありました。
国家というものを考える、良い機会になったのではないでしょうか。個人の権
利をどこまで認めるか、国家の権力をどこまで制限するか。また、大小自治体
と国家との役割分担など、複雑にからんできて、単純に割り切れるものではあ
りません。
地域により事情が違い、また時代の変化によって制度や体制も常に調整してい
かなければなりません。小競り合い等はあったようですが、今回の選挙はやっ
てよかったのではないでしょうか。少なくとも、兵器を使って自分たちの意見
や考えを通そうとするよりは優れたやり方だと思います。
これは、「国家の枠組みの基本は言語である」と説明する前置きなのですが、
本論はとても長くなりそうなのでやめておきます。
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先ほど、イギリスの英語名をカッコ内で示しましたが、正式名称は下の通りで
す。
The United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland
グレートブリテン及び北(部)アイルランド連合王国
イギリスは、イングランド(England)、スコットランド(Scotland)、ウェール
ズ(Wales)、北アイルランド(Northern Ireland)の公国・地方で構成されてい
ます。
・・・‥‥……──────────────────────……‥‥・・・
(c) Matsumiya Institute of Thinking 2014
・・・‥‥……──────────────────────……‥‥・・・
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