最近よく聞かれる「2学期制」。これまでの学校(小中高)は1学期・2学期・3学期の3学期制だったけど、大学に入りゃ~前期・後期、会社に入れば上期・下期だったしね~。そう考えると「2学期制」は世の中の主流?
というわけで、実際に二学期制を導入している行政区での取り組みとメリット・デメリットなどについて考えてみました。(今回は主に横浜市の取り組みを中心に調べました。)
これまで学校ではず~っと1年を3分割した3学期制で教育を行ってきました。ところが最近2学期制への移行が増えてます。2003年度の実施校は全国で519校(文科省調べ)。仙台市では2002年度から、横浜市では2003年度から一部の学校で試行開始し、2004年度からは全市で実施予定となっています。
従来の3学期制
2学期制(横浜市の場合)
前期:4月1日~10月第2月曜日
後期:10月第2月曜日翌日~3月31日
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横浜市教育委員会では、2学期制の導入にあたり「子どもが長期的な見通しのもとに、学校における学習と家庭・地域での生活とのつながりを図り、主体的にじっくりとゆとりをもって学ぶことができる教育を推進するために有効な方策と考え…」と述べています。(なんだかよくわからない…)
でも実際のホンネは、授業時間の確保!が最大の目的のようです。
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学校週5日制の開始によって授業日数が減っているというけれど、どれくらい減っているのか小学校の場合(横浜市立小学校)で調べてみました。
年度 | 1学期 | 2学期 | 3学期 | 年間授業数 |
平成3年度 | 87 | 92 | 64 | 243 |
平成7年度(週5日制月1回) | 86 | 89 | 60 | 235 |
平成14年度(週5日制毎週) | 71 | 77 | 52 | 200 |
確かに減ってます…ね。3学期は実質で2ヶ月弱しかありません。6年生は少し早めに卒業をするのでもう少し短くなるようです。やっぱり授業時間が確実に減ってるということは、そりゃ~子どもは喜ぶだろうけれど、親としては「ゆとり」もいいけど「学力低下は困るわね~(>_<)」ととっても気になるところです。
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実は3学期制だと学期ごとに始業式と終業式があり、式典だけで計6日も使っていることに。式のあとはたいてい子どもは学級活動や掃除程度で帰宅しています。場合によっては準備のために前日の授業も短くなったりしています。
この始業式をやめると実は4時間、終業式をやめると6時間くらいの授業時間が確保できるんだそう。
2学期制だと「前期」「後期」になるので、始業式1回分と終業式1回分は授業に回せるという計算です。かなりセコイけれど貴重な時間であることは間違いない。
それ以外にも、
など、学校もかなり涙ぐましい努力をしています。
その結果、学習時間が増えると子どもたちに基礎・基本をしっかりと身につけることが可能となるというお話ですが…。
学期の区切りとなるよう、前期と後期の間に「秋休み」が設けられる場合が多いようです。横浜市の場合は、夏休みと冬休みの最後の各1日分を10月の体育の日に続く2日に振り替えて、土日と体育の日の3連休と合わせて5日間を「秋休み」としています。
授業時間の確保が目的の1つなので、秋休みのために休日が増えることはありません。
もちろん授業時間が増えることで“ゆとりのある学習”をすることが可能。でもそれ以外にもこんな「ゆとり」がでてくるみたい。
評定に関わる作業時間が減って、生徒と関わる時間ができる!
3学期制だと夏休み前・冬休み前という長期休暇の前は、先生も成績表をつけるために大忙し。ところが2学期制で評定に関わる事務作業から解放されて、先生も休み前に生徒とじっくり関わる時間を作ることができる。
ある程度長い学習期間で評価できる。
相対評価から絶対評価に変わり、よりきめ細かい指導と1人1人を把握して評価する必要があるけれど、3学期のように2ヶ月足らずしかないと評価がむずかしい。
長期休業で学習が途切れない!
長期休業があっても学期としては続いているので、夏休みもふくめて長いタームで学習に取り組め、「発展的な学習に取り組む」「苦手克服のために取り組む」などの効果が期待できる。
総合的な学習も長い時間が確保できて、いろいろ挑戦もできる!ってこともあるみたい。
オマケに、いつもなら9月は夏休み明けで生徒が「ボケ~」とするため、なかなか本格的な授業にならないのに、2学期制では9月はいきなり前期の期末テスト!がある。だから9月1日からみんなもちゃんと「学校モード」に切替ができて「よかったわ~」って声も。
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メリット
デメリット
その他のギモン
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